【書類選考チェックリスト】評価基準に迷わない!見るべき6つのポイントと作り方

書類 選考 基準

書類選考の基準が曖昧で、選考の質にムラが出て、判断に不安を覚える採用担当者もいるでしょう。従来の書類審査のままでは採用ミスが多発し、面接の無駄が出てくる可能性があります。

選考過程から生じるさまざまな問題を軽減するには、書類選考で何を見るかを明確にすることが重要です。

この記事では、書類選考で大事な6つの具体的なチェックポイントや、評価のばらつきを防ぐチェックシートの作り方を解説します。また、選考の属人化を防ぐためのツール活用法も必見です。

書類の質と評価ポイントが明確になれば、誰が選考しても応募者を判断できる体制が整い、採用の精度と効率化が図れるでしょう。

選考プロセスを見直して、的確な書類選考を実現しませんか?

– 書類選考でチェックすべき具体的な評価項目と判断ポイントがわかる
– 評価のばらつきを防ぐチェックリストや評価基準の作り方が理解できる
– 中小企業が効率的に書類選考を進めるための準備・運用ノウハウが学べる
– 書類選考の判断が人によって違い、選考のばらつきに悩んでいる人事担当者
– これから評価基準やチェックリストを整備しようと考えている中小企業の採用担当者
– 限られた時間とリソースで、採用の質を高めたいと考えている人事責任者
目次

書類選考の基準を明確にする重要性

書類選考の評価基準を具体的に定めることは、採用業務をスムーズに進めながら「自社にあった人材を効率よく見つける」ために重要です。

とくに日本では、大学生や専門学生を新卒で採用する際の第一段階として、書類選考を設ける企業が多いでしょう。

リクルートキャリアが行った2025年の学生を対象にした採用プロセスの実施状況の調査によると、書類選考の実施率は75.8%でした。

書類 選考 基準

画像引用:リクルート|就職白書2025

このデータから、書類選考が、採用活動に必要な作業であることがわかります。

選考の属人化が引き起こすリスクとは

採用活動で発生しやすい問題のひとつは「選考の属人化」です。つまり、特定の担当者しか採用業務を把握していない状況を指します。
選考の属人化で考えられるリスクは以下の通りです。

  • 担当者の負担が重くなる
  • 担当者ひとりの合否判断で、選考ミスが生じやすい
  • 担当者が不在や多忙の場合、採用の承認がなかなか下りず、合否の決定が遅れる
  • 担当者が不在になると、他の人がうまく対応できずに業務が滞ってしまう
  • 新しい担当者が、採用業務を一から勉強しなければならない

このようなリスクが生じると、企業の採用力が低下し、組織全体の成長に影響を及ぼす可能性が考えられます。

基準を統一することで得られる3つの効果

一方で、書類選考の基準を明確にすると得られる効果を3つ紹介します。

  1. 採用ミスマッチを減らせる
  2. 採用業務の効率アップ
  3. 選考の属人化を防ぎ、担当者の負担を軽減する

明確な選考基準は、自社にマッチしない人物の採用を防ぎ、早期退職のリスクを減らす効果が期待できる他、採用担当者の業務効率向上や選考の属人化の防止など、さまざまな問題を防ぐ効果があるのです。

書類選考の本来の目的を再確認しよう

そもそも書類審査の目的は、多数の応募のなかから、企業が定めた一定の基準をクリアした候補者を抽出するために行うものです。

候補者のスキルや経験、自社での成長意欲があるかを知るためのツールとして、書類選考を導入し、次のステップに進む候補者を絞ることが重要になります。

書類選考を始める前にやるべき準備

書類 選考 基準

書類選考を行うには、事前の準備が不可欠です。やるべきことを3つ解説します。

人材要件・採用ペルソナの明確化

まずは、募集に必要な人材の条件を明確にしましょう。

このときに、採用を考えている部門や役職の業務内容を細かく提示し、求めている経験やスキル、人物像などを設定するのがポイントです。

評価基準のベースとなる要素を洗い出す

書類選考では、どのような内容を評価基準とするのかを決めておくことが重要です。

新卒採用のように、内定後に各部署へ人材を配属する場合、あらかじめ部署ごとに必要な人材を選ぶ基準を設けておけば、採用ミスを防ぐ効果も期待できるでしょう。

書類選考の通過率・判断ラインの設定

企業の規模や応募者の経験値などにもよりますが、一般的な書類選考の通過者は、3割~5割程度が目安です。

なかには7割を通過者として抽出するのが望ましいと考えるコンサルタントもいます。最低限の評価基準は設けつつ、合否に迷う候補者は面接で判断すると、優秀な人材の取りこぼし防止にもつながるでしょう。

書類選考で見るべき7つのチェックポイント

書類選考を行うにあたり、チェックすべきポイントを6つ挙げました。

1. 募集条件とのマッチ度

まず確認するのは、企業側が提示する募集条件を応募者が満たしているかどうかです。

確認項目の例として、学歴や人物像、学生時代の経験や職歴があります。もし、自社が基準にしている募集条件とマッチしていなければ、通過を見送るのが賢明です。

2. ビジネスマナー(書類の形式・誤字脱字など)

次に注目したいのが、書類上のビジネスマナーです。

書類の形式はあっているか、使用している証明写真は、新しいもので鮮明に映っているかなどをチェックすることで、応募者のビジネスマナーの有無が見分けやすくなります。

3. 文章力・表現力(読みやすさ・構成)

ビジネスをするうえで、文書を作成する力や、読み手に配慮した表現力は不可欠です。

具体的には、誤字脱字がなく日本語が適切に使えているか、さらに相手に伝える力が備わっているかもチェックしましょう。

4. 志望動機・自己PRの熱意と具体性

志望動機や自己PRは、自社にどれだけ熱意を持っているかを判断するための材料になります。

選考する際には、応募者の言葉で具体的に書かれていることと、候補者の強みと自社が期待する能力がマッチするかどうかを見極めるのがポイントです。

5. 転職回数・転職理由の妥当性

短い期間で転職を繰り返している候補者には注意が必要ですが、回数が少ないから安心というわけでもありません。

そもそも転職の背景には「理由」があります。まずは回数と理由をセットで考え、候補者の転職回数や理由の妥当性を判断できない場合は、直接面接をして話を聞きましょう。

6. 必要資格・免許の有無とレベル

選考書類に記載されている資格や免許の有無は、応募条件とのマッチ度を判断する際に役立ちます。

とくに専門的な業務の場合、資格の有無やこれまでに携わっていた業務の内容は、応募者のスキルを判断する基準になるのです。

7.+α:人柄や価値観、性格適性の見極め方

人柄や性格といった、内面に隠れている本質を見抜くには、志望動機や自己PRの内容に熱意を感じるかどうかがポイントです。

具体的なエピソードが、採用後も長期にわたって企業に貢献できる人材かを判断するひとつの基準になるでしょう。

評価基準の作り方とチェックリスト運用のコツ

ここでは、適切な書類選考ができるように、評価基準に盛り込む項目やチェックリストを活用する際のコツを解説します。

数値・評価ランクを用いた定量化の方法

新卒・中途にかかわらず、採用書類選考では、応募者の情報や書類内容の評価基準となるチェックシートを用意することで、採用活動がスムーズになります。

書類選考の基準となるチェックリストの一例です。

書類選考 評価チェック項目 点数
誤字・脱字がなく、年月等が正しく表記されている 3
正しい日本語が使用されている 3
コピペされていない文章である 3
読み手に伝わりやすい表現である 5
内容が具体的に書かれている 5
論理的な文章構成である 5
内容に筋が通っている 10
読み手の立場を考えた改行やデザインなどの工夫がされている 10

ひとつの項目ごとに点数を決めておくと、評価のしやすさが向上します。

新卒や中途採用にも幅広く活用できるチェックリストは、一度作成しておくと、次年度にも対応できるのがメリットです。

主観を排除するための書類選考チェックリストの工夫

採用担当者の主観が絡むと、企業にふさわしい人材を見落とすリスクが出てきてしまいます。

主観による評価を防ぐため、客観的に応募者を判断できる内容で評価基準を設定しましょう。

面接官や他部門と共有するポイント

企業全体で応募者の履歴を把握しておけば、配属先をスムーズに決められます。

とくに、複数の部署で新たな人材が必要な場合は、配属先を考えたうえで書類選考を行うのがおすすめです。企業が目指す目標やチームの構成にマッチした人材を、効率よく選べる可能性が広がります。

書類選考におけるよくある落とし穴と注意点

書類選考を行ううえで気をつけたいポイントを、3つ紹介します。

年齢・学歴・転職回数で判断しすぎていないか?

書類選考において、応募者の経歴で判断材料にしがちな項目は以下の通りです。

  1. 年齢
  2. 学歴
  3. 転職回数

学歴で例えると「有名大学出身だから、仕事もできる人だろう」といった、いわゆる「ブランド」で判断するケースもあるでしょう。

上辺の判断で即戦力になり得る人材を見落としたり、企業にあわない人材を採用してしまったりしないよう、さまざまな基準でバランスよく評価することが必要です。

志望動機の抽象度・テンプレ感に注意

ネット上にある志望動機のテンプレートを使い回したような文章は、応募者側の志望度が低く、採用後のミスマッチにつながる可能性があります。

選考をする際の判断に使えるポイントは以下の通りです。

  • 自社の企業理念を深く理解しているか
  • 志望動機や自己PRの内容が具体的で、エピソードが明確か
  • 応募者の持っているスキルを、自社でどのように活用しようと考えているか

具体的で、自分の言葉で書かれているかをしっかり見極めましょう。

多様性を損なう採用基準になっていないか

書類選考の選考基準では、性別や国籍などといった属性を評価するのは差別につながるため危険です。

応募者のスキルや実績、仕事に対する熱意を重視することで、多様性を損なわずに採用を進められます。

最新ツールや支援サービスの活用法

書類 選考 基準

書類選考では見抜けないような、応募者の本質を見出すための、さまざまなツールや支援サービスを活用する方法もおすすめです。

性格適性検査やスコアリングツールの活用

下記のような適性検査ツールが多くの企業で取り入れられています。

  • DPI:職場において必要な要素(態度能力)と適性業務を診断
  • Compass:職業の適性や対人関係のスタイルを診断
  • DIST:仕事上で起きやすいストレスの原因に対する耐性や解消法を診断

また、2025年8月に株式会社PKSHA Technologyが公表した「書類選考AI」というツールも有用でしょう。

書類 選考 基準

画像引用:株式会社PKSHA Technology 『採用活動を支援する「書類選考AI」をリリース、800社が利用する“PKSHA AI Suite for HR”に追加』

AIを活用したツールで応募書類をスコアリングすると、属人化を防ぎつつ、より適切な選考が期待できます。

書類選考を効率化するATS(応募者管理システム)

ATSは、応募者の情報管理と検索が可能で、選考の進捗を追跡できるツールです。

採用で必要な業務を自動化する機能が備わっているので、応募者への連絡から合否通知までのプロセスを効率的に進められます。

採用代行(RPO)との併用で属人化を解消

多量の応募者に短い期間で対応しなければならない場合に有効な、採用代行サービスもあります。

採用業務を外部に任せることで、客観的な視点から、より公平な選考が実現できるのが特魅力です。

書類選考時のよくある疑問(FAQ)

最後に、書類選考について多く聞かれる疑問にお答えします。

書類選考の通過率は何%が目安?

決まった通過率はありませんが、目安としては応募者全体の30%~50%以上が望ましいでしょう。

もし、通過率の割合が高ければその後の選考過程に時間を要し、低ければ自社にあう人材を見逃す可能性があります。

自社の採用活動に必要な応募者数や通過率を適切に判断していくためにも、過去の通過率をデータ化しておくのがおすすめです。

新卒と中途で評価基準は分けるべき?

書類選考のやり方は、新卒採用と中途採用で見るべきポイントが違うため、基準を分けて考えるのが賢明です。

書類 選考 基準

画像引用:人事の図書館『採用基準とは?設定方法や新卒と中途の基準の違いについて解説』

上記の表の通り、新卒採用は主に学生がターゲットなため、仕事に対する姿勢や人柄を中心に判断する傾向があります。

一方で、中途採用は、即戦力を期待し、前職の経験やスキルに重きをおくのが特徴です。採用における判断材料の違いから、新卒採用と中途採用の選考基準は別に設定しましょう。

志望動機のテンプレ文にどう対応する?

応募者の志望動機が、テンプレートを使用したものか、自身の言葉で書かれたかどうかを判断するポイントは以下の通りです。

  • 志望動機の内容が具体的であるか
  • 熱意に加え、応募者の経験で培った強みを説明できているか
  • 内容が抽象的で、他の企業でも通用する表現になっていないか

ありきたりな表現が多く見られる場合は、テンプレートの使用を疑う目安になります。

ただし、中小企業の場合は、メディアに取り上げられる機会が少なかったり、企業の公式サイトの情報が薄かったりするケースもあるでしょう。

この状況で、具体的な志望動機を書くのは難しいと感じる応募者もいるかもしれません。

仮に内容にテンプレート感があったとしても、安易に落とすのではなく、詳しいことは面接で確認するのもひとつの手です。

まとめ

採用試験のひとつである書類選考では、評価基準を明確にしておくことで採用ミスの防止や採用活動の効率化、選考の属人化リスクの回避など、さまざまなメリットがうまれます。

まずは、企業側が求める人物像を明確にし、評価の基準を具体的に決めましょう。実際の書類選考では、公平な審査ができるように評価基準チェックリストの活用や採用ツールを使うのもおすすめです。

企業のさらなる成長のためにも、質の高い採用活動を目指しませんか?