近年、少子高齢社会の影響により労働人口が著しく減少しております。そんな中、採用市場は買い手市場から売り手市場へと変動し、企業はより能動的に採用活動をしていく必要性が高まっています。
今回は、現代の採用市場において注目されつつある「タレントアクイジョン」という採用方法についてご説明しようと思います。
タレントアクイジョンとは?
優秀な人材の獲得をする活動・組織
まず、タレントアクイジョンという言葉を聞いたことはありますでしょうか。
言葉を分けて考えてみると、「タレント」は優秀な人材を意味し、「アクイジョン」というのは獲得・取得を意味する言葉です。
このふたつを合わせて近年使われ始めたのが「タレントアクイジョン」という言葉です。意味はそのまま、優秀な人材の獲得をする活動や組織を意味します。
タレントアクイジションの役割
タレントアクイジョンの役割は、自社の採用したい人材の定義を決める所から人材獲得後のサポートまで幅広いものです。従来のリクルーティングは、タレントアクイジョンの活動の一部と言えます。
採用における「タレントアクイジョン」の目的
タレントアクイジョンの目的
タレントアクイジョンの最終的な目的は、他企業との優秀な人材獲得競争に勝ち、獲得した人材の力で事業の発展や新規事業の拡大をさせていくことです。タレントアクイジョンは、自社の発展のための過程の一段階でしかありません。
しかし、ここを大事にすることで、以降割くコストも変わってくるのではないでしょうか。
優秀な人材は待っているだけではやってきません。採用活動は攻めの姿勢で行うことで、より良い人材を獲得することにつながるのです。
タレントアクイジョンを行うメリットとデメリット
【メリット】
採用の焦点が優秀な人材に絞られるため、入社する人材の質が高くなることです。優秀な人材の獲得には少々時間を割くことになりますが、見返りとして入社後の活躍が望める人材が獲得できる可能性高まります。
【デメリット】
正解が確立されていない点です。歴史の浅い採用方法のため、確実性も保証されていません。人事が幅広い業務に関わることになるため、難易度の高い点もデメリットです。
タレントアクイジョンは量より質を重視する採用として登場した採用方法です。少子化が続いている現代の日本では、今後も優秀な人材の獲得が重要になっていくと考えられます。自社の発展のために優秀な人材を獲得することで、他社との差別化も図れると思われます。
参照:タレントアクイジションとは?採用での意味とメリット・デメリット
これまでのリクルーティングとの違い
従来のリクルーティング
従来のリクルーティングは、既に決められたポジションごとに期間を決め、応募者を募って、応募してきた人材を選別してきました。いわゆる受け身の採用です。
近年少しずつではありますが、逆求人サービスなどが登場しはじめ、攻めの採用が行われるようになっては来ました。しかし、基本的には従来の受け身の採用が多いのが現実です。
タレントアクイジョンと従来のリクルーティングの比較
従来のリクルーティングとタレントアクイジョンの違う点は、【得られる人材の質】と【採用に割くコスト】です。
【得られる人材の質】
記述してきた通り、優秀な人材が獲得できる可能性が高まるというところが従来のリクルーティングとは違います。
【採用に割くコスト】
タレントアクイジョンでは、従来のリクルーティングに加え、タレント人材獲得のための戦略立案や採用計画を立てること、組織の体制把握など様々な業務に人事が携わる必要が出てくるため、従来よりも時間コストがかかります。
タレントアクイジョンで必要となるプロセスについては下記の「実際に構築するためのプロセス」に記述していきます。
参照:タレントアクイジションとは何か? | 採用人事から戦略人事への転換期へ
どう導入する?タレントアクイジョン設定のプロセス
タレントアクイジョン構築において重要なこと
将来目指すべき自社を実現するために、人事が経営戦略に関わり、様々な手段を使って、優秀な人材と接点を構築することが求められます。
そのため、人事は、採用のための採用人事から、経営のための戦略人事に転換することが重要です。
実際に構築するためのプロセス
では、実際にタレントアクイジョンを構築するにはどのようなプロセスが必要となるのか、見ていきましょう。まず、段階としては下記の通りです。
自社に必要なタレント人材の分析・定義
自社の将来的な方向性を決め、組織力を高めていくという目的の達成のため、どのようなタレント人材が必要なのかを分析し、定義を作っていきます。ここで重要なのは、経営戦略や事業戦略から一貫して人事戦略を構築することです。
採用ブランドの構築
タレントにとっては、企業の将来的な方向性が入社を決断する重要な点となります。どういった方向性でどのように進んでいくのか、をはっきりと定義し、SNSなどで発信することで、候補者たちと関係性を構築していきます。
自社を知らない求人者へのアプローチ・惹きつけ
SNSや逆求人サイトを利用して、優秀な人材へのアプローチも忘れてはいけません。母集団を増やすことは従来のリクルーティングでも重要でしたが、逆求人サイトでは、自己PRを読み込んだ上で企業側からアプローチをすることができます。こういった攻めの活動で優秀な人材に自社を知ってもらうことも重要です。
採用後の研修や面談による定着、及び入社後の活躍のサポート
内定を出した後、タレントの能力を活かせるように、自社の方向性や目標、文化を紹介する研修や、入社前の不安を取り除く面談など、定着業務もタレントアクイジョンでは重要となります。
また、入社後も存分にその能力を発揮してもらうための環境整備が必要になることでしょう。
まとめ
現代社会の中で自社を発展させていくには、採用から考え直し、より良い人材を獲得することが重要となってくるでしょう。タレントアクイジョンは近年出てきた新しい採用方法です。時代の流れと共に採用の方法論もどんどん進化していくと考えられます。
タレントアクイジョンを導入して他の企業との差別化を図ってみてください!
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