求職者が本当に知りたい情報とは?重視する項目や条件も解説

求職者が知りたい情報

「応募が集まらない」「採用ターゲットと応募者のギャップが大きい」

このように、近年の売り手市場の中で人材の採用や定着に悩む企業様は多いのではないでしょうか。今回は求職者が本当に知りたい情報や、重要視するポイントを「求職者目線」でお伝えします。

既に採用活動が始まっている企業や、これから採用活動を始める企業は、今回紹介する求職者が知りたい情報を元に採用サイトや求人票を書く際の参考にしてみてください。

求職者が知りたい情報を伝えることが重要

求職者が知りたいことを伝えるのが重要

求職者は採用サイトや求人票を見て、自分自身を適切に評価してくれる企業、もしくは求職者自身が応募・入社するべき企業かどうかを判断したいと考えています。

そのために、自社が伝えたい情報よりも求職者が知りたい情報を中心に伝えることが重要です。

近年、採用市場では人材不足が深刻化しており、求職者は多くの企業の中から自分に合った企業を探し出す、もしくは多くの企業からのスカウトやオファーを受けるようになっています。実際、求職者が内定を獲得するまでに平均20社以上の企業に応募しているデータもあります。

転職成功者の平均応募者数

画像引用:doda

そのため、求職者は企業を選定する際に、自分が希望する条件や仕事内容、共感できるビジョンやキャリアアップ出来る環境など、自分自身に合った企業を見つけ出すために必要な情報を知りたいと考えています。

求職者が自分自身を適切に評価し、その企業に応募するかどうかを判断するために必要な情報を得るためにも、求職者が知りたい情報を伝えることが重要となります。

応募が集まらない採用サイト・求人票の特徴

実際に採用活動をしていても、応募者がなかなか集まらない企業も多いのではないでしょうか。求人情報を出す際の重要なポイントや、応募者を集めるための理由について確認していきましょう。

入社後の働く姿がイメージできない

求職者にとって、求人内容はその企業を知る上で欠かせない情報です。もし求人内容での仕事内容がおおざっぱだったり、入社後の流れや勤務条件の記載がなかったりした場合、自分自身が入社後、その企業で働くイメージを持つことができません。

求職者は自分に合った企業を探すために、多くの企業の求人を探して見ています。

求人内容で情報が不足している場合、入社後のイメージはもちろん、その企業やポジションへのポジティブな印象を持つことができず、応募を見送ることがあります。

求職者から応募してもらうためには、求職者がその企業での勤務イメージを明確に持てるような情報を、求人票などで記載することが必要です。

企業側が伝えたい情報しか載せていない

求職者が知りたい情報と企業側が伝えたい情報にギャップがあると、応募が集まらないケースもあります。いま採用サイトや求人票に載せている情報は、本当に求職者が欲しい情報でしょうか。

こちらは2020年7月~2021年6月の1年間に転職した方に対し、35の転職理由の中から該当するものを複数選ぶアンケート結果です。

転職理由のデータ

画像引用:doda

  • 1位:「給与が低い・昇給が見込めない」
  • 2位:「昇進、キャリアアップが見込めない」
  • 3位:「会社の評価方法に不満があった」

このように、評価や昇進に関する不満が3位までを占めました。

一方でランキングの全35項目のうち、33位は「人とか関わる仕事をしたい」の5.2%でした。

上記を例に挙げると、人と関われる仕事であるという点は、企業が伝えたい情報だったとしても求職者が知りたい情報ではないかもしれません。

求職者にとって重要な情報は、企業側が都合の良い情報だけでないことを理解することが必要です。

求職者が本当に知りたい情報とは?

それでは、求職者が本当に知りたい情報について下記の6つの観点から見ていきましょう。

  • 事業内容やその理念
  • 募集背景
  • 詳しい仕事内容
  • 職場に関する情報
  • 社風・カルチャー
  • 応募資格・求める人物像

順番に解説します。

事業内容やその理念

求職者は、自分自身がその事業に共感するかどうかを判断するために、企業のミッションやビジョン、バリューや社会的役割についても知りたがっています。このような情報を提供することで、求職者は企業に対して興味を持ち、やりがいのある仕事に応募することができます。

ただし、業界用語や専門用語を使わないように注意する必要があります。特に、業界未経験者などにもわかりやすく説明することが必要です。

また、求職者が企業の事業内容を正しく理解するためには、企業がどのような分野で事業を展開しているのかを、分かりやすく説明する必要があります。例えば、物流会社であっても、海運業、倉庫業、個人宅向け宅配事業など、事業内容は多岐に渡る会社もあります。

着飾ったキレイなフレーズよりも、実際の事業内容が伝わるように努めることも重要です。

募集背景

なぜ募集するのか、その背景は求職者にとっても企業側にとっても重要な情報となります。企業側は、欠員募集なのか増員募集なのかなどの理由を把握すると、「どのような人材を採用するべきか」が明確になります。

必要なスキルや性格、業務内容を把握することで、求める人材像を明確にすることができます。また求職者は、この求める人物像を知ることで、自分に合っているポジションか、また入社後のイメージもしやすくなります。

募集背景は企業側が把握しておくべき情報、求職者側は知っておきたい情報となります。

詳しい仕事内容

同じ職種名で募集している企業がいた場合、その仕事内容はまったく同じでしょうか。求職者に求めるスキルや業務内容は企業ごとにも求人ごとにも異なるはずです。

実際に近年では、ユーザー側が求人を検索する際は、細かく分類された職種を検索することが出来るようになっています。

<ビズリーチにて営業を検索した場合>

ビズリーチの検索画面

<GreenにてWEBエンジニア職を検索した場合>

Greenの検索画面

求職者は詳細な仕事内容を把握した上で、自身のキャリアプランやスキルアップなど、自分自身に合った仕事内容かどうかを理解したいと考えるでしょう。

また現職と同じスタイルなのか、もしくは全く異なった方法や新しいやり方の仕事なのか、転職する上で気になることが多いでしょう。一日の流れや想定スケジュールを記載することで、求職者が実際に働くイメージを持ちやすくすることも有効です。

職場に関する情報

求職者が転職する際に気にすることの一つに、職場の人間関係があります。

転職理由のデータ

先ほどのこちらのグラフによると、転職理由の4位に「社内の雰囲気が悪い」、10位に「尊敬できる人がいない」が挙げられています。

このことからどんな人たちが働いているのか、どんな仕事を、どんな考えで、どんな目標を持って働いている人たちがいるのかが分かる情報を記載すると効果的と言えます。

例えば、そのポジションの社員インタビューであったり、社長のメッセージを記載したりすると、求職者はその職場で働くイメージがしやすくなります。

また一方的なメッセージではなく、求職者に直接語りかけるような文章を意識するだけで、テキストベースの求人内容だけでは感じられない印象も与えることができます。

社風・カルチャー

職場に関する情報と似ていますが、どんな社風・カルチャーなのか、転職する際に知りたい情報の1つに挙げられます。

例えば、内気な性格の方が、オンオフのない活発すぎるほどの社風の会社へ入った場合はどうでしょうか。またチームプレイを好む方が、完全個人主義のカルチャーの環境下で効果の高いパフォーマンスを発揮出来るでしょうか。

社風・カルチャーに関しては、求職者だけでなく企業側にとっても重要な項目です。求職者がイメージしていた社風・カルチャーと違った場合、早期退職や最大限のパフォーマンスを発揮できない可能性があります。

自社の社風やカルチャーをしっかりとアウトプット出来る状態にしたうえで、求職者に伝えることが重要です。

応募資格・求める人物像

求職者は、その企業に応募する際に「応募資格」や「求める人物像」もチェックしています。

仕事内容や社風が合っていると思っても、実際に応募出来る条件を持っていなかったり、その企業が求める人物像とかけ離れていたりする場合もあります。もしこの項目を事前に知らないまま、入社した場合もミスマッチとなる可能性が高いです。

資格であれば何級なのか、具体的な資格名や入社後の取得でも可能か、求める人物像であれば経験年数や年齢などのハード面から、性格や人柄などのソフト面まで、詳細に記載することをおすすめします。

応募資格や求める人物像の定め方がわからないという方は、こちらの記事で採用条件の具体的な設定方法について解説しているので参考にしてください。

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求職者が転職時に重視する項目・条件

先ほどは求職者が知りたい情報を紹介しましたが、次は求職者が重視するポイント・条件について紹介いたします。

求職者が重視する項目

転職で重視したことのデータ

画像引用:Wantedly

Wantedlyの調査によると、「直近の転職において重視したこと」の調査結果の中で、コロナ前後で変わらず、仕事内容のやりがいがトップの結果となっていました。

一方で、コロナ前後で変化があったのは給与水準と自己成長となりました。

コロナ前では給与水準と自己成長性は同等のパーセンテージでしたが、近年では「キャリアアップしていきたい」「いろいろな会社で経験を積みたい」など、自己成長できる環境かどうか、自分自身のステップアップを目指す求職者が増えてきている傾向にあることが見て取れます。

求職者が重視する条件

一方で求職者が求人を探す際に重視する条件はどうでしょうか。

転職先に求める条件のデータ

画像引用:d‘s JOURNAL

上記のデータによると、1位にランクインしたのは「勤務地」でした。やはり通いやすい場所や業務に影響しない範囲で通勤できる場所を探す求職者が多いようです。

しかし近年ではコロナによりテレワークが普及し、働き方・通い方が変化してきているため、「勤務地」を重視する求職者は減少してくるかもしれません。

また、2位の「年収」や3位の「職種」、4位の雇用形態に関しては、下記理由があげられています。

  • 「これまで培ってきたキャリアを正当に評価してもらいたい」
  • 「これまでの経験やスキル、取得した資格を活かしたい」
  • 「長く働き続けたい」「正社員として長期キャリアを築きたい」

このように、自分自身のキャリアアップやステップアップに関わる理由が上位を占める結果となりました。

まとめ

求職者にとって転職活動は、次のキャリアを築く第一歩となる一方で、これまで慣れていた環境や仕事のやり方を一変する、いわば一大イベントです。

数多くの企業や求人の中から自分に合ったものを探す中で、企業は求職者を選ぶ側でもあり選ばれる側でもあることや、求職者に入社後をイメージさせる情報を伝えることが重要です。

企業と求職者が良い出会いとなるよう、今回紹介した内容が貴社の採用活動の参考となれば嬉しいです。

求職者が知りたい情報の他にも、求人票に記載すべきでない項目や魅力的な書き方をを知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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