インターンシップ報酬・給料の平均は?無給のインターンシップは違法?

無給のインターンシップは違法?インターンシップ報酬・給料の平均は?

多くの企業で毎年行われているインターンシップですが、場合によっては給料が発生し賃金を支払わないと法律で罰せられることがあるのを知っていますか?

今回は、もはや実施して当たり前となりつつある「インターンシップ×給料事情」をテーマにお届け致します!

インターンとは?

では早速、みなさんが普段よく口にするインターンとはどのようなものか詳細を解説していきます。

インターンとインターンシップの違い

一般的にはインターンシップを略してインターンと表現しますが、厳密にいうとこれは間違いです。

英語でのinternshipの意味は「実習・職業体験・仕事・研修」となり、internは「教育実習生・医学研修生・見習い生」のことを指します。

日本においてはもともと、専門学校などに通っていた人が、国家試験を受けるための資格を取得するために設けられている実習期間のことを表していました。しかし、1995年に美容法が改正され、そのような制度は廃止となり、現在は、インターンシップのことを略してインターンと呼ばれることが一般的となっています。

法律からみたインターンシップ給料発生の条件

インターンシップには、給料が発生する場合と発生しない場合の2つに分けられるのをご存じでしょうか?

インターンシップに給料が発生するポイントとしては、参加者が労働者に該当するかどうか、が重要となります。
労働基準法による定義をみてみると、以下のようになります。

<労働者に該当>
・企業とインターン参加の学生に使用従属関係が認められる
・業務が利益を生んでいる

<労働者に該当しない>
・見学および体験的なもの

無給の場合はあくまでも職場体験・研修であるため、ノルマを課し、無償で労働させてしまうことは、違法なインターンシップになってしまう恐れがあります。

学生がインターンシップ先の企業で指揮下の元業務に取り組むことで、その学生は労働者とみなされます。そのため長期・短期問わず学生に対して指示を与え、実際の業務を行わせた時点で給料の支払いが法律的に義務付けられることになってきます。

無給でもよいインターンシップ内容

一方で、無給のインターンシップが違法にならないためには、以下の条件を満たす必要があります。

条件1:実際の業務にあたるのではなく、あくまで業務体験扱いである

具体的には通常業務を行っている社員とは別の部屋で違う内容の業務を行っているのであれば、労働ではなく業務体験としてみなされます。ただしその業務によって、企業に利益が発生する場合は労働者としてみなされるケースがあるので注意してください。

条件2:インターンシップ先の企業が、業務的指揮命令を学生に出していないこと

先にも軽くお伝えしましたが、ここで指揮命令を遂行する関係になると、労働者としてみなされます。

また、無給でおこなわれているインターンの多くが短期インターンシップとなっていて、労働としてみなされない内容としては、以下のような開催例が挙げられます。

<労働としてみなされない内容>
・社員が業務を行う姿を見学したり、会社説明会をメインとしたインターン
・その企業の業務とは異なる「課題」を参加者に与えるインターン
・模擬ケースを用いた業務体験を行うインターン、など

必ず給料を出さなければいけないというわけではなく、インターンを開催する目的とその内容に応じて、適切な報酬を加えることが大切ですね。

賃金が発生してくるインターンシップ内容

上記でも触れましたが、学生が労働者として扱われる際には、インターンシップにおいても賃金が発生します。

そのため受け入れた学生に対して、社員と同じ業務や利益を生むような業務をさせる、もしくは指揮命令を下して業務にあたらせた場合は給料を支払う必要があるので注意してください。

インターンシップ実施の際、指示を与え実際の業務に携わらせている企業は、法律的に学生に対し給料を支払う義務があるということを覚えておきましょう!

インターンシップとアルバイトの違い

賃金が発生してくると、アルバイトとは違うのか?という疑問を持たれるかと思います。

アルバイトの定義としては、本業である学業の傍らに仕事をすることで給料を得る雇用体系です。そのため、多くの高校生や大学生が将来就職を希望していない企業でも一定期間務めることが主流です。

一方のインターンシップは、企業が学生を採用するための前準備として、学生に実際の業務や職場見学をさせることを指します。大きく分けて短期インターンシップと長期インターシップが存在し、主に長期のインターンシップにおいて賃金が発生してくることが多いです。

他社はどうしている?有償と無償の開催比率

実際に他社が有償・無償どちらでインターンシップを開催しているのか、人事の方であれば気になるのではないでしょうか?

リクナビのアンケート調査によると、インターンシップに参加した学生のうち約16.4%が報酬を得たと回答しています。

インターンシップ報酬

情報参照:リクナビ就職準備ガイド

そのため多くの企業がインターンシップを開催しても、学生に給料を支払っていないのが事実です。

ちなみに、リクナビ2023に掲載されているインターンのうち「報酬ありインターンシップ」の割合は、3.7%となっています。

学生はインターンシップに報酬を求めているのか?

そこで次に気になるのが、実際に学生はインターンシップに対して何を求めているのかです。

マイナビが学生向けに行った調査によると、以下の項目をインターンシップに求めています。

  1. 仕事体験:33.5%
  2. 仕事のシミュレーション:18.6%
  3. 職場見学:14.5%
  4. 若手社員との座談会:11.2%

ご覧の通り、ほとんどの学生が仕事や企業への理解を深めるためにインターンシップに参加している結果となりました。

一方で、インターンシップの参加に対し、報酬の目的を含めその他と回答している学生はわずか0.4%に留まっています。

有償インターンの賃金設定

ここまで解説したように、インターンシップでも、場合によっては賃金を支払う必要があります。では実際、インターンシップへ参加した学生へ支払う給料平均、最低金額はいくらぐらいなのでしょうか。

インターンの給料平均

インターンシップの給料相場は、だいたい時給1,000円前後となっています。給与体系に関しては、日給制や月給制の企業もありますが、多くの場合は時給制で賃金を支払っています。

給与以外にも昼食の補助や交通費、長期インターンシップであれば宿泊費の補助なども行っている企業がほとんどです。特に交通費に関しては約半数近くの企業が支払っているため、最低でも交通費は支払っておくのが良いでしょう。

最初に給料・報酬の支払い形態を聞いたところ、「時間単位」が最も多く41.7%、次いで「日単位」(35.4%)、「成果報酬」(11.8%)、「月単位」(5.5%)という結果になりました。
併せて金額を聞いたところ、時間単位では「1000円」が全体の43.3%と最多、日単位は5000円が全体の17.7%で最多という回答になりました。中には日単位で1万円以上と答えた人もいました。(引用元:リクナビ就職準備ガイド

インターンシップの最低賃金

インターンシップへ参加した学生を、労働者として扱う場合、労働基準法が適用されます。最低賃金に関しても同様で労働基準法に従う必要があり、それを下回ると法律的に罰せられます

そのため、有償のインターンシップを行う場合、厚生労働省が定めている都道府県別の最低賃金を事前に確認するようにしてください。

インターンシップ開催時に契約書は作成するべきか?

実際に労働者を雇用する場合、法律的に契約書を作成する必要があります。そこで気になるのが、有償でインターシップを行う際、学生と書面上で契約を交わす必要性の有無でしょう。

結論から言うと、有償でインターンシップを行う場合、企業と学生は書面上で契約を交わす必要があります。

例えインターンシップだとしても、指揮命令を出し通常業務に携わらせるのであれば、学生も労働者とみなされます。さらに労働基準法では、労働者を雇用する際に契約書を交わす必要があります。

また法律的な観点以外にも、インターンシップを通してトラブルが起こってしまった際の対応や、学生に不安を与えないためなど様々な観点から契約書を交わしておく方が良いでしょう。

一部企業では契約書を交わさずにインターンシップを開催している現状もありますが、管理能力やリスクヘッジができる優秀な学生ほど書類関係には敏感です。そのため、学生と良好な関係を結ぶ上でも、契約書を作成し、インターンシップに入る前に書面上での契約を済ませておく方がベターです。

違法インターンを開催してしまった場合の罰則は?

ここまでの解説通り、インターンシップには賃金を支払わなければならないケースがありますが、実際に賃金を支払っていない企業が多く存在するのも事実です。そこで、実際に違法インターンシップを開催してしまうと以下のような罰則や影響があるので注意してください。

本来給料を支払わなければならないところを、無賃で学生を働かせてしまった場合、労働基準法の違反となります。そのため、学生へ本来支払うべき報酬の支払いはもちろん、罰金なども発生するので注意してください。

また罰則以外にも、会社の信用が失われることも懸念点の一つです。

現在ではSNSによる就活生の交流が盛んです。そのため、企業の噂は良いものから悪いものまで一瞬にして広がってしまいます。例え知らなかったとしても、違法インターンシップを開催してしまうことで、法律的に罰せられたり、社会や学生からの信用を失うことに直結します。

今後の採用活動を円滑に進めるためにも、インターンシップを行う場合は、開催目的をよく確認して給料を支払う必要があるか、違法にならないかなどチェックしてから取り組むようにしてください!

まとめ

開催目的や内容によっては、学生に給料を支払う必要があり、見落として無賃で働かせてしまうと法律で罰せられることもあります。

採用活動を行う上で、社会的問題を一度起こしてしまうと、ネット上に残ったり就活生や大学側に広まるなど大きな問題になりかねません。そうならないためにも、事前にインターンシップ目的を確認し、給料が必要かどうか、法律的に問題ないのかをくまなくチェックするようにしましょう!

学生にとっても企業にとっても、時間や人員を割いておこなうインターンシップは開催意義のある、素敵なインターンシップにしたいですよね。そんなときは、成功事例を参考にするのが一番の近道です!

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