noteで採用広報を始めるには?実践ステップとコンテンツ例

note採用

これまでは、採用広報というと企業の公式HPが一般的でした。しかし最近では、SNSやブログなど、より身近でリアルな情報を発信できるツールが注目を集めています。

その中でも、特に多くの企業が活用を検討し取り入れた結果、成果を上げているツールが「note(ノート)」です。

今回は、noteを使った採用広報のメリットやデメリットのほか、始めるための具体的なステップ、効果的なコンテンツの例などをまとめてご紹介します。

– noteを使って採用広報を成功させるためのステップがわかる
– note採用のメリット・デメリットや他ツールとの違いが具体的に理解できる
– 採用担当者が社内でnoteを活用するために必要な体制やネタ出しの方法がわかる
– 自社の採用広報に課題を感じていて、noteの活用を検討している人事担当者
– noteを採用に使いたいが、何から始めればよいか分からない中小企業の広報・人事
– 兼任で採用を担当していて、少ないリソースでも成果を出したいと考えている担当者

noteを使った採用広報とは?

Noteとは、写真・動画・文章など、さまざまな形式のコンテンツを自由に投稿でき、自分の作品や考えを発信できるメディアプラットフォームです。

企業風土や働き方、社員へのインタビューなど、企業のことを伝える方法として、noteを近年採用広報に活用する企業が増えています。

HPなどに比べて情報をカジュアルに発信できるため、リアルな企業の雰囲気を求職者へ伝えることが可能です。

企業の専門的な部分だけでなく、社員の想いや企業で起こる日々の出来事、イベントの様子などを発信することで、共感を得られ、応募へつながる可能性も高まるでしょう。

また、低コストで自社の良さを発信できるのもnoteを使った採用広報の特徴です。月額の法人向けサービスを利用すれば、企業自らメディアを立ち上げるよりも手軽に、数百万~数千万規模のユーザーに情報を届けられます。

note採用のメリットとデメリット

これまでの採用広報と違い、よりカジュアルに企業情報を発信できるnote採用は、企業の魅力を多角的な視点から伝えられ、潜在的な求職者へのアピールやミスマッチ防止にも効果的です。

ただし、コンテンツの作成は自社で行う必要があるため、人的な運用コストがかかります。さらに、ブランディングには長期的な運用を視野に入れる必要があり、短期的な結果を求めるのであれば向いていないかもしれません。

noteを採用広報に活用する際は、メリット・デメリットを理解したうえで、自社の採用戦略に合うかを検討しましょう。

note採用を始めるステップ|はじめてでも安心な進め方

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ここからは、note採用を取り入れる際の進め方について解説します。

Step1:note採用の目的とターゲットを決めよう

採用広報にnoteを活用する場合、まずは「誰に、何を、伝えたいのか」という部分を明確にすることが大切です。

例えば、自社の企業文化や価値観について広く発信したいのか、特定の職種の応募者に対してアピールしたいのかなど、目的をはっきりさせることで発信する方向性が定まります。

また、新卒、即戦力となる経験者など、具体的なターゲット(ペルソナ)を具体的に設定できると、発信するコンテンツがブレることなく作りやすくなります。

Step2:書く内容(テーマ)を決めて発信計画を立てよう

誰に何を伝えたいのか、目的とターゲットが明確になったあとは、書く内容を決めて発信計画を立てていきます。

例えば、「社員の声」や「仕事へのやりがい」など、求職者の興味をひく内容のテーマを決め、それをもとに投稿頻度や担当者を割り当てていきましょう。

Step3:社内体制と運用ルールを整えよう

定期的にコンテンツを配信し、ユーザーとの接点を継続できるnoteを効率的に運用するためには、社内体制と運用ルールを整える必要があります。

執筆は、広報担当者のほか、人事担当者やマーケティング担当者などが担当するケースが多いでしょう。しかし、専門的な知識やスキルを活かして働いている社員や社長などに、あえて執筆を依頼するのもいいでしょう。

そして、記事のクオリティを一定化するため、最終的なチェックは責任者が行うといったルールを整えることも大切です。

Step4:まず1本書いてみる、そして改善する

目的やターゲット、テーマ、スケジュールなどを明確にできたあとは、いよいよ運用の段階です。まずは「1本書いてみる」ところから始めましょう。採用広報は時間がかかるため、すぐに成果が見えにくい点がデメリットといえます。

しかし、投稿するという一歩が大切であり、無理のない範囲で継続していくことがポイントです。そして、投稿した記事の閲覧データなどを解析し、次の記事に活かすために改善していくことも重要です。

noteで発信すべき採用コンテンツ例

求職者に対して自社のリアルな姿を伝えて、興味を持ってもらうための効果的な手段となるのが、noteを活用した採用活動です。さまざまなコンテンツがある中、多くの求職者に読まれやすい傾向にあるのが「会社紹介」です。

会社紹介を入れることで企業が目指すビジョンや求める人材など、求職者は前提条件を理解したうえで、他の記事を読んでいくことができるでしょう。

会社のファンを増やすのに役立つコンテンツが「社員インタビュー」です。インタビューでは、対象の社員がどのようなキャリアを歩み、なぜこの会社への入社を決めたのかなど、求職者への参考になる情報を多く盛り込むことがおすすめです。

また、社員のリアルな交流の場を見せられる「社内イベントの様子」の発信も効果的で、仕事中の表情とはまた違った社員同士の距離感などを知ってもらえます。写真を一緒に掲載することでより一層、雰囲気が伝わりやすくなるでしょう。

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社員インタビュー

note採用コンテンツの書き方テンプレート

どのようなターゲット層に届けたいのかで内容は変わりますが、例えば社員インタビューなどの場合、いくつかのパターンに分けてテンプレートを作成しておくと便利です。

タイトル、プロフィール、担当する具体的な業務内容、今後の目標など、社員や業務の魅力が伝わるような内容を準備しておくといいでしょう。

noteと他の採用ツールの違いを比較|何が強み?

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企業が情報発信に活用できるツールには、noteのほか採用サイトやWantedly、SNSなどもありますが、それぞれ特徴や強みが異なります。

採用サイト・Wantedly・SNSとの違いをわかりやすく比較

採用サイトは自社独自のツールのため、自由な構成で信頼性の高い公式の情報を発信し、より効果的な自社アピールにつなげられます。

Wantedlyは、企業文化や価値観への共感で企業と求職者をマッチングするツールです。給与条件の掲載をNGにしていることが大きな特徴であり、代わりに企業理念などの考え方で他社との差別化を図り、求職者にアプローチします。

FacebookやインスタグラムといったSNSは、最新情報をスピーディーかつカジュアルに届けられる点が大きな魅力です。アカウントを無料で開設できることから、費用を抑えた採用広報を行いたい場合にも適しています。

これら、採用広報に使える他のツールと比べると、noteは企業のこれまでの歴史や魅力を多角的に発信できる点が大きな強みの一つです。従来の採用広報では、伝えきれなかった企業の魅力を求職者に深く届けることを可能にします。

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noteが向いている企業・向いていない企業の特徴

0円からスタートできるnoteは、なるべくコストを抑えて採用広報したい企業に向いています。順調に運用できるようになってきたタイミングで有料プランへの切り替えも可能です。

一方、長期的な運用が不可欠なnoteは、即効性を求めている企業には向いていないツールといえます。最終的に採用につなげるための広報ツールとして、求職者へ自社の魅力を伝え続けることが大切です。

note運用体制と社内巻き込みのコツ

noteを採用広報に活用するにあたり、企業の運用体制を整えることは大変重要であり、成功のカギともいえるでしょう。

人事・広報担当者以外の社員が執筆する場合、簡単なレクチャーや校正など、サポート体制を構築することで、より質の高い記事を発信し続けることにつながります。

文章の作成は得意不得意があるため、社員に執筆を依頼するなら執筆の活動期間を決めておくなど、書き手のモチベーションになるようなことを用意して募集するのもおすすめです。

noteは無料で始められる?note proとの違いも解説

無料で活用できることがnoteの特徴といえますが、採用活動の効率化を図りたい企業にとっては、法人向けプランの「note pro」も選択肢の一つでしょう。

note proでは、予約投稿・デザインカスタマイズ・PV分析機能に加えて、専用のサポートやレポート機能も利用できます。これらを活用することで、採用活動をより効果的に進めていくことができるでしょう。

note採用で失敗しやすい落とし穴と回避方法

最後に、note採用で失敗しやすい落とし穴と回避方法について解説します。

更新が止まる原因と対策とは?

noteによる採用広報で成功させるポイントは「長期戦」です。採用広報は記事を1本書いて終了というわけにはいきません。

しかし、「書くことがない」などテーマ切れや、業務が忙しくて書けないといったケースが発生する場合があり、更新が滞ることもあるでしょう。

たとえ、そのような事態に陥ったとしても焦らず、企業の小さな報告や短い記事でもいいので投稿することが大切です。月に1~2本など、無理のない程度で記事は投稿し続けましょう。

自己満足な発信にならないために意識すべきこと

noteによる採用広報で、企業が伝えたいことばかりを発信してしまうと、企業側の一方的な発信に偏る恐れがあります。そうならないためには、企業が発信したいことと求職者が知りたいことを区別するという視点が大切です。

職場の雰囲気や仕事へのやりがい、社員の声など、求職者が知りたいと思う情報をテーマに取り上げることで、より効果的な採用広報につながるでしょう。

「効果が出ない」と感じるときの見直しポイント

「効果が出ない」と感じる場合、誰に届けたいのかターゲットを見直してみましょう。設定が曖昧なままだと、伝えたいメッセージもぼやけてしまいます。

求める人物像を具体的に掘り下げることで、より具体的なメッセージ作成につながります。

まとめ

noteを使った採用広報は、企業のリアルな姿や働く人の想いを伝え、共感を得るのに最適な方法です。

ターゲットや目的を明確にし、求職者の知りたい情報に寄り添ったコンテンツを継続的に発信していくことが成功のカギとなります。

まずは無理のない範囲で、魅力的な記事を一本書いてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

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