本日は転職市場の現在の求人倍率の推移と主に増加率の高かった業種をまとめさせていただき、今後も人手不足が続くのではないかと言われている業界をご紹介させていただきます。
現在の転職市場の傾向
転職求人倍率・求人数・転職希望者数
まず10月の求人数に関しましては、下半期に採用予定の求人を一括して出す企業があったため、前月比100.6%と増加し、2カ月連続で調査開始(2008年1月)以来の最高値を更新しました。
ますます各企業が積極的に採用活動を進めている事が分かります。
<doda転職求人倍率レポートデータ・2019年11月発表>
転職希望者数は、一つの区切りとして年末いっぱいでの退職を目指す人が多く、そこへ向け転職活動を始めた人がいることも増加の要因となり、前月比107.7%と増加しました。
求人数、転職希望者数ともに増加しましたが、求人数の増加幅を転職希望者数のそれが上回ったため、求人倍率は前月から0.17pt下降し2.52倍となっています。
前年同月比では、
- 求人数は105.7%
- 転職希望者数は104.6%
となりました。
求人数、転職希望者数ともに増え、求人数の増加幅が転職希望者数のそれを上回ったため、求人倍率は0.03pt上昇しました。
転職市場の状態は引き続き良いままですが、前年同月比での求人数の増加率は鈍化しています。
職業別の求人倍率データ
次に職業別に求人倍率を見ていきます。
<doda転職求人倍率レポートデータ・2019年11月発表>
前月比では8業種すべてが下降しており、
前年同月比では
- IT、通信
- メディカル
- 金融
- 商社、流通
- 小売、外食
こちらの5業種求人倍率が上昇しております。
求人数は、前月比では8業種のうち「メディカル」「商社・流通」「サービス」の3業種で増加。
前年同月比では「メディア」を除く7業種で求人数が増加しました。
前月比、求人数増加の3業種
求人数の前月比では、
- メディカル
- 商社、流通
- サービス
こちらの3業種で求人数が増加しております。
前年比、求人数増加7業種(メディア以外すべて)
前年同月比では
- IT、通信
- 金融
- メディカル
- メーカー
- 商社、流通
- 小売、外食
- サービス
こちらのメディアを除いた7業種で求人数が増加しております。
業種別データの考察
メディカル
前月比で求人の増加率が特に高かった「メディカル」(前月比104.4%)では、CSO(Contract Sales Organization:医薬品販売業務の受託機関)でMRの求人数が増えており、経験者ではなく他業界での営業経験者も募集していることからも増加していることの要因になっているといえます。
また、医療機関や製薬会社が働き方改革や人件費削減などの観点から、業務の効率化を試行錯誤し、付随業務を外部へ委託する動きが強まっているため、医療機関や製薬会社に対してサービスを提供する企業の求人数が増加しているとなっています。
サービス
「サービス」(前月比101.9%)では、建設・不動産領域の求人数の増加が顕著で、ゼネコンやハウスメーカー、不動産仲介で特に採用が活発です。離職率が高く、未経験でも高収入が期待できる企業が多いこともあり、また、エネルギー関連企業の求人数も増えており、電力自由化にともない、電力小売事業者が事業拡大を図っていることや、残業時間の抑制など働き方改革を進めるため、保守運用の現場で増員を行っていることが増加の要因となっています。
金融
前年同月比で求人の増加率が特に高かった「金融」(前年同月比125.1%)では、生命保険で引き続き活発です。銀行ではデータ分析やWebのスキルなど、自社に少ない、経験を持つ人材を中途採用する動きが強まっています。
小売・外食
「小売・外食」(前年同月比119.4%)では、新業態の店舗の拡大を図る外食チェーンや、取引数が伸びている通信販売、イーコマースなどで求人数が増加しました。
求人倍率は、前月比では8業種(「その他」を除く)すべてで下降しました。前年同月比では上昇幅の大きな順に、「IT・通信」「メディカル」「金融」「商社・流通」「小売・外食」の5業種で上昇しました。
人手不足な業界の紹介
少子高齢化が年々進んでいく中で、労働人口が減っていき、「人手不足倒産」というワードがクローズアップされています。そんな中で、特に人手が不足している業界をご紹介します。
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運輸業界
運送業界は特に人手の状況が大きく変わった訳ではないですが、近年のネットショッピングの需要が高まったことからも仕事量は増える一方です。
それと今後の課題として、年齢や経験を問わずに採用を行う企業が増えたこともあり、トラック運転手の高齢化が進んでいくと思われます。
外を歩いていても10年ほど前とはくらべものにならないほど色んな会社のロゴが入ったトラックを見ることが多くなったので、今の時代に必要であり、人手不足化が進んでいくのではないでしょうか。
建築業界
主に「工事現場で稼働する職人」と「職人をマネジメントする技術者」に分かれますが、どちらも足りていないのが現状です。
人手不足により職人の人件費は上昇し、建設に関してのコストの増加につながっています。
今後も年齢の若い職人の離職率の増加や、そもそも若い人材が入ってこないなどこれからも人手不足が続くのではないかと言われています。
IT業界
何年も前から人手不足がささやかれる業種です。
近年、未経験や異業種からの採用や各社で年齢の条件を引き上げたり、外国籍の方を歓迎するなど採用に向けて工夫をしている企業が多くなってきていますが、WEB業界、IT業界が成長過程にある事や時代に合わせた技術の変化の速さが追い付かないなどまだまだ人手不足は続くと思われます。
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最後に
現状、就職したい人を「売り手」、採用したい企業を「買い手」とした場合、今はまさに「売り手」市場だといわれてますが、2019年に消費税増税されたことや、2020年のオリンピック後の景気減退など景気に伴って転職しにくくなっていくのではないでしょうか?
様々な事から、今後も転職市場の動向には目を光らし続ける必要があるかと思います。
定期的に中途採用を行っている企業はもちろん、欠員が出た時や現状、一切予定はない企業でも早め早めに準備や情報収集が必要になってきます。
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次回のキャリブロもお楽しみに!
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