タレントプールとは?メリットや成功事例、効果的な作り方を徹底解説

タレントプール

採用活動をしていて「この前の面接で出会ったあの応募者ともう一度話がしたい」「諸事情で今は採用できないけれど、将来的に自社で働いてほしい」そう思ったことはありませんか?

採用できなかったタイミングで応募者との縁が切れてしまうのが一般的な採用活動の流れでしょう。

しかし、タレントプールは人材の情報を貯めておける仕組みのため、「いつか、また」ができる新しい仕組みといえます。

働き方が変化している昨今では、採用方法もアップデートしていくことが必要です。

「優秀な人材を効率的かつ確実に採用したい」そう思う方はぜひこの記事を参考に、採用活動や役立ててください。

タレントプールとは

タレントプール

まずは、タレントプールについて理解を深めましょう。

タレントプールの定義

「タレント」は「才能」、「プール」は「情報を蓄えておく」という意味を持ちます。

つまりタレントプールとは「才能のある優秀な人材の情報を蓄えておく」仕組みのことです。

「人材プール」と呼ばれることもあるタレントプールは、中期的・長期的に人材の情報を蓄え、候補者との関係性を維持できるデータベースとして注目を集めています。

タレントプールが注目される背景

ではなぜ、タレントプールが注目を集めているのでしょうか。ここでは、タレントプールが注目を集める背景について紹介していきましょう。

少子高齢化による人材不足

内閣府が発表した「人口減少と少子高齢化」では、2020年には7,406万人だった15〜64歳の生産年齢人口が、2065年には4,529万人まで減少するという見通しを立てています。

採用したい企業よりも応募者が少ない傾向にある売り手市場の状態が今後ますます加速することが予測されるため、企業側からも積極的にアプローチしていく必要があります。

そういったことを理由に、タレントプールへの注目が集まっているのでしょう。

タレントプール

引用元:内閣府|人口減少と少子高齢化

働き方や雇用形態の多様化

働き方の多様化によって、在宅勤務や時短勤務に加え、業務委託やフリーランスなど様々な働き方がみられるようになりました。

特に優秀な人材は、どのような働き方、雇用形態となっても活躍できるため、自分の納得のいく選択をする傾向にあります。

タレントプールは、そういった方にも繰り返しアプローチできる、時代に合った採用手法といえます。

雇用の流動化

働き方改革の推進や就労スタイルの変化によって雇用の流動化にも注目が集まっています。

雇用の流動化には様々なメリットがある一方で、急な退職者が出るといったデメリットもあります。

急な退職者が出たときにタレントプールを活用すれば、退職者と同等かそれ以上の優秀な人材を迅速に確保できる可能性もあるのです。

タレントプールのメリット

ここでは、タレントプールのメリットを見ていきましょう。

採用コストの削減

タレントプールを構築することで、採用コストを抑えることにつながります。

例えば、急な退職者が出て欠員補充をする場合、従来の方法だと、再度お金をかけて求人を出す必要があります。

一方で、タレントプールを活用すれば、登録している人材にアプローチするだけなので、新たなコストは発生しません。

こういったことから、タレントプールは採用コストの削減に有効といえます。

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採用コスト削減方法

優秀な人材の確保

プールする人材は、採用を続けていくとどんどん増えていくでしょう。母数が増えていけば、タレントプール内で人材や人柄を比較でき、優秀な人材がより明確になります。

また、「機会があれば転職したい」と考えている、転職市場に出回らない優秀な転職潜在層にもアプローチできるでしょう。

こういった理由から、タレントプールは優秀な人材の確保に有効といえます。

ミスマッチの減少

タレントプールに登録されている候補者は、以前に自社と接触したことのある方です。

そのため、お互いのことを理解している状態であることから、タレントプールの活用は採用ミスマッチの予防に効果的といえるでしょう。

採用プロセスの効率化

タレントプールでは、自社に興味や関心を持ち、以前何らかの形で接触したことのある人材を管理しています。

そのため、急に人材が必要になっても、再度母集団を形成することなく、タレントプールの活用で効率的に採用が行えるでしょう。

タレントプールの作り方

タレントプール

ここでは、タレントプールの作り方を紹介していきます。

人材要件の定義

まずは自社にどのような人材が必要なのか「人材要件の定義」を行い、求める人物像を明確にしましょう。

自社が求める人材の年齢や学歴、資格、価値観、仕事に対するスタンスなどを、細かく明らかにしておくことが大切です。

求める人物像が明らかになったら、それに合う人材を中心にプールしていきましょう。

データベースの構築

人材要件の定義ができたら、次にデータベースの構築を行います。

過去に自社と接触したことのある人材に加え、求人媒体や会社説明会、セミナー、SNS、リファラル採用など、候補者と出会う機会で今後もアプローチしたいと思った人材をピックアップしましょう。

データベース化する際は、個人の基本情報や保有スキル・資格などに加え、「最終選考で不採用となった人」「内定辞退した人」「社員紹介で面接した人」のような情報を付け加えておくことが大切です。

再度アプローチする際、その人材に適した手法を選ぶことができます。

定期的なコミュニケーション

データベースに登録した人材とは、定期的なコミュニケーションを取ることが大切です。

一度は自社と接触した候補者でも、時間がたてば興味や関心は薄れていき、採用には至らないケースもあります。

そのような事態を防ぐために、メールマガジンやSNS、イベントなどを利用して自社の情報を定期的に発信し、候補者の興味や関心を維持させましょう。

タグ付けと管理方法

  • タレントプールは構築して終わりではなく、運用することが大切です。

有力な候補者にはタグ付けやマーキングをして優先的にアプローチするとともに、事業や組織の状況が変化した際には人材要件の変更や候補者の取捨選択を迅速に行いましょう。

タレントプールの成功事例

ここでは、タレントプールの成功事例を3つ見ていきましょう。

タレントプールの成功事例①

タレントプールを構築するため、求職者自身がタレントプールへ登録するよう促すボタンを、自社サイトに設置した会社があります。

登録した人材へ選考の案内メールを送り、承諾を得られれば選考に進む仕組みです。自社サイトに訪れた人が登録するため、自社への関心が高い人がプールできるでしょう。

タレントプールの成功事例②

従業員が人材を紹介してタレントプールを構築した会社もあります。人材を紹介し採用に成功した従業員にはインセンティブが与えられる仕組みを作り、会社全体でリファラル採用が進められました。

タレントプールの成功事例③

ある会社では、転職イベントの参加者や内定辞退者に声をかけ、メール配信の承諾を得た場合、その人材をプールしています。

転職を視野に入れている人が自社に関心を持ってくれれば、スムーズな採用が期待できるでしょう。

タレントプールの運用方法

ここでは、タレントプールの運用方法を紹介していきます。

継続的な候補者との接触

せっかく優秀な人材をプールしても、接触や交流、情報発信などがなければ、自社に対する興味や関心は失われてしまうでしょう。

採用を成功させるためには、継続的に候補者と接触したり交流したりすることが求められます。

例えば、社員とのランチに候補者を招いたり、メールマガジンを配信したりするのがおすすめです。

ただし、頻度が多すぎると逆効果になることもあるため、興味を失わせない程度の接触頻度になるよう心がけることも大切です。

SNSを活用したコミュニケーション

タレントプールの運用に、SNSの活用は最適です。

SNSは自社の情報をカジュアルに発信したり、候補者にメッセージを送ったりできることに加えて、候補者の投稿や反応を見て応募の意思について確認することもできます。

利用者の多い、InstagramやXなどを活用すると良いでしょう。

イベントやセミナーの活用

プールした候補者の中には、すぐに転職を考えている人材と、そうでない人材がいます。

そのため、まずは候補者と接触することを目標に、イベントやセミナーを活用するのがおすすめです。

イベントやセミナーを開催することで、企業は自社の魅力を伝えられ、応募者の近況や能力、転職への意思が把握でき、応募者は企業の事業内容を深く理解することができます。

タレントプール活用の注意点

タレントプール

ここでは、タレントプール活用の注意点を紹介していきます。

候補者との関係性維持

タレントプールを活用した採用を成功させたい場合は、候補者との関係性を維持させることが大切です。

候補者は転職潜在層であることが多く、本格的に「転職したい」と思うタイミングをつかむことは難しいでしょう。

そのため、候補者と定期的に交流し関係を維持することで、「転職したい」タイミングで自社へ応募してくれる可能性が高くなります。

適切なアプローチのタイミング

候補者へのアプローチには、適切なタイミングがあります。

適切なタイミングをつかむには、候補者の行動を分析することが大切です。

メッセージの返答内容やメールマガジンの開封率、セミナーへの参加の有無などから自社への興味や関心の程度を分析することで、適切なアプローチのタイミングをつかむことができます。

また、例えば、以前よりもメールマガジンの開封率が高くなったり、自社の採用サイトにアクセスしたりしている場合も、アプローチするタイミングといえるでしょう。

データ管理の重要性

プールしている人材のデータは、常に最新でなくてはなりません。

定期的な交流の中で、住む場所や仕事などに変化があったとわかった場合は、登録内容も素早く変更しましょう。また、自社が求める人物像に変更があった場合も、プールしている人材の見直しが必要です。

タレントプールにはこういった管理が必要ですが、プールしている候補者が増えれば増えるほど、この管理は難しくなります。

自社での管理が難しい場合は、採用管理システムを導入することもおすすめです。

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まとめ

タレントプールは、コストや時間を削減しながら効率的に優秀な人材を採用できる、新たな採用手法です。

候補者との中長期的な関係性の維持や適切なアプローチのタイミングの見極め、定期的な情報のアップデートなど、運用には手間や管理が必要ですが、昨今の採用市場に合った採用手法といえるでしょう。

従来の採用手法では中々優秀な人材が集まらないとお困りの方は、タレントプールの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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