採用活動を続けていると、「応募単価」という言葉を耳にする機会は多いのではないでしょうか。求人広告やスカウト配信を行っても、「応募が来ない」「費用が高くなっている」と感じている採用担当者も少なくありません。
この記事では、応募単価の定義や計算方法、職種別・媒体別の相場、そして実際に応募単価を下げる具体的な改善策までをわかりやすく解説します。中途採用でコストを抑えながら応募数を増やしたい方は、ぜひ参考にしてください。
ー 職種別・媒体別の最新応募単価相場や、コストが高騰する原因を理解できます。
ー 応募単価を下げながら採用成果を維持する具体的な改善策と成功事例が学べます。
ー 応募単価の見直しや媒体選定の基準を知りたい人事・採用責任者。
ー 採用コストを最適化しながら、質の高い応募者を増やしたい企業担当者。
応募単価とは?意味と計算方法
応募単価とは、「1件の応募を獲得するためにかかった費用」のことです。計算式で表すと以下の通りです。
例えば、求人広告費として20万円を使い、40件の応募があった場合、応募単価は「5,000円」となります。応募単価を算出することで、「どの媒体が最も費用対効果が高いか」「どの施策が効率的か」を判断できます。
応募単価と採用単価の違い
混同されやすいのが「採用単価」です。採用単価は、「1人を採用するためにかかった総費用」を指し、面接・教育・入社手続きなどのコストも含まれます。
一方、応募単価は「応募を得るまで」の費用に絞られた数値です。つまり、応募単価は“採用の入口”の費用対効果を測る指標と言えます。
クリック単価(CPC)や応募率(CVR)との関係
応募単価は「クリック単価(CPC)」と「応募率(CVR)」にも密接に関係しています。たとえば、クリック単価が高い、もしくは応募フォームで離脱が多いと、結果的に応募単価が上がります。
そのため、「CPC×CVR=応募単価」を意識しながら改善を行うことが重要です。
応募単価の平均相場【2025年最新データ】
採用市場の動きや求人媒体によって、応募単価の相場は大きく変わります。ここでは、中途採用を中心とした最新データをもとに、媒体別・職種別・雇用形態別の平均相場を紹介します。
媒体別の応募単価目安(マイナビ転職・doda・Green・Wantedlyなど)
媒体によって得意な業界・職種が異なるため、自社の採用ターゲットに合わせた選定が重要です。
| 媒体名 | 平均応募単価(中途) | 特徴 |
|---|---|---|
| マイナビ転職 | 約5,000〜1万円前後(参考) | 幅広い職種・全国対応 |
| doda | 約6,000〜1万円超(参考) | 若手・営業系に強い |
| Green | 約3,000〜8,000円(参考) | IT・ベンチャー向け |
| Wantedly | 数千円~(職種・運用で大きくブレ、固定課金中心) | カルチャーマッチ重視 |
※ 応募単価はエリア・職種・媒体、原稿品質などにより大きく変動します。本表の数値は公開資料や一般的な運用実績をもとにした参考値です。実際の単価は自社の媒体データをもとにご確認ください。
職種別の平均応募単価(営業・事務・エンジニア・販売職など)
IT・エンジニア系は競争が激しく応募単価が高騰しやすい一方、販売・サービス職は母集団が多く比較的低コストで応募が集まる傾向にあります。
| 職種 | 平均応募単価(参考) |
|---|---|
| 営業職 | 約4,000〜6,000円 |
| 事務職 | 約3,000〜5,000円 |
| エンジニア職 | 約7,000〜10,000円 |
| 販売・サービス職 | 約2,000〜4,000円 |
※ 応募単価はエリア・職種・媒体、原稿品質などにより大きく変動します。本表の数値は公開資料や一般的な運用実績をもとにした参考値です。実際の単価は自社の媒体データをもとにご確認ください。
雇用形態別(正社員・契約社員・派遣・アルバイト)の違い
正社員の応募単価は高く、アルバイト・パートは比較的低めです。ただし、雇用形態に関係なく「職種と採用エリア」で差が出る点も注意が必要です。
応募単価が上がる原因3つ
「以前よりも応募が来にくくなった」「同じ予算でも応募数が減った」という場合、原因は以下の3つに集約されます。
求人媒体の選定ミス(ターゲット層との不一致)
ターゲット層に合わない媒体を使っていると、クリックはあっても応募につながりません。たとえば、経験者採用を狙っているのに学生層の多い媒体を利用しているケースや、勤務地が限定されているのに全国向け広告を出しているケースです。
採用したい層(年齢・経験・勤務地)に合ったチャネル選びができていないと、広告費が無駄になりやすく、結果的に応募単価が上がります。定期的に媒体別の応募単価や応募数を比較し、費用対効果を検証することが大切です。
求人票・原稿内容の訴求不足
「仕事内容が伝わらない」「魅力が弱い」と感じられる求人は、クリック後の離脱率が高くなります。特に最近は、求職者が複数の求人を比較して応募先を選ぶため、ファーストビューの印象や情報量の充実度が大きく影響します。
具体的には、
- 応募者が知りたい給与・勤務地・働き方の明示
- 自社の強みやキャリア形成の魅力を“応募者視点”で書く
- タイトル・見出しで「何を得られる仕事か」を明確化する
といった工夫が効果的です。原稿改善はコストをかけずに応募単価を下げられる最も有効な手段の一つです。
掲載タイミング・季節要因
求職者の動きには「繁忙期」と「閑散期」があります。中途採用では、6~7月(夏ボーナス前)、11~12月(冬ボーナス前)、2~3月(新年度前)が転職活動のピークで、それ以外の時期は求職者の動きが穏やかになる傾向にあります。
また、業界や職種によっても傾向が異なり、たとえば販売・サービス職は年末年始後、IT職は新年度前の動きが活発です。
このタイミングを外して掲載すると、広告の露出が十分でも応募が集まりづらく、結果として応募単価が上昇します。媒体選定と同様に、採用スケジュールを市場の動きに合わせることがコスト抑制の鍵です。
応募単価を下げる方法5選
応募単価を下げるためには、単にコストを削るのではなく「成果を維持しながら効率を高める」視点が必要です。重要なのは、“無駄な支出を減らす”だけでなく、“応募を増やすための投資効率を改善する”という考え方です。
ここでは、実際に成果につながりやすい5つの改善策を紹介します。
媒体選定を見直す(費用対効果を比較・再配分)
複数媒体を運用している場合は、媒体ごとの応募単価・採用単価・応募数・面接率などを比較し、費用対効果の高いチャネルに予算を再配分することが第一歩です。
媒体ごとに得意な層(例:若手・第二新卒に強い媒体、IT・営業など職種特化型の媒体)が異なるため、ターゲットに合わないチャネルを使い続けていると広告費のロスが大きくなります。
自社の採用ターゲットと媒体特性を定期的に見直し、効果検証シートを作成することをおすすめします。
求人原稿を改善する(ターゲット訴求・タイトル・ビジュアル)
求人原稿の見直しは、応募単価を下げる最も即効性の高い施策です。
タイトルに「数字」や「成果」「働く魅力」を入れることでクリック率が上がり、応募率も改善します。また、求職者が知りたい情報(給与・勤務地・仕事内容・休日など)を具体的に示すことで離脱を防げます。
写真やデザインなどのビジュアル要素を工夫するのも有効です。特に、スマートフォン閲覧時に読みやすく配置するだけで応募率が1.2〜1.5倍に伸びる事例もあります。
スカウト文面・配信設計を最適化する
中途では「dodaダイレクト」や「Wantedly」、新卒では「OfferBox」や「キミスカ」などのスカウト型サービスを活用している場合、テンプレート文面では反応が得にくい傾向があります。候補者の経歴や志向性に合わせて文面をカスタマイズし、「あなたに声をかけている理由」を明確に伝えることが重要です。
また、配信タイミング(平日夜や土日午前中)によって返信率が変動するため、時間帯や曜日ごとの開封データを分析して運用することで、応募単価を20〜30%改善できるケースもあります。
ただ、スカウト配信は想像以上に分析や運用の手間がかかり、「データを取っても改善につながらない」「忙しくてPDCAを回せない」という悩みも多いものです。
もし自社内で最適化まで対応するのが難しい場合は、スカウト配信代行サービスを活用するのも有効な選択肢です。ターゲット設計や文面改善、配信分析までを専門スタッフが代行することで、応募単価を下げながら応募数を増やす運用が可能になります。
クリック率・応募率を高める(LP改善/応募フォーム短縮)
応募数を増やすには、クリック後の「応募完了」までの導線をいかにスムーズにするかがカギです。
応募フォームが長い、入力必須項目が多いなどの要因で離脱率が高くなってはいないでしょうか。フォームの入力項目を3分以内で完了できる内容に減らす、モバイル最適化を行うなどの改善で応募率が大幅に上がります。
また、応募ページ(LP)の構成を改善し、CTA(応募ボタン)の位置や色・文言を最適化することも効果的です。
無料チャネル(自社サイト・SNS・リファラル)を活用する
広告費を抑えたい場合は、無料チャネルを積極的に組み合わせる戦略も有効です。下記のような取り組みを組み合わせることで、広告依存度を下げながら安定的に応募を獲得できます。
- 自社採用サイトの更新:求人情報や社員インタビューを定期的に追加し、検索流入を増やす
- SNSでの採用広報:X(旧Twitter)・Instagram・TikTokなどで、社風や働く人の姿を発信
- 社員紹介(リファラル)制度の活用:社員ネットワークを活かして信頼性の高い応募を獲得
- 自社ブログ・オウンドメディアの活用:採用ノウハウや業界情報を発信し、企業認知を向上
- 無料求人サイト・Googleしごと検索の登録:無料で掲載できる求人を積極的に活用
- 採用ページのSEO最適化:職種名+勤務地などの検索クエリに対応する構成に見直す
自社採用サイトを定期的に更新して検索流入を増やす、SNSで採用広報を行う、社員紹介制度(リファラル)を活用するなど、複数チャネルを掛け合わせることで「広告依存度」を下げられます。
また、リファラル採用は応募単価をほぼゼロに近づけられる上、定着率が高い傾向もあります。短期的には媒体見直し、長期的には自社チャネル育成の両輪で進めるのが理想です。
応募単価を下げつつ採用数を維持するコツ
応募単価だけに注目しすぎると、質の低下や歩留まり悪化につながることもあります。「単価を下げて採用数を維持」するには、KPI全体のバランスを見ることが大切です。
クリック単価(CPC)と応募率(CVR)をセットで見る
応募単価(CPA)は、「クリック単価(CPC)÷応募率(CVR)」で構成されます。そのため、応募単価を下げるには クリック単価を下げる/応募率を上げる のいずれか、もしくは両方を改善する必要があります。
- クリック単価を下げるには、媒体の入札単価やターゲティング精度の最適化が有効です。たとえば、ターゲット外への無駄配信を減らすだけでクリック単価が10〜20%下がることもあります。
- 一方、応募率を上げるには、求人タイトル・画像・ファーストビュー改善が効果的。「誰に向けた求人か」「何が魅力か」を明確にすると、応募率が上がり応募単価が大幅に改善します。
定量KPIのモニタリングと改善PDCA
応募単価を下げたいなら、まずはKPIの分解が欠かせません。「応募単価 → 面接率 → 内定率 → 採用単価」という流れでモニタリングし、どの工程でコストが膨らんでいるのかを定量的に把握しましょう。
定期的なKPI可視化と改善PDCAを回すことで、「どこを最適化すべきか」が明確になります。
例:
- 応募単価は低いのに面接率が低い → 応募者の質に課題あり(求人訴求やスクリーニング基準の見直し)
- 面接率は高いのに内定率が低い → 面接官対応や条件面の魅力度に課題あり
- 内定率は高いが採用単価が高止まり → 媒体ポートフォリオや採用チャネル配分に課題あり
面接率・内定率との連動で最適コストを判断
応募数を増やすだけでは、最終的な採用単価を下げられないケースも多くあります。たとえば「応募は多いが辞退・不採用が多い」場合、最終的なコストは逆に上がってしまうことにもなりかねません。
そのため、面接率・内定率・定着率など、採用プロセス後半のKPIとも連動して分析することが重要です。
応募単価が多少高くても、
- 面接率が高く
- 内定率・定着率も良い
といったチャネルであれば、最終的な採用単価はむしろ低く抑えられます。短期的にはCPA改善、長期的には採用全体のROI最適化を目指すことが理想です。
応募単価を改善するためのツール・施策
応募単価を下げたいとき、まずは「どの工程を効率化できるか」を整理し、ツール・仕組み・外部支援の3方向で最適化を進めるのが効果的です。近年はAIの活用やアウトソーシングの進化により、少人数でも成果を出せる環境が整っています。
求人広告の自動入札・AI最適化
Indeedや求人検索エンジンでは、AIによる自動入札と最適配信が主流になっています。
応募単価を下げるには、AIツールがリアルタイムでクリック単価(CPC)を調整し、費用対効果が高い層に広告を最適配信する仕組みを活用するのが効果的です。
たとえば、応募率が高い時間帯・エリア・デバイスを自動判定し、ムダなクリックを削減することで応募単価を20〜40%改善できるケースもあります。媒体によっては、管理画面上で「自動入札設定」や「パフォーマンス最適化モード」が選択可能なので、手動運用よりAI活用へ移行することがトレンドです。
リファラル採用や自社採用サイトの強化
社員紹介制度や採用ページの改善は、広告費をかけずに応募数を増やせる有効手段です。
- リファラル採用:信頼関係のある紹介から応募が入るため、応募単価をほぼゼロにできるだけでなく、定着率も高い。
- 採用サイト改善:SEOキーワード(職種名+勤務地+魅力要素)を意識し、写真や社員インタビューを更新することで、自然流入からの応募を増やせます。
これらの「自社チャネル育成」は、短期的な効果は薄くても、中長期的な広告依存脱却に直結します。
採用代行・運用代行サービスの活用
一方で、「改善の方向性はわかっていても実行まで手が回らない」という企業も多いのが実情です。特に中小企業や兼務担当者の場合、媒体運用・スカウト・効果分析までを1人で行うのは限界があります。
そこで有効なのが、RPO(採用代行)やスカウト運用代行の活用です。専門スタッフが媒体別のデータを分析し、
-
出稿調整・ターゲット設定
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原稿改善・スカウト文面作成
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配信分析・PDCA実行
を一括で代行してくれるため、応募単価を下げながら採用数を維持・向上することが可能です。
自社での改善に限界を感じている方へ
応募単価の最適化やスカウト運用の効率化は、専門の採用代行サービスを活用することで大きく改善できます。
キャリアマートでは、スカウト代行を含む採用アウトソーシング(RPO)を提供し、媒体運用からスカウト配信、データ分析までを一括支援しています。
・ 媒体運用・入札最適化/原稿・クリエイティブ改善
・ スカウト設計・文面作成・配信代行(新卒・中途対応)
・ KPI可視化と改善PDCAで応募単価&応募数を両立
※ 新卒・中途どちらのご相談も可能です。まずは課題整理だけでもOK。
まとめ
応募単価は、採用活動の“効率”を測る最も重要な指標のひとつです。定期的に算出・比較し、費用対効果を数値で把握することで、感覚に頼らない戦略的な採用が可能になります。
「応募単価を下げる=採用の質を落とす」ではなく、“データを見ながら最適化する” ことが成功企業の共通点です。媒体選定や求人訴求、スカウト運用を定期的に見直すことで、応募単価を抑えながらも採用成果を最大化できます。
もし自社で改善の手が回らない場合は、スカウト代行や採用代行(RPO)などの外部パートナーを活用し、数字をもとにした採用改善サイクルを回すことも検討してみましょう。
