新人研修のOJTを効果的に進める方法とは?他社事例も紹介!

新人研修のOJTを効果的に進める方法とは?他社事例も紹介!

今や多くの企業において活用されている新人研修。新入社員のビジネス基礎力を高めるだけでなく、実務に関するスキルやノウハウを習得させるためにも大切なプロセスです。しかし中には思ったような結果に結びつかない…とお困りの方も多いのでは。

そこで今回は、「新人研修の一環であるOJTを効果的に進めるポイント」を詳しくご紹介します。新人研修の進め方について悩んでいる…という方はぜひ最後までチェックしてください。

OJTとは

OJTとはよく耳にする言葉だけど、具体的にはどんな意味なのかよく分からない…という方は多いかもしれませんね。まずはOJTについて理解を深め、実施する目的や有用性について確認していきましょう。

研修の特徴と目的

OJTとは英語の「On the Job Training」の頭文字を取った言葉で、経験のない新人に対して実業務を体験させることで仕事を覚えてもらうという企業内教育手法の一種を指します。いわゆる新入社員研修と呼ばれるもののひとつで、現在は業種・職種問わず多くの企業で社員教育の一環として取り入れられています。

こちらのグラフは、厚生労働省が行った「平成30年度 能力開発基本調査」から引用したものです。正社員に対する教育訓練について「OJTを重視する」、「OJTを重視するに近い」と回答した企業は7割を超えています。正社員以外においても同様に、7割強の企業がOJTの重要性について認識しているという結果になりました。

OJTは決まった形がないため、手軽に導入できるものではありますが、実践的な職務訓練として実施するには一時的なアドバイスではなく、マニュアルや資料などを活用しながら体系立てて計画的に進めることが重要です。

OJTは一般的に新入社員の教育に用いられるケースが多く、1人の新入社員に対して1人の先輩社員がついて指導するのが一般的です。経験を通して仕事を体感するため、より実務的な知識やノウハウを習得できる点が特徴と言えます。とは言え、先輩社員の指導力が不足している場合は、思うような効果が得られない場合もあります。

効果的なOJTを行うためには、担当する先輩社員を対象とした研修を実施したり、OJT実施期間中に先輩社員を集め、教え方の情報共有を目的としたミーティングを実施したりするなどの工夫が必要となるでしょう。

効果的なOJTの進め方

では、効果的にOJTを進めるにはどうすればよいでしょうか。

新入社員教育を成功させるためには、どのようなOJTのやり方を採用するかが重要です。ポイントを押さえながら、自社に合ったOJTプログラムを選定してくださいね。

4段階職業指導法に沿って進める

4段階職業指導法とは、「Show(やってみせる)、Tell(解説・説明する)、Do(やらせてみる)、Check(評価する)」からなる4つの手順のこと。

第一次世界大戦中のアメリカにおいて考案された4段階職業指導法は、現在においてもOJTの基本的なステップとして知られています。

OFFJTと組み合わせて実施する

OJTと似たものにOFFJTがありますが、内容は全く異なります。簡単に表にまとめてみましたので、両者の違いをざっくりと掴んでみてください。

OJT OFFJ
実務を通じた研修 実務を離れた研修(座学)
通常業務 研修のために時間を設定
実務上必要なスキル・ノウハウを学ぶ ビジネスの基本、業務内容や専門的知識を深掘りして学ぶ

OJTとOFFJTの最も大きな違いは、実務を離れるかどうかという点です。新入社員にOJTを行う場合は、事前にOFFJTにおいてあらかじめ基礎知識を習得してもらうのが良いでしょう。

社会人経験のない、あるいは浅い新入社員には、実務の基本となるビジネスマナーや論理的思考などが不足しています。OFFJTと組み合わせてOJTを実施することで、新入社員は体系的に学ぶことができるため、よりスムーズに実務へ移行していけるはずです。

事前準備と事後対応を丁寧に

OJTの効果を高めるためには、実施前の準備と実施後の対応も大切です。OJT実施前には、新入社員が目指す社員像・人物像を明確にしておきます。育成後の目標を設定したら、OJTの具体的な計画を立案します。実施する日程や研修内容などをすり合わせ、必要に応じてマニュアルや資料を用意しましょう。

OJTは実施して終了、ではありません。OJT実施後は、何ができて何ができなかったかをフィードバックすることで、教わる側が自身の得手・不得手を理解することにつながります。また先輩社員との人間関係が構築されることで、より企業理解が深まり、長く働きたいという気持ちの芽生えも期待できるでしょう。

おすすめOJT他社事例

それでは最後に、他社で実際に行われているOJTの例をいくつかご紹介しましょう。

社内試験を実施している運送会社

大手小売りチェーンの物流を担う三重県のトラック運送会社では、新入社員研修の一環として社内試験を実施しています。中堅社員が運転する車に同乗させることでOJTを実施しながら、社内講師によるOFFJTを並行して実施。社内試験に合格すれば、研修は終了です。

新入社員は試験合格を目指し、スキルや知識の習得に励みます。合格したという達成感は自己肯定にもつながり、業務を進めるうえでモチベーションとなるでしょう。

社内教育が充実している住宅設備会社

山口県にある住宅設備を取り扱う製造業の会社では、入社してから配属されるまでのおよそ6か月間は、さまざまな業種を経験させるそうです。複数の業務を経験させることで新入社員一人一人の適性能力を把握できます。社員それぞれに最も適した業務配置を目指し、長期的な視点での人材育成に注力しています。

専門的な知識がなくても、入社後の教育や経験において技術者としての配属も可能。社員の可能性を伸ばせる人事体系が整っているのは魅力的ですね。

社内独自の委員会活動を実施するメッキメーカー

大阪府に本社を置くメッキメーカーは、人材育成を目指し社内に独自の委員会を設けており、清掃活動の実施や、社員間の情報共有、スキルアップの場として活用しています。

入社後はオリエンテーションで会社について理解を深め、配属された部署のラインリーダーから実務スキルについて指導を受けます。現場でのOJTだけでなく座学での学習もあり、希望者は国家資格取得に向けた講習も受けられます。

まとめ

今回は、新人研修のひとつであるOJTをより効果的に進めるポイントについてご紹介しました。

人材育成は、企業価値の向上や企業存続に欠かせない重要な戦略のひとつと言って良いでしょう。今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ自社に合ったベストなOJTの仕組みを今一度検討してみてくださいね。

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