採用を成功に導く構造化面接とは?目的やメリット・デメリットを徹底解説!

構造化面接とは

中途採用の面接において、面接官の評価のバラつきや、求職者の本質が見抜きにくいといった悩みを抱える人事担当者の方もいるでしょう。

ここではその解決につながりうる構造化面接について紹介していきます。

どういった面接なのか、メリットやデメリットを挙げながら解説していくため、自社に適した面接手法であるか照らし合わせながら読み進めてみてください。

構造化面接とは

構造化面接とは

構造化面接とは、臨床心理学による心理査定のアプローチの一種で、前もって評価基準と質問事項を決めて、マニュアルに沿って面接を実施していく手法です。

マニュアルに沿って面接を実施するため、面接官ごとの評価のバラつきを抑え、安定した評価がしやすくなります。聞き慣れない言葉のため、最近できた面接手法のように感じるかもしれませんが、実は昔から使われている手法です。

面接を受ける側の内面的心情を把握するのに役立ち、近年世界で注目を集めています。

構造化面接の目的

構造化面接 目的

構造化面接の目的は、面接官が数人いる場合、面接官の評価のバラつきを抑え、統一感のある採用選考により採用の効率化を図ることです。

これまで、面接官によって求職者の評価が分かれていた場合や、面接に多くの時間を割いていた場合は、構造化面接が課題解決に役立ちます。

構造化面接のメリット・デメリット

ここでは構造化面接のメリットとデメリットをそれぞれ3つずつ紹介していきます。

構造化面接のメリット

まず、メリットについて紹介します。

大量面接や採用のIT化に最適

面接官が誰であっても一定の基準で求職者を評価でき、面接官のスキルや知識に関係なく評価のバラつきを抑えられるため、一度に多くの面接をするときにも最適です。

また、面接の結果を評点化しやすく、離れていても結果を共有できることから採用のIT化にも適し、採用業務の効率化につながります。

成果を出せる人材を見極めやすい

あらかじめ決められた質問に沿って行う構造化面接ですが、反対に自由に質問を行う非構造化面接というものがあります。非構造化面接は、会話の流れや求職者の反応により自由に質問していく面接手法です。

Googleが行った調査によると、構造化面接とそれ以外の面接を比較したときに、構造化面接の方が職務の成果を出せる人材を予測しやすいという結果が出ています。

面接時間を短縮できる

構造化面接は、あらかじめ作成した質の高い質問や評価方法に沿って行うので、1回の面接時間が短縮できます。余計な質問や、面接官の興味のある質問を掘り下げて面接時間が長くなってしまうことがないため、面接の効率化につながります。

構造化面接のデメリット

続いてデメリットについて紹介します。

面接事項を常に更新する必要がある

求職者同士が面接時に、どんな質問をされたか情報交換をすることは大いに考えられます。

構造化面接はあらかじめ決められた質問をするため、情報を得た求職者に面接の回答を用意されてしまうこともあるでしょう。それを防ぐためにも質問項目を常に更新して、事前に回答の準備をされないようにする必要があります。

用意された質問以上の情報を得られにくい

事前に準備した質問事項に沿って面接を進めていくため、質問への回答以上の情報が得られにくいデメリットがあります。求職者の長所や新たな側面を発見しにくく、機械的な面接になってしまうことも考えられます。

企業の好感度が下がるケースも

質問が決まっているため、求職者がどのような回答をしようとも次の質問に移ってしまいます。求職者によっては尋問されているように感じ、企業への好感度を下げてしまう可能性もあるでしょう。

構造化面接のやり方

ここでは構造化面接の導入方法について、順を追って説明していきます。

採用基準を明確にする

まずは自社の採用基準を採用チームで話し合い、部署ごとにどのような人材を必要としているのか明確にしていきます。土台となる採用基準をしっかり決めないと採用の軸がぶれ、次の工程にも影響が出てしまうでしょう。

評価項目や評価基準の設定

限られた時間の中で行われる面接では、評価項目と評価基準の設定が大切です。何を評価するのか、どのように評価するのか、というのが明確でないとどんな質問を投げ掛ければいいのかわかりません。

また、面接官ごとに評価が分かれるのを防ぐためにも、評価基準もしっかり決めておきましょう。

評価項目に沿った質問をする

評価項目で重要指標とした事柄が引き出せる質問を投げかけるようにしましょう。

例えば評価項目を「リーダーとしての資質」を重要指標として求めるのであれば、「リーダーシップを発揮した経験を教えてください」と質問をすると、求職者の持つリーダーの資質がみえてきます。

面接が終わった後に、雑談だけして評価したかったことが聞き出せなかった、ということのないよう何を評価したいのか明確にし、目的に沿った質問をするようにしましょう。

評価項目に沿った質問を掘り下げる

評価項目に沿った質問から外れないよう、質問を掘り下げていきます。

「リーダーの資質」を持った人材を求めるのであれば、「リーダーシップを発揮することで、組織にどのようなメリットがありますか?」と体験に基づいた価値観を聞くのもひとつの手です。

また、「リーダーシップを発揮したときに、周囲からどのように言われましたか?」と他者からの評価を聞くのも参考になります。

評価項目や評価基準により聞くべき質問内容も異なるため、採用チームで事前にしっかりと話し合いましょう。

しかし、質問を作成するのが難しいと感じる場合もあると思います。続いて、面接に活用できる3つの手法を紹介するので、こちらもぜひ参考にしてください。

行動面接「STAR」

・S(Situation):過去の状況がどのようであったか
・T(Task):その時の課題についての質問
・A(Action):どのような行動を取ったのか
・R(Result):どのような結果が得られたか

STARの順に質問を作成していくと、1つのことを掘り下げて質問することが可能です。

状況面接

状況面接は「もし~〇〇だったら」など仮説に基づいて質問を投げかけながら行う手法です。仮設の状況を、「STAR」に沿って質問をすることで求職者の本音を引き出して、本質を把握することができます。

コンピテンシーモデル活用

コンピテンシーとは優れた成果を発揮する個人の能力や行動特性のことをいいます。コンピテンシーモデル活用は、ハイパフォーマーに共通する特性を職種ごと事前に用意しておき、その特性と求職者の過去の成果を見比べ、求職者の将来の成果を予測するものです。

評価基準を区分し合否判定をする

面接の評価基準を5段階程度に区分して、その判断基準も明確にしておきます。どの程度のスキルが必要なのかハッキリしていれば、評価もしやすくなるでしょう。

構造化面接の他社導入事例【Google社】

Google

構造化面接を導入している企業に、世界的なGoogleが挙げられます。Gooleの構造化面接のアプローチは4つの側面があるのが特徴です。

  1. 職務に関係のある、熟考された質の高い質問をし、難問や奇問を避ける。
  2. 評価者が容易に求職者の回答を審査できるよう、総合的なフィードバックを文書にする。
  3. いい回答・普通の回答・悪い回答がどういったものか、評価者が共通の認識を持てるよう標準化されたプロセスで採点。
  4. 面接官が一貫した評価を行えるよう、面接官のトレーニングをして調整を図る。

Google の採用チームは、構造化面接が求職者と面接官の双方によりいい体験をもたらし、より公正な手法であると評価しています。このように造化面接は世界的な企業も注目をしている面接手法なのです。

構造化面接を取り入れた方がいい企業の特徴

以下に該当する企業は、構造化面接を取り入れた方がいいと言えます。

  • 1回の面接に時間を多く費やしてしまう。
  • 面接後に評価する際、採用チーム内で意見が分かれる。
  • 採用基準に達していないが、採用計画達成のため内定を出している。
  • 早期退職者が多い。

これらの問題は、用の判断基準が曖昧であることや、面接官ごとに主観で質問と評価をしていることが原因として考えられます。構造化面接はこういった問題を避けることができるため、導入を検討してみるといいでしょう。

どんな人を採用したいときに構造化面接を導入すべきか

構造化面接 導入

面接で、志望動機や長所・短所などのありきたりな質問は、求職者が事前に完璧な回答を用意してくる可能性があり、求職者の本質的な部分を見抜けません。

また、求職者が面接官の評価を得るために、本当は思っていないことを回答する場合もあり得ます。求職者の実態を引き出し、真に求める能力を持ち合わせる人物を採用したい場合は、構造化面接を導入するといいでしょう。

まとめ

構造化面接は面接官ごとの評価のバラつきを抑えられ、求職者の評価が安定しやすくなります。中途採用は新卒採用と違い組織への即戦力を期待するため、成果を出せる人材を見極めやすい構造化面接は中途採用に適した面接手法でしょう。

ここで紹介したメリット・デメリットを参考に、自社に適した手法であるのかを見極めて導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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