オワハラとは?罰則はあるの?違法性とデメリット

時代が進むにつれ様々なハラスメントが新しく生まれていきます。

セクハラやパワハラはもちろん、モラハラやスメハラなどの様に、一見どんなハラスメントかわからないものまで横行しています。そして近年注目が集まっているのが、新卒学生に対するオワハラです。

そこで今回は、「オワハラとは何なのか、どのようなことをするとオワハラに該当してしまうかなど」詳しく解説していきます。

オワハラとは

まず最初に、最近よく耳にするオワハラとは何なのか解説をしていきます。

結論から言うとオワハラとは、新卒学生に対して「就活を終わらせろ」と無理強いすることを意味します。

近年採用難が続く中で何としても人材を確保したい企業に見られがちですが、これは職業選択の自由を侵害する、れっきとした違法行為なので注意してください。

「オワハラ」はいつから始まった?

オワハラそのものは比較的昔からありましたが、表向きに問題視されるようになったのは2015年に厚生労働大臣が企業に「オワハラを行わないように」と注意喚起を行ったのがきっかけです。

2015年と言えばリーマンショックも回復し、採用活動も売り手市場に変化し企業が採用難になり始めた頃です。

そのため、人材採用に課題を抱え人数を確保できない企業が、学生に対して就職活動を終わらせるよう強制し始めた2010年代中盤が始まりと言えます。

なぜ企業は「オワハラ」を行い始めたのか?

そもそもなぜオワハラが行われ始めたのかというと、企業が新卒採用に苦戦し始めたことが理由にあげられます。

先述でも触れましたが、コロナの影響で就職難になりつつある現代とは打って変わり、2010年代中盤は、売り手市場のため多くの学生が企業を選ぶ図式が成り立っていました。

そのため内定を出しても多くの学生に辞退されてしまい、結局必要人数を採用できない企業が多くありました。

そこで採用予定人数を満たすため、内定者に対し度の過ぎた囲い込みとして、オワハラが行われ始めたのが実態です。

どんなことが該当する?オワハラの種類

実はオワハラと一言で表しても、様々なタイプのオワハラがあります。そのためしっかりと把握していないと、知らず知らずのうちに自社でオワハラをしてしまっているなんてことも少なくありません。

交渉型

交渉型とは、今この場で内定を出す代わりに、他の内定や選考を断るように持ちかける手法です。近年では学生が就職活動の際、多くの企業を受けるため、他の企業に取られまいと思う人事も多いのが現状です。

しかし、上記のような条件を持ちかけた時点でオワハラとされるため注意してください。

束縛型

束縛型とは、学生の就職活動を妨げるような行為を行い、他社の選考に集中できなくさせることを意味します。具体的には多すぎる面談の設定や、泊まり込みの長期研修や実施などで学生の就職活動の時間自体を削るような行為があげられます。

脅迫型

オワハラの中で特に悪質なのが、この脅迫型です。

これは内定を辞退したら損害賠償を請求する、業界に学生の噂を流すなどと言った発言が当てはまります。さらに大学推薦の場合は内定辞退をすることで、今後その大学から採用をしないなどと言った脅迫をする企業もあります。

同情型

知らず知らずのうちにやってしまいがちなのが、同情型と呼ばれるものです。

これは内定を出した後、頻繁に先輩社員や上司になる社員と面談や座談会をセッティングし、内定辞退を言い出しにくい情況を作ることが当てはまります。

オワハラには罰則がある?オワハラの違法性

多くの人事は良い学生が欲しいあまりに、気付かずともオワハラを行っている可能性があります。ただ中には法的に罰せられる場合もありますので注意が必要です。

脅迫罪

オワハラは場合によって脅迫罪とみなされる可能性があります。脅迫罪とは、相手の自由、名誉、財産に危害を加えることを知っていて脅迫した際に成立します。

入社の無理強いや同業他社へ悪評を吹き込むなどと迫った時点で、脅迫罪が立証される場合があるので注意してください。

強姦罪

強姦罪とは、脅迫などによって相手に義務のないことを行わせたり、権利の使用を侵害した場合に立証される罪です。

他社の選考を終わらせるように伝えたり、他社の内定を辞退すること強要した時点で学生の権利の使用を妨害し、義務のないことを行わせたとみなされ、強姦罪として立証される場合があるので注意してください。

オワハラで企業が受けるリスクとデメリット

上記の通り、オワハラはれっきとした犯罪行為です。

そのため学生側が裁判を起こした際は、高い確率で企業側が負けることになるでしょう。その場合、企業側には以下のようなリスクとデメリットが生じます。

刑罰・民事訴訟

そもそもオワハラとは犯罪行為に値するため、学生側が民事訴訟を起こし、結果として刑罰の対象になるケースがあります。

良い学生が欲しいからと言って、過度な囲い込みやしつこすぎるフォローをすると、学生に対して悪い印象を与えかねません。その結果学生がオワハラだと感じ民事訴訟を起こして、企業側に違法性があると判決されてしまう場合もあります。

イメージダウン

オワハラを行ってしまった際、学生からの口コミなどで企業のイメージが大幅にダウンしてしまうこともあるでしょう。

特に今はSNSが非常に盛んで、就職活動用のアカウントを持ち、同じ企業へ就職を目指す人通しで情報交換を行っている学生が多く存在します。このような状況でオワハラをしてしまうと、その事実は瞬く間にネット上を駆け巡り、多くの学生の耳に入ります。

そのため結果として、オワハラを行った企業は学生から注意深く疑いの眼差しを向けられ、良くない会社だというイメージが浸透してしまいます。

内定辞退

せっかく優秀な学生と出会えても、オワハラを行うことでその相手の入社意欲を低下させてしまうことにもつながります。

もともとその相手に入社してほしいという熱意があって、採用活動を行っているはずが、そのベクトルが違う方向いてしまうと、かえって逆効果です。特に優秀な学生ほどオワハラには敏感なので、せっかく欲しいと思った学生に対してオワハラをしてしまうと、一瞬で相手の入社意欲がなくなります。

そのため、内定フォローは慎重に行うようにしてください。

「オワハラ」にならない内定フォローとは

オワハラには注意してくださいというものの、やはり内定辞退は頻繁に起こることなので、内定者フォローは欠かせません。

マイナビ学生就職モニター調査の結果によると、内定者が希望する内定フォローは大きく以下の3つであることがわかりました。

参照:2021年卒マイナビ学生就職モニター調査(2020年7月調査)「内々定者フォロー・希望する内容」

  1. 内定者懇親会
  2. 内々定式
  3. 勉強会・グループワーク・研修

そのため、オワハラにならず相手のニーズに合った内定フォローを心がける必要があります。

内定者イベントの開催

先輩や上司との座談会ももちろん必要ですが、内定者のニーズとしては将来同期となる内定者同士の交流を求めています。

内定フォローで学生を囲い込みたい気持ちもわかりますが、座談会などを開くときは先輩社員とのマンツーマンだけではなく、内定者を複数集めたイベントなどの開催が良いでしょう。

このように内定者同士の交流の場を作ることで、無理にオワハラをせずとも、内定者同士が入社後のビジョンを自ら作り上げ、内定辞退に発展する可能性を抑えることが期待できます。

内定承諾書の説明

過度な囲い込みとして、多くの企業が行いがちなのが、説明不足のまま内定承諾書を書かせることです。内定承諾書自体には法的効力がないため、サインした後も内定辞退をすることはできます。

しかし企業によっては細部までの説明を怠ったり、あたかも法的効力があるように見せかけ、脅迫じみた形でサインをさせる場合があります。

内定承諾書を書かせる場合、細部まで説明を行い法的効力がないことをはっきりと伝え、学生へ無駄な不安を与えない配慮が必要です。

短期勉強会の実施

内定者の多くは、今後の自分のためにスキルや知識を身に着けたいとの思いから、勉強会や研修の実施を望んでいます。

ただ先述でも触れましたが、就職活動の妨げになるような長期泊まり込みの研修は望んでいません。そのため、1Day研修や短期での勉強会を開き、入社後に必要なスキルや将来のビジョンを伝えることで、学生たちの入社意欲を上げることができます。

まとめ

採用難が続く現代、優秀な学生が欲しい企業や人事の気持ちもわかりますが、度を越えてしまうと学生に対して不安を与え、最悪の場合には法的に裁かれることもあり得ます。

本来は学生を採用したい熱意を伝える行動のはずが、学生の入社意欲を下げ犯罪につながってしまっては元も子もありません。

そのため、内定辞退が多く内定者フォローに困っている人事の方は、この記事を参考にオワハラにならない適切な内定者フォローの方法を見極め、良い学生を採用できるよう努めてください。

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