採用を行う中で、雇用のミスマッチに悩んだことはありませんか?採用には成功したが、仕事や社内環境が合わず、1.2か月程度で辞めてしまったという新入社員を一度は見かけたことがあると思います。
本記事では、「なぜ、雇用のミスマッチが起きるのか?また、できるだけ雇用ミスを防ぐ対応策」をお伝えします。
雇用のミスマッチとは
雇用のミスマッチを防ぐには、まず「雇用のミスマッチ」が何を意味するのか、しっかり理解しておく必要があります。
普段生活で使われる「ミスマッチ」とは「釣り合わないことまたは、釣り合わないものどうしを意図的に組み合わせること」という意味になりますが、「雇用のミスマッチ」における「ミスマッチ」は、「ギャップがあること」を意味します。
マクロ視点から見た雇用ミスマッチ
- BtoB企業などの、一般消費者を相手に商取引を行わない会社への理解度の低さ
- 地域格差
- 大手企業や公務員にある安定的なイメージ
上記以外にも様々な原因がありますが、マクロ視点から見たミスマッチは、社会全体で認識や理解を深めていく必要がある要因の方が多いです。
ミクロ視点から見た雇用ミスマッチ
- 求職者に提供する情報の少なさ
- 人間関係や社風が原因
- 入社後の教育体制の整い方
ミクロ視点から見た雇用のミスマッチは企業の求職者に対する情報提供量が大きく影響します。求職者には良いことも悪いことも伝えて、入社後のギャップを少なくすることで、早期退職を防ぐことができます。
それぞれの視点から見た雇用のミスマッチが起きる原因
では、上記で紹介したミスマッチの原因を少し詳しくお話しします。
マクロ視点から見た原因
マクロ視点で見たとき、ミスマッチが起きる原因は以下となります。
BtoB企業などの、一般消費者を相手に商取引を行わない会社への理解度の低さ
BtoC企業のように、普段の私たちの生活に見えているサービスを行う会社は、働き方やどんな仕事内容かの想像が大体つくと思います。
しかし、BtoBの仕事内容や働き方は、普段生活していてもなかなか目にすることが無く、想像がつきにくいため、実際に入社してみたら想像と違ったという理由でミスマッチが起きてしまいます。
地域格差
地域によって、同じ時間数で同じような仕事をしても地方の企業では都心部より賃金が低いことが原因で、ミスマッチが起きてしまうこともあります。
また、こういったことが原因で、地方の企業には人が集まりにくく、人材不足になってしまう状況もあります。
安定的なイメージのある企業への人材の集中
求職者は、安定した職に就きたいという理由も転職の理由の一つとして持っていることが多いと思います。
中小企業やベンチャー企業などに転職するのではなく、大手企業など安定した企業に希望者が多く集まり、中小企業やベンチャー企業は求人を出していても人材が不足してしまう事態が起こるのです。
ミクロ視点から見た原因
次にミクロ視点(各企業単位)で見たとき、ミスマッチが起きる原因は以下となります。
求職者に提供する情報の少なさ
こちらはイメージが付きやすい原因の一つかと思います。
求人に仕事内容を詳細に書いていなかったり、説明や面接の際に、求職者にしっかりとした情報を伝えられていない場合、「思っていた仕事内容と違った」というすれ違いが起きてしまいます。
人間関係や社風が原因
こちらは事前に知ることは難しいのですが、入社してみて社風や周りとの人間関係が自分には合わなかったことが原因で、入社してすぐ辞めてしまう方もいます。
どうしても面接時に少し社内を見るだけでは雰囲気が分かりにくく、入社してみたら自分とは合わない雰囲気だったということは案外よくあることだと思われます。
入社後の教育体制の整い方
入社後、仕事に慣れるまでのフォローが万全でない場合、会社への信用や、仕事への志が低くなり、早期退職につながることがあります。
入社後のフォローがあるかどうかは新入社員にとってとても重要なポイントです。特に、経験の無い仕事に就いた場合、最初のフォローで仕事が続けられるか大きく左右します。
雇用のミスマッチの現状
少子高齢社会の日本では、労働人口が減少し、企業は人材を確保しにくい時代となっています。
また、求職者は多様性を求めるようになり、昔ながらの、年功序列が残っている会社や、働き方に決まりが多いような会社はさらに人材が確保しにくくなってしまう現状があります。
こうした雇用のミスマッチは、求職者の多様化が進むにつれて企業も対応していかなければ、今後もさらに加速すると予想されます。
雇用のミスマッチが続くとどうなるのか?
雇用のミスマッチが続くと、今後どうなっていくのか予測してみましょう。
失業者の増加
雇用のミスマッチが続くと、求職者は転職・就職をしたのにすぐに仕事を辞めてしまうことがあります。
また、実際に求められている職業に対し、相応の能力を持っていない求職者は職に就けず失業者になってしまいます。ミスマッチが続くとこうした失業者が多くなり、企業の人材不足は深刻になっていくでしょう。
人気企業との格差
求職者は、雇用のミスマッチが起きないように配慮している企業や、仕事内容の想像がつきやすい企業を選択するようになります。
そうなった場合、人気のある企業と不人気になってしまう企業の格差が生まれ、不人気となってしまった企業は人材の獲得が難しくなってしまいます。
雇用ミスにおける企業の損失
次に、雇用のミスマッチにより起こりうる企業の損失について考えていきましょう。
社員の定着率の低下
雇用のミスマッチにより、どんな状況に陥るか考えたとき、これが一番頭に思い浮かぶのではないでしょうか。
業務内容のミスマッチは労働者に大きなストレスを与え、早期退職に繋げてしまいます。それだけでなく、伝え方や情報量が変化しなければ、何人採用しても社員が定着しない可能性があります。
社員の定着は、業務の質もアップさせることができます。面接などの機会で求職者に自社はどんな企業なのか、伝え方や情報の質を見直してみましょう。
業務上での連携時のすれ違い
雇用のミスマッチを起こしたまま、社員が仕事を行った際、業務連携にも支障が出ると考えられます。求めていた仕事と求められている仕事が異なると、指示の意図を理解できなかったり、仕事に対するやる気もそがれてしまいます。
こういった部分は、入社後のフォロー体制によって改善できます。自社のフォロー体制を見直してみましょう。
ミスマッチを防ぐために有効な対応策 5選
では、実際にどのように雇用のミスマッチを防止すればよいでのでしょうか?対応策を5つご紹介します。
提示する情報の見直し
求職者に提示する情報が不足していないか、誰が聞いても分かりやすい説明になっているかを見直しましょう。
また、仕事内容だけではなく、働き方に関する、勤務時間や昇給昇格についても明確に提示することで、求職者は自分に合った働き方の企業に一度は興味を持つはずです。
働き方の見直し
上で少し触れたとおり、求職者は多様性を求めています。時短制度やフレックス制度があること、仕事が誰かに寄っていること無く、休みやすい環境かなど、一度自社の働く環境を見直しましょう。
昔ながらの年功序列を取り入れているなどは、求職者が入りにくい環境になっている可能性があります。
求める人材の見直し
求めている人材は本当に自社に合っているかを見直しましょう。また、転職市場の動向とあっているかも確認するべきです。
転職市場に居ない人材を求め続けていても、なかなか応募者は現れません。現実的で、自社に合ったターゲットを考えましょう。
面接の見直し
応募があっても求職者と企業が求めている人材が一致しているかは、面接で見極めます。もしかすると、面接で求職者がどんなことをしたくて自社を希望しているのかなどしっかり聞き出せていない可能性もあります。
また、質疑応答の時間がしっかり確保できているかなど、応募者の不安をできるだけ取り除けるような面接を行いましょう。
入社後のフォロー体制を見直す
入社後のフォロー体制に問題が無いか、確認してみましょう。不安の多いまま仕事をするというのは、大きなストレスとなります。不安や疑問を取り除くことで、ミスマッチが起きにくく、モチベーションを保つことができます。
早期退職を防ぐには、入社直後の手厚いフォローを行いましょう。
まとめ
雇用のミスマッチは求職者側も企業側も幸せになれません。双方の求めているものがうまく合致した時、企業は人材不足が解消され、求職者は自分に合った職に就くことができます。
求職者も企業も幸せになれるように、自分の会社に合った人材を確保するために、一度自社の採用方法等に問題が無いか、確認してみてください。1つでも改善点が見つかれば、雇用のミスマッチを防ぐ第一歩になるはずです。