今回のテーマは、『内定者フォロー』です。
内定承諾書を出したのに学生に「内定辞退」されてしまった経験はありませんか?
出来るだけ内定を出した学生には、そのまま承諾して入社してもらいたいですよね。
- 「どうすれば内定辞退率は減るの?」
- 「どうすればよかったの?」
そんな悩みが少しでも解消されるように、様々なデータなどを参考に“今、学生が必要としている内定者フォロー”を考えていきましょう!!
学生が必要とする内定者フォローとは?
内定者フォローをしていても、それが学生に刺さらなければ意味がありません。一体どんな内容の内定者フォローを求めているのでしょうか?
全体の約9割以上がフォローは必要だと思っている
まずは、学生が必要だと思っている内定者フォローについてです。
株式会社ディスコ キャリタスリサーチ調べによりますと、2025年卒・内定学生のうち「フォローの必要はない」と回答した学生は、1割以下でした。
引用:キャリタス就活 2025 学生モニター調査結果(2024 年 5 月発行)
学生がしてほしい内定フォローランキング
では、どんなフォローが必要だと思っているのでしょう。まず、25卒のアンケートからひも解いていきましょう!
先にも紹介しましたが、内定企業への意思決定に必要だと思うフォローのランキングは以下の通りです。
第1位:「社員との交流機会」文系:73.3% 理系:69.7%
第2位:「他の内定者との交流機会」文系:61.3% 理系:44.6%
第3位:「人事担当者との面談」文系:49.1% 理系:40.1%
第4位:「社内や施設などの見学」文系:36.1% 理系:37.7%
第5位:「電話やメールなどでの定期的な連絡」文系:24.4% 理系:20.1%
1位は、22卒から引き続いて「社員との交流機会」となっており、配属ガチャや上司ガチャなどという言葉があるように、入社後一緒に働くであろう社員の雰囲気がどんな感じか知りたい学生が多いことが伺えます。
また、24卒時の調査では、2位が人事担当者との面談で、3位が他の内定者との交流機会であったのに対し、その順位が逆転しており、以下4位5位の結果に変化はありませんでした。
志望度が上がった!必要とされる内定者フォロー
こちらはディスコのキャリタス就活2024の学生モニター調査から実際にフォローを受けて、「嬉しかった・志望度が上がった!」と回答した学生の声を紹介します。
画像引用:キャリタス就活 2024 学生モニター調査結果(2023 年 6 月発行)
といったように「学生のことを考え、気持ちに寄り添っているフォロー」という傾向が強いように見えます。
「志望度が下がった」NG内定者フォロー
こちらもディスコのキャリタス就活2024の学生モニター調査から逆に「志望度が下がった」内定者フォロー事例を紹介しています。
画像引用:キャリタス就活 2024 学生モニター調査結果(2023 年 6 月発行)
内定後のフォローは定期的に行った方がよいですが、内定承諾を頻繁に迫るような行動は、印象が良くないです。また、フォローを行う時間帯や、交通費に関して、不安や不信感の声が上がりました。
内定後も不安は続く学生の心理
本来なら、内定を得て一安心し、気分も晴れそうな気もしますが、そうもいかないのが学生の心理のようです。
内定もらったのに何で?それは不安だから。
ブルーな気持ちといえば、憂鬱な気持ち・落ち込んでいる・浮かない気分といった何ともネガティブな意味で使われます。よく、マリッジブルー・子育てブルー・ブルーマンデーなどと言われていますが、近年学生たちを悩ませているのは、「内定ブルー」です。
「内定もらったのになぜ?」と思うかもしれませんが、その理由はいたってシンプルで「不安だから」です。
マイナビ調査によると、2024年卒の学生の中で入社予定先企業を決めた後、不安になったことはあるか?という質問に対して、「ある」と回答した学生は59.1%で、23卒時は60.1%、22卒時は60.8%でした。
20卒時の調査では52.8%、19時では51.2%でしたので、徐々にコロナ前と同じくらいの数値に戻りつつありますが、それでも約6割は不安になったことがあると回答しているため、その不安感をどうやって払しょくさせることができるかが、内定辞退・内定承諾後の辞退を防ぐカギとなってくるでしょう。
今回のテーマは【内定後の辞退】についてです。 内定を出した学生、内定を承諾してくれた学生が目標人数に到達して一安心…。と言いたいところですが、内定を出した学生はもちろん、内定を承諾してくれた学生を無事に新入社員として迎えるにあたって大[…]
では、何がそんなに不安なのでしょうか?
そのワケは、
- 社会やその会社への適応
- 漠然とした不安
- ネガティブな情報や評判、近親者の意見
- 就職活動への未練
- 企業の対応や雰囲気、人間関係
- 待遇や条件に対しての不満
に分類されるようです。
中でも、1の社会やその会社への適応に関して特に多かった声は、
- 社会人としてやっていけるかどうか
- この会社できちんと務まるかどうか
という声です。
積極的なコミュニケーションは、学生を一人の社会人として成長させていく上でも大きな安心感につながっていくはずです。その安心感がやがて入社の「決め手」へとつながり、内定辞退を防ぐことへもつながっていくのではないでしょうか。
今どき内定フォローをご紹介!
簡単に3つほどご紹介いたします!
SNSやスマホアプリで学生の負荷を下げる
今どき学生さんたちの特徴の一つといえば、SNS普及による電話・メール離れというのは間違いないですね。いくら積極的なコミュニケーションをとろうにも、メールの未開封や見落としによる連絡不通では先に進むものも進みません。それは同時に人事担当者さんたちのストレスにもなりかねませんね。
そこで!SNSやスマホアプリを用いることにより、学生たちからの返信もリアルタイムで得られるようになり、未読か既読かを把握できるようにすることでより効率よくコミュニケーションをとることが可能になるそうなのです。まさに現代ならではの方法ですね!
昨今、新卒の採用活動にSNSが活用されており、各企業は就活生の獲得に向けて細やかなケアが求められています。 そのひとつとして最近注目されているのが内定者フォローツールです。 そこでこの記事では、内定者フォローツールの用語説明から[…]
学生自ら翌年の採用パンフレットを作成
これも今どきでは増えてきた実例だそうです。
学生自身が自分の就職活動の振り返りをし、社内から会社を見つめなおすことで、「就活生」から→「社員」という意識に転換していくという効果があるそうで、また、翌年の後輩たちが参考にするという責任感が生まれ、人事担当者さんにとっても自社の採用の見え方をリアルに知るきっかけにもなるということです。一石二鳥ですね!!
内定アルバム
学生の会社説明から内定通知までの選考でのポジティブ評価を含めた履歴をまとめてアルバムにして・・・最後のページには「内定書」が!!という仕掛けだそうです。
個人の履歴は選考の段階でまとめられていると思いますので、それをコピーして綴じていくだけで手間もあまりかからず。たったそれだけでも内定者へのささやかなサプライズプレゼントになりそうですよね。
きっと嬉しくて温かい気持ちになり「いい会社!」と、入社を決意することでしょう。
まとめ
ここまで内定者フォローの重要性をお伝えしてきました。学生にとっても、採用担当者にとっても、「内定」はゴールではなく、ココがやっとスタート地点だと思って頂けるととても嬉しく思います。
そして、ぜひとも内定出しをした学生から、きちんと承諾を勝ち取り、内定式~入社までしっかりフォローしていってください。