就職活動中の学生が求める情報と、企業が説明会で伝えたい情報には大きなギャップがあります。このギャップを埋めることで、学生の参加意欲を高める説明会を実現できるのです。
本記事では、学生が知りたい情報やその背景、WEB・対面説明会の工夫などを解説します。学生に「この企業で働きたい!」と思ってもらえる説明会の秘訣がわかる内容となっており、参加者数や満足度が伸び悩むリスクの回避に繋げられるでしょう。
ぜひ、学生の心を掴むポイントを知ってください。
学生が知りたい情報と企業が伝えたい情報のギャップ
新卒説明会を行う際、学生が知りたいと思う情報を貴社はきちんと提供できていますか?
学生が聞きたかった内容と実際に聞いた内容に誤差が生じている企業がかなり多く存在することがわかりましたので、見ていきたいと思います。
学生が企業研究を行う上で知りたい情報
1位 実際の仕事内容 …82.3%
2位 社風 …61.9%
3位 給与水準・平均年収 …58.2%
4位 福利厚生制度…52.3%
5位 他社と比べた強み・弱み …51.1%
<株式会社ディスコ キャリタスリサーチ キャリタス就活学生モニター調査結果25卒>
一見どれも重要な情報に思われますが、実は学生の8割以上が知りたがっていた情報は「仕事内容」だったのです。仕事内容を説明する際は、より具体的に学生が働くイメージを描けるように説明することを心がけてみてください。
学生が聞きたい説明会内容
- 1位 具体的な仕事内容
- 2位 社風・社内の雰囲気
- 3位 採用スケジュール
- 4位 入社後の待遇
- 5位 入社後のキャリアモデル
- 6位 企業が求める能力・人材像
このグラフからは、企業説明会やセミナーで学生が実際に聞いた内容と聞きたかった内容にギャップがあることがわかります。特に「具体的な仕事内容」や「入社後のキャリアモデル」は聞きたかった内容として多く挙げられている一方、実際に聞けた割合は低いことが目立ちます。
データ引用:マイナビ 2025年卒 学生就職モニター調査 4月の活動状況
この結果から、企業は学生が求める情報をより意識的に提供する必要があると言えます。
もし、これまでの説明会が企業理念や業績を中心とした内容で、期待したほど母集団形成ができていない場合、原因の一つとして、学生と企業側の認識のズレが影響している可能性があります。もちろん、これが全てではありませんが、学生のニーズをしっかりと把握することが重要です。
仕事でもお客様のニーズに応えなければ成果は得られないように、採用活動においても同じことが言えます。学生目線に立ち、説明会の内容を見直してみることが効果的です。
具体的には、以下のことを検討してみましょう。
- 説明会で実務内容や企業の強みをより多く盛り込むこと
- 就職サイトの企業アピール欄に実務に関する具体的な情報を掲載すること
これだけでも、学生から見た企業の印象が大きく変わり、より良い母集団形成につながるのではないでしょうか。
説明会は、WEB?対面?
ここ数年、WEBセミナーを開催する企業も、今年はどう開催しようか…と迷われているのではないでしょうか?
こちらは、マイナビが「個別企業セミナーの参加・視聴経験がある割合」を調査した結果です。
対面式セミナーの参加経験は21年卒まで大きく減少しましたが、23年卒以降は再び増加傾向にあり、25年卒では47.1%にまで回復しています。
一方で、WEB(ライブ形式)は高い参加率を維持していますが、徐々に減少傾向が見られます。WEB(録画形式)の視聴経験も同様に減少しています。この結果から、対面式セミナーの需要が再び高まる一方で、オンライン形式への依存度がやや低下していることが示唆されます。
データ引用:マイナビ 2025年卒 学生就職モニター調査 4月の活動状況
しかしながら、株式会社ディスコキャリタスリサーチのアンケート結果を見てみると、学生が会社説明会において対面形式とオンライン形式を使い分けていることがわかります。
志望企業では「対面形式に参加したい」が32.0%と最も高く、直接会って企業を深く理解したい意向が強いことが示されているのに対し、まだあまり知らない企業では「オンライン形式に参加したい」が37.3%と最も多く、気軽に情報を得たい意向が反映されています。
データ引用:キャリタス就活 学生モニター2025 調査結果(2024 年 3 月発行)
WEB(録画)の場合は「倍速」対応を!
こちらはWEB(録画)で説明会を行った場合「早送りしてみるか」を調査したものです。
このグラフから、録画形式のWEBセミナー視聴時に「早送りする割合」が一定の傾向を持つことがわかります。「早送りしながら見る」割合は年々増加傾向でしたが、25年卒では全体の約45.9%に留まる結果となりました。
一方で、動画を「早送りしない」で視聴する人は減少しています。特に文系男子はその割合が17.3%と最も低い数値です。また、理系女子は「早送りしながら見る」人が52.4%と最も多く、他の属性と比べても早送りする傾向が強いことがわかります。
データ引用:マイナビ 2025年卒 学生就職モニター調査 4月の活動状況
学生が「参加したい!」と思う説明会の内容
下記は「参加したいと思う企業セミナー内容」について形式別で調査を行ったアンケートです。このアンケートからも先に解説したように、会場型とオンライン型の会社説明会で求められる内容に違いがあることがわかります。
会場型では「社員と話せる場が設けられている」が69.9%と最も高く、直接的な交流を重視する傾向が強いです。
一方、オンライン型でも「社員と話せる場が役立てられている」が59.1%と高いものの、「部門・職種別の説明が詳細に聞ける」や「業界について詳しい説明がある」なども重視されています。
この結果から、形式に応じて学生のニーズを把握し、内容を工夫することが重要であると考えられます。
データ引用:キャリタス就活 学生モニター2025 調査結果(2024 年 3 月発行)
学生が説明会で企業情報を求める理由
学生が会社説明会で、ここまで解説してきたような情報を求める背景には、以下の理由が考えられます。
- キャリア選択の不安解消
- ミスマッチの回避
- 競争の激しい採用市場への対応
- 働く環境への安心感
- 将来像の明確化
キャリア選択の不安解消
学生にとって、企業選びは将来のキャリアを左右する重要な意思決定です。実際の業務内容や職場環境、社員との交流を通じて「この会社で働くイメージ」を具体的に持つことで、不安を解消し、自分に合った選択をしたいと考えています。
ミスマッチの回避
「選考に関する情報」や「部門・職種別の詳細な説明」を重視するのは、入社後のミスマッチを避けたいという意図があるためです。具体的な業務内容や求められるスキルを事前に理解することで、自分に適しているかを判断しやすくなります。
競争の激しい採用市場への対応
選考プロセスや採用基準について知りたいのは、他の候補者との差別化を図り、選考で有利に進めたいからです。特に人気企業では事前準備が合否を大きく左右するため、この情報が重要視されます。
働く環境への安心感
「社員と話せる場」や「職場の雰囲気がわかる情報」は、入社後の環境に安心感を持ちたいという心理から来ています。特に現場のリアルな声を聞くことで、公式情報だけでは分からない企業文化や人間関係を理解したいと考えています。
将来像の明確化
学生は、どのように成長できるのか、どのようなキャリアパスが描けるのかを知りたいため、具体的な業務内容やキャリアモデルに関する情報を重視します。これにより、将来の自分の姿を明確にイメージする手助けになります。
学生を集めたい!資料
▼学生を集めたい!そのお悩みを解決するためのヒントをご紹介しています。
<資料内容>
学生採用に関する課題を解決するヒントを網羅した資料です。採用アウトソーシングやインターンシップ企画、効果的な採用サイト活用法まで、具体的な施策を詳しく解説しています。
- 「なかなか学生が集まらない!」
- 「学生管理が大変!マンパワー不足」
- 「インターンシップって何したらいい?」
説明会の集客でお悩みの方はぜひ、こちらの資料をご参考ください!
まとめ
以上、「採用説明会で学生が知りたい企業情報」についてご紹介しました。
「この情報さえあれば説明会に参加したいのに、迷ってしまう…」
そんな理由で学生が集まらないのは、とてももったいないことです。
2026卒に向けて、学生にどんな情報を伝えるべきか、そしてどのように見直すべきかを考える時期です。今回の学生の声をヒントに、学生のニーズに寄り添った情報発信を、採用説明会や就職サイトを通じて積極的に行いましょう!
今回のテーマは『説明会に最適な開催時間』についてです。説明会を開催するにあたり、企業側が重要視されているのは「内容」「日程」「場所」ではないでしょうか。 しかし!上記3点以外にも重要なことがあるのをご存じでしょうか?それは、意外に見落[…]