2026年度の新入社員は「世代をつなぐ!大阪・関西万博タイプ」その理由と特徴は?

  • 福永 はるか
    • 2026-03-30
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    2026年度卒業の新入社員は、コロナ禍を経て社会活動が正常化していく過程の中で、対面とオンラインが混在する大学生活や就職活動を経験してきた人たちです。

    そんな彼らがどういったタイプの社員なのか、気になりますよね。今回は「新入社員のタイプについて」詳しくみていきましょう。

    今年の新入社員は何世代か?

    今年の世代

    2026年度の新入社員は、いわゆる「Z世代」にあたる、合理性や納得感を重視する世代です。特徴としては、「コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスを重視する」「無駄を避ける堅実志向」「自分にとって意味のある選択をしたいと考える」といった傾向が挙げられます。

    生まれた時からインターネットやスマートフォンが身近にある環境で育ち、社会の変化や不確実性の中で価値観を形成してきました。

    また、デジタルネイティブとして情報収集力に優れ、スマートフォンやパソコン、タブレット、SNSや各種WEBサービスを使いこなすことに長けています。企業選びにおいても多くの情報を比較・検討し、「自分に合っているか」「納得できるか」を重視する傾向があります。

    2026年度卒業の新入社員は、こうしたZ世代の価値観を色濃く持つ世代だといえるでしょう。

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    令和8年(2026年度)新入社員はなにタイプ?

    令和8年の新入社員は「世代をつなぐ!大阪・関西万博タイプ」だと、人事労務分野の情報機関である産労総合研究所が発表しました。

    なぜ、世代をつなぐ!大阪・関西万博タイプ?

    最新技術で未来社会を実験・体験する場であった大阪・関西万博。今年の新入社員も、インターンシップ、生成AI等を活用し、最短経路で自分にとって最良の就職先を選んだ。入社後は、社会という場で、先輩社員やAIと協働して活躍してほしい。先輩社員も彼ら一人ひとりの個性を理解し、組織の知恵・価値が脈々とつながるような対話を心がけたい。 引用:産労総合研究所

    2026年度の新入社員は、就職活動の早期化・長期化が進む中で、多くが早い段階から企業と接点を持ち、効率的に情報収集と意思決定を行ってきた世代です。内定率も高水準で推移する売り手市場の影響を受けながら、「自分にとって最適な選択かどうか」を重視し、複数の企業を比較検討する傾向が強まっています。

    タイムパフォーマンス・コストパフォーマンス・メンタルパフォーマンス

    また、タイムパフォーマンス・コストパフォーマンス・メンタルパフォーマンスを重視し、エントリーシート作成や面接準備に生成AIを活用するなど、合理的かつ効率的に就職活動を進めてきました。SNSやWEBサービスを駆使した情報収集にも長けており、企業選びにおいては「成長できるか」「待遇はどうか」といった具体的な判断軸を持つ傾向があります。

    一方で、SNSネイティブ世代として情報の正確性や明確さを重視するあまり、曖昧な指示や不確実な状況に対して不安を感じやすい側面もあります。そのため、入社後の育成においては、一人ひとりの志向や理解度に合わせながら、成長の方向性を具体的に示し、丁寧で合理的かつ明確な指示を行うことが重要となるでしょう。

    26卒学生の育成ヒント

    ◆2026年3月卒の新入社員は、就活においては、タイパ(タイムパフォーマンス)、コスパ(コストパフォーマンス)、メンパ(メンタルパフォーマンス)を重視し、最短ルートで自分に最適な条件のそろった就職先を選択した。生成AIを、エントリーシート作成や面接準備のために活用した学生も多かった。就職先選定の決め手は、自分が成長できそう、給料が高い(今後も上がりそう)、福利厚生(社宅、イベント、社員割引等)が充実しているから、といった理由が多かった。一方からみると、偶然性や曖昧さを嫌がる、視野が狭くなってしまう、便利さやスピードを重視する安易さともとらえられる。

    ◆入社後は、「早く成長したい」と考えている新入社員が多いが、個別最適な学びで育ってきたこともあり、求める指導スタイルが各人によって異なっている可能性がある。一人ひとりの個性や能力をみつめ、数年後の姿をイメージできるように成長の方向性を示しつつ、丁寧で明確かつ具体的・合理的な説明・指示が求められそうだ。
    彼らのタイパ、コスパ、メンパの感覚、技術活用力と、先輩社員の教え方がうまく相互作用すれば、個人にとっても組織にとっても思いがけない成長が実現しそうだ。お互いの尊重と対話によって、脈々と組織の知恵・価値がつながっていくだろう。引用:産労総合研究所

    今年の新入社員は、ひどい?やばい?

    いつの時代にも、モンスター新入社員と呼ばれてしまうような新入社員は存在しますが、時代の変化と共にその「やばさ」も変化しています。思わず、「え?うそ?そんな新入社員いるの?」と耳を疑ってしまうようなエピソードをこちらの記事にまとめましたので、ぜひご覧いただければと思います。

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    これまでの新社会人のタイプ

    新入社員が「大阪・関西万博タイプ」だとすると、今までの社員は何タイプなのでしょうか。これまでの新入社員のタイプを年度別にみていきましょう。

    入社年度 タイプ
    2025年度(令和7年度) 変化を呼び込む、新紙幣タイプ
    2024年度(令和6年度) 自分の未来は自分で築く!セレクト上手な新NISAタイプ
    2023年度(令和5年度) 可能性は∞(無限大)AIチャットボットタイプ
    2022年度(令和4年度) 新感覚の二刀流タイプ
    2021年度(令和3年度) 仲間が恋しいソロキャンプタイプ
    2020年度(令和2年度) 発熱が出る厚底シューズタイプ
    2019年度(令和元年度) 呼びかけ次第のAIスピーカータイプ
    2018年度(平成30年度) SNSを駆使するチームパシュートタイプ
    2017年度(平成29年度) キャラクター捕獲ゲーム型
    2016年度(平成28年度) ドローン型
    2015年度(平成27年度) 消せるボールペン型
    2014年度(平成26年度) 自動ブレーキ型
    2013年度(平成25年度) ロボット掃除機型
    2012年度(平成24年度) 奇跡の一本松型
    2011年度(平成23年度) はやぶさ型
    2010年度(平成22年度) ETC型
    2009年度(平成21年度) エコバッグ型
    2008年度(平成20年度) カーリング型
    2007年度(平成19年度) デイトレーダー型
    2006年度(平成18年度) ブログ型
    2005年度(平成17年度) 光センサー付オートライト型
    2004年度(平成16年度) カーナビシステム型
    2003年度(平成15年度) カラオケケータイ型
    2002年度(平成14年度) ボディピロー型(抱きまくら)
    2001年度(平成13年度) シャルウィダンス型
    2000年度(平成12年度) 栄養補給食品型
    1999年度(平成11年度) 形態安定シャツ型
    1998年度(平成10年度) 再生紙型
    1997年度(平成9年度) ポケベル・ケータイ型

    情報参照:産労総合研究所

    2025年度「変化を呼び込む、新紙幣タイプ」

    産労総合研究所では、今年の新入社員を「変化を呼び込む、新紙幣タイプ」とした理由を以下のように述べています。

    2024年7月に20年ぶりに発行された新紙幣には、偽造防止技術やユニバーサルデザインなど最新技術が盛り込まれている。これは、多様性を受け入れ、最新のITリテラシーを身につけている今年の新入社員のようだ。一方で、新紙幣の導入にあたっては設備や投資が必要となるように、新入社員を受け入れる側はコミュニケーションや育成の方法を変えていくことが求められる。彼らの存在によって、企業や組織に変化が呼び込まれる可能性は高い。 引用:産労総合研究所

    2024年度「自分の未来は自分で築く!セレクト上手な新NISAタイプ」

    産労総合研究所では、2024年度の新入社員を「自分の未来は自分で築く!セレクト上手な新NISAタイプ」とした理由を以下のように述べています。

    今年の新入社員は、デジタルに慣れ親しんでいる一方で、対面コミュニケーションの経験に乏しく、「仲間」以外の世代との距離感に戸惑う面がある。また、タイパを重視し、唯一の正解を求める傾向が年々増している。しかし、これらは言い換えれば、目標をはっきりと見定め、集中して向かっていく熱意と、効率を重視し最適解を実行する振る舞いに長けているということでもある。
    目標とする未来が定まれば、彼らは自分なりに情報を集め、「セレクト」して歩き始める。今までにない可能性を内包したその歩みは、2024年の制度変更で選択の幅が広がった新NISAと重なる。コツコツ積み立てて業務を学んでいくのか(つみたて投資枠)、あるいはアグレッシブにチャレンジするのか(成長投資枠)。彼らの選択を尊重しつつ、いかにサポートし、導いていくかが問われていく。 引用:産労総合研究所

    2023年度「可能性は∞(無限大) AIチャットボットタイプ」

    産労総合研究所では、2023年度の新入社員を「可能性は∞(無限大) AIチャットボットタイプ」とした理由を以下のように述べています。

    新型コロナウイルス感染症の猛威のなか、大学生活のほとんどをオンラインのカリキュラムで過ごした今年の新入社員。インターンシップや就職活動もオンラインでの選考がごく自然に盛り込まれ、むしろ対面での機会を増やそうという流れの中で入社を迎えた彼らは、対面でのコミュニケーション不足から、こちらに特別意図のない発言やしぐさでも、ストレスに感じてしまうことがある。一方で、知らないことがあればその場でごく自然に検索を始めるデジタルネイティブ世代である彼らは、さまざまなツールを扱い答えを導き出すことにかけては、すでに高いスキルをもっている。
    先輩社員は、彼らの未熟な面や不安をこれまで以上に汲み取りながらコミュニケーションを取ってほしい。AIチャットボットが適切なデータを取得することで進化していくように、彼らは適切なアドバイスを受けることで、想定を超える成果を発揮する可能性に満ちている。 引用:産労総合研究所

    2022年度 「新感覚の二刀流タイプ」

    新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、大学・後半期にさまざまな活動制限を受けた今年の新入社員。インターンシップや就職活動を、対面とオンラインの2つのスタイルで二刀流のようにこなして、入社式を迎えた。しかし、就活中に職場の雰囲気や仕事に関する情報が得にくかったこともあり、入社後は、思い描いていたイメージと実際とのギャップにとまどいそうだ。先輩社員は、これまでの新入社員とは異なる新感覚(オンライン慣れ、対面コミュニケーションの不慣れ、配属・勤務地へのこだわり、SDGsへの興味、タイムパフォーマンス志向等)や未熟にみえる言動を受け止めたうえで温かく交流し、1人ひとりをみつめた育成支援をしてほしい。そうすれば、才能が開花し、環境変化にも適応できる「リアル二刀流」になっていくだろう。 引用:産労総合研究所

    2021年度 「仲間が恋しいソロキャンプタイプ」

    新型コロナウイルスの影響で、2021年卒業の就活生は従来と異なる方法で内定獲得に向け活動することとなりました。合同説明会はオンラインに切り替わり、ネット上でつながってはいるものの、先が見えない不安や孤独を抱えながら、彼ら・彼女らは手探り状態で就活を行ってきたのです。

    つまり、2021年の就職活動は、「頼れる人がそばにいなくて戸惑いながらも、徐々にコツをつかみ、工夫していく中で強くなっていき、最終的には自由さと気楽さに気づくような初めてのソロキャンプ」状態だったのです。ソロキャンプを通じてたくましくなったけれど、好きでソロだったわけではありません。

    「仲間が恋しい」には、ソロで孤独と戦ってきた新入社員を積極的にフォローしてあげてほしいという意味が込められています。

    2020年度 「結果が出せる?!厚底シューズタイプ」

    衝撃を吸収し体に優しい厚底シューズは、最新テクノロジーが組み込まれ、駅伝やマラソンなどの記録を更新し続けており、世界的に注目を集めています。ITの進展とともに育ち、ノウハウをうまく活かして就活を乗り切った2019年度の新入社員と厚底シューズには共通点があるのです。

    2019年度 「呼びかけ次第のAIスピーカータイプ」

    AIスピーカーは多機能ではあるものの、十分に活用していくためには細かい設定(丁寧に育成をすること)や環境の整備が必要です。最初の呼びかけは「ヘイ、〇〇」や「オッケー〇〇」など、少し恥ずかしいけれど、呼びかけないことには始まらないAIスピーカーと受け身で意思を表面に出さない新入会員を重ね、2019年度は「AIスピーカータイプ」と表現されました。

    他社人事はどんなタイプの新入社員を求めているか?

    新入社員に期待する条件として、グロービス経営大学院が行った「内定者・新入社員に関する意識調査」の結果をみてみましょう。

    • 自律型人材(自分で考えて自分で行動する人材)の必要性が増える
    • テレワークが主体となり「コミュニケーション能力」が上位に
    • 「コミュニケーション能力」を重視する企業は「論理的思考」を重視する傾向

    このような結果がでています。

    少子化により年々、人手不足がひっ迫している状況下では、指示待ちの社員ではなく「自分で考え行動する人材」が事業をスムーズに進めるために必要となります。そのため、自律型人材の育成に注目が集まっているのです。

    また、テレワークが主体となってきたため、雑談をする機会や食事をともにすることも減り、先輩社員や同期とのコミュニケーションが取りづらくなっています。今まで以上に、コミュニケーション能力が新入社員には求められるでしょう。

    どう付き合えば今年の新入社員を早期離職させないで済むか

    新入社員を無事に迎え入れた後は、早期離職を防ぐことが大きな課題といえるでしょう。

    例年は就職活動を通じて、社会人としての基本的なルールや振る舞いを身に付けたうえで入社してきます。しかし近年の新入社員は、効率性や納得感を重視して就職活動を進めてきた背景から、従来の「暗黙の了解」や「慣習」に対して十分に理解・納得していない場合もあります。

    また、情報収集力が高く企業を比較して意思決定してきた世代であるため、

    • 「なぜそのやり方なのか」
    • 「自分にとってどのような意味があるのか」

    といった説明が不十分な場合、違和感や不安につながる可能性もあります。

    そのため入社後は、先輩や上司と新入社員の価値観や就職活動の背景にギャップがあることを前提に、信頼関係を築くための丁寧なコミュニケーションが求められます。あわせて、仕事の進め方や判断基準についても、具体的かつ明確に伝えていく工夫が必要となるでしょう。

    こうした背景を踏まえると、単に「丁寧にコミュニケーションをとる」だけではなく、どのタイミングで・何を・どのように伝えるのかといった“設計”が重要になってくるため、特に内定承諾前後のフォローや入社後の関わり方によって、志望度や定着率は大きく左右されることでしょう。

    こうしたポイントを押さえた具体的なフォロー施策については、資料で詳しく解説しています。

    オワハラに該当しない「確実に得る」施策
    内定承諾を勝ち取る施策事例集

    即効性のあるものから、じわじわと効果を発揮するものまで、全12の施策をまとめました。

    まとめ

    すべての新入社員をタイプ化して当てはめることはできません。一人ひとりの個性を大切にしながら育成していくことが、会社には求められるのです。

    その上で、「今年の新入社員のタイプ」を活用し、コミュニケーションが取りやすい環境づくりをしていけば、お互いが働きやすくなるでしょう。

    自分たちが新入社員だったころはこうだった、という葛藤がある人もいるかもしれませんが、時代の変化に合わせて新入社員の価値観も変わっていきます。この変化を踏まえた上で、柔軟に接していくことが良好な関係を築く足がかりになるのです。

    人生の先輩として、上手に後輩を導いていくために、今年の新入社員のタイプを参考にしてみてください。