「社会人インターンシップ」とは?新卒インターンシップとの違い・導入目的とメリット

募集企業が急増中!?【社会人インターンシップ】~学生向けとは違うそのメリット3点とは~

早速ですが皆様『社会人インターンシップ』という制度をご存知でしょうか?

「インターンシップといえば、学生を対象に行っているもの。」というイメージが一般的で、あまり耳馴染みのないワードかと思いますが、実は最近、社会人を対象としたインターンシップを開催する企業が増えてきているのです!

ということで今回は『社会人インターンシップ』について、その実態をお届けさせて頂きます!

社会人インターンシップとは?

そもそも社会人インターンシップって何?というのを簡単に説明します。社会人インターンシップは、その名の通り、すでに社会経験を積んでいる社会人が、興味のある職種・業種の現場で実際に就業体験をすることです。

主に下記のポイントを持つものが該当します。

  • 対象:学生ではなく、転職意向がある社会人
  • 目的:中途採用の集客
  • 期間と内容:学生のインターンシップに近く、1日もあれば月単位にわたることもある

それでは、実際にやっている会社の事例を見て、理解を深めていきましょう。

学生インターンシップとの違い

一般的な学生対象のインターンシップと大きく違う点は、3つあります。

平日夕方や週末の開催が多い

平日の日中に行われることの多い学生向けインターンシップとは違い、平日の就業後や週末での開催と、現職者でも参加できるような考慮されている場合が多いのが、社会人インターンシップの特徴です。

研修内容はより実践的

全くの社会未経験な学生ではなく、すでに社会経験を積んでいる方が対象となるため、もちろんプログラム内容も違ってきます。

例えば、学生の場合、社会人スキルを磨くことから始まります。マナー研修やword・Excel研修。そこから座学や実践へ移っていくのが一般的ですよね。ですが、社会人の場合は、そのような知識はもう取得していることが多いため、いち早く実践的な内容の研修を行うことが多いようです。

無給ではない

また、学生のインターンシップは基本的に無給(企業や期間による)で行われることが多い中、社会人インターンは時給1000円位が相場で有給で行われることがほとんどです。

では、わざわざ就業時間後や週末に受け入れ、アルバイト並みの時給を払ってでも実施する目的やメリットは何なのでしょうか。

社会人インターンシップを行う目的

社会人インターンシップを開催する目的はもちろん企業によって様々ですが、中でも『ミスマッチを防ぐため』というのは、大きなポイントです。

中途採用では大体1~2回程の面接のみ(適性検査なし)で合否を判断することが多いかと思いますが、それだけでは求職者の仕事のやり方や性格など、なかなか見えてこない部分も多いです。

中途採用の醍醐味としては、やはり「即戦力」を主に考える人事の方もいらっしゃるかと思いますが、その反面で長年の仕事の変わったくせや素直な知識の吸収力というのは、社会人経験を積んでいるからこその難しい問題でもあると思います。

この社会人インターンシップを開催することで、実務を通して求職者の働き方や考え方を知ることができ、より理想の人物像に近い人材と出会うきっかけを増やせるのです!

期間は気軽な1Day~で、「もっとこの企業を知りたい!」と興味度を高める効果もあるそうなので、大変おすすめです!

社会人インターンシップのメリット

他にもこんなメリットがあります。

企業側のメリット

優秀な人材が確保できる!

こちらは、よく言う「ヘッドハンティング」とは違い、自ら転職を考える求職者を相手に見極め・話を進めていきます。企業側が求める仕事意欲や入社意識はずっと高いことが多いので、貴社のターゲット像とマッチすれば最高な形で入社を迎えることができます!

社内への刺激になる!

いわば一定期間社外の人間と一緒に仕事をすることになるため、その人物が優秀であればあるほど、他の社員への刺激は大きくなるでしょう。

応募者側【仕事を辞めずに、他の仕事にチャレンジできる】

応募者側にとってもメリットがあります。それは、現職を続けながら、異なる世界の業務にチャレンジすることができ、かつ就業経験を積むことが出来るということです。新卒の学生のように様々な企業の説明会や選考に参加することが難しい社会人には、とてもメリットになるのではないでしょうか。

社会人インターンシップ事例5選

事例では、いくつかの企業規模・属性でお話していきたいと思います!

日本マイクロソフト

ここでは主にプログラムについてご紹介。さすがマイクロソフトという感じでしょうか、しっかりと1ヶ月の導入期間を設けてからのプログラムが組まれています。

こちらは、通称「リターンシッププログラム」と呼ばれており、一度キャリアを離脱している人を主な対象としたプログラムになります。

期間

3~6ヶ月の有給プログラム

職種

アカウントセールス、プリセールス、ポストセールス、サポートエンジニア等

内容

  1. 選考複数回(人事・事業部)
  2. 最初の1ヶ月で、マイクロソフトのビジネス・プロセス・ツール及び職務内容への理解を深めるための基礎トレーニングを受講
  3. ジョブシャドウイング(上司・同僚がどのような仕事をしているか密着して観察)をした後、実際の仕事の一部を実施
  4. 都度マネージャーと面談(1on1)の実施

    参考:HR NOTE「日本マイクロソフトのダイバーシティ、新たな一手!「リターンシップ プログラム」を取材してきた」

GEヘルスケア・ジャパン

こちらもプログラムについて触れていきます。GEヘルスケア・ジャパンは前述の日本マイクロソフトと連携してスタートしています。

GEヘルスケア・ジャパンも日本マイクロソフトと同じで、一度キャリアを離脱している人を主な対象としたプログラムで「リスタート&リターンシッププログラム」というプログラム名になります。

期間

3~6ヶ月の有給プログラム

雇用形態

契約社員としてインターンシッププログラムに参加

内容

  1. 選考複数回(書類選考・面接)
  2. 導入オリエンテーションや上司とのPriority Settingの実施
  3. 実際の職務を実施
  4. 終了1か月前にアセスメント
  5. 正社員に適格な場合は正規プロセスへ進む

参考:日本マイクロソフトNewsページ

JACリクルートメント

有名な人材紹介会社が提供するインターンシップでもプログラムを見ていきますが、やったことない会社の方々が真似するにはちょうどいいものだと思います。

というのも、いわゆる新卒採用でいうところの1day開催のインターンシップに近いからです。

期間

平日夜の1~2時間

内容

  1. 19:00~19:10 会社説明
  2. 19:10~20:00 リクルートメントコンサルタントの仕事の内容を体験・クライアントへのコンサルティングと求職者へのコンサルティングをおこなう体験プログラム
  3. 20:00~21:00 懇親会(現役のコンサルタント・社員との交流)

ご覧になっていかがでしょうか。ココぐらいから始めるならありかもしれない!と思えるのではないでしょうか?

今の中途採用においても、新卒採用と同じくイメージした仕事と入社後の仕事にギャップがある」というのが課題であり、入社を決める材料として、「どんな仕事をするのだろうか?」は必要な要素です。

この課題を埋め、入社への歩留まり、入社後の離職を防止するという目的をシンプルに達成できるプログラムだと考えられます。

参考:JACリクルートメントのWantedlyページ

株式会社コノル

スタートアップ・ベンチャーでも行っている会社がいくつかあるので、その1社をご紹介します。対象者はエンジニア希望者です。

スタートアップやベンチャーにとって、社会人インターンシップのメリットは「採用広告をかけずとも優位性が出せる」「大手出身など働く環境が、別の畑の人たちを誘致でき、さらにマッチング精度を高めて採用できる」等あります。他にも、いきなり正社員採用は結構ハードル高い企業フェーズで人を集められるといった経営状態に合わせた採用ができるのも良いところですね。

期間

1年間

職種

エンジニア希望者

内容

  1. ウェブの基礎周り【HTML/CSS/Javascript】の基礎技術を学習
  2. UI/UXの学習。サイトのデザインを学習
  3. ステップアップして、モダンなコーディング手法で同じウェブページを作成
  4. 自身で作ったサイトを元にPHPやデータベース、Rubyなど各種プログラムも学習
  5. 実際の案件のコーディング部分を実施
  6. 実際に開発が進められているシステムのサブとしてメインエンジニアの元で一緒に開発実施

参考:コノルのWantedlyページ

長野県塩尻市役所

最後は民間ではなく、市役所での取組で紹介したいと思います。他の違いとしては、「副業可能」「リモートOK」「CxOポジション」というのが他の会社と異なるアピールポイントになっております。非常に学ぶべきことがある取組なのではないでしょうか。

例えば、このような形で、自分たちの会社に必要なポジションをピンポイントで集められます。また、ハイクラスの人たちを採用するコストを考えると、コストもリスクも低い状態で採用に取り組めたりもします。

同じ社会人向けのインターンシップという切り口ではありますが、最初の4つの会社では、「キャリア・職種チェンジ」「リスタート」という切り口で、この塩尻市役所は「専門性のあるハイクラス」を切り口としており、採用目的がやや異なります。

期間

3ヶ月

雇用形態

業務委託(副業、リモート可)

内容

明確な業務が切られているわけではなく、それぞれに大枠のミッションが置かれてるだけになります。

特任CMO:塩尻市の魅力を全国に発信するために、プロモーションも視野に入れたブランド戦略を立案

特任CHRO:市内中小企業の人材に関する課題解決のために、塩尻市の担当が描いた戦略や戦術立案

参考:iX「塩尻市役所の地方創生推進課で、副業限定の特任CMO・CHROを募集」

まとめ

市況では新卒採用で行われるインターンシップが強い印象ですが、最近では働き方が柔軟になっていることも後押しして、社会人インターンシップが増えつつあると考えられます。

採用においてミスマッチや早期退職に悩む方はたくさんいるかと思いますが、社会人インターンシップを中途採用で行うことは、「競合との差別化」「短期で完結(新卒の年間と比較して)」といったメリットがあります。

こうして一定期間お試しという形で業務内容を経験し、「事前の実践で適性が分かる」×「マッチすれば即・即戦力決定!」といった一つの流れが中途採用で確立されれば、今までよりずっと満足感のある採用になるのではないでしょうか。

「採用のときに、これも確認しておけばよかった」、「適性を見極める選考フローがあればよかった」と思ったことが一度でもある方は、ぜひ、この社会人インターンシップを検討してみてください!

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