中途採用の面接で使える質問事例集|求職者のホンネも紹介

中途採用 質問事例集

中途採用の面接では、選考基準が新卒採用の面接と異なり、基準に合った質問を用意する必要があります。

では、中途採用の面接にはどのような質問が適しているのでしょうか。今回は、中途採用の面接で使える16の質問例を1つずつ詳しく紹介していきます。また、ここでしか知れない求職者のホンネについても紹介するので、採用担当者の方はぜひご覧ください。

一般的な中途採用面接の流れ

面接流れ

中途採用面接は5つの流れに沿って進めていきます。

  1. 自己紹介や自己PRをしてもらう
  2. 転職理由を聞く
  3. 志望動機を聞く
  4. 労働条件や業務内容を把握しているか確認する
  5. 質問を受ける

企業によって異なる部分がありますが、上記が一般的な流れとなっています。

中途採用面接の具体的な質問事例集

ここからは、中途採用の面接で使える質問事例を具体的に解説していきます。

仕事の軸を見極めるための質問

仕事に対して何を重視しているのか、どのようなことを軸に考えているのかを見極めるためには、責任感や目標に対する意識の確認をするのがよいでしょう。

  • 10年後、弊社でどのような仕事をしてみたいと思いますか?
  • 仕事でのノルマや課題、目標についての考えとその理由を教えてください。

このような質問をすることで、どのような目的を持って働くのか、仕事に対する自分の考えや軸をしっかり持っているのかを確認することができます。

職務経歴に関する質問

履歴書や職務経歴書に書かれている内容を深掘りするような質問を投げかけ、仕事の進め方や今までの成果を確認していきます。

  • これまでどのような業務を行ってきましたか?
  • これまでに行った業務の中での成功体験や実績を教えてください。

成功体験の過程を詳しく話してもらうことで事実を確認でき、入社後に自社でも実績をあげられるのかを確認する質問でもあります。

論理的思考能力に関する質問

論理的思考を持っている人材は、順序立てて結論を導き出すことができ、上司への報告や説明、会議、商談など相手を説得できるコミュニケーションも持ち合わせています。

  • 弊社の製品の月間売上目標○万を達成するためには?
  • 前職での実績を出した過程を教えてください。

質問内容以外にもさまざまな手法を組み合わせるとよいでしょう。例えば、こちらが指定したキーワードを回答に入れ込むという条件をつけたり、「なぜ?」を繰り返す手法を用いたりすれば、どれだけ論理的な思考ができるかが確認できます。

シミュレーション能力に関する質問

ビジネスにおけるシミュレーション能力とは、将来起こるかもしれないリスク管理や、的確なビジネスモデルを設計できる能力のことです。

  • 企業側が退職を認めてくれない状況、あなたはどうしますか?
  • 仕事での成果がなかなか出ない場合はどうしますか?

1つ目の質問では、予想外の状況に陥った際の行動や問題への対処法を導き出せるかを確認できます。2つ目の質問では、成果を出す手段に対しての回答が多ければ多いほど、シミュレーション能力の高い人材といえるでしょう。

コミュニケーション能力に関する質問

上司や同僚など、職場の人間とのコミュニケーションが上手くとれなければ、いくらスキルがあっても仕事では活かせません。

  • 業務を行う際、個人とチームではどちらの方がやりやすいですか?
  • もし上司や同僚と意見が合わなかった場合、どのような対応をしますか?

最後の質問のように「もし」の質問をして納得のいく回答が返ってきたら、幅広いコミュニケーション能力を持ち合わせていることが期待できるでしょう。

モチベーションに関する質問

ビジネスにおけるモチベーションとは、働く意欲のことです。モチベーションがある状態は人を成長させ、企業への貢献にもつながります。

  • 仕事中、どのような際にモチベーションが湧きますか?
  • モチベーション維持のために、どのようなことを心がけていますか?

自分のモチベーションがどんなときに湧いてくるのかを認識できている人は、セルフマネジメントができる人材である可能性があります。

ストレスに関する質問

社会人にとってストレスは切っても切り離せないものです。ストレスと上手く向き合い、対処できるのかを見極めるための質問も取り入れましょう。

  • ストレスが溜まってきた際、どのように対処していますか?
  • これまで働いてきた職場で、耐えられなかった出来事はありますか?

蓄積したストレスは最終的に爆発してしまいます。ストレス耐性があるかではなく、ストレスコントロールができるかの確認を行いましょう。どのようなことにストレスを感じるのか知っておくことで、早期退職の防止にもつながります。

仕事に対する姿勢への質問

仕事への考え方や取り組む姿勢、やりがいや企業に期待することを質問すれば、仕事に対しての価値観を知ることができます。

  • 入社後、学びたいスキルはありますか?
  • 弊社に期待していることはありますか?

取得したいスキルは、面接の際に事前に確認しておくことで入社後のミスマッチの防止にもなります。また、将来どのようになりたいのか、求職者の今後のビジョンを知るきっかけにもなるのです。

キャリアに関する質問

中途採用でのキャリアとは、スキル・転職履歴・年齢・人間性・景況感や流行、この5つを組み合わせて判断します。

  • 弊社入社後、どのようなキャリアを描いていますか?
  • 10年後、どのような仕事をしていたいか理想はありますか?

経験だけでなく、年齢に応じたスキルや、コミュニケーション力・判断力などの人間性、景況や流行を感じとるアンテナがある人材であれば評価は高いでしょう。

転職理由に関する質問

転職理由に関する質問について、求職者はあらかじめ回答を用意している場合がほとんどです。ポジティブな内容になるよう、ネガティブな要素はオブラートに包んでしまうため、本音を聞き出だす工夫も必要になります。

  • 転職しようと思った理由はなんですか?
  • 前職について、これがあれば・こうだったら退職しなかったというものは?

「大変な経験をされたのですね」のように、相手に共感する姿勢を見せれば、本音を聞き出す効果が期待できます。回答に対してさらに質問を投げかけ、理由を掘り下げていくのも1つの手法です。

志望動機に関する質問

志望動機については、なぜ自社を志望したのかはもちろん、自社に期待していることや今後どのようなキャリアを目指しているのかを確認できる質問を用意しましょう。

  • なぜ弊社を志望しているのですか?
  • 転職するうえでの条件や重視していることはなんですか?

重視するポイントや条件などを面接の際に確認しておくことで、入社後のミスマッチを防止でき、早期退職のリスク回避にもつながります。

対人スキル・人間性に関する質問

人間性は目には見えにくいものであり、履歴書や職務経歴書では読み取れません。面接の際に求職者の人間性を把握できるような質問を用いるとよいでしょう。

  • 今まで人間関係でのトラブルや困ったことがあれば解決策とともに教えてください。
  • 自分の長所はなんですか?反対に改善したい点とその改善策も併せてお答えください。

自社の雰囲気や現従社員たちとの相性や価値観をマッチングさせるためには、人間性や対人スキルの把握は重要なポイントです。スキルだけでなく、現在の社内の環境に合う人材かどうかもチェックしましょう。

自己開発意欲・成長意欲に関する質問

これからの成長の可能性が期待できるかどうか、面接の際に見極めるためには自己開発意欲や成長意欲に関する質問を用意しましょう。

  • 弊社入社後にチャレンジしてみたいことはありますか?
  • あなたが今後、より高めたいスキルはなんですか?

確実に成長できる人材かどうかは、実際に働いてみないと分からない部分もありますが、面接の段階である程度の可能性を測ることができるでしょう。将来についての質問は、先を見据えて仕事ができるか確認ができます。

課題解決力に関する質問

業務を行ううえで、課題は必ずといえるほど出てくるものです。課題解決力を確認するためには、今まで直面した課題に対してどのように対応したのかという質問、状況を設定し解決法を回答させる質問の2パターンを用いるとよいでしょう。

  • 職場の人に対して腹が立つ出来事があった場合、どのように解決しますか?
  • 弊社入社後3ヶ月で成果を出す場合、どのような戦略を立てますか?

状況を仮定した質問では、経験を元に引き出した回答なのか、論理的思考からの回答なのかで求職者の思考や経験値を確認できるでしょう。また、求職者が志望するポジションと同等レベルの社員と比較すると、採用の判断を行いやすくなります。

アイスブレイクに使える質問

アイスブレイクとは、初対面同士やビジネスの場などで緊張をほぐし、場を和ませることです。意見を述べやすい雰囲気を作り、やりとりを円滑に進めます。雑談のような質問をいくつか用意しましょう。

  • 本日は弊社までどうやって来ましたか?
  • 室内の温度はいかがですか?寒く(または暑く)ないですか?

面接では、採用を判断するために求職者の情報を導き出すという点が重要です。緊張している状態では、本音を聞き出すのが難しくなります。簡単に回答できる質問で場作りをして採用の判断材料を多く引き出しましょう。

求職者の意表をつく質問

業務とはまったく関係のない意表をつく質問は、予想外の出来事が起きた場合に求職者がどのような対応をするのかを確認できます。

  • 自分にキャッチコピーをつけるとしたらどのようなキャッチコピーになりますか?
  • 無人島に1つだけ持ち込んでいいとしたらなにを持っていきますか?

面接では、好印象を残そうと自分のいい面しか見せないということもあります。心理テストのような深層心理を探る質問を用意しても面白いでしょう。

NG質問や逆質問

NG質問&逆質問

では、次にNG質問や逆質問を紹介します。

これを聞いたらアウト!NG質問

思想・信条・出生地・家族の職業などにかかわる質問

差別につながりかねない為、質問してはならないと定められています。職業安定法に基づく改善命令を出されることもあり、改善命令に違反すると6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

過去の経歴を根掘り葉掘り聞く質問

応募者には守秘義務の関係上面接で話せない内容もあります。プライベートに関わることについてまで度を超えて追及するとブラック企業ではないかと疑われてしまう可能性も高まります。常識的な範囲内であることが求められています。

セクハラ・パワハラになる質問

面接官は面接時の質問がセクハラやパワハラにならないよう徹底しなければなりません。

性別によって質問内容を変えることはセクハラにあたり、法律で禁じられています。応募者に対して有利な立場であることを利用して無神経な質問をすることはパワハラにあたります。

質問内容によっては聞くこと自体が無意味であったり、応募者の自社に対する印象を悪くしたりしてしまうこともあるので注意が必要です。
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逆質問で、興味関心を深堀る!

面接官から応募者に対して「なにか質問はありませんか?」と聞いたときの逆質問の内容によって、応募者がどのような点に興味や関心を持っているのか、仕事に対する意欲がどれくらいあるのかを確認できるからです。

  • 自社に対する下調べを十分に行ったことがわかる、現場の仕事内容について質問
  • 応募者と同年代の社員がどのようなスキルを持っているのかについての質問
  • 同年代の社員がどのような職務を担当しているのかについての質問
意欲を確かめるのに逆質問の時間を設けることが有効です。

求職者のホンネ!中途面接「どうでもいい質問」事例

最後に、中途面接でされると思わず「どうでもいい」「なぜそんな質問をするの?」と求職者が思ってしまうような質問事例を紹介します。

  • 今回の面接での、面接官の評価は何点ですか?
  • 正直なところ、自分はこの会社には向いていないと思いませんか?

圧迫面接という手法を用いる際に、このような質問を用意する面接担当者もいるでしょう。しかし、求職者にとっては答えづらく意地の悪い質問だと捉えられてしまう場合もあります。

また、以下は面接とは関係のない、本当にどうでも良い質問例です。

  • あなたの好きな芸能人、嫌いな芸能人を教えてください。
  • じゃあ、マスクとってもらえる?

このような質問は、先に触れたコンプライアンスに関係してくるNG質問と捉えられる可能性もあります。求職者の貴重な時間をもらって面接していることを忘れないように心がけていきましょう。

まとめ

中途採用の面接で使える質問事例をポイントとともにお伝えしました。ありきたりな質問では、求職者の情報を深掘りすることは難しいでしょう。

不快感を与えないよう、相手の反応を伺いながら少しずつ本音を導き出すために、ぜひ本記事で紹介した質問を参考にしてみてください。事前にしっかり準備を行い、自社に利益を生み出す人材を見つけましょう。

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