新卒の学生をターゲットとした採用活動の場では、採用イベントの活用を検討する企業も多いのではないでしょうか。
採用イベントにはさまざまな種類が存在するため、自社の目的や求める人物像に合わせたサービスを導入することが採用成功の鍵です。
この記事では、採用イベントの種類をメリットやデメリット、向いている企業などとともに解説します。おすすめのサービスもお伝えしますので、自社のニーズと照らし合わせながら見てみてくださいね。
採用イベントとは
採用イベントは、学生と企業側が接点を持つための場を指します。
企業側にとっては、就職に積極的な学生に対して事業内容や求める人物像、自社の魅力などを直接伝えられるのがメリットです。学生は、参加することで関心の高い業種や企業の情報を仕入れて疑問点を解消したり、就職後のイメージを膨らませたりすることができます。
また、一口に採用イベントといってもさまざまな種類があり、メリットや特徴はそれぞれ異なります。より効果的に採用活動を進めるには、企業の特色や対象となる学生に合わせた最適な採用イベントを選択することが重要です。
採用イベントの種類
採用イベントには、大きく分けて4つのジャンルがあります。まずは、種類ごとに採用イベントの特徴をご紹介しましょう。
総合型
複数社と一緒に行なう合同企業説明会の中でも、業界を絞らずに多彩なジャンルの企業が集まって開催するのが総合型と呼ばれる企業説明会です。
100社以上の企業が出店するような大規模のイベントとなるケースも多く、より多くの学生と出会うことができます。まだ自社を知らなかったり、業界に興味を持っていなかったりといった潜在的な求職者である学生にも幅広くアピールできるのが魅力です。
知名度の低い中小企業にとっては、多くの学生に一度にアプローチできる場である反面、たくさんの企業に埋もれてしまわないような工夫も求められるイベントといえます。
業界特化型
さまざまなジャンルの企業が参加する総合型とは異なり、特定の職種や業界に限定して行なわれるのが業界特化型企業説明会です。
ITやコンサルティング、マスコミ、飲食、介護などといったように参加企業を絞ったイベントを開催することで、業界に対する関心が高い学生と出会えるのが特徴です。
また、興味を持っている業界であるがゆえに、学生がすでに知っている企業のブースにだけ集まりやすいといったデメリットもあります。
同業他社のブースが立ち並ぶ説明会の中から自社を選んでもらうためには、ブースの見せ方やアピール方法などを熟考して他社との差別化をはかることが大切です。
属性分類型
所属する学部や学科、志望する職種や業種など、学生の属性を限定して開催するのが属性分類型イベントです。
一般的に、新卒採用では理系学生を対象とするケースが多く、ITエンジニアや技術職などの募集が中心となっています。自社の求めるスキルや知識を持った学生と出会いやすく、お互いのマッチ度の高さから採用効率を上げられるのが魅力です。
学生から専門的な質問を受けやすいため、事業や担当業務に関する技術的な質疑にもスムーズに返答できるよう、しっかりと準備することが求められます。可能であれば、採用担当者だけでなく現場の社員も同行すると良いでしょう。
個別企業
個別企業説明会は、自社単独で行う説明会です。新卒採用においては、一般的に採用選考の前に実施する傾向にあります。
自社に関心の高い学生や自社への志望度が高い学生だけが集まるため、事業内容や業務の詳細、自社の魅力についてより詳しく説明できるのがメリットです。
時間的な自由度も高いため、質疑応答の時間を長く確保するなど学生との距離を縮めやすい形式を臨機応変に選択できるのも個別企業説明会の良さです。
知名度の低い中小企業にとっては、自社の説明会に学生を呼び込むための集客力が採用成功のポイントになるでしょう。
採用イベントの開催方法
2020年以降のコロナ禍において、新卒採用イベントは対面接触を避けるオンライン化が急速に進んでいます。
新卒採用でより効果的なイベントを開催するには、目的に応じてオンラインとオフラインを使い分けることが求められるでしょう。ここでは、それぞれの採用イベントのメリットとデメリットを解説します。
オンラインの採用イベント
オンラインで開催する採用イベントは、パソコンやスマホなどを使用してWeb上で実施します。
企業側としては、会場費や会場設営、ブースへの出店準備などといった手間やコストがかからないのがオンラインのメリットです。また、学生にとっても交通費や移動時間などの負担がなくなるため、参加しやすいという魅力があります。
地方の学生なども場所に関係なく気軽に参加でき、より多くの学生と出会いやすいのがオンライン採用イベントの特徴です。
しかし、オンラインの採用イベントでは、学生と直接顔を合わせて接点を持つことができないため、企業の温度感をリアルに伝えるのが難しい点が課題といえます。気軽に参加できる反面、急なキャンセルやLIVE配信中の途中退室などが多いこともデメリットの1つです。
オフラインの採用イベント
オフラインの採用イベントは、従来型の対面式で行います。
一般的に、イベントホールや貸し会議室、企業自体の会議室で行うケースが多いです。採用担当者と学生が直接質疑応答を行い、企業の雰囲気を肌で感じてもらえることが主なメリットです。
デメリットとしては、オンラインの採用イベントと比べて会場費や人件費などのコストが多くかかることが挙げられます。また、合同企業説明会などでは多くの企業の中に埋もれてしまいがちなところもオフラインの採用イベントの注意点です。
採用イベントには出た方がいいのか?出展のメリット
多くの企業が採用手法の1つとして取り入れている採用イベントですが、実際に自社も参加すべきかどうか、迷っている採用担当者は多いのではないでしょうか。
ここでは、採用イベントを2つの規模に分けて、それぞれの出展メリットとデメリットを詳しく解説しましょう。
大規模採用イベントに出展するメリット・デメリット
1,000~1万人程度の学生が集まる大規模の採用イベントは、合同企業説明会やセミナーなどと呼ばれます。
一般的に100~500社くらいの企業が出展しているケースが多く、一度にたくさんの学生と出会えるのが特徴です。自社に興味を持っている学生にピンポイントでアプローチするというよりは、多くの学生に幅広く自社を知ってもらうことが目的で参加する傾向にあります。
PR力が弱い企業の場合は認知度の高い企業に埋もれてしまい、効果的な採用活動に繋がりにくいのがデメリットです。
こんな企業は大規模な採用イベントがおすすめ
多数の企業が一堂に会する大規模採用イベントでは、自社のブランド力の高さが鍵になります。
人気業界である場合や認知度の高い企業にとっては多くの学生に効果的にアピールできる場となり、費用対効果の高い採用手法といえるでしょう。
大規模採用イベントがおすすめな企業の特徴
採用ブランドが強くない企業であっても、目を引くブース設営や学生への積極的な声かけなどで他社との差別化を図れます。
「知名度は低いものの、学生と対面で顔を合わせたときの営業力には自信がある」という企業は、大規模な採用イベントへ出展するのもおすすめです。
中小規模採用イベントに出展するメリット・デメリット
中小規模の採用イベントとは、数十人~100人程度の学生が参加する規模感を指します。
業界や職種、学生の専攻などを限定して開催するケースが多く、参加企業は10社程度であることがほとんどです。専門の業界への就職に意欲的な学生と出会いやすい反面、参加者の数が少ない分認知度アップには繋がりにくいといった特徴も併せ持っています。
中小規模な採用イベントがおすすめな企業の特徴
参加できる学生が限られているため、自社のニーズにマッチした人材と接点を持ちやすいのが中小規模の採用イベントの魅力です。主体性や就業意欲が高い学生と出会うことで自社の集客力の低さを補い、効率よく採用活動を進めたいと考える企業に向いている採用手法といえます。
採用イベントでの企画例
採用イベントの成功は、企業アピールや候補者の育成に繋がる企画が鍵です。ここでは、採用イベントの成功事例をご紹介しましょう。
学生と社長による食事会イベント
Web制作やWebマーケティングを行なう後藤ブランド株式会社では、業界に興味を持つ学生を対象に、「社長メシ」と呼ばれるイベントを開催しています。
起業の経緯や社員の成長実績などをテーマに食事会を行なうことで、企業理解や候補者の育成に繋がっています。
ゲーム開発企業ならではのユニークな採用イベント
株式会社カヤックは「ゲームの上手さで、内定出します」のキャッチコピーで行なった採用手法が話題の企業です。
ゲームのプレイ時間や情熱を評価するとともに、ゲームで得た経験を書いた履歴書なども導入し、面白い採用イベントとして多くのメディアで取り上げられ、企業の認知度を高めることにも成功しています。
新卒採用イベントサービス比較20選
新卒採用におすすめのイベントサービスについてご紹介しましょう。
マイナビ就職EXPO
主催元:株式会社マイナビ
開催規模(来場者数):オンライン…300~72,000名/オフライン…20~15,000名
イベントの種類:総合型
オンラインorオフライン:両方
出展料金:オンライン…500,000円~/オフライン…300,000円~
参加対象:幅広い業種・職種の企業
マイナビ就職セミナー
主催元:株式会社マイナビ
開催規模(来場者数):オンライン…300~72,000名/オフライン…20~15,000名
イベントの種類:総合型
オンラインorオフライン:両方
出展料金:オンライン…500,000円~/オフライン…300,000円~
参加対象:幅広い業種・職種の企業
マイナビ国際派就職EXPO
主催元:株式会社マイナビ
開催規模(来場者数):不明
イベントの種類:属性分類型
オンラインorオフライン:オフライン
出展料金:500,000円~
参加対象:国際的な事業を展開する企業・海外事業所のある企業・グローバル人材を探している企業
理系学生のためのマイナビ就職EXPO
主催元:株式会社マイナビ
開催規模(来場者数):オンライン…5,402名(2022年10~11月実績)/オフライン…33~1,281名(2022年10~2023年1月実績)
イベントの種類:属性分類型
オンラインorオフライン:両方
出展料金: 500,000円~
参加対象:理系学生を求める企業
キャリタス就活フォーラム
主催元:株式会社ディスコ
開催規模(来場者数):オンライン…40~3,500名/オフライン…30~3,000名
イベントの種類:総合型
オンラインorオフライン:両方
出展料金:オンライン…300,000円~/オフライン…250,000円~
参加対象:幅広い業種・職種の企業
キャリアパーク
主催元:ポート株式会社
開催規模(来場者数):不明
イベントの種類:総合型、業界特化型
オンラインorオフライン:両方
出展料金:300,000円~
参加対象:幅広い業種・職種の企業
ジョブトラ
主催元:株式会社リアライブ
開催規模(来場者数):50名
イベントの種類:総合型・業界特化型
オンラインorオフライン:オフライン
出展料金:550,000円
参加対象:幅広い業種・職種の企業
ジョーカツ
主催元:株式会社ナイモノ
開催規模(来場者数):オンライン…30名/オフライン…35名
イベントの種類:業界特化型
オンラインorオフライン:両方
出展料金:オンライン…200,000円~/オフライン…500,000円~
参加対象:首都圏にある企業
逆求人フェスティバル
主催元:株式会社ジースタイラス
開催規模(来場者数):20~50名
イベントの種類:業界特化型
オンラインorオフライン:オフライン
参加料金:400,000円
参加対象:ITエンジニア、もしくはビジネス職を求める企業
ジョブチャレ
主催元:株式会社リアステージ
開催規模(来場者数):不明
イベントの種類:総合型、属性分類型
オンラインorオフライン:両方
出展料金:0円~(完全成果報酬型)
参加対象:幅広い業種・職種の企業
あさがく就職博
主催元:株式会社学情
開催規模(来場者数):不明
イベントの種類:総合型
オンラインorオフライン:オフライン
出展料金:400,000円~
参加対象:幅広い業種・職種の企業
インターンシップ博
主催元:株式会社学情
開催規模(来場者数):100~2,500名
イベントの種類:総合型
オンラインorオフライン:両方
出展料金:550,000円~
参加対象:幅広い業種・職種の企業
アクセス就活フェア
主催元:株式会社アクセスネクステージ
開催規模(来場者数):30~50名
イベントの種類:総合型
オンラインorオフライン:オフライン
出展料金:350,000円~
参加対象:幅広い業種・職種の企業
アクセス就活LIVE
主催元:株式会社アクセスネクステージ
開催規模(来場者数):不明(アクセス就活フェアより大規模)
イベントの種類:総合型
オンラインorオフライン:両方
出展料金:不明
参加対象:幅広い業種・職種の企業
リクナビ仕事万博
主催元:株式会社リクルート
開催規模(来場者数):不明
イベントの種類:総合型
オンラインorオフライン:オフライン
出展料金:300,000円~
参加対象:幅広い業種・職種の企業
リクナビ合同企業説明会
主催元:株式会社リクルート
開催規模(来場者数):不明
イベントの種類:総合型
オンラインorオフライン:両方
出展料金:不明
参加対象:幅広い業種・職種の企業
キャンリクフォーラム
主催元:ProFuture株式会社
開催規模(来場者数):50大学
イベントの種類:総合型
オンラインorオフライン:両方
参加料金:110,000円~
参加対象:幅広い業種・職種の企業
Beyond Cafe
主催元:株式会社Beyond Cafe
開催規模(来場者数):25~250名
イベントの種類:総合型
オンラインorオフライン:両方
出展料金:不明
参加対象:幅広い業種・職種の企業
ゼロイチLIVE
主催元:株式会社Unit
開催規模(来場者数):20名前後
イベントの種類:総合型、属性分類型
オンラインorオフライン:オンライン
出展料金:月額100,000円~
参加対象:幅広い業種・職種の企業
クリ博就職フェスタ
主催元:株式会社イマジカデジタルスケープ
開催規模(来場者数):500名~
イベントの種類:業界特化型
オンラインorオフライン:両方
出展料金:不明
参加対象:ゲーム、アニメ、広告、映像、Web/IT、デザインなどの業界に該当する企業
まとめ
有効的な採用手法の1つとして多くの企業が取り入れている採用イベントですが、開催を検討する際は、まず自社の企業規模や業界、求める職種などに応じて種類や開催形式を選択することが重要です。
自社の採用ニーズとサービスがうまくマッチすれば新卒採用の成功に繋がるので、この機会にぜひ取り入れてみてください!