面接評価シートとは?作り方や適切に評価するポイントを解説

面接評価シート

皆さんは採用面接の際に、どのような方法で面接評価を行っていますか?面接評価を適切に行い、記録し、社内共有していくためには、面接評価シートの活用が欠かせません。

今回は、面接評価とは何か、注意点や採点方法、面接評価シートの作成方法について解説していきます。

最適な人材確保に重要な面接評価とは

面接評価

面接評価とは、学生のスキルや人となりなどを自社の採用基準に照らし合わせながら見極め、評価することです。面接官の感覚や主観で判断すると、採用後の早期離職や社内ミスマッチの要因となります。また、複数の面接官が同じ基準で面接評価ができなければ、企業としての採用軸がぶれてしまい、人材の質も不ぞろいで事業に悪影響を及ぼします。

面接評価の際は、自社の基準となる評価軸を作成し、点数方式などを採用しながら客観的な視点で判断しなくてはなりません。

なぜ、面接に点数をつけるのか

面接 点数

面接評価の際は、評価を点数化して行うとスムーズです。点数をつけることの利点は以下の通りです。

  • 質問忘れを防ぐ
  • 自社の基準に従ってぶれずに評価できる
  • 選考データとして点数を分析しやすい

事前に「何を質問するのか」「なんのために質問をするか」「どんな回答だと高得点になるのか」などを決めておくことで、面接官の質問忘れを防ぎます。また、点数基準を決めてから面接に臨むことで、なんとなく会話するだけの面接をなくし、面接時間の効率化や質アップにつなげます。

面接評価をコメントだけでなく、点数で記録していけば、その後の振返りの際もスムーズです。定性的なコメントを分析するには、専用の分析ツールを用いますが、点数であれば簡単に平均値や傾向などを可視化できるのがメリットです。

面接における採点方法

面接評価の代表的な採点方法を2種類、ご紹介します。

加点方式

加点方式とは、0点から点数を加えていく方法の面接評価です。たとえば、「コミュニケーション力、ロジカルシンキング、素直さ」とった項目それぞれの満点が5点とします。3項目×5点=15点となります。

面接をしながら、コミュニケーション力は3点、ロジカルシンキングは4点、素直さは4点など積み上げていき、合計点数11点を満点の15点と照らし合わせて評価とします。

加点評価は相手の良いところ、できることに焦点を当てて評価を進めていくものです。

減点方式

加点方式の反対で、最初を100点満点と設定した上で、面接でできなかったことを減点していく面接評価です。たとえば、10項目×10点ずつの評価基準を用意し、面接の中でそれぞれの項目を確認していきます。

加点方式とは異なり、相手の悪いところはないか粗探しをするようなスタイルなので、質問の仕方も注意しなければ候補者は「悪いところばかり探されている」と感じてしまう場合もあります。

面接評価が初めての方は、基本の加点方式か減点方式から取り入れてみてはいかがでしょうか。

面接評価シートとは

面接評価シート

面接評価シートとは、選考時に面接官が応募者の評価をするための基準指標となるシートのことです。面接する際に、何を評価して、どんなことを質問すべきなのかを明確化したものになります。

複数人が面接を行っている場合には、面接評価シートがあることで属人的な評価にならず、より公平的な面接を実施することが可能となります。また、面接で何を聞いたらいいのかわからないといった悩みもなくなるため、面接評価シートを利用すれば、初めて面接官を担当するという人でも安心して面接対応に臨むことができるようになります。

面接評価シートを利用するメリット・デメリット

面接評価シートを作成すると、以下のようなメリットが得られます。

面接評価シートを利用するメリット

  • 企業の採用基準を明確化できる
  • 面接官同士の評価のぶれをなくす
  • 面接官の勘や主観に頼らず客観的な評価ができる
  • 面接評価をデータとして蓄積できる
  • 候補者の情報を社内共有しやすい

面接評価シートを作ることで、「何の項目を」「どのように評価すべきか」「どのレベルに達していれば合格になるか」などを明確に可視化できます。基準項目や点数がクリアになれば、面接の不公平さを防げますし、うっかり質問しそびれるなどのミスも防げます。

会話が上手く、なんとなく良さそうな雰囲気の方を相手にすると、どうしても感覚で合格にしてしまうものです。

反対に、声が小さく消極的な雰囲気の方でも、話している内容をしっかり聞いていけば自社とマッチしているケースもあります。その場の雰囲気や盛り上がり、見た目でうっかり判断せず、企業としての物差しを使って客観視できるのが面接評価シートのメリットです。

面接評価シートを利用するデメリット

一方、面接評価シートを作成するデメリットはあるのでしょうか。

  • 面接評価シートを作成する手間がかかる
  • 面接評価シートを作り込みすぎると評価の融通が効かなくなる

面接評価シートのデメリットを強いて挙げるとすると、面接評価シートの作成に手間暇がかかるという点です。企業の採用ターゲットを決め、社内でどういった人材が評価されているのかと照らし合わせながら採用基準や確認項目を整理し、加点方式か減点方式を採択するのか協議を行って、合格点および足切り点などを設定していきます。

面接評価シートを作った後は、使い方や注意点を社内共有して、各面接官が確実に面接評価シートを使いこなせるようサポートをしなければなりません。人手不足や人事の忙しさを理由に、面接評価シートの作成を後回しにする場合も多いのではないでしょうか。

また、面接評価シートを細かく作り込んだ結果、運用面で工数が増える懸念もあります。具体的には、「評価の記入項目が多すぎる」「確認する内容が難しすぎて点数をつけづらい」「面接評価シートでは判断できないイレギュラーなことがあったときに対処法を迷ってしまう」などです。

面接評価シートを作ることは大切ですが、面接評価シートで想定した通りの人材ばかり集まるわけでもありません。運用しながら、適宜内容を見直すなど工夫が必要になるでしょう。

面接評価シートの作り方

最後に、面接評価シートの作り方と、面接評価の項目例を紹介していきます。

  1. 採用ターゲットを決める
  2. 業務で必要な能力・スキル・経験などを洗い出す
  3. 評価項目を厳選する
  4. 評価基準と配点、合格点や足切り点を決める
  5. イレギュラー対策を行う

面接評価シートは、上記の流れで作成していきましょう。それぞれ解説します。

採用ターゲットを決める

改めて、企業の採用ターゲットを言語化しましょう。可能な限り詳細にわたり、ペルソナ設定をすることをおすすめします。必ずしも採用ターゲット通りの方が面接に来るわけではないので、「1番理想的な採用ターゲット」「少し募集要項を緩めた現実的な採用ターゲット」など、ランク分けして複数パターン用意しても差し支えありません。

複数の採用ターゲットをイメージする際は、「絶対譲れない要素」と、「あったらいいなの希望条件」に優先順位を付けて、整理しておくとスムーズです。

業務で必要な能力・スキル・経験などを洗い出す

採用ターゲットを決めたら、そのターゲットが保有すべきスキルや経験値などを1つずつピックアップしていきます。能力面、行動面、マインドやスタンス、人となり、技術面や専門知識など複数の視点から、漏れなく洗い出すようにしてください。

評価項目を厳選する

1と2で採用ターゲットとスキルなどを洗い出したら、項目の中でも重要度が高いものと低いものを分けていきましょう。1,2で出てきた要素を100%満たしている人材のみを狙うのは得策ではありません。

絶対に外せない要素のみを抽出し、能力面、行動面、マインドやスタンスなどどれかに偏らないよう、バランス良くピックアップしてください。

評価基準と配点、合格点や足切り点を決める

評価項目を抽出したら、それぞれの配点や合格点を決めましょう。評価項目が多ければ、1~3点または〇×にして、点数の傾斜を少なくするのが良いでしょう。100点満点でも、10点満点でも構いませんので、点数のつけやすさ、分かりやすさを重視して配点を決めていきます。

全体の配点が決まったら、何点以上で合格とするのか、反対に足切り点数を設けるかなどを協議してください。

イレギュラー対策を行う

面接の中で、どうしても点数化しづらい場面が出てきます。評価項目にはないけれど、その候補者ならではの要素に加点・減点をしたいと思うことは少なくありません。

必ずしも定量的な点数だけで評価するのが正解ではないため、定性コメントやイレギュラー事項の枠を設けて対策しておくと良いでしょう。

ただし、イレギュラーな定性コメントばかりになると、面接評価シートを作成する意味が薄れてしまうので注意が必要です。

面接評価の項目例

面接評価シートに入れるべき項目を、例として紹介します。どのような項目を整理すればいいのか判断する際の参考にしてみてください。

<評価項目の例>

  1. スキル・能力(業務スキル、ビジネススキル、一般常識や教養など)
  2. コミュニケーション力(具体的に、プレゼン力なのかヒアリング力を重視したコミュニケーション力なのか、自社ならではのコミュニケーション力を定義するよう注意)
  3. 行動面(積極性、自発的に動けるか、リーダーシップはあるか、人を巻き込めるかなど、どのような行動が社内で評価されるか整理しながら取り入れる)
  4. 人となり(性格、価値観、ストレス耐性、キャラクターなど)
  5. 思考力(ロジカルシンキング、課題特定力)
  6. 技術・専門力(保有資格、技術的なスキルやノウハウなど)

上記6つに分けてから、自社ならではの評価項目を1つずつ確認していくとスムーズでしょう。

まとめ

面接評価の際は、企業の評価軸を明確にしながら客観的な見極めを行わなければなりません。自社の採用要件や、仕事に必要な要素を再度整理して評価項目に落とし込み、面接評価シートを用いて適切な評価を実施していきましょう。

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