学生にとって就職活動は、非常にストレスがたまりやすいものです。
新卒であれば社会人になることへの不安はもちろん、そもそもの選考に対する恐怖もありますし、内定を取れた方であれば、その会社に就職をすべきかで悩むこともあるでしょう。
もちろん就職活動自体を楽しめる方がいるのも事実ですし、就職活動自体が大きな成長のチャンスでもあります。しかし、楽しんで就職活動を行っていても、どこかでストレスの原因となる要素が入り込んでくる可能性は大いにあるのです。
今回は、採用活動で人事の方がストレスを感じているのと同様に学生の就職活動もストレスばかりであるということをお伝えさせていただきたいと思います。
就活でストレスがたまる原因は?
やることがいっぱい過ぎて時間がない!
学生は様々な会社説明会に出席しなくてはなりませんし、就活には土日がありません。
あっちこっちに行かされる上にスケジュールも多忙で、講義と就活をこなすと遊ぶ時間も減ってしまいます。また、エントリーシートを書かなければならないという、就活ならではのストレス、強迫じみたストレスがあります。面接の対策もしなくてはなりませんし、就活のことを考えると不安で夜も眠れないなんてことは往々にしてあります。
企業から求めらる「フレッシュ感」の圧力
企業側にとって、新入社員は「新しい風」。知らず知らずのうちに「フレッシュさ」を求めてしまいがち。 元気のない姿を見せようものならその場で不採用の判断を下してしまう方も多いでしょう。
ゆえに、学生は「就活では、いつでも元気で」ある必要があるのです。
忙しい日々を送りながら、選考の場では「元気な自分」を取り繕う…。そんな状況を続けていてはストレスも溜まってしまいますよね。
親からの期待とプライド
良い会社に就職しなければならないという強迫に似たプレッシャーも、ストレスがたまる原因のひとつ。大卒だから、頑張ったから、良い会社に就職しないと示しがつかない、というプレッシャーです。
ある種のプライドもストレスのたまる原因となっているのです。
高学歴であればあるほど、この傾向は強く、「内定がなかなか決まらず、変な会社に就職してしまったら親戚に笑われる」 なんて悩みを抱えている就活生は多いものです。
特に親は、就活をしている子どもに期待を抱いてしまいます。「○○大学に入学したんだから、就職先もいいところばかりだろう」と、すでに時代は変わっているにも関わらず、超有名企業、大手企業への就職を勝手に期待されます。
親の就活していた時代はバブル時代ですから、今とはまったく事情が異なります。説明会に行けばお小遣い(交通費)をもらえ、学歴だけで内定がもらえ、 内定が決まったら海外旅行に連れて行ってもらえる・・・なんて時代はとっくの昔に終わっています。
しかし親は現在の就活を知りません。就活では、親がストレスのたまる原因にもなりうるのです。
友人と自分を比較してネガティブになりがち
一番の原因ではないかと思われるのは、「自分と周囲の人間の状況を比較」して、悲観的になり劣等感を感じてしまうことではないでしょうか。
仲の良い友達が先に「最終選考まで行った!」「内定をもらった!」と連絡を受けて、素直に喜べる学生はきっと少ないはずです。また、選考の場においても、積極的なライバルを目の前にして委縮してしまう学生もいます。
企業ができる、学生への「ストレスフォロー」
ストレスをため込んでしまうと、体調面にも影響を及ぼす可能性がでてきます。
就活のストレスで体調が悪化すれば、説明会や面接に遅刻する、そもそも参加できない、病気になる等の不具合が生じ、それはもう負の連鎖…。
就活のストレスは解消しておく必要があり、それは将来に希望を持ってキラキラするだけでなく、不満や苦痛を忘れる手段が必要であるということです。
選考時、気分転換の場を設ける
志望度が高ければ高いほど、選考が進めば進むほど、緊張感が高まります。その緊張がストレスに繋がる可能性もありますので、少しでもリラックスして臨んてもらえるように工夫を凝らすことが大切です。
人間、ほんの少し体を動かすだけでも気分転換になります。学生自ら選考の待ち時間に体を動かすことはないと思いますので、選考が始まる前に、そういったアナウンスをしてみるのも一つの手かもしれません。
就活の悩みを聞いてあげる存在をつくる
要はリクルーター制度の活用です。
人事担当者には聞けないような些細なことでも、年齢の近いリクルーターという存在になら相談しやすいものです。アドバイスをするという大それたものでなくとも「悩みを聞いてあげる」だけでも、学生は安心するのではないでしょうか。
本日はリクルーター制度の現状や役割、活用事例についてご紹介させて頂きます。 『リクルーター』は採用活動のキーパーソンとよく言われていますが、そもそもリクルーター制度って何?といったところから抑えるべきポイントやリクルーター制度がもたら[…]
選考段階において学生を放置しない
今からでも間に合う!?21卒学生の新卒採用っていつまでできるの?
↑こちらの記事でも紹介しているのですが、21卒学生は新型コロナの影響により、内定獲得の有無に関わらず約6割が「内定取り消しの不安」を抱えています。
内定承諾を確実にしてほしい学生に対しては、選考段階からしっかりと「内定取り消しにはしないよ!」というアピールとフォローをしていくべきです!
「常に自分のことを気にかけてくれる存在」だということを学生に伝えてあげましょう!
お祈りメールにも、次のステップへのアドバイスを
止む無くお断りせざるを得ない学生に対しても、ちょっとの配慮でそのストレスは軽くなります。
「なぜ、選考を落とす学生に対してそこまでする必要があるのか?」と、疑問の声が聞こえてきそうですが、よくよく考えてみれば学生は今後のお客様になりかねない存在です。
そんな重要な存在を無下にはできませんよね。また、今はSNSの時代。たった一人の書き込みがバズってしまう可能性も大いにあります。悪いように書かれてしまえば企業の印象は大幅にダウンしてしまいます。
そうならない為にも、印象を良くして終わりにすることが大切。
選考時、面接官が感じたことなどをフィードバックしてあげるなど、次のステップへ進めるようなアドバイスを添えてあげるだけでも「いい会社だったんだな」と思ってもらえるのではないでしょうか。
まとめ
企業側がこの就活でのストレスを解消してあげることができれば、もしかしたら、いままで見逃していた潜在的に素晴らしい才能を持っている学生を見つけることができるかもしれません!
しかしながら、3年以内の退職率は3割と言われているほど、3年以内に3人に一人が辞めていく時代。選考段階においてストレス解消法を身に付けておいてもらわないと、 入社後すぐに辞めたくなってしまいます。
欲しい学生にはしっかりとフォローをしつつ、そのストレス耐性も見極めていきたいですね。
仕事をするうえで切っても切り離せないストレス。業務で負荷がかかった時、精神的にどのくらいまで耐えられる人なのか知っておくことは、早期離職の予防に繋がることもあり、円滑に仕事を進めるためには必要不可欠です。 本記事では面接時にストレス耐[…]