BPOとは?アウトソーシングとの違いや導入のメリットを徹底解説!

BPOとは

「人手が足りない…」「もっと業務の効率化ができないだろうか…」そんな企業必見!外部に委託することで自社の業務を効率化できるBPOを取り入れてみませんか?

本記事では、 多くの企業が課題と感じている「人材不足」から脱却するためのサービスとして近年注目を浴びているBPOについて徹底解説していきます!

BPOとアウトソーシングの違いだけでなく、導入する際の注意点や導入の成功事例もご紹介しますので、業務改善策の一つとしてご参考になれば幸いです!

BPOとは?

BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)とはアウトソーシングの一種で、自社の業務プロセスを一括して外部企業に委託することです。主に外部委託できる業務として、人事や経理、情報システムなどが挙げられます。

分かりやすくいえば「外部業者に自社部門を置いて業務を行ってもらう」ということになります。

自社部門のように外部企業が機能するため、業務設計や細かいトラブルの対応、業務課題の分析から改善案の策定、その改善案を取り入れながら業務の効率化を図るというプロセスまでが委託範囲に入ります。

いわば、BPOは単なるアウトソーシングでなく、経営戦略の一つということ

BPOが注目されている背景には、労働力不足に対抗するための働き方改革に取り組む動きがあります。

人材が不足しているからといって、少ない人員で幅広い業務を担当するのには限界があります。例えば、営業担当者がすべての受電対応をするのは非効率的だと思いませんか?

BPOの専門的なノウハウを活用することで、このようなノンコア業務を効率化することができます。そのため、より多くのリソースをコア業務に投入できるようになり、人手が足りないという企業でも業務の拡大を目指すことができるようになります。

BPOとアウトソーシングの違い

BPOとアウトソーシングの違い

アウトソーシングとは繁忙期等の人手不足を補うために一時的に仕事を担う人やサービスを外部から調達し企業活動に生かす、経営手法です。

はじめは、開発や運用を外部調達する際に使用されていましたが、現在はさまざまな業務が外部から調達されています。

委託範囲の違い

BPOによる委託業務と、従来のアウトソーシング・外部委託の一番の違いは、委託する業務の範囲にあります。

BPOはアウトソーシングと違い、業務プロセスを一括して業務委託するのに対してアウトソーシングは組織内部で行っていた業務プロセスの一部または複数を外部企業からサービスとして購入するという違いがあります。

委託期間の違い

BPOとアウトソーシングでは期間にも違いがあり、アウトソーシングでは期間が短く、一時的であるのに対して、BPOでは、継続的に活用することが前提とされています。

また、BPOは完全外部委託となります。導入する場合は業務プロセスを可視化し仕組みを整える必要があるため、導入までに時間がかかる傾向にあります。

BPOの業務領域

BPOによる委託の対象となるのは主に人事、経理、総務や、情報システム運用、ソフトウエア開発、コールセンター、配送、流通、マーケティングなどのノンコア業務となります。

BPOの業務領域

 総務部門

総務部門で対応できるBPOのサービスの一例として、

セキュリティ業務、従業員からの問い合わせの窓口、郵便物などの配送、受取手続き、消耗品管理業務、会議室管理業務、業者の対応などの窓口の業務、コピー業務など様々な業務を委託することができます。

経理部門

経理部門で対応できるBPOサービスの一例として、

支払い請求書の管理、稟議書管理、支払日とりまとめ、買掛管理などの支払い義務、売掛管理、銀行口座入金処理などの入金管理、ネットバンキング設定、残高管理、支払一覧の作成の振り込み業務、給与計算、会計入力業務などを委託することができます。

人事部門

人事部門で対応できるBPOサービスの一例として、

イベント参加準備や、採用フラグの作成・設定、掲載サイトの入稿等の設定などの採用に向けての準備期間から、エントリー学生へのリマインドメール・コールの実施、予約情報の確認とりまとめ、参加者リストの作成、応募者からの問い合わせ対応などの対応を一括して委託することができます。

マーケティング部門

マーケティング部門で対応できるBPOサービスの一例として、

ビジネスプロセスにおける課題解決やマーケティングオートメーションの導入から運用のサポートまで委託することができます。

コールセンター

コールセンター部門で対応できるBPOサービスの一例として、

カスタマーサポート業務、テレマーケティング業務、データ入力・データ処理業務、アウトバウンドコールによる市場調査、アポイントメントの設定、顧客アンケートの実施といった業務を委託することができます。

BPOの市場動向

BPOの市場動向

引用:株式会社矢野経済研究所

株式会社矢野経済研究所による「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査を実施(2023年)」では、2022年度のBPOサービス全体の市場規模は、事業者売上高ベースで2021年度と比較して3.0%増加したことが明らかになりました。

また、近年委託業務の内容が幅広くなっている点から、一般企業だけでなく官公庁でも外部委託を行う傾向が見られています。

以上の理由から、2023年度以降もその規模は安定的に拡大すると予測されています。

BPO導入のメリット4つ

BPOの導入メリットを4つ紹介します。

1.業務の質、効率を向上することができる

BPO事業者と適切な意見交換をすることで業務の質を向上させやすいというメリットがあります。

BPO事業者には各分野に特化した専門家が常駐しているため、ノンコア業務を委託することで効率化を図ることができます。

2.コスト削減と利益の向上が期待できる

予想外のプロセスを含めて、外部業者が解決まで担当してくれるため、大幅な業務時間の削減により他の注力したい業務に時間を割くことができ、利益の向上が見込まれます。

人件費として発生していた支出をBPOによりサービス利用などの変動費へと転換すれば、業務状況に応じて必要な時に必要なだけBPOサービスを利用するスタイルへと変更することができ、結果的にコスト削減もできます。

3.経営資源をノンコア業務に集中させられる

ノンコア業務も必要ではあるものの、自社で行う必要性が低い業務もあり、企業としては利益に直接つながらないため、BPOとして外部の企業に委託し、ノンコア業務に充てていた経営資源をコア業務に集中させることができます。

4.専門業者のスキルを活用できる

BPOのサービス企業は受託業務に関して専門的なノウハウやその分野のスペシャリストを抱えているため、特定業務の高いスキルや自社にないリソースの獲得ができます。

また、業務の見直しや、改善まで委託企業が行うため、専門的な情報を獲得し様々な情報に精通したサービス企業に依頼することで、より効率化を図ることができます。

BPOを導入するデメリット

BPOを導入するメリットはたくさんありますが、もちろんデメリットも存在します。

委託するための準備コストが発生する

外部に委託するための初期費用や、追加費用が発生する場合が考えられます。また、実際の運用にかかるランニングコストも発生します。

コスト削減目的でBPOを利用するならば、このことを念頭に置いて活用しなければなりません。

情報漏えいの懸念がある

セキュリティ対策の不十分なBPOサービス業者を選択した場合、顧客・社員の個人情報や社内の機密情報が外部に流出するリスクが考えられます。

そのため、各BPOサービス企業の特徴を把握したうえで、自社にあった企業を厳選する必要があります。

解約後の内製化が負担になる

ノウハウを社内に蓄積することが難しいため、BPOを利用することで業務に関する社内のノウハウがなくなってしまいます。

また、解約してもBPOサービス企業からノウハウの共有が行われない場合もあるため、そのような場合はサービス解約後にゼロの状態から業務を内製化しなければなりません。

BPOサービス企業を選ぶ際のポイント

BPOサービス企業を選ぶときのポイントについて紹介します。

専門性や得意分野の有無

候補のBPOサービス企業の専門分野を調べ、自社の求めるサービスを得意分野としているかどうかを確認してください。委託したい業務に精通している企業を選ぶことで、その業務が専門外の企業よりも高品質なサービスを期待できます。

そのため、BPOの目的である生産性の向上を達しやすいといえます。

委託コストが適切か

BPOを利用する目的の一つはコスト削減です。安さは重要な要素ですが、コストと品質とのバランスを考慮する必要があります。反対に品質重視の場合でも、コストと見合ったものであるかをしっかり確認したうえで利用してください。

十分なセキュリティー対策をしているか

自社の機密情報や、顧客・社員の個人情報を扱う業務を委託する場合、個人情報の漏洩などの危険があります。トラブルの発生を未然に防ぐために、適切なセキュリティ対策が実施されているかどうか確認することが必要です。

【セキュリティの例】

  • システム管理制御によりPCへのUSB記憶装置接続を無効にしている。
  • 原則、受信者を特定してOneDriveのリンクを共有する。 など

委託業務に対する企業規模が十分か

委託を希望する業務について、コストやリソース、リスクを評価し、その評価に見合ったBPOサービス企業を選択しましょう。

各BPOサービス 企業の過去事例を調べると、自社に合ったサービスが見つかるかもしれません。

委託業務についてどこまで対応可能か

正確性や納期遵守率、業務完了までの時間といった詳細が記されたSLA(サービスレベルアグリーメント)と呼ばれる指標があります。

契約時にはSLAを確認し、自社の求める内容と合致しているか確認してください。

BPOサービス企業比較5選

BPOサービスを展開している企業を5社紹介します。

BPOジャパン

BPOジャパン

BPOジャパンでは、新卒採用・中途採用に関するバックオフィス業務、コールセンター業務といった採用に関する運用全般の業務を委託することができます。

RPA(ロボティックプロセスオートメーション)やAIを活用した、素早く確実な業務を強みとしており、通年でもスポットでも対応が可能となっています。

また、株式会社キャリアマートと連携して広告媒体の運用と採用支援を行っているため、人事さんの採用に関する不明点を解消しながら、採用のノウハウを生かしたサービスの提供を行っています。

株式会社パソナ

パソナ

パソナでは、お客様を第一に考えたヒアリングから、企業のニーズに合わせて場所や契約形態を組み合わせた解決策を提案してもらえます。また、親会社のパナソニックによる豊富な業務実績から、人材活用のノウハウが蓄積されており、安定した事業運営も強みと言えます。

株式会社キャスター

キャスター

キャスターでは、カスタマーサポート、カスタマーサクセスを強みとしており、実務経験のある20代~40代のオペレーターが活躍しています。そのため、質の高い問い合わせ代行や架電・受電などの電話業務を遂行することができます。

アデコ株式会社

アデコ

アデコでは、AIを活用したツールにより「業務の見える化×効率化×自動化」を行い、生産性の向上に貢献します。

例えば、従業員の作業を分析して、繰り返し作業をAIが学習することにより、自動化することができます。これにより人員の削減ができ、人的ミスの減少にもつながります。また、プログラミングに関しては構築から運用保守まで一括で委託することが可能です。

株式会社TMJ

TMJ

TMJでは、会社ごとの課題を見つけ、課題解決に向けたBPOをカスタマイズすることを強みとしています。業務内容のヒアリングから分析・調査までを一括で行い、企業ごとの課題やニーズに合わせたプラン提示を行います。

また委託後、現場がスムーズに回るために最初からすべて委託するのではなく、少しずつ委託していく仕組みで動いているため、企業への負担が少ないのが特徴です。

BPOの導入成功事例

BPOの導入成功事例を3つ紹介します。

H社:RPAを活用した新卒採用事務代行

業種:金融

費用:180万円/月

【導入前の課題】

  • 一定期間(繁忙期中)に発生する人材不足

【施策内容】

  • 採用業務の一括委託
    例)就職・転職サイトの管理、採用システム運用、応募データ管理、合否連絡、日程調整、
    前日確認連絡、説明会運営支援、適性検査、スカウト配信代行
    ※上記、応募データ管理、日程調整、適性検査、スカウト配信代行はRPAにより自動化

【導入後の成果】

  • 繁忙期のみの人材不足の改善を目的としているため、人件費の削減となった。
  • 人事担当が分からない点を相談できるため、採用ノウハウを学べた。

A社:電話問い合わせ窓口及び導入支援

業種:情報通信サービス

費用:50万円/月

【導入前の課題】

  • コールセンターの導入をしたいが、人材不足によりできない。

【施策内容】

  • 保育園システム、アプリに関する電話の問い合わせ対応
  • 業務改善の提案も含む、コールセンターの導入支援

【導入後の成果】

  • 継続した高い受電率を確保できるようになった。
  • 採用に関するノウハウにより、応対品質が向上した。
  • 多くのお問い合わせを BPOJapan内で完結させるため、作業効率が向上した。
  • 積極的な業務改善の提案があり自社の課題を理解できた。

C社:バックオフィス業務を含めたトータルソリューション

業種:プロスポーツチーム

費用:システム構築 800万円

バックオフィス業務 10万円/月

【導入前の課題】

  • チーム発足から限られた時間(短期間)での業務遂行への不安。
  • 短期間に採用する人員の人件費。

【施策内容】

  • ファンクラブ、ECサイトの問い合わせ対応代行
  • グッズ在庫の管理、発送ECサイトの受注対応

【導入後の成果】

  • 短納期での対応が可能になり、作業効率が上がった。
  • バックオフィス業務を含め一括して委託することで、人件費の削減になった。

参考:BPOJapan 

まとめ

BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)は労働力の減少を背景に、働き方改革やDX化による事業体制の見直し施策として注目されています。

外部のノウハウを活用することで、コア業務により多くの時間を投入できるだけでなく、専門的な知識を持っている企業に一括して任せることができるため、人件費の削減にもつながります。

その一方で、 BPOサービス企業によっては「セキュリティの問題」や「ノウハウの蓄積が難しい」といったデメリットもあるため、複数のサービスを比較検討し、どのような分野に専門性があるかを調べることが必要です。

自社の課題解決に合ったBPOサービス企業を選定し、利用してみましょう。

採用に特化した代行サービスであるRPO(採用代行)についても、気になる方は、ご覧ください。

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