今回のテーマは「内定式準備」についてです!
「何を準備したらいいかわからない」
「他社はどんな流れで開催してるの?」
「準備で気を付けるべきことはある?」
せっかく獲得した優秀な人材の辞退を防ぐため、内定者のフォローをすることも採用担当者の重要な仕事です。しかし、特に初めて新卒採用を行う人事担当者の方は、上記のようなお悩みをお持ちではないでしょうか?
そこで今回は、企業が内定式を行う際にどのようなことをするべきか、なぜ行うのかなどの理由にフォーカスをして徹底解説をしていきます。
そもそも、内定式とは?
内定式とは本来、次年度の新入社員を確定させるために行うものです。具体的な内容として、企業は学生に対して採用通知を、学生は企業に対して入社承諾書を提出。ここではじめて、正式な労働契約が成り立ちます。
内定を出していた学生に入社の意思があるのか、最終確認をする場となるでしょう。
内定式の目的、実施によるメリット
内定式を行う主な目的は「労働契約を正式に成立させること」ですが、一般的には書類のやり取りだけでは終わりません。内定式の機会を利用して、内定者向けの研修や懇親会などを行う企業も多くあります
メリット1:入社前のモチベーションを高める
内定者にとっては役員や先輩社員の話を聞くチャンスとなるため、入社前のモチベーションを高める効果も期待できるでしょう。
役員から企業理念を伝えることで、会社の方針をより深く理解してもらうこともできます。内定が出てからは、つい怠けがちになる学生もいるので、社会人デビューに向けて、もう一度気持ちを引き締めておく機会にもなるはずです。
メリット2:内定者同士の連帯感を生み出す
また、同期となる内定者同士が交流できることから、連帯感を生みだせることもひとつのメリット。
入社に向けて不安を感じている学生のメンタルを整える機会にもなります。採用担当者は、内定者それぞれのコミュニケーションを直に見ることで、配属先を決める際の参考にもなるでしょう。入社後にどのような仕事がしたいのか、内定式で改めて配属先の希望を聞いてみるのもいいですね。
基本的な内定式の内容
中には一風変わった内容の内定式を開催する企業もありますが、基本的に以下の内容を盛り込んでいる企業が多い印象です。
内定通知書の授与
ほとんどの企業で欠かさず行われているのが、内定通知書の授与です。内定式の本来の目的でもあるため、内定通知書の授与は必須と言えます。
学生側も正式に式典を通して通知書をもらうことで、モチベーションや入社意識が高まります。
経営陣の挨拶
社長や役員の挨拶も必須と言えます。
「どういう意図があって今回のメンバーを採用したのか」「入社後、何を期待しているのか」などを伝えることで、学生も自分に求められていることや立場を理解することができます。
内定者研修
企業によっては、内定式内に研修を組み込んでいる場合もあります。
早い段階から研修を組み込むことで、会社への理解や同期同士の仲も深まり、入社した際により高いレベルで業務に取り掛かることができるでしょう。
ただ入社式ではなく、あくまでも内定式ですので、あまりハードな研修は控えるのが無難です。
今後のスケジュールの連絡
学生が今後の流れを把握できるよう、内定式の段階で、入社までのスケジュールを伝えるのも重要な要素の一つです。
また、内定式から入社日までの期間の有効活用として、事前に課題を出す企業もあります。今後の入社に備え、学生たちが有意義に過ごせるような課題の設定や、今後の詳しいスケジュールを伝えると良いでしょう。
書類などの事務手続き
内定式は企業と学生の双方が納得できるよう、内定承諾書などの書類の手続きを行うタイミングでもあります。
面接後に内定承諾書を強要する会社もありますが、あまりイメージが良いとは言えません。改めて内定式という場を設け、その際に書類の手続きを進める方が学生の不安をあおることもなくスムーズに進めます。
同期との交流
今後ともに働く仲間である同期との交流時間も設定すると、学生にとっても有意義な時間になります。内定式が終わったあとでも、企業側で内定者同士の交流を定期的に図るのも学生にとってはプラスになります。
内定式の連絡はいつまでにする?
内定式開催の連絡は、一般的には以下のタイミングが良いとされています。
遅くても1ヶ月前
遅くても開催の1ヶ月前には通知するのが良いでしょう。
学生側も日程の調整や、遠方であれば移動手段の準備などもあり、急に連絡が来ても困ってしまいます。1ヶ月の猶予があれば安心して準備なども行うことができるかと思いますので、10月1日に内定式を開催する場合には、8月末までには連絡してあげましょう。
早めに連絡がくれば学生は安心する
近年内定の早期化が進み、内定をもらってから内定式までの間で、何も連絡がないと不安を感じてしまう学生も多くいます。
詳細は決まっておらずとも、開催の数か月前など早い段階において「開催の有無や、だいたいいつ頃に開催する」といった連絡をしておくだけでも、不安要素が取り除けるのではないでしょうか。
内定式を開催する日程は?
実際に内定式を行う際、日程はいつ頃がよいのでしょうか。多くの企業は以下のタイミングで開催をしています。
一般的には10月1日
一般的には経団連が定めた倫理憲章のルールに基づき、10月1日に行われるケースが最も多いです。ただし、今年は10月1日が日曜日のため、翌営業日に開催する企業が多いことが予想されます。
また10月1日(10月始めの営業日)に内定式を開催することは、夏に内定を獲得した学生が中だるみをしないよう、モチベーションアップも期待できるので、非常に良いタイミングと言えます。
会社独自の日程
会社の伝統などに従い独自日程を設定しているケースもあります。しかしながら、12月以降など開催が遅くなると学生も不安になってしまいがちです。そのような場合には、定期的に連絡をするなど随時内定者フォローは欠かさず行うようにしてください。
ベストな開催時間は何時から?
内定式を行う際は、開催する時間も気をつけなければなりません。良い時間帯としては以下の通りなので、参考にしてください。
午前10時スタート
午前中に開催することで企業側は昼から業務に集中でき、学生も昼から予定を立てることができます。
またその後、研修などを行うことも考慮すると、午前中から開催することで、効率よくプログラムを進めることができるでしょう。
午後1時スタート
午後一から昼過ぎにかけての時間帯も、非常に良いタイミングと言えます。
内定式後に研修などを挟み、懇親会や交流会を開催する場合、一連のプログラムが終わり、ディナー帯に差し掛かるのでスムーズに進行することができます。
内定式終了後は懇親会をするべきか?
社員と内定者の交流を深める手段の一つとして懇親会が上げられますが、果たして内定式後に懇親会をするべきなのでしょうか。
内々定後に懇親会を開催している企業
「マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査」によると、24卒時、入社予定先企業の人と内々定後に会う機会があったかどうかというアンケートでは、食事会・懇親会は全体の23.1%となっています。コロナ禍であった22卒時は、わずか9.2%という結果だったので、だいぶ回復してきていることがうかがえます。ただしこちらの調査は、内定~入社までの期間で行ったものですので、内定式後に限定してしまうともう少し少ない数字になるかもしれません。
開催するのは内定式後にしなければいけないというわけではないですが、このタイミングを逃すと、内定者と社員の全員が顔を合わせられる機会というのは4月以降の入社式になってしまいます。
あまり長い期間音沙汰がない状態が続いてしまうと、学生も不安が高まり、内定式後の内定辞退を招いてしまう可能性がありますので、昨年内定式後に懇親会を行わなかった企業も、ぜひ今年度は開催することをおすすめします。
内定者懇親会のおすすめの内容はこちらの記事で紹介していますので、合わせてご覧ください!
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懇親会で得られるメリット
懇親会を開くことで、学生たちの不安を取り除くことも可能です。事前に社員と交流をすることで、疑問に思うことを聞くことができ、社員の雰囲気や会社全体の社風などもある程度理解できます。
そのため、懇親会を開くことで学生に安心を与え、入社前により会社のことを知ってもらう良い機会となります。
プライベートを重視して、開催しない企業もある
一方でスケジュールの連絡のみで懇親会を開かない企業も存在します。あえて学生のプライベートを優先し、あまり拘束時間を作らないというのも良いでしょう。
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内定式準備で人事が気を付けるべき4点
これから内定式を組み立てる人事の方に向け、開催時に気を付けるポイントをいくつか紹介します。内定式の内容の組み立てと合わせて確認してみてください。
段取りの把握
まず時間の管理は徹底的に行い、内定式の時間が伸びないように気を配る必要があります。そのため事前に段取りを確認し、円滑に進められるように準備をしてください。
会社側の人選
内定式での挨拶・運営を手伝う人選も注意すべきポイントの一つです。
内定者に不安やプレッシャーを与えない挨拶や、入社日までモチベーションを保てるようなメッセージを発信できる人を選出することをおすすめします。
社長や経営層はもちろん、加えて年の近い先輩社員などを起用することで、より内定者も今後の自分をシミュレーションしやすくなります。
挨拶の工夫
挨拶はどうしてもかしこまってしまい、面白みに欠けてしまうものです。
そのためテンプレ通りの挨拶にならないよう、学生の心に響くようなメッセージを考えておくことも必要です。そうすることで式が冗長的にならず、メリハリのある活気づいた内定式になるでしょう。
ストレスを与えない環境整備
学生たちは改めてフォーマルな場に集められ、多くの社員と顔を合わせるため非常に緊張している状態です。そのため学生たちがストレスを感じにくい環境整備や、配慮を行う方がベターと言えるでしょう。
人事の方が想像している以上に、学生にとって内定式は緊張する場であることを忘れてはいけません。
まとめ
このように、長く厳しい就活を終えた学生にとって、内定式への出席は一つの節目と言えるでしょう。今後の社会人生活に期待を膨らませている一方で、初めての環境で緊張や不安も抱えています。
そのため、企業側は学生に不安を与えない内定式の開催や、プログラムを用意することも求められます。内定式の準備を行う際は、ぜひ学生にとって満足のいく内定式の開催を目指して下さい。
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