採用担当者の皆さんは、普段どのように求人票を書いていますか?
とお悩みではないでしょうか?
企業の求める人材を採用するためには、まず応募者が集まる求人票を作成する必要があります。今回は、以下の3点に焦点をあてて詳しく解説していきます!
・求人票を作成する上で重要となる「SWOT分析」とはなにか?
・求人票作成への活用の仕方
・活用する際に気をつけることやNGポイント
SWOT分析とは
そもそも、SWOT分析とはなんなのでしょうか?
SWOT分析とは、下記の言葉の頭文字をとった言葉です。
Weakness (弱み)
Opportunity (機会)
Threat (脅威)
目標を達成するために、意思決定を必要とする際に用いられるフレームワークのひとつで、企業においては、戦略の立案や実行、自社のビジネス機会の発見に活かすことができます。
ビジネスで戦略や計画を立てるには、自社の内部環境と、自社を取り巻く外部環境を正しく把握し、プラス面とマイナス面を分析することが大切です。
では、内部環境と外部環境は具体的にどのようなものなのでしょうか?
画像引用:keywordmapACADEMY
内部環境
自社の資産やブランド力、価格や品質、人や物、サービス、組織、技術、設備などを指します。自社の「S:強み」と「W:弱み」は、主観ではなく、競合他社との相対評価として、客観的な事実に基づき自社の情報を洗い出すことが大事です。
外部環境
競合他社や法律、市場トレンド、政治・経済の動向、景気、顧客ニーズや社会・国際情勢など自社の努力では変えることができない要因を指します。外部環境を知り、自社の「O:機会」と他社の「T:脅威」を分析し導き出します。
SWOT分析の方法
SWOT分析を活用し、4つの軸から自社の内部環境と外部環境を評価した後、SWOT分析の策定という流れになります。SWOT分析の策定とは、分析結果から明らかになった自社の現状に対して、以下の4つの問を投げかけます。
- 目標達成のために、自社のどのような強みを活かせるか
- 目標達成のために、自社のどのような弱みを克服する必要があるのか
- 目標達成のために、市場や顧客のどのような機会を獲得できるか
- 目標達成のために、自社に対するどのような脅威を取り除く必要があるのか
SWOT分析の策定をすることで、今後のビジネスの戦略や課題を明確にすることが可能です。
なぜ、求人票作成にSWOT分析が必要か
SWOT分析は、求人票を制作する下準備の段階で役立ちます。
求人票を作成する際は、つい自社が求職者に対して伝えたい内容ばかりを羅列してしまいがちです。しかし、求人票は求める人材に対して、的確に伝わるメッセージを込めることが大切です。
年々採用が困難になる中、求める人材を確保するために、自社の魅力や仕事を通して得られるメリットを正確に伝え、求職者の興味、関心を引き応募意欲を高める必要があります。求人票に何をどう書くか、工夫しなければなりません。
SWOT分析は、自社の現在の立ち位置や、競合他社と比較した場合の自社の強みや弱み、課題を多角的にとらえる上で有効です。
SWOT分析の活用例
それでは、架空の企業がSWOT分析した活用例をひとつ挙げ、求人票作成への活かし方を説明していきます。
S:強み | ・3年連続で黒字を達成している ・自社のサービスを複数運営している |
W:弱み | ・競合B社と比べブランド力が弱い ・事業の柱が1つしか無いため次の柱を育てる必要性あり |
O:機会 | ・海外市場での成長機会がある |
T:脅威 | ・競合S社の価格攻勢で、相対的に自社の商品価値が下がっている ・競合J社が自社の従業員に対して採用活動をしてい |
S:強み | W:弱み |
---|---|
自社の運営する複数のサービス | ブランド認知力を向上させるために事業企画を求めている |
3年連続黒字という財務基盤をもとに投資を拡大 | 次の柱となる事業を構築する人材が欲しい |
自社がもつ複数のサービス | 海外展開するため語学力を持った人材が欲しい |
これは架空の例ですが、自社のSWOTを知り理解を深めることで、ただ「このような人材が欲しい」というぼんやりとした書き方ではなく、「自社は~~に強みを持っていて、今後は、○○○のようなビジネス機会があるため、そこで活躍できる人材を求めています。」といった、具体的な内容が書けるようになります。
自社のアピールポイントが相手に的確に伝わることで、求職者にとっても、入社後の将来像がイメージしやすいというメリットもあるでしょう。
SWOT分析を利用する際に気をつけること
SWOT分析は自社の現状を知り、ビジネスの戦略や課題を明確にすることに役立つフレームワークですが、利用する際に気をつけるべきこともあります。
ここでは、SWOT分析を利用する際に知っておくべき注意点についてご説明します。
注意点1:誤った判断をしてしまう場合もある
以下の場合において、誤った判断をしてしまうことも考えられます。
- 事実に基づき客観的に行うべき自社の分析を主観的に行った場合
- 分析の際に重要な事実が漏れた場合
SWOT分析を効果的に活用するためには、必ず競合との相対評価として、客観的な事実に基づき自社の情報を洗い出す「外部環境」を正しく把握することがとても大切になってきます。
注意点2:「SWOT」の切り分けが難しい
SWOT分析を初めて利用する場合は特に、「S:強み」と「O:機会」、「W:弱み」と「T:脅威」が混在してしまいがちです。
以下に気をつけて考えると、それぞれを切り分けて考えやすくなります。
【内部環境】
S:強み/機会を有効に活用できる社内の能力
W:弱み/機会を有効に活用できない社内の能力不足と問題点
【外部環境】
O:機会/売り上げをプラスにする外部環境
T:脅威/売り上げをマイナスにする外部環境
ここをうまく整理することによって、求人票作成で言えば、
「自社は~~に強みを持っていて、○○○のようなビジネス機会があるため、そこで活躍できる人材を求めています。」
といった具体的な内容を書く事につながります。
注意点3:効果を発揮するのは、戦略を考えた後
SWOT分析をする意味を考えずに行った場合、分析の結果を有効活用できない場合があります。
SWOT分析が効果を最大限に発揮するのは、戦略を考えた後で、戦略を評価するときです。求人票作成で言えば、「戦略=自社の求める人材、誰に対して伝えたいか、自社の今後の方向性」を明確にした上で使用することが大切です。
求人票作成時のNGポイント
ここでは、求人票作成時のNGポイントをまとめます。
NGポイント1:わかりにくい表現
漠然とした表現で求人票を記載すると、どのような仕事内容なのか求職者はイメージが出来ません。
SWOT分析の結果をもとに、求人票に条件を具体的に記載しましょう。
自社の「強み」や「働くことで得られるメリット」、「今後の会社の方向性」、また、「どんな人材に応募して欲しいのか」「希望の資格やスキル」といった情報を具体的に載せましょう。
働くイメージが具体的に持てる求人票を作成すれば、「応募者を絞ることができる」「選考にしっかり時間を使える」といったことにもつながるでしょう。
NGポイント2:誇張した表現
求人票は、求職者に「応募したい」「気になる」と興味、関心を寄せてもらえるように書くことが大切です。
しかし、自社をよく見せたいがために、業務内容や条件などを誇張してはいけません。
たとえ応募者が一時的に集まったとしても、入社後のミスマッチによるトラブル発生や、早期退職、後々自社の評判を下げてしまったり…といった可能性もあります。求人票に必ず正しい情報を記載しましょう。
まとめ
SWOT分析は、活用の際の注意点もありますが、自社の現状と取り巻く環境を知り、具体的な方向性を見出すのに有効なフレームワークです。
分析した結果を求人票に落とし込み、自社の魅力やアピールポイントが相手にしっかり伝わる書き方をしましょう。
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