リクナビは、新卒採用を支援するツールとして、多くの企業に利用されています。2027卒以降のリクナビでは、「クリック課金型料金プラン」や「レジュメ」「レコメンドフィード」など新しい機能が導入され、従来とは異なる運用が求められるようになります。これまでとは大きく運用方法が変わる点にも注意が必要です。
・新機能が企業の採用活動にどのように役立つのか、その具体的な活用法
・リクナビ以外の選択肢やサポートの利用についても検討する方法
リクナビとは?基本的な仕組みと役割
リクナビは、日本を代表する新卒採用支援サービスで、企業と学生をつなぐプラットフォームです。これまで、マイナビと肩を並べて新卒採用活動を支える「二大巨頭」として知られており、新卒採用活動に必要な情報発信や管理機能を一括して提供してきました。
2026卒学生の登録者数は399,876名、掲載社数は10,264社(2024年12月時点、キャリアマート調べ)となっており、こうした規模感もリクナビの信頼性と影響力を物語っています。その結果、多くの企業が効率的かつ効果的に採用活動を進められるようサポートしています。
リクナビが提供する主なサービス
リクナビには、企業と学生双方のニーズに応えるさまざまな機能があります。その代表的なサービスを以下にご紹介します。
- 求人情報の掲載
- 企業の採用情報を学生にわかりやすく伝える求人広告の掲載機能があります。
- 会社の魅力や仕事内容、求める人物像などを学生にアピールできます。
- スカウトメール機能
- 登録学生の中から興味を持ちそうな候補者を選び、直接アプローチが可能です。
- 採用の可能性が高まるターゲット型の採用戦略が実現します。
- 応募者管理ツール
- 応募から面接、内定に至るまでの採用フローを一括管理できるツールが用意されています。
- 管理作業の効率化により、企業の採用担当者の負担を軽減します。
- インターンシップ募集機能
- 学生に企業を体験してもらうインターンシップの参加者募集が可能です。
- 学生が企業に興味を持つきっかけをつくり、将来的な採用に繋がることを目指します。
- データ活用による効率的なアプローチ
- 学生の閲覧履歴や行動データを分析し、興味の高い学生にピンポイントで情報を届けることが可能です。
学生と企業をつなぐリクナビの役割
リクナビは、学生と企業の双方にとって大きな価値を提供する存在です。その役割を以下にまとめます。
- 学生にとっての価値
- 自分の希望条件や興味に合う企業を簡単に検索・比較し、応募までの手続きがスムーズに行えます。
- レジュメ機能やスカウトメールを通じて、企業との接点を増やすことができるため、就職活動の可能性が広がります。
- 企業にとっての価値
- 多くの学生に企業の情報を届けるだけでなく、効率的な採用活動を実現します。
- データ活用により、より効果的な採用戦略を立てることが可能となります。
- マッチングの場の提供
- リクナビは単なる求人媒体ではなく、学生と企業が「相互理解」を深めるための場を提供します。
- 学生が企業文化や理念を理解し、企業が求める人材像に合う学生と出会える環境を整備しています。
これまでのリクナビ特徴
リクナビは、長年にわたり新卒採用市場をリードし、多くの企業にとって欠かせないサービスとしての地位を築いてきました。その特徴を3つの視点から解説します。
多くの中小企業が利用している
リクナビに掲載している企業は、過半数が従業員数300名未満の中小企業です。採用活動で使用する書類フォーマットや資料をダウンロードできるなど、初めての新卒採用や採用活動の見直し時に参考にできるサポートが充実しています。
また、日本最大級の合同企業説明会を全国各地で開催しているのも特徴の一つです。WEBだけでは集まらない学生にもアプローチできるなど、対面でしか叶わない採用活動にも対応しています。企業の採用対象学生に合わせてさまざまな合同企業説明会が用意されているのもポイントです。
たとえば、理系学生が対象のイベントでは自社製品の展示を可能にするなど、より企業への理解を深める工夫を実践しています。
求める人材を効果的に集められる
学生登録数の圧倒的な多さにより、求める人材に出会いやすい点もリクナビのメリットです。サービスの一つに、企業の大小に関わらず学生の興味関心に合わせた企業をピックアップして表示する機能があります。
各学生がリクナビで閲覧した求人情報の履歴や応募情報などといった行動履歴を解析し、よりニーズに合った企業が目に留まりやすくなる仕組みになっているのが特徴です。
また、企業の人材要項にマッチする学生に対して自動で企業をピックアップ表示させる機能も備わっているため、リクナビは求める人材を効率よく集められるサービスと言えるでしょう。
【27卒~】新リクナビの特徴と進化ポイント
2027年卒採用以降、新リクナビは、これまでのリクナビからさらに進化し、企業の採用活動と学生の就職活動をより効率的かつ効果的にするための新機能や改善が加わりました。以下に、その特徴と進化ポイントを詳しく解説します。
新機能「レジュメ」
新リクナビの注目すべき特徴の一つが、「レジュメ」機能の導入です。
学生が学校情報やスキル・資格、希望条件に関する質問に答え、該当するキーワードを選択するだけで、企業に提出可能なプロフィールを簡単に作成できる便利な仕組みです。この機能を活用することで、学生は効率的に履歴書やプロフィールを作成し、スムーズに企業への応募を進めることができます。
また、登録した情報はWeb上で保存・管理・更新が可能で、リクナビNEXTやタウンワークなど、リクルートが提供する他の求職支援サービスと連携して利用できるようになるそうです。
『レジュメ』にご登録いただいた情報は、Webページ上で保存・管理・更新することができ、『リクナビNEXT』や『タウンワーク』をはじめとした、リクルートの求職活動支援サービス共通で利用することができます。引用:リクルート
このように、「レジュメ」機能は、学生と企業のマッチング精度を高める画期的な要素として期待されており、今後もさらなる進化が予定されています。
「レコメンドフィード」で学生に直接リーチ
画像引用:リクルート
「レコメンドフィード」は、新リクナビの進化したマッチング機能の一つで、AIを活用して学生と企業の接点を増やします。この機能は、従来の「大量掲載」から「適切な情報提供」への転換を象徴するものと言えます。
学生は、企業名やキーワードによる検索に加え、レコメンドフィード機能を活用することで、自分の志向に合ったインターンシップやオープン・カンパニー、キャリア教育などの情報を、さまざまな視点から効率よく見つけることができます。この機能は選考時期には求人情報の検索にも対応しており、学生にとって非常に便利な仕組みです。なお、本機能は現在特許出願中で、独自のアルゴリズムによる精度の高い情報提供が特徴です。
クリック課金型料金プランで採用コストを最適化
新リクナビでは、「クリック課金型料金プラン」が採用され、これにより企業は採用コストを柔軟にコントロールできるようになりました。これにより、新リクナビは幅広い規模の企業が利用しやすいサービスへと進化しています。
クリック課金型の特徴
学生が求人情報をクリックした際に課金される仕組みで、興味を持った学生へのアプローチにのみ費用が発生します。このため、無駄なコストを抑えつつ、採用活動の成果を最大化できる効率的なコスト管理が可能です。
企業のメリット
従来の掲載料一括支払い型に比べ、成果に応じた支払いが可能なため、無駄なコストを削減できます。この仕組みは、採用予算が限られている中小企業やスタートアップにとって特に利用しやすいのが特徴です。
リクナビ2026との違いを比較
新しいリクナビは従来型のサービスと比べ、採用活動の精度やコスト管理、学生の利便性において大きく進化しています。以下の表で、新旧リクナビの違いと新リクナビが持つ強みを分かりやすく比較します。
ポイント | リクナビ2026卒まで | 2027卒~リクナビ | 強み・メリット |
---|---|---|---|
データを活用したマッチングの強化 | 大量掲載型で、幅広い学生にアプローチ可能 | 「レコメンドフィード」「レジュメ」で精度の高いマッチング | 求める人材との接点を効率的に増やせる |
採用コストの柔軟性 | 掲載料一括支払い型 | クリック課金型で、興味を持った学生にだけ費用が発生 | 無駄なコストを削減し、予算管理が容易に |
学生の利便性 | 自己分析やプロフィール作成は自己対応 | AIや簡単なプロフィール作成機能で手間が大幅に軽減 | 学生の利用ハードルが下がり、利用者数の増加が期待 |
掲載企業から見たリクナビの魅力
新リクナビは、企業の採用活動をより効果的に進めるため、「柔軟な情報発信」「精度の高いマッチング」「コスト管理の効率化」といった魅力的な機能を提供しています。ここでは、掲載企業の視点からこれらの特徴を詳しく解説します。
「コース単位」の情報掲載でターゲット設定が柔軟に
新リクナビでは、従来の「企業単位」の掲載形式から「コース単位」の情報掲載に変更され、より細かいターゲット設定が可能になりました。この仕組みにより、企業全体の魅力を伝えるだけでなく、特定の職種や部門、キャリアパスに焦点を当てた情報発信が可能となり、学生の興味を引きやすくなります。
また、学生が興味を持ちやすい内容を「コース」として分けることで、関心度の高い応募者を集めやすくなり、ターゲット層とのミスマッチを減らしながら採用活動の質を向上させることが期待されています。
多彩なデータ活用で学生とのマッチング精度が向上
新リクナビでは、学生の行動データや希望条件を活用したマッチング機能が強化されています。これにより、応募者の質が向上し、採用活動の効率も高まります。特に、限定的なリソースで運営する企業にとっては大きなメリットです。
具体的な活用例
- 学生の閲覧履歴やエントリー傾向を基にした「レコメンドフィード」機能で、興味を持つ可能性が高い学生に自社の情報を届けることが可能
- 登録者が作成した「レジュメ」を通じて、学生のスキルや価値観、希望条件を把握し、適切なアプローチを実現
採用コスト管理が簡単な料金体系
新リクナビでは「クリック課金型料金プラン」を採用し、企業が採用コストをより効率的に管理できる仕組みを提供しています。学生が求人情報をクリックした場合にのみ費用が発生するため、興味を持った学生に限定して投資が可能です。
この仕組みにより、無駄なコストを削減しつつ、限られた予算でもターゲット層に効率的にリーチできる、コストパフォーマンスの高い採用活動を実現します。
リクナビの掲載料金
26卒採用までは従来通りの掲載方法のため、各プランに応じた掲載料金とオプション費用という形で、基本企画120万円~です。
しかし、2027年以降のリクナビでは、掲載料は不要で、学生が求人情報をクリックした場合にのみ料金が発生する「クリック課金型」になるため、運用開始時に設定した予算の範囲内で運営できるため、予算を超えることなく、実際にクリックされた分だけ費用が発生する仕組みに切り替わります。
今後のリクナビで採用成功させる3つのポイント
新リクナビを活用して採用活動を成功させるためには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。これらを実践することで、効率的かつ効果的な採用活動を実現できます。
- 採用マーケティング戦略を立てる
- キャリア教育・インターンシップを取り入れる
- リクナビのデータ分析機能をフル活用する
1、採用マーケティング戦略を立てる
採用活動を成功させるためには、人材募集を単なる採用業務ではなく、マーケティングの一環として計画することが重要です。まず、自社が求める人材像やターゲット層を明確にし、それに基づいて効率的なアプローチ方法を検討しましょう。そして、学生の目を引く魅力的な募集コースを作成するため、企業の独自性や価値を際立たせた求人内容を工夫することが大切です。
さらに、採用計画を早期に立案し、予算を計画的に配分することで、集客したい時期に的確に学生を集められるよう準備を進めましょう。
2、キャリア教育・インターンシップを取り入れる
学生が企業に興味を持つきっかけを作るには、キャリア教育やインターンシップの活用が効果的です。インターンシップを通じて学生に実際の業務を体験させることで、企業の雰囲気や仕事のやりがいを直接伝えることができます。
また、就職活動を支援するセミナーやワークショップを開催し、キャリア教育と連携することで、学生の理解を深める場を提供しましょう。さらに、インターンシップ参加者へのフォローアップを行うことで、将来的な採用活動に繋がる長期的な関係を構築することが可能です。
3、リクナビの新機能で採用活動を効率化
リクナビの新機能を活用すれば、採用活動の効率化や精度向上を図ることができます。たとえば、レコメンドフィードを活用することで、学生の興味に合わせた情報をピンポイントで届けることが可能です。
また、どのような属性の学生が自社に関心を持っているのかを把握することで、ターゲット層に合った採用戦略を立てる際の重要なヒントとなります。これにより、学生とのマッチングをさらに強化し、効果的な採用活動を実現できるでしょう。
リクナビ運用に困ったときの対応手段
採用活動を進める中で、リソース不足やノウハウの不足に直面することは少なくありません。特に、新リクナビのクリック課金制はコストを削減できる一方で、従来の求人媒体の運用方法とは全く異なる仕組みのため、正しい知識や運用スキルがないと失敗に終わる可能性が高い点には注意が必要です。
ここでは、サポートが必要な場合に検討すべき3つの選択肢を紹介します。
リクナビでのサポート活用
リクナビでは、企業の採用活動を支援するためにさまざまな無料機能やサポート体制を整えています。無料機能や問い合わせ窓口を活用するのも一つの手です。操作方法や機能の活用方法が分からない場合には、リクナビのサポート窓口に問い合わせることで、具体的なアドバイスを受けることができます。
「これまで通りのやり方」を希望するならマイナビも選択肢に
「これまで通りのやり方」で採用活動を進めたい場合には、マイナビなど他の採用サービスを検討するのも一つの方法です。マイナビは、従来型の掲載プランを採用しており、中長期的な採用計画を立てやすい点が特徴です。
また、リクナビの新しい料金体系や機能が自社の採用方針に合わない場合にも、マイナビのようなサービスが適していることがあります。自社の採用戦略に合ったサービスを選ぶことが、成功への鍵となります。
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新サービスの運用負担を減らしたいなら採用代行も検討視野に
自社内でのリソース不足や、採用活動をプロに任せたい場合には、採用代行サービスを活用するのがおすすめです。
キャリアマートの採用代行は、採用計画の立案から実行までを専門スタッフが全面的にサポートしてくれるサービスです。書類選考や面接調整といった手間のかかる業務も代行してくれるため、企業は学生への魅力付けに集中することができます。
導入することで、専門知識とノウハウを活かしたプロフェッショナルな支援を受けられるため、採用活動の効率が大幅に向上します。マンパワー不足や採用ノウハウの不足に悩む企業にとって、キャリアマートは頼れるパートナーとなるでしょう。
まとめ
リクナビは、新卒採用を支援する日本最大級のプラットフォームとして、多くの企業に利用されています。従来からの幅広い学生登録数、多機能な採用支援ツール、全国規模の合同企業説明会などを通じて、企業と学生をつなぐ場を提供してきました。
2027卒以降は「クリック課金型料金プラン」や「レジュメ」「レコメンドフィード」などの新機能が導入され、さらに効率的で柔軟な採用活動が可能になります。これまでの特徴と新たな進化を理解し、自社の採用戦略に合った活用法を見つけていきましょう。