新卒採用を成功させるには、自社の課題や採用目標に応じた最適な手法を選ぶことが重要です。新卒紹介や新卒媒体など、複数の採用方法をどう使い分けるかによって、採用活動の成果は大きく変わります。
本記事では、各手法の特徴やメリット・デメリットを整理し、効果的な活用法を解説します。採用力を高め、長期的な成功につなげるためのポイントをぜひご覧ください。
新卒採用における2つの選択肢とは?
新卒採用を進めるうえで、企業には大きく分けて2つの選択肢があります。それが「新卒媒体」と「新卒紹介」です。どちらも採用活動において役立つ手法ですが、それぞれに特有のメリットとデメリットがあり、採用の目的や規模、予算によって適した方法は異なります。
たとえば、新卒媒体はリクナビやマイナビといった就職情報サイトを利用して、多くの学生にアプローチする手法。一方、新卒紹介は、エージェントを通じて企業が求める条件に合った学生をピンポイントで紹介してもらう仕組みです。
学生の就職活動が多様化し、早期化が進む現在、これらの採用手法を正しく理解し、自社に合った形で活用することが採用成功へのカギとなります。それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。
新卒媒体と新卒紹介の基本的な違い
新卒媒体と新卒紹介は、アプローチの仕方や運用方法が大きく異なります。それぞれの特徴をしっかりと理解することで、自社に適した採用手法を選ぶことが可能になります。
新卒媒体の特徴
新卒媒体は、就職情報サイトを活用して企業情報を広く発信し、学生にアプローチする方法です。具体的には以下のような特徴があります。
広い母集団を形成できる
マイナビなどの大手媒体は登録学生数が多く、広範な母集団を確保できるのが最大の魅力です。
情報発信力が高い
自社の特徴や魅力を自由にアピールできるため、認知度を高めるのに効果的です。写真や動画を使ったクリエイティブな情報発信も可能です。
運用の手間がかかる
説明会や面接スケジュールの管理、学生とのコミュニケーションなど、採用活動全体を自社で運営する必要があります。そのため、運用にかかる工数が多い点が課題です。
新卒紹介の特徴
新卒紹介は、採用要件に合った学生をエージェントがピンポイントで紹介してくれる手法です。以下のような特徴があり、それぞれの特徴を踏まえて、自社の状況に合った方法を選ぶことがポイントです。
ターゲットを絞った採用が可能
エージェントが企業の求める条件をヒアリングし、それにマッチする学生を紹介してくれるため、効率よくターゲット層にリーチできます。
採用工数を削減できる
面接の日程調整や内定後のフォローなどもエージェントが代行する場合が多く、人事担当者の負担軽減につながります。
コストが比較的高い
成果報酬型であるため、採用成功時には学生の年収の30%程度の手数料が発生することが一般的です。採用人数が多い場合はコストが高額になる可能性があります。
媒体・紹介、それぞれにおけるトレンド
新卒採用の現場では、学生の行動や市場の変化に伴い、採用手法も進化を続けています。ここでは、最近のトレンドを3つ紹介します。
学生の就職活動の早期化
年々、就職活動のスタートが早まっています。1年生や2年生を対象にしたインターンシップやイベントが増加しており、企業は早期段階から学生と接点を持つことが求められています。そのため、母集団形成に強い新卒媒体の活用がますます重要になっています。
採用手法の多様化
学生の志向や行動が多様化している現在、企業も単一の手法に頼らず、複数の採用手法を組み合わせる傾向があります。新卒媒体で広く学生を集めつつ、新卒紹介で特定のポジションを埋めるなど、ハイブリッド型の採用が注目されています。
採用活動のデジタル化
オンライン説明会やWeb面接といったデジタルツールを活用した採用活動が一般化しています。特に新卒媒体では、動画コンテンツやダイレクトメールなどを使った効果的な情報発信が可能です。学生の関心を引きつけるために、こうしたデジタル施策を取り入れる企業が増えています。
これらのトレンドを理解し、採用活動に活かすことで、変化する市場の中でも競争力を保つことができます。次章では、それぞれの採用手法の具体的なメリットとデメリットについて掘り下げていきます。
新卒人材紹介サービスを利用するメリット
新卒採用において、人材紹介サービスを利用するメリットを解説していきたいと思います。
新卒紹介はエージェント会社を介して企業側のターゲットゾーンに合わせエージェントに登録の学生を紹介してもらうサービスです。
基本的には成果報酬型の企業が多く初期費用がかからないことで安心して利用できます。
無駄な費用がかからない
成果報酬型の特性は、予算にシビアな企業にとって大きなメリットです。初期費用がかからない点は、コスト面でのリスク回避に直結します。
学生を紹介してもらい、その学生が内定に至った時点で費用が発生します。ただし、入社後または一定期間内に辞退や退職があった場合には返金対応が可能です。このように、成果が出た段階で初めて費用が発生するため、新卒紹介サービスは費用面で効率的と言えます。
採用業務の工数を削減できる
説明会や内定フォローなどの業務を代行してもらえる点は、人事部門のリソースが限られている企業にとって重要な利点です。
従来の採用活動は、書類選考、複数回の面接スケジュール管理など、工数がかかるため、多くの選考をおこないたい一方で、こういった採用活動は負担になるのではないでしょうか。
しかし、新卒紹介を使えば、紹介サービスを利用する学生の選考日程調整や内定フォローも全て紹介会社がしてくれます。要望により、説明会も代行してくれる紹介会社もあります。
また、あらかじめ紹介会社に人材要件を伝えるため、『人材要件に当てはまらない学生』の選考を省くことができます。
そのため、マンパワー不足を解消することができ、人事の方は要件の当てはまる人物のみの選考に集中し、魅力付けなどに割ける時間を増やすことが可能になります。
絞り込んだ採用が可能
求める人材像に合った学生を紹介してもらえる点は、ピンポイントでの採用を目指す企業にとって大きなメリットです。
紹介会社には採用要件や求める人物像を提示します。そしてエージェントがその要件や人物像に合った学生を紹介会社の母集団の中から紹介してくれます。このように求める学生像を正確に伝え、場合に応じて紹介会社を使い分けることで、より絞り込んだ採用が可能になります。
知名度が低い・業界イメージが悪い企業でも集客が可能
学生への直接アプローチが可能な新卒紹介サービスは、知名度に関係なく採用を進められる点が特定の業界や中小企業にとって大きなメリットです。
就職サイトやイベントでは、企業が認知される前に学生の興味を引けず、エントリーに至らないことも少なくありません。一方、紹介サービスではキャリアアドバイザーが学生に直接企業を紹介するため、「知ってもらう」という初期段階を確実にクリアできます。
さらに、紹介会社と事前に魅力をすり合わせておくことで、学生に紹介する際に効果的に貴社の魅力をアピールしてもらうことが可能です。
新卒紹介のデメリット
費用面でのリスクを負いたくない、採用業務を少なくしたい企業様には、便利なサービスかもしれませんね。ただ、そんな紹介サービスにも懸念点はあります。こちらの章で「デメリット」を見ていきましょう!
母集団が少ない
現在学生の民間企業就職希望者数は42.3万人と言われている中、紹介サービスを利用する学生は7万人ほどです。近年普及してきた紹介サービスですが、就職サイトに比べると母集団が少ないのが現状です。
適した学生がいない場合もある
当たり前の話ですが、紹介会社に登録している学生の中からしか紹介できません。
デメリット1の「母集団が少ない」と繋がりますが、売り手市場の近年は、紹介会社も学生の集客に苦戦しています。そのため、自社に適した人材を集客できていない紹介会社もあるかと思います。
また、少ない母集団の中で学生を企業に紹介しなければならないため、紹介会社によっては、『自社に適していない学生』を紹介されてしまう場合もあります。
採用コストが高い
紹介サービスは前述したとおり、採用業務の一部を代行してもらえます。つまり、代行分の金額も上乗せされている為、採用コストは平均よりか高い傾向があります。
3名以上の採用であれば費用を考慮すると就職サイト等を使用した方が安くなるかもしれません。
一人あたりの採用費用が高い
新卒紹介サービスでは紹介した学生が入社した際に紹介料が生じます。その紹介料は、採用した人材の年収30%前後が相場とされています。採用した人数に比例して支払う料金が変わってきます。
改善策としては、新卒紹介と他の採用手法をうまく使い分けることです。他の採用手法で補える部分は補い、自社の母集団にいない学生は新卒紹介を利用することがいいでしょう。
「新卒媒体」のメリット&デメリット
新卒媒体は基本的に一定期間自社の採用ページを掲載することでエントリー、説明会への参加を促す広告となります。オプションによっては広告を打つだけでなく、企業側からも学生にDMを打つことができたり、アクションを起こすこともできます。
メリット1:母集団が多い
今年3月時点でマイナビ登録学生約62万人、リクナビ登録学生約49万人と、圧倒的に母集団が多いことが魅力に上がります。同時に多くの学生に自社を認知してもらえる機会となります。
最新の登録学生数が知りたい方は、こちらからご確認ください!
メリット2:魅力を伝えやすい
紹介ページの記事や写真、上位表示オプションなどを上手く利用することで就活生の目に触れる機会が増え、会社としての魅力を伝える機会になります。
積極的に就活生へのコンタクトを取れるDM(ダイレクトメール)、スカウトメールを駆使することでより効果的です。
デメリット1:掲載企業が多く埋もれがち
学生の母集団が多い一方企業数も12000~26000社と多く掲載されているため、どうしても埋もれてしまう可能性も高いです。
■サイト名 | マイナビ2023 | リクナビ2023 |
---|---|---|
■登録学生数 | 619,918人 | 487,246人 |
■掲載企業数 | 26,367社 | 12,650社 |
(2022年3月時点)
デメリット2:工数がかかる
数多くの学生が説明会に参加される可能性が高くなるが、その分ターゲット層でない学生に対しての工数もかかってきてしまいます。またあくまでも広告なのでオプションも時期を見て管理をしていかないと集客もなかなか効果が得られないです。
「新卒媒体」の活用ポイント×3
とにかくできるだけ沢山の学生にお会いしたい企業様にはぜひおすすめしたいです。
採用ターゲットが広く、採用枠数の多い企業様にはとにかく様々な学生さんにお会いする場となります。そんな媒体を使う際のポイントをまとめました!
オプションの活用
上位表示のオプション
学生が業界や職種などカテゴリーから検索した際に上位に表示させるオプションです。
リクナビ・マイナビ共に用意されており、最上位表示・通常上位表示と2種類あるようです。
期間がリクナビは12週間のみのようですが、マイナビは4週・8週・12週と期間も選べます。
DM(ダイレクトメール)/スカウトメール
学生さんからのエントリーを待つだけでなく、直接学生さんにアプローチすることもできます。
学生さんのデータを見て採用ターゲットに近い、是非選考を受けて欲しいと感じる学生さんは積極的にスカウトメールを送っていきましょう。
ただ、スカウト系の誘致は早期のうちはレスポンスがあるようですが、3月の就活解禁を皮切りに右肩下がりとなってしまうようです。
時期をしっかり見極めて送ってみてください。
掲載情報量をアップするオプション
限られた紙面ではありますが、その掲載できる範囲を広げることが出来ます。
例えば同じ大学の先輩のインタビューや、会社の様子など最低限の募集要項、会社の事業内容以外にも実は学生目線でいくとここが気になるかも!というプラスアルファの情報が掲載できるようになります。
採用のターゲットの明確化
いざナビ媒体に載せる!と決まってから大事になるのが、いかに限られたスペースに自社に惹きついてもらえる内容を書き、採用のターゲットゾーンにエントリーしてもらうか。という点になります。
明確にターゲットゾーンが分かっていれば、募集要項ないに、どういう内容を書いていくかも変わってきます。
下記3点は、特にクリアにしていきましょう!
- どれくらいの人数採用したいのか
- 性格面やスキル面でどういった方が欲しいのか
- どのポジションで特に募集がされているのか
自社に合った媒体/ツールの選定
リクナビ、マイナビが大手&競合と言われ、とにかく登録者の多いトップ2媒体ですが、登録している社数が多く埋もれてしまうというのも悩みのひとつです。
他の媒体/ツールにどういうものがあるのか、トレンドも含め、4つ程ご紹介いたします!
キミスカ
株式会社グローアップが運営する、スカウト型のメディアです。自分でどの企業を見ていいか分からないという学生さんは多いもので、早期のうちは特にこういったスカウト系のサイトを活用する学生が多いです。他の大手ナビサイトに比べて安価な点も魅力のひとつのようです。
突然ですが「キミスカ」をご存じですか? 2013年9月から株式会社グローアップによってサービス提供が開始された逆求人型のサイトで、スカウト配信の開封率が55%と、驚異の数字をたたき出している逆求人型サイトです。 大手ナビサイトに[…]
Offer BOX
株式会社i-plugが運営するスカウト型のメディアです。
こちらのスカウトの特徴は企業側のスカウトは100通まで、学生側のエントリーも9社までと限定されている点が挙げられます。
マッチングしやすさがあります。
数年前までは関西圏の登録学生が多い印象でしたが、年々登録者数を伸ばし、2024卒はすでに学生登録者数が約4万人を超えるほどに成長しています。
新卒採用で課題を感じていたり、逆求人型サービスの使い方や効果に不安を抱えたりしていませんか? 今回は逆求人サービスの一つとして注目されている「OfferBox(オファーボックス)」の特徴や料金、導入事例などについて詳しく紹介します。 […]
朝日学情ナビ
近年知名度を上げてきて、イベントや学生から情報でよく耳にすることがある媒体かと思います。
逆求人型就活サービス 就活支援コンテンツ部門でオリコン顧客満足度No.1を誇り、ダイレクトリクルーティングの中でも登録学生数約40万人と最も多くなっています。LINEとの連携が得意なことや、就活イベントの開催が多いといった複数の強みがあります。
パッションナビ
学生さんから聞く意見として、「ベンチャー企業を調べたい時に大手ナビサイトはあり過ぎてどこが優良か分からない」という言葉をよく耳にします。
ベンチャー企業をあえて受けたいと言う学生さんに特化しているので、企業側も採用のコストを減らすことが出来、双方に利点があります。
学生側のアピールも動画や漫画、情熱フェスタと呼ばれるイベントなどユニークなものとなっています。
新卒紹介サービスを利用する上でのポイント
新卒紹介サービスは、便利な反面、学生の質であったり、紹介してもらえる数といった懸念はあるかもしれませんが、媒体で効果が出なかった企業様向けに、紹介会社の活用を是非おすすめしたいです。
エージェントを介することでニーズに応えた学生の紹介はもちろん、採用における工数も代行してくれる利点があります。
そんな新卒紹介を利用するにおけるポイントをまとめてみました。
トータル的なコスパを考える
採用における最大の生産性の高さは、自社の内定・承諾する学生のみが選考に来ることです。
そんな理想に近づけるのが新卒紹介の利点です。説明会を開いて多くの学生が来てくれても、ほとんどが採用ターゲットでなかったら無駄な工数になってしまいますよね。
また、採用人数が少ない場合、新卒紹介サービスを活用することでコスト削減に繋がります。また、職種ごとにナビサイトと新卒紹介サービスの使い分けもできます!
例えば採用人数が多い総合職や営業職はナビサイトで、採用人数が少ない管理部職や事務職は新卒紹介サービスを活用する事でマンパワーが不足している企業に効率よく採用活動を行うことができます。
また、選考~入社までのフォローも紹介会社がするので安心して任せられます!採用したい子に時間を割くためにも工数は減らしていきたいものです。
紹介会社に『人材への要望』『自社の魅力』を明確に伝える
企業に紹介すべきかどうかを判断するのは紹介会社のキャリアアドバイザーです。
担当者が人材要件を正しく認識していない場合、紹介される学生の人材要件が適していないこともあるでしょう。紹介会社ときちんとすり合わせることが大切です。
また、貴社の魅力を担当に伝えることも重要です。学生に魅力付けをするのも、もちろん紹介会社です。
せっかく貴社に魅力があっても、担当が学生に伝えられなければ意味がありません。業務内容や福利厚生だけでなく、社風や社員の特徴など押しどころとなるポイントは全て伝えるようにした方が良いでしょう。
選考1回1回の感想やフィードバックの共有、志望度や他社選考の状況確認など連携スピードを速めることで学生側の温度感も低くすることなく内定まで進めることが出来ます。
内定後の承諾までの最終フェーズも不安に感じていること、学生のニーズ(内定後面談や親御さんの説得)など柔軟に対応していきましょう!
こうしたひとつひとつのスピード感が採用成功に導いていけます。
内定者のフォロー
内定の承諾をした学生も企業側のフォローが無いと不安に感じてしまいます。
紹介会社と連携しつつ、内定後のフォローはしっかりと行っていきましょう。
内定者懇親会や、入社前インターンシップなど一緒に働くメンバーとの接点を持てる場を設けるなど入社の段階まで気が抜けませんが、丁寧に行うことで入社後のギャップも減らし、離職率の低下にも繋げていくことが出来ます。
いくつかの紹介会社を、選定して利用する
紹介サービスは完全成果報酬型の為、複数の紹介会社を利用するのが一般的です。ただ、だからといって10社20社と取引するとそれぞれの紹介会社とのやり取りが面倒になってしまいます。
- 何社使うのか?
- どういう基準で紹介会社を選ぶのか?
それぞれ決める必要があります。
売り手市場を続けてきたここ数年の流れから一転、学生からしても思うように就活が進まず、企業側もWEB説明会・面談の導入など感染対策に準じた対応が求められ、双方もどかしい採用活動・就職活動を強いられているかと思います。 今回はそんな企業様[…]
新卒紹介を使い続けるとどうなるのか
新卒紹介サービスは便利な手法ですが、長期間利用し続けることには注意が必要です。短期的な成果を上げられる一方で、企業の採用力が低下するリスクやコストの増加が課題となります。ここでは、新卒紹介を使い続けた場合の影響と、自社で採用力を高める方法について詳しく解説します。
紹介サービスを選ぶと採用力低下につながるのか?
紹介サービスは効率的な採用ツールですが、依存しすぎるといくつかの問題が生じます。まず、エージェントが候補者選定や内定フォローを代行するため、企業内で採用フローを構築する機会がなくなり、ノウハウが蓄積されません。
また、成果報酬型であるため、採用人数が増えるほどコストが膨らみ、財務的な負担が大きくなります。さらに、学生への魅力付けがエージェント任せになることで、採用ブランド力が向上しにくく、競争力が低下するリスクもあります。
新卒紹介を使い続けるとどうなる?
新卒紹介を長期間利用し続けると、いくつかのリスクが生じます。まず、紹介会社への依存が固定化され、自社で母集団形成やターゲット学生の選定ができなくなる可能性があります。
また、外部任せの採用では、ターゲット層が限定され、適切な人材を見逃すリスクが高まります。さらに、成果報酬型の特性上、採用人数が増えるほどコストが増大し、他の施策に予算を振り分けにくくなる点も課題です。
自社で採用力を高めるための具体的なアクション
紹介サービスへの依存から脱却し、自社の採用力を強化するために、以下のアクションを実践してみましょう。
1. 採用フローの内製化
説明会や選考プロセスを社内で運営する体制を構築します。これにより、採用のすべての段階で学生と直接コミュニケーションを取り、企業の魅力を伝えることができます。
2. 採用データの活用
過去の応募者データを分析し、ターゲット層の傾向を把握します。このデータをもとに、母集団形成や選考プロセスを改善していきます。
3. 社員を採用活動に巻き込む
現場社員を採用活動に積極的に参加させ、学生にリアルな職場の雰囲気や仕事内容を伝えます。これにより、応募者の志望度を高めると同時に、社員自身の採用意識も向上します。
4. 外部支援の部分活用
紹介サービスを完全に切り離すのではなく、特定のポジションやスキルセットを持つ学生の採用に限定して利用します。他の採用手法と併用することで、バランスの良い採用活動が実現できます。
新卒媒体と新卒紹介、どちらを選ぶべきか?
新卒採用を成功させるためには、自社の状況や採用目標に合った方法を選ぶことが欠かせません。「新卒媒体」と「新卒紹介」のどちらを選ぶかは、それぞれの特性やメリットを正しく理解し、自社の課題に照らし合わせて判断する必要があります。
ただし、選択を誤ると採用コストが膨らんだり、期待した成果が得られなかったりするリスクも伴います。
ここでは、どちらを選ぶべきかを判断するためのポイントをわかりやすく解説します。
自社の課題に合った選択肢を見つける
採用手法を選ぶうえで、まず最優先すべきは自社が抱える課題を明確にすることです。どの手法が最適かは、課題や目的によって大きく変わります。以下のポイントを参考に、適切な選択肢を見極めてみてください。
応募者を増やしたい場合
自社の知名度が低く、応募者数を増やす必要がある場合は、新卒媒体の活用が効果的です。リクナビやマイナビなどの大手媒体を利用すれば、多くの学生にアプローチでき、短期間で母集団を形成できます。特に、複数名の採用を予定している場合には、広いリーチが重要になります。
2採用ターゲットが明確な場合
「特定のスキルを持った学生」や「少数精鋭の採用」が必要な場合は、新卒紹介が適しています。紹介会社のアドバイザーが、企業の求める人材像に基づいて学生を選定してくれるため、効率よくターゲット層にアプローチできます。
リソースが不足している場合
人事部門のスタッフが限られていて採用業務に割ける時間が少ない場合、新卒紹介は大きな助けになります。エージェントが説明会や内定フォローを代行するため、採用活動全体の負担を軽減し、本業に専念することができます。
コストを抑えたい場合
新卒紹介は成果報酬型のため、採用コストが高くなる傾向があります。採用人数が多い場合は、新卒媒体を活用し、自社で運用する方がコストパフォーマンスが良いケースが多いです。コスト面を重視するなら、媒体を基盤に採用フローを構築してみてください。
自社の課題をしっかり見極めたうえで、それに合った採用手法を選ぶことが、成功への近道です。
媒体活用で長期的な採用力向上を目指す
新卒採用は、単に目先の成果を追うだけでなく、長期的な視点で進めることが求められます。特に新卒媒体を効果的に活用することで、自社の採用力を大幅に向上させることが可能です。
採用ブランドを築く
新卒媒体は、自社の魅力を広く学生に伝えるための重要なツールです。企業ページを通じて継続的に情報を発信し、学生に「応募したい」と思ってもらえるような採用ブランドを構築しましょう。掲載内容を定期的に更新し、魅力的な写真や動画を追加するのも有効です。
採用フローのノウハウを蓄積
媒体を使って採用活動を行う中で、説明会や面接などのプロセスを内製化することができます。この経験は、将来の採用活動でも役立ち、社内で効率的な採用フローを確立する基盤となります。
応募データを活用する
媒体を通じて集まる学生の応募データを分析することで、どの層の学生が応募しているのか、どんな施策が効果的かを把握できます。これを活かせば、翌年以降の採用戦略をより洗練されたものにできます。
外部のサポートをうまく活用
媒体運用に自信がない場合や、負担が大きいと感じる場合は、採用業務の外注(RPO)を検討してみてください。RPOを利用すれば、運用の一部または全部を外部に任せることができ、負担を軽減できます。さらに、運用ノウハウを吸収することで、将来的な自社運用にもつなげられます。
新卒紹介と媒体を併用する場合の効果的な戦略
新卒紹介と媒体を併用することで、双方の強みを活かした採用戦略が可能です。以下のポイントに注意して併用の効果を最大化しましょう。
媒体で広く学生を集める
新卒媒体を利用して、まずは広く母集団を形成します。媒体では企業の魅力を伝えるコンテンツを充実させ、学生の興味を引くことが重要です。
紹介サービスでターゲット層を補完する
媒体でターゲットに届きにくい専門性の高い学生や、特定の属性を持つ人材は、新卒紹介で補完します。これにより、全体の採用精度が向上します。
データを共有し、連携を強化する
媒体と紹介サービスから得られるデータを統合し、採用活動全体のPDCAサイクルを回します。たとえば、どの施策がどの層に効果的だったかを分析し、次年度の施策に反映します。
内製化と外注をバランス良く使う
選考プロセスの一部を自社で運営しつつ、運用が難しい部分を紹介会社や媒体運営企業に委託することで、効率を高めます。これにより、採用コストを抑えながらも質の高い採用活動が可能になります。
まとめ
本日は、新卒紹介と新卒媒体の違いについて、お話致しました。今回新卒媒体、新卒紹介を知る機会となれたでしょうか。現在絶頂の売り手市場とされる中、新卒の採用は年々困難を極めています。
採用活動も就職活動も波があるからこそ、新卒媒体を活用し、自社の採用力を高めることが重要です。採用における課題をクリアし、自社独自の採用フローを構築することで、長期的な視点で採用活動のコストパフォーマンスを向上させられるでしょう。
媒体の運用が難しい場合は採用代行を活用し、効率的な運用を目指しましょう。また、採用における課題点を振り返って弱点となった点を補填できるコンテンツを利用していきましょう。