オフラインと同じ“充実度”を。これからの『オンライン内定式』を考える

オフラインと同じ充実感を!これからのオンライン内定式を考える

2021年度の就職活動も終盤という時期ですが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの企業は、面接や内定者イベントなどをオンラインで開催せざるをえない状況です。新入社員を迎え入れる重要なイベントである内定式も大きな影響を受けており、新しい内定式の様式をどうするか、悩んでいる企業も少なくありません。

今回は、そういった「オンライン内定式」の、ポイントや注意点などについてご紹介します。

内定式をオンラインで開催するにあたって

コロナ禍で考えたい、『内定式』の意義と目的

今年の春以降、来年21年度の新卒採用も、説明会・選考のオンライン化が進んでいます。多くの就活生は、オンラインでの選考会から内定後の意思決定まで、それぞれのシーンに難しさや迷いを感じています。

たとえば、従来は、複数内定を受けた学生も、10月の内定式までには入社先を一社に絞る形式が一般的でしたが、オンラインでの就職活動に不安を感じているなどの理由によって、現在は、4人に1人が複数企業の内定を承諾する傾向にある、と言われています。実際に、新卒採用をサポートする事業を展開するMyRefer社の『21卒就活生の内定承諾に関する調査』によると、2020年7月時点で1社以上内定を持つ就活生の4人に1人が複数社への内定承諾をする意向を持っている、という結果に。理由としては、「どの内定先が自分にあっているか決め手に欠ける」(48.4%)、「不景気による内定の取消しが不安」(45.1%)などが挙げられています。

21卒複数内定承諾

参照:MyRefer:複数社の内定承諾や意思決定時期に関する21卒就活生の実態調査レポート

このように、内定後も自分の進路に迷う学生たちに対しては、現状を踏まえた継続的なフォローアップが必要です。そのためにも、内定後の密なフォローアップ、特に、充実した内定式の実施などの取り組みは、必要不可欠となっているのです。

オンラインだからこそ 誠実な『内定式』の開催がキモ

コミュニケーションがオンライン化する今のような状況においては、学生、企業側とも就職・採用活動全般における意識を大きく変化させる必要があります。こういった時に、特に企業が留意しておくべきことは、『学生の考え方・価値観を理解する』ことです。

対面での交流が難しい中においては、内定者にとって内定式は、今まで以上に大きな意味を持つイベントです。組織との交流はもちろん、内定者同士がコミュニケーションできる機会になるよう、今まで以上に企業側が意識しておくことが重要です。

オンライン内定式の3つのポイント

内定式を開催する目的の再確認

対面でもオンラインでも、内定式は新入社員、企業双方にとって節目のイベントであることは変わりません。内定式の目的は、新入社員がその組織の一員になる、という覚悟と安心感を醸成し、働くイメージを具体化させ、組織の中での人間関係を構築する足掛かりを作ることです。これまで何となくで実施するイベントになっていた企業は、この機会に、自社の内定式の目的や目指すところなどを棚下ししてみることも有効でしょう。

 参加者を飽きさせない、オンラインならではの企画

オンラインの場合、対面などとは異なり、その場での一体感を作りにくいというデメリットがあると言われています。イベントの効果を最大限発揮するためにも、「内定者を飽きさせない」ことが重要になります。オープニング映像や新入社員が参加できる、双方向型コンテンツの導入などを検討しつつ、自社の風土や規模感などを鑑みた、最適な内容を企画することが重要です。

目的に合わせた最適なツール選択

企画や運営方法の決定後は、実現するためのツールを選定します。イベント会場や、コンテンツの作り込み、映像配信機材の準備など、準備は多岐にわたります。自社で用意するものと専門業者に依頼するものを検討し、予算を考慮しながら最終形を作り上げましょう。

なお、余力がないという企業は、企画から運営までを一貫してサポートできる専門業者を活用するのも一つの手でしょう。

学生・内定者の「オンライン内定式」のイメージ

コロナ禍においては、内定者や新入社員はさまざまな不安を感じています。

人材サービスを提供しているディスコが実施した入社式に関する調査では、『新型コロナ感染症による新生活への不安』という設問に対して、「とても不安に感じる」は19%、「やや不安を感じる」が50%で、およそ70パーセントの内定者が少なくない不安を抱えていることが見て取れました。具体的な不安要素は、特に入社式に関するものが多いですが、内定式の段階で細かい悩みを払しょくしておくことも大切なフォローアップです。内定者が求める情報のタイムリーな提供や不安の払しょくなどを、丁寧に行う姿勢が問われているのです。

新型コロナ新生活への不安

出典:ディスコ「新型コロナウイルスの入社式等への影響」

参考にしたい、他社の事例

三菱ケミカル株式会社

大手総合化学メーカー・三菱ケミカルでは、今までは東京の本社で実施していた内定式を、学生の負担軽減のためにライブ中継で実施。全内定者が視聴し、つながりを感じられる仕掛けや安定した視聴環境により高い評価を得たと評判になりました。

一方通行のライブにならない仕掛けとして、ライブチャットや、画面越しに「いいね!」などのリアクションを送れる機能を設置。内定者全員の写真を使った映像を放映して一体感も演出しました。参加内定者の約9割から満足という評価があった同時に、5割近くのコスト削減にも成功したといいます。

某大手人材サービス系企業

当企業は、内定式をLIVE中継で実施。社員へのインタビューと、営業社員の1日密着動画を上映。インタビュー内容は、「入社した理由」や「やりがい」「内定者へのメッセージ」など。さまざまな年代の先輩社員の生の声を聴くことができ、業務内容や社内風土への理解向上につながったといいます。また、営業社員の密着動画があることで、「1日の仕事の流れを把握する機会にもなり、自分の働く姿をイメージできた」というプラスの声が多かったそうです。

 まとめ

オフラインからオンラインに変化しても、内定式で重要なことは、内定者とのコミュニケーションを丁寧に行う、という企業側の姿勢です。そもそもの内定式の目的や企業として目指すところを、この機会に今一度確認し、自社ならではのカタチを模索していくことが求めれているのです。

OSCTA

オフラインと同じ充実感を!これからのオンライン内定式を考える
フォローして毎日記事をチェック!