今回のテーマは、「中途採用の採用スケジュール」についてお伝えします。
現在、中小企業の慢性的な人手不足が問題となっています。この問題を解決するためには、現在の市場に合わせた採用手法に変えることが必要です。今回はその中から中途採用の選考期間をピックアップしました。これらを見直すことで採用活動に有利になる体制を整えましょう。
中途採用の平均選考日数
マイナビ「中途採用状況調査(2023年版)2022年実績」の調査資料データを基に、企業規模別・業種別・地域別に平均選考日数を見ていきたいと思います。
短期決戦の企業数増加
中途採用における一次面接から内定出しまでの平均日数は、WEB面接と対面での面接で異なってきます。
WEB面接の平均日数は9.0日、対面の場合は8.7日となり、対面で面接を行った場合には、1週間未満で選考を行っている企業が半数いることがわかりました。
2019年時の調査では、「2週間未満」で選考を実施する割合は6割程度でしたが、2020年では7~8割となっており、コロナ禍をきっかけに、短期決戦で中途採用を実施する企業が増加していることが伺えます。
さらに、遡ってみると、2016年次から毎年、平均選考日数が減少していることがわかります。
画像引用:マイナビ中途採用状況調査2018版
企業規模別 平均選考期間
企業規模別の平均日数を見ていくと、企業規模が大きくなるほど長い日数を要する傾向があり、こちらもWEBと対面で比べると、企業規模に関係なく、対面で面接した方が1週間未満で内定出しをする割合が多い結果となっています。企業規模別選考期間の傾向は、コロナ以前の2018年調査時と比べても変わりありませんでした。
業種別 平均選考期間
業種別で見ると「IT・通信・インターネット」「金融・保険・コンサルティング」「不動産・建設・設備・住宅関連」の3業種では、平均選考日数が対面よりもWEBの方が短いことがわかりました。
一方、2020年調査時に「1ヶ月以上」の数値が最も高いのは「公的機関」でWEBで18.2%、対面では20.5%という数値になっていましたが、2022年実績調査においては、「1ヶ月以上」かけて選考する業種は、サンプル数が30S未満で参考値となっている「マスコミ・広告・デザイン」の対面面接が8.3%、「流通・小売・フードサービス」のWEB面接が4.2%という結果となっています。
※サンプル数が30s未満は参考値でグレーアウト
地域別 平均選考期間
最も選考日数が短かった地域は、WEB面接・対面面接の両者において「北海道」となっており、WEBの場合は平均5.9日、対面の場合は平均6.3日で、対面実施の方が0.4日長い期間で開催していました。
ただ、1週間未満で選考を終える地域で最も多かったのは関東・甲信越地方で、WEB面接は71.1%、対面実施では64.6%の企業が1週間内で選考を行っている結果となっています。
応募者1人あたりの平均面接回数
応募者1人あたりの平均面接回数を見ると、WEB面接の場合は平均値が2.7回だったのに対し、対面で面接を行った場合の平均値は2.5回でした。
やはり、WEB面接ではいまいち応募者の人物像を把握することが難しく、気軽に日程調整をできることもあって、対面面接より選考期間が長くなってしまう傾向にあるようです。
中小企業の選考期間は10日前後を目安に
調査結果を元に現在の市場を見ると選考期間は短縮化の傾向があることが分かります。そもそも労働人口が少ないこと、そして優秀な人材には内定が集中することを考えると、どの企業も早い段階で内定を出すほうが人材を獲得できる可能性が高まるからです。
特に中小企業は人材不足が喫緊の課題となっているため、一次面接から内定出しまでの期間が「1週間以内」とする企業が対面面接においては50%も存在しています。
この事実を認識して、出来るだけ早く内定を出せる選考方法を設ける必要があるでしょう。
書類選考を含めると10日前後の選考期間が理想だと考えられます。もし、自社の選考期間が2週間以上かかっている場合は短縮するための工夫を施しましょう。
選考期間を短縮する工夫とは
それではどのように選考期間を短縮すればよいのでしょうか。現在、多くの企業で導入している2つの手法をご紹介します。
Webと対面のハイブリッドな面接形式の導入
従来は一次面接から最終面接まで面接官を手配して、求職者と面接官が直接顔を合わせて面接を行っていました。しかし、この方法は日程調整や場所の確保など手間と時間がかかります。
この課題を解決するために、現在では多くの企業が一次面接でWeb面接を導入しています。Web面接では物理的な距離は関係ないため求職者と面接官の日程調整も行いやすく、また場所を確保する必要もありません。極端なことを言ってしまえば、沖縄在住の求職者と北海道に出張中の面接官が面接を実現することもできます。
しかしながら、前述した調査データにもあるように、対面面接の方が、WEBに比べて人となりが判断しやすいため、選考期間を短縮できるメリットがあります。したがって、一次はWEB、二次・最終面接は対面形式といったハイブリッドな選考対応を行うことがポイントになってくるでしょう。
採用管理システムを導入する
選考期間が長くなってしまう要因の一つに、求職者管理がうまくいっていないことが挙げられます。
- 誰がどの選考段階にいるのか把握できていない
- 多数媒体に求人広告を出したがために、管理が煩雑になっている
というような場合、求職者対応をする以外の業務が手一杯で、結果的に選考結果連絡が遅くなり、選考期間が長くなってしまいがちです。
求職者管理や複数媒体管理をスマートに行いたい場合には、採用管理システムの導入がおすすめです。応募から内定承諾までを一元管理し、さらには内定フォローまでできるツールもあります。
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エンジニア向けコーディングテスト
これはプログラマなどエンジニア職を採用する際に導入されている方法です。
従来は求職者が作成した職務経歴書を元に面接官が面接でスキルを確認していました。しかし、中には過剰にスキルをPRする求職者がいて入社後のミスマッチが生じるケースがありました。
このミスマッチを解決するために職務経歴書の代わりにオンライン上でのコーディングテストを導入します。画面上で課題を与え、実際にプログラミングしてもらい、その結果を元に評価します。そうすることで求職者のスキルレベルが分かり、入社後のミスマッチが減ります。
また、選考初期にテストを導入することで無駄な面接を減らし、結果的に早い段階で内定を出すことが可能になります。
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採用ノウハウセミナーに参加してみる
人事担当者向けの採用ノウハウセミナーに参加し、イマドキの採用手法や採用計画の計画方法・見直し方などの情報を入手することも適切な選考期間で採用するための重要な手段のうちの一つになります。
すべてではないですが、多くの採用支援会社でそういった採用に関するノウハウセミナーを月に数回開催しています。
キャリアマートでも中途採用向けの無料セミナーを毎月1回テーマを変えて開催しているので、ぜひ一度参加してみてください。
日時:2023年9月12日(火)14:00~15:00【受付13:50】
会場:Web・ライブ配信(zoom)
「上手くいく採用計画の立案手順 ~入門編~」と題して、年間2,000社を超える企業の運用を支援する当社が、中途採用の全体計画から運用設計、募集開始後の運用まで、注意点をおまとめしてお伝えいたします!セミナーの詳細はこちら
採用アウトソーシング(RPO)採用代行を検討する
市場に合わせて選考期間を短縮化する必要性はご理解いただけたと思います。しかし、現行の選考方法を見直すことで採用担当者の負担が重くなるという課題も発生します。
現行の選考方法の場合は採用担当者の都合に合わせて柔軟に対応することが可能だったのですが、選考の短縮化を前提にスケジュール調整を行うと業務が過密になり従来よりも心身ともにストレスフルになります。特に中小企業の採用担当者は本業を抱えているケースが多く、その負担は大きなものになるではないでしょうか。
この課題を解決するためには採用担当者の人数を増やすことが求められますが、ただでさえ人が足りない中小企業では対応が難しいでしょう。
そこでオススメなのが「採用業務のアウトソーシング」です。面接の日程調整や求職者への連絡など煩雑な業務を外部に委託することで採用担当者の負担を大幅に減らすことができます。
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