つい最近まで、若者たちの総称として使われていたゆとり世代という言葉は、皆さんご存じかと思いますが、その後の世代である、さとり世代は皆さん耳にしたことがあるでしょうか?
今回は、さとり世代の学生に対する適切な内定フォローや向き合い方を詳しく解説していきます。
さとり世代とは
ではまずさとり世代の定義から解説していきます。
元々はネットスラングとして使われていた「さとり世代」という言葉は、2013年に新語・流行語対処にノミネートされたことをきっかけに世の中の認知が広まりました。
そんなさとり世代という言葉は、欲がなく安定を求める若者たちを意味します。
そのため、さとり世代は夢や成長、目標などもなく、いま普通の暮らしができればそれでよいと考えています。
さとり世代が生まれ育った時代背景
そもそもさとり世代とは、いつの年代に生まれた人たちを指すのでしょうか。
実は、具体的な定義がなくゆとり世代と曖昧に定義されるケースがほとんどです。
2002年~2010年にゆとり教育を受けていた人たちをゆとり世代と定義されますが、さとり世代はその年代とほとんど同時期の人たちを指します。
またこのころはインターネットの普及により、努力をしなくても簡単に情報が手に入るため、デジタルネイティブとも呼ばれます。
さらにバブル崩壊やリーマンショック、その他の自然災害なども経験し、社会の不況も目の当たりにしています。
そんな時代背景で育った人たちはお金や地位、モノなどに興味がなく今そこそこ安定していれば満足だと、人生を悟っているかのような思考を持っています。
さとり世代の特徴
毎年新卒採用を行っているのであれば、時代の変化によって様々なタイプの学生を採用しなければなりません。
そこでこの章では、さとり世代の特徴についていくつか解説していきます。
現実主義で無駄遣いをしない
先述でも触れましたが、さとり世代は現実主義で物欲も少ないため無駄な買い物をしない傾向にあります。
少し前なら憧れのスポーツカーや夢のマイホーム購入のため、仕事を頑張り出世して年収を上げようとするビジネスマンも多くいました。
しかしさとり世代は現実主義のため、車は動けばよい、家は賃貸アパートでも住めればよいと言った思考を持っています。
そのため欲求があまりなく、ほどほどに現在の不便が解消できればそれで良い程度にしか思っていないのがさとり世代の特徴です。
人付き合いや恋愛に対する欲求が少ない
デジタルネイティブのさとり世代は、対面での人付き合いに対してあまり興味がありません。
特に最近では草食系男子などの言葉も増えており、さとり世代の中には現実世界での恋愛に対しても消極的な人が多い傾向があります。
基本的に自分の時間を大事にするさとり世代は、恋人や必要以上の人付き合いを嫌い、家で過ごすことを好む傾向も強いです。
そのため対面でのコミュニケーションスキルに欠ける人が多く、人事担当者も採用活動の際に少々頭を抱えることもあります。
無理に頑張らず、ストレス耐性がない
さとり世代は基本的に野望や夢がなく現在の安定を好んでいます。
同期よりも早く出世したい、実力をつけ先輩のポジションを奪いたいなどと言った野心を持っている人は非常に少ないです。
さとり世代は自分に与えられた仕事を最低限こなし、ミスなくそつなく業務を遂行することを好む傾向にあります。
そのため無理に頑張ったりはせず自分のペースで業務を行いたいため、過度なプレッシャーやストレスへの耐性はあまり強いとは言えません。
ゆとり世代との違いは?
さとり世代の定義としては、ゆとり世代の中でも、特に夢や目標がなく現実主義な思考を持ち、あたかも人生を悟ったかのような人たちを表します。
よく混同しがちで区別がつきにくいゆとり世代とさとり世代ですが、結論から言うと生まれ育った年代はほとんど同時期です。
ゆとり世代とはゆとり教育を受けた世代のことを指しますが、さとり教育というもの自体は存在しません。
そのためさとり世代とは上記のように、ゆとり世代の中のさらに狭い範囲を指し示す言葉として広く利用されています。
さとり世代 選考中のベストな連絡手段
選考中に非常に大事な要素となる連絡手段ですが、さとり世代と連絡を取る場合には、以下のような手段がおすすめです。
LINE
さとり世代に限らず、現在の若者と連絡を取るのであればLINEを無視するわけにはいきません。
ほとんどの大学生がLINEを利用しており、1日を通してLINEを確認しない日はそうそうないでしょう。
そのため確実に連絡を取りたいのであれば、LINEの採用カウントを開設し、学生とLINEでコンタクトを取ることをおすすめします。
最近では多くの企業が採用アカウントの解説や、採用システムとLINEの連携などを行っており、採用活動におけるLINEの重要性も高まっています。
SNS
ひと昔前だと想像できなかったかもしれませんが、現在ではSNSで選考中の連絡を行っている企業や学生が多く存在します。
さとり世代はデジタルネイティブのため、TwitterやInstagramなどと言ったSNSを頻繁に利用しています。
またメールの確認よりもSNSメッセージの確認頻度の方が高く、SNSから連絡を取る方が高確率で返事が返ってきます。
現在では多くの企業が採用ツールの一環として、SNSを運用し学生からのエントリーを募っています。
そのため、さとり世代と選考中に連絡を取るのであれば、自社で採用ツールとしてSNSを利用し、メッセージ機能を有効活用することも必要となってきます。
メール
一般的に選考段階では、連絡手段としてメールを使う企業も多くあります。
依然として採用活動の際、メールは一般的な連絡手段であるため、就活期間中はメールアカウントの作成やメールチェックの重要性を説いている大学も多いです。
そのため、LINEやSNSを多く利用しているさとり世代であっても、就活期間中はいつもよりメールチェックを行っているので、選考中はメールでの連絡も有効な手段の一つと言えます。
ショートメール(SMS)
就職サイト上で得れる情報の一つとして「携帯電話番号」が挙げられます。その電話番号を利用したメッセージツールを利用するというものです。
SMS配信の反応率事例(説明会未予約者が対象)
◆業種:コンサルティング
◆従業員数:約 300 名
◆対象者:484 名
→新規説明会予約者:16 名
→反応率 3.3%
◆業種:通信
◆従業員数:約 2,000 人
◆対象者:1,447 名
→新規説明会予約者:31 名
→反応率 2.1%
『自分の時間でチェック出来る+メール形式のため気を遣わずに済む』という声からもあるように、デジタルネイティブ世代の学生との有効な連絡方法は、プッシュ通知型のツールなのかもしれません。
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さとり世代が好む内定フォロー
新卒採用を行っている際、特に内定者フォローに気を使う人事の方は多いのではないでしょうか。特にさとり世代は接し方が難しいため、さとり世代に対しての適切な内定フォローを解説していきます。
プライベートに踏み込まない
さとり世代は内向的な人が多く、必要以上に他人とコミュニケーションを取りたくないと考えている場合も多いです。
これは特にビジネス上強く感じられ、仕事とプライベートのオンオフはきっちり分けたいと考えている人が多数を占めています。
そのため、内定者フォローとして懇親会や座談会を開いた際、休日の過ごし方や家族構成などプライベートな領域へ踏み込まないよう気を付けた方がベターです。
入社後に信頼関係が育った後であれば、プライベートなことも話せる仲になるかもしれませんが、内定フォローの段階ではまだ早すぎるので注意してください。
オンラインでの座談会
デジタルネイティブであり、家で過ごすことを好むさとり世代は、オンラインでのフォローを好む傾向にあります。
特にさとり世代はネットリテラシーが高いため、内定フォローに限らず、研修や面接もオンラインで行うこともおすすめです。
対面だとなかなかコミュニケーションが取りづらいさとり世代も、画面を通せば自分の意見を発揮できる場合もあるので、オンラインでの座談会を開催する際には、チャット機能も活用し、メッセージでの意見交換なども取り入れるといいでしょう。
入社後、さとり世代の教育で気を付けるべきこと
実際に学生が入社した後は、一流のビジネスマンに成長してもらうため教育が必要です。
そこで、さとり世代を教育する際に気を付けるポイントを以下に3つまとめましたので、今後さとり世代の教育を担当する人は参考にしてください。
過度なプレッシャーを与えない
さとり世代は出世や地位などに対して欲求がなく、一定の安定感を求めています。
そのため、成長のためにと過度なプレッシャーや発破をかけることはかえって逆効果になります。
さとり世代を教育する際は、能力以上のことを求めすぎず、まずは目の前の課題を一つずつこなせるように導いていく方が、長い目で見た時に良い社員として成長してくれます。
指示・命令ではなく提案をする
さとり世代は人から何か強制されることを嫌うため、上から頭ごなしに指示や命令をされることに対して嫌悪感を抱いてしまいがちです。
もちろん仕事上、上司が部下に対して指示をするのは当然のことですが、その際は「こうしろ」と言うよりは「こうしたらどうだろう」といったニュアンスで接することが良いでしょう。
そうすることで、指示を受けた方も強制的な指示ではなく、提案ととらえ不満や疑問を抱きづらくなり、円滑なコミュニケーションを取ることができます。
個性を理解する
ここまでさとり世代について解説してきましたが、一概にさとり世代全員がこのようであるとは限りません。
人の数だけ個性があるため、世代別にこうすれば大丈夫といった攻略法もありません。
さとり世代の中には、出世意欲が強く、いち早く役職に就きたいと思っている人も存在します。そのため、ひとりひとりと向き合い、その個性に適した接し方が求められます。
まとめ
一見すると扱いが難しいと感じるさとり世代ですが、必要以上に頑張らない分、与えられた仕事はしっかりとこなすなど、ポジティブな一面も多く兼ね備えています。
また最近の若い人たちはと嘆くミドル層の方も多くいますが、ゆとり世代やさとり世代は個人の影響だけではなく、時代背景も大きく関わっているため、個人単位で非難することも難しいでしょう。
しかし、向き合い方や教育方法を変えるだけで、さとり世代の学生たちが、スキルを身につけ将来的に会社を引っ張っていく存在になる可能性も十分あります。
さとり世代の特徴を捉えて適切な方法で採用活動を進め、優秀なさとり世代の獲得を目指してください。
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