採用クロージングのやり方を解説!採用候補者の心を掴むコツも紹介

採用クロージング

複数の企業への就職活動を行うのが当たり前の現代、内定を出しても実際に入社してもらえないケースも多いでしょう。そこで、内定辞退率を下げるために、企業は採用クロージングを効果的に行う必要があります。

採用クロージングはただ闇雲に行っても、十分な効果を得られません。本記事では、採用クロージングの効果的な方法や注意点などを解説します。

内定者の入社意思を高めるポイントをチェックして、即戦力となるような優秀な人材の採用クロージング成功につなげましょう。

採用クロージングとは

採用クロージング

「採用クロージング」とは、内定を出した後から入社までに企業側が内定者に実施するフォロー活動のことです。

新卒、中途に限らず求職者は、複数の企業に応募しており、内定を得た会社の中から就職先を選びます。そのため、内定者が必ず入社してくれるとは限りません。優秀な人材こそ、多数の内定を得ている可能性が高いでしょう。

優秀な人材に入社を決めてもらうためにも、企業は内定後、内定者へ適切にアプローチする必要があります。採用活動の目的は、内定者の選考ではなく、実際に入社してもらうことです。

新卒採用における採用クロージングの重要性

では、新卒採用において、採用クロージングがなぜ重要なのでしょうか。内定者側の気持ちを考えながら説明します。

内定辞退を防ぐため

新卒採用における内定辞退の理由としては、主に「より魅力的な他社から内定をもらった」「第一希望の職種ではなかった」などが挙げられます。

そのため、内定者が入社するまでの間に、自社の魅力を伝える機会を設けることが大切です。
内定を出した時点では第一希望ではなかったとしても、就職先を決定するまでに魅力を感じて入社を決めてもらえるかもしれません。

内定者が入社前に感じている不安を緩和するため

初めて社会に出る新卒者は以下のようなさまざまな不安を抱えています。

  • 「人間関係はうまく築けるか」
  • 「働き方は自分に合っているか」
  • 「希望の配属先で働けるか」など

このような不安を抱える内定者に、効果的な採用クロージングを行えば、入社後の姿を具体的にイメージしやすくなるでしょう。不安が緩和されて入社を決めるきっかけになるはずです。

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内定辞退代行

新卒採用の内定者が入社を決める3つのポイント

採用クロージング

新卒採用の求職者は中途採用と違い、就業経験がありません。そのため、入社後のイメージがはっきりとできていない場合が多いでしょう。

ここでは、新卒採用の内定者の気持ちに寄り添って不安を取り除き、入社につなげるためのポイントを3つ紹介します。

入社後に得られるスキル

まず、自社に入社したら得られるスキルについて具体的に伝えることが大切です。

営業職であれば「ヒアリング力」「情報収集力」、
事務職であれば「ITリテラシー」「コミュニケーション能力」などが挙げられます。

また、自社で行っている資格取得サポート体制などの福利厚生についてアピールするのも良いかもしれません。入社後にもスキルが身につけられることがわかると、内定者も安心です。

入社後の具体的なキャリア

就業経験のない新卒採用の内定者は、就職後のキャリアが想像できていないケースも多いでしょう。

「どのような仕事を任せたいか」「先輩のキャリア例」などを伝えると、入社後のキャリアがイメージしやすくなり、不安が解消されるかもしれません。

自己成長(やりがい)

また、新卒採用者には、自社へ入社するとどのような自己成長ができるかを伝えましょう。入社後に成長ができるか否かは、就職先を決める際に大切なポイントです。

就活中の学生を対象に調査したJob総研「2023年就活実態調査」によると、仕事に対し収入よりもやりがいを重視していると回答した学生は56.7%で過半数となりました。そして、やりがいとは「自身の成長を実感できること」と54.2%が回答しています。

自己成長できるポイントを伝えられれば、入社を決める一押しになりそうです。

採用クロージング

画像引用:株式会社ライボ

採用クロージングのやり方

採用クロージングは、内定者と継続的にコンタクトを取り続けることが大切です。ここでは、具体的にどのような方法でコンタクトをとるのか紹介します。

クロージング面談

クロージング面談の目的は、内定者に入社意思を固めてもらうことです。そのため、内定者の本音に寄り添ったアプローチが大切になります。企業のPRポイントや会社側が話したいことばかり話すのは好まれません。

内定者の本音がわからない場合は人間関係や労働環境、職務内容についてなど、相手の不安点を推測して面談を行いましょう。

電話・メールの個別フォロー

電話やメールにて内定者の個別フォローをするのも大切です。「内定通知は届いたけれど企業からその後の連絡がない」となると、内定者は本当に入社できるのか不安に感じるでしょう。

また、唐突な面談の連絡は、マイナスなイメージを与えかねません。

電話やメールでこまめに連絡を取っていると、内定者との関係性を築けます。面談前に内定者の価値観や不安点を知ることができ、より効果的なアプローチが可能です。

内定者同士・先輩社員との懇親会

懇親会を開いて、内定者の志望度を高めるのも良いでしょう。懇親会は、内定者が交流する場になり、同期となるメンバー同士で結束を深める絶好の場です。

また、先輩社員との交流を通して、社風や雰囲気を伝えられるので、内定者にとって入社後のイメージをより明確に知るきっかけになります。「上司や仲間と人間関係を構築できるかな」と感じている方にとっては、不安軽減の場になるでしょう。

ただし、性格や考え方に大きく相違がある人がいると、逆に不安感を抱くきっかけになりかねません。懇親会に参加する先輩社員選びは、事前の情報を元になじみやすいメンバーをそろえるのもポイントです。

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採用クロージングの際に注意すべきこと

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ここでは、採用クロージングの際に注意すべきことをまとめました。

クロージングは内定後に行う

本音を聞き出すためにも、クロージングは内定後に行うのがベストです。採用面接時には「内定をもらいたい」という気持ちが強く、本音を正直に話す人は少ないでしょう。

また、株式会社ディスコ「2020 年卒・新卒採用に関する企業調査-内定動向調査(2019 年 10 月調査)」によると、内定辞退のピーク時期は6月ごろ。また、内定式直前の9月ごろに若干の増加傾向が見られます。

これらの時期も考慮して、内定後は継続的に採用クロージングを実施するのもポイントです。

採用クロージング

画像引用:株式会社ディスコ

内定者の気持ちに寄り添う

内定者に連絡をしなかったり、反対に過度に連絡をしすぎてプレッシャーをかけすぎてしまったりと配慮に欠けた対応は、企業に対する不信感につながります。

内定者の立場に立って適度な連絡を心がけてください。内定者が心を開き、不安や求めていることを正直に話してくれるようになるかもしれません。

強引にクロージングしない

内定承諾率にとらわれた強引なクロージングは避けましょう。

採用条件として「確実に承諾すること」を提示するなどして内定者に圧力をかければ、内定承諾率を上げることができます。しかし、この方法では内定者の気持ちを高められません。

内定を辞退した候補者でも、別の機会に声をかけたら入社につながるケースもあります。

その時点での成果にこだわりすぎず、長期的な視点で採用クロージングを考えることが、候補者の入社意欲を高めるポイントです。

採用クロージングの強化方法を紹介

ここでは、基本的な採用クロージングにプラスして、内定承諾率アップを目指す方法を紹介します。

採用クロージングの手段を増やす

ここまで紹介してきた方法以外にも、さまざまな採用クロージングの手段があります。内定者の不安点や内定未承諾理由に応じて、採用クロージングの強化を目指しましょう。

社長・役員層からのアプローチ

社長や役員層からのアプローチは、内定者への期待を伝える良い機会になります。とくに幹部候補者には面談や食事会などを設定してみましょう。

オンライン交流を取り入れる

Web会議システムを活用して交流を図るのも手段のひとつです。オフラインの交流と比べて、会場に足を運ぶ必要がないので、内定者も気を負いすぎずに参加できるでしょう。

しかし、活発なコミュニケーションは取りにくいため、グループワークなどを取り入れるなど活性化を図る工夫が必要です。

面接・面談時のヒアリングの質を上げる

内定未承諾理由のヒアリングの質を上げましょう。ヒアリングを行う際には、合否判定に反映されないことを内定者に伝えるのもポイントです。

また、採用担当者とは別の人に担当してもらうのも良いでしょう。正確な理由を把握できると、最適な採用クロージングを行うことができます。

具体的なヒアリング項目

ヒアリング項目は以下を参考にしてみてください。

  1. 就職活動における軸は?
  2. 入社を決められない理由は?
  3. 他社の選考状況は?内定が出ている社数は?
  4. いつまでに就職活動を終わらせたい?
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内定者面談

面接時にできる!採用候補者の心を掴む5つのコツ

採用クロージング

採用クロージングには、内定後だけでなく、選考中の面接時にも内定承諾率を上げるためのコツがあります。

採用候補者の情報を事前に確認しておく

採用候補者の情報を事前に把握できていないと、採用活動において企業からのアプローチ不足につながります。候補者の個人事情は、リサーチしてみないとわかりません。

ネガティブ要因も多いため、面接時に直接候補者に聞くのではなく、カジュアル面談や面接前の電話フォローなどの機会に「相談」という形で確認してみてください。

入社に向けた動機づけをする

入社する動機づけを行うには、ヒアリングをした内容から「他にどの職種を受けているか」に注目してみましょう。
職種が統一されていない場合は、勤務地や年収、勤務時間などを基準に就職活動を行っている可能性が高いと推測できます。

候補者が自社の採用面接を受けた動機に基づいて、迷いや不安を整理してあげましょう。

宿題を出す

宿題を出しておくと次回の選考までに、入社の意思が揺らぎにくくなります。宿題の内容は以下の2点です。

  1. 面接時に聞いた未来を本当に叶えたいと思うか、改めて家で考えてくる
  2. その未来を叶えたいと思ったら、応援してもらえるよう大切な人へ話す

宿題を出すときに大切なのは、「会社もあなたの望む未来をサポートしたい」と伝えることと、大切な人から夢を叶える許可や理解を得るのではなく「応援」してもらうという点です。

本人による意思決定を促して「本当にこれで良いのか」と改めて考えたときに出る不安を払拭してもらいましょう。

早めに次のスケジュールを設定する

次のスケジュールは早めに設定しましょう。翌日または2日後が理想です。

期間を空けすぎてしまうと、一緒に考えた自社への入社後の印象が薄れてしまいます。宿題を出したらなるべく早く次の日程を定めて、候補者の集中力がきれないうちに行動を起こしてもらいましょう。

入社してほしい想いや期待を伝える

入社後に期待していること、入社してほしい想いを率直に伝えるのも大切です。

面接時に聞いた候補者のエピソードや適性検査の結果などから、「あなたが入社したら、こんな強みを活かして活躍してほしい」と伝えるとより効果的です。

まとめ

採用クロージングについてご紹介しました。採用クロージングがうまくいけば、内定辞退率を下げ、内定承諾率アップにつながるはずです。

記事内容を参考に、自社に合ったクロージング方法を取り入れて、採用を強化していきましょう。

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