エクストリーム出社とはどんな出社の方法?取り入れるメリットは?

エクストリーム出社

エクストリーム出社とは、2013年ごろから日本でも聞くようになった新しい通勤スタイルのことです。出社前にとことん遊んで定時までに出社しようという概念で、朝活以上に効果があるとされています。

日本エクストリーム出社協会もあり、スポーツ感覚での実施や普及に取り組んでいます。ここでは、そんなエクストリーム出社について歴史やルール、メリットやデメリットなどを踏まえながら紹介していきましょう。

エクストリーム出社とは

エクストリーム出社

エクストリーム出社とは、会社に出勤する前の時間を使って非日常を体験し、定時までに出社する方法です。

日も登らない早朝から観光や登山、スポーツ、釣りなど、本来ならば休日に行うアクティビティを出社前に行い、リフレッシュする目的があります。

エクストリーム出社の由来

エクストリーム出社は、スリルを楽しむ「エクストリームスポーツ」から名前が由来しています。「エクストリーム」すなわち、エキサイティングで過激なアクティビティを出社する前に行うことを指しています。

朝から大胆にアクティビティを楽しむことで心に余裕が生まれるなどさまざまなメリットがあるのです。また、エクストリーム出社をする人は、一般的な通勤者とは区別されて「出社ニスト」と呼ばれています。

いつから始まったのか?

ユニークなエクストリーム出社を提唱しているのは、2013年8月に立ち上がった日本エクストリーム協会であり、発案者は天谷窓大氏と椎名隆彦氏です。

前職で会社に行きたくなくて遠回りしたのがきっかけだったと言います。会社とは逆の電車に乗って遠回りするうちに、通勤時間を有効に使って観光できることに気づいたそうです。

天谷氏と椎名氏は、エクストリームな通勤風景をTwitterで発信したところ実施する参加者が多く集まり、同年9月には協会主催の「全国一斉エクストリーム出社大会」が行われるまでになりました。

大会では、全国から出社ニストたちが100組以上集まり、アクティビティの内容から移動手段や距離、Twitterでの発信力などを競いました。

エクストリーム出社と朝活の違いは

早朝にヨガに参加したり英会話を習ったりなどの朝活が近年盛んに行われています。朝の時間を有意義に過ごすという意味ではエクストリーム出社と同じように思えますが、エクストリーム出社と朝活には決定的な違いがあります。

それは、出社前の時間を使ってどれだけ楽しめるかというモチベーションの違いです。

朝活は、ビジネスや自己啓発につながるような実用性がある目的のもと行われ、スキルアップや趣味のための時間ということに重きを置いています。朝活というと、何かを勉強しなければならないイメージの人もいるでしょう。

しかし、エクストリーム出社は出社前に、好きなことや面白いことをして楽しむために実行するものです。

純粋な娯楽を目的にしており、リフレッシュができれば内容は人それぞれで構いません。明確に違いがわからないという人は、流石に出社前からしないだろうという内容がエクストリーム出社だと捉えてみましょう。

エクストリーム出社のルールとは

エクストリーム出社のルール

エクストリーム出社は一つのスポーツとして捉えられているので、いくつか公式のルールが存在します。

実際に、日本エクストリーム協会は以下のルールに沿って「全国一斉エクストリーム出社大会」を開催しており、「移動」「演出」「アクティビティ」の3つの観点から採点しています。参加者はルール厳守が絶対条件です。

  • 場所に制限はなく、前泊も可
  • 出社時刻に遅刻すると失格
  • 随時SNSにてアクティビティの内容を発信
  • 業務とは関係がないので労災は適用外
  • 服装は通常の出社時のものを着用

業務とは関係ないので、もちろん遅刻や怪我をして仕事に支障をきたすことがあってはいけません。ほかにも他人に迷惑をかける行為などはもちろん禁止されています。きちんと定時までに出社するまでがスポーツとしてのエクストリーム出社です。

「出社ニスト」と名乗る以上は時間内に出社するのが大前提で、社会人としても競技者としても一流を目指すべきなのです。

エクストリーム出社のメリット

エクストリーム出社のメリットを、実施する社員と会社側に分けて紹介していきます。

実施する社員のメリット

まずは実施する社員のメリットから見ていきましょう。

リフレッシュできる

平日の朝といえばバタバタと支度して出社するのが精一杯という人もいるでしょう。

しかし、出社前にサーフィンやちょっとした観光などの圧倒的な非日常を味わうことで大きなリフレッシュ効果が期待できます。圧倒的な非日常を味わうには、普段使わない飛行機や新幹線を利用するのもおすすめです。

早寝早起きが習慣化できる

エクストリーム出社をするには、早く寝ることが大切です。例えば、午後10時には寝て早朝から活動すると早寝早起きの習慣が身につきます。

また、朝からアクティブに活動すると夜の早い時間には眠くなり、早寝早起きの好循環ができるでしょう。

娯楽において穴場を狙える

平日の早朝は、混雑に巻き込まれることなく空いている穴場が多いと考えられます。

時間帯によっては格安で飛行機に乗れたり交通機関が空いていたりなどのメリットが得られるでしょう。週末に比べると平日の早朝は、金銭的、精神的、肉体的に最適な時間帯でもあるのです。

会社側のメリット

次は会社側のメリットを見ていきましょう。

社員の独創性や企画力が身につく

エクストリーム出社は競技の一環なので、他人が簡単に思い付かないようなアイディアを考える独創性が求められます。どこへ行くか、何をするかを考える必要があるため、企画力が身につき仕事においても活かせるでしょう。

社員のタイムマネジメント力がつく

1人の社会人として遅刻はあり得ません。また、出社ニストとしても遅刻は失格になってしまいます。エクストリーム出社では、限られた時間の中で精一杯楽しむ行為を念入りに考えるため、タイムマネジメント力向上に期待ができます。

エクストリーム出社は時間の使い方が上手くなり、勤務時間外の労働削減にもつながるでしょう。

社員が仕事に集中できる

人より早く起きてアクティブな活動を楽しむとテンションが上がり、出社する頃には体も頭もフル回転の状態で100%の力を出し切れるはずです。

そのため、朝一からスムーズに仕事に取り掛かることができます。

エクストリーム出社のデメリット

エクストリーム出社のデメリットを、実施する社員と会社側に分けて紹介していきます。

実施する社員のデメリット

まずは実施する社員のデメリットから見ていきましょう。

仕事に集中できなくなる

エクストリーム出社は、どこへ行って何をしてどういう交通手段で出社するのかを念入りに計画する必要があります。

さらに、エクストリーム出社をするには、早寝早起きをしなければなりません。自分自身で上手くスケジュールコントロールができないと仕事中に眠くなり集中できなくなる場合が出てくるでしょう。

荷物が多く移動が大変

移動先で行うアクティビティによって持ち物が多くなる場合があります。そのまま満員電車に乗って出社するのは大変な場合もあるでしょう。

また、スーツ・革靴の出勤スタイルの人は、出張のようにスーツを持ち歩かなくてはなりません。

匂いが気になる

早朝から活動するエクストリーム出社は、基本的にシャワーを浴びて出社することができません。職場にシャワー室があればよいのですが、温泉につかったり焚き火をしたりすると匂いが気になる場合があります。

会社側のデメリット

次に会社側のデメリットを見ていきましょう。

社員が眠くなる

きちんと夜に早く寝てエクストリーム出社をするならまだしも、深夜まで起きていて早朝にアクティビティをするとどうしても眠くなる社員もいるでしょう。

また、普段動かない社員がエクストリーム出社をすることで疲れも出て仕事の効率が悪くなる場合もあります。

社員が体調を崩す

業務が忙しく残業をしているのに無理をしてエクストリーム出社を行うと、社員が体調を崩しかねません。

エクストリーム出社は、どこへどうやって行き何をして何時に戻ってくるという計画を念入りに立てなくてはならないため、上手く行わないと体も頭も疲れてしまうのです。

社員が遅刻する

エクストリーム出社の公式ルールにもあるように、出社時刻に遅刻をしたら失格です。

しかし何かハプニングが起きてしまったり、出社時刻までの時間を逆算できていなかったりなどが原因で遅刻する社員も少なからず出てくる可能性があります。

会社としてどう対応すべきか

エクストリーム出社 対応

説明してきたように、エクストリーム出社は社員にとって早寝早起きが習慣化でき、非日常を味わってリフレッシュができます。会社にとっては、社員が朝からアクティブに活動して頭がフル回転の状態で業務に集中して取り組めるなどメリットがたくさんあります。

しかし、社員の体調不良や怪我、遅刻などのさまざまなデメリットが出てくる可能性もあるでしょう。そうなってしまっては本末転倒です。会社としては、社員が取り組みやすいように工夫したりルールを守れるように注意喚起したりするのが必要です。

例えば、会社の中でエクストリーム出社をしたい社員を集め、集団で実施させるのもよいでしょう。グループの中で連携し体調が優れない、業務が忙しいなどの社員は次回にしたり、アクティビティ中に怪我をしても仲間がいれば助け合えたりもします。

まとめ

エクストリーム出社は社員にとっても会社にとってもさまざまなメリットがあります。

しかし社員はルールに沿って実施するのが大前提ではあるものの、何かしら業務への悪影響が出てしまう場合もあるでしょう。そうならないためにもエクストリーム出社を導入する会社は、社員たちとしっかりコミュニケーションをとって連携する必要があるのです。

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