2024年度の新入社員は「セレクト上手な新NISAタイプ」その理由と特徴は?

2024年新入社員タイプ

2024年度卒業の新入社員は新型コロナウイルスの影響を受けながら大学生活・就職活動を行ってきた人たちです。

そんな彼らがどういったタイプの社員なのか、気になりますよね。今回は「新入社員のタイプについて」詳しくみていきましょう。

今年の新入社員は何世代か?

さとり世代

今年の新入社員は「さとり世代」と呼ばれる、欲がない世代です。特徴としては、「恋愛に興味がない」、「旅行に行かない」、「無駄遣いをしない」「熱くならない現実派」などが挙げられます。この世代はバブル崩壊の前後に生まれ、不況の日本しか知りません。

そしてデジタルネイティブなので情報収集が得意で、携帯電話(スマートフォンやiPhone)、パソコン、タブレット、その他WEBサービスなどITに関する商品への興味関心が高い傾向にあります。1996年~2005年生まれの人たちがさとり世代に該当するとされており、まさに2023年度卒業の新入社員はその年代なのです。

「さとり世代」の特徴を紹介します。

過剰な物欲がない

お金を稼ぐために必死に働くくらいなら、残業をせずに給料が少なくてもしっかりと休める仕事をしたいと望んでいます。

自分のライフスタイルを尊重し、仕事とプライベートのバランスをとりたい、という思いが強いのです。そのため、物を欲しがりすぎず、贅沢品にあまり関心を持ちません。

外より自宅派

YouTubeやネットフリックス、Amazonプライムなど、たくさんのコンテンツが楽しめる現代では、外にでなくても家で十分に楽しむことができます。インターネットが身近なさとり世代はこうした過ごし方を好む傾向があります。

興味のあることには妥協しない

過剰な物欲がないと前述しました。しかし、プライベートでまったくお金を使わない、ということではありません。

ゲームや音楽など、自分の興味・関心が強い分野にはむしろ投資をし、見栄を張るための贅沢品(ブランド品・高級車)ではなく充実した生活を送るためにお金を使います。

ゆとり世代との違いは?

ゆとり世代との違い

「ゆとり世代」は、いわゆる「ゆとり教育」を受けた世代のことです。さとり世代とゆとり世代は年代が隣接しているので、世代間に大きな違いはありません。

しかし、ゆとり世代は文部科学省の学習指導要領の変更による影響で発生したと言われていますが、さとり世代はその上の世代の独立や転職などの失敗を見て「悟った世代」という違いがあります。

ゆとり世代に比べ、さとり世代のほうがジェンダーロール(性役割)に関する意識が自由という指摘されています。さとり世代では「男性が外で仕事をし、女性は家で家事と育児をするべき」という価値観を持つ人が少なく、男女平等な考え方を持っている人たちが多いといえるでしょう。

さとり世代とゆとり世代の違いについては、こちらの記事で詳しく紹介していますので、合わせてご覧ください!

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さとり世代とは

令和6年(2024年度)新入社員はなにタイプ?

令和5年の新人さんは自分の未来は自分で築く!「セレクト上手な新NISAタイプ」だと、人事労務分野の情報機関である産労総合研究所が発表しました。

なぜ、セレクト上手な新NISAタイプ?

産労総合研究所では、今年の新入社員を「自分の未来は自分で築く!セレクト上手な新NISAタイプ」とした理由を以下のように述べています。

 今年の新入社員は、デジタルに慣れ親しんでいる一方で、対面コミュニケーションの経験に乏しく、「仲間」以外の世代との距離感に戸惑う面がある。また、タイパを重視し、唯一の正解を求める傾向が年々増している。しかし、これらは言い換えれば、目標をはっきりと見定め、集中して向かっていく熱意と、効率を重視し最適解を実行する振る舞いに長けているということでもある。
目標とする未来が定まれば、彼らは自分なりに情報を集め、「セレクト」して歩き始める。今までにない可能性を内包したその歩みは、2024年の制度変更で選択の幅が広がった新NISAと重なる。コツコツ積み立てて業務を学んでいくのか(つみたて投資枠)、あるいはアグレッシブにチャレンジするのか(成長投資枠)。彼らの選択を尊重しつつ、いかにサポートし、導いていくかが問われていく。 引用:産労総合研究所

今年の新入社員は、大学時代のすべてをコロナ禍で過ごしてきており、入社当時からオンラインで授業を受けてきた世代です。ネイティブにSNSやオンラインツールを使いこなす一方で、サークル等での先輩後輩間の付き合いや、学校との関わりも希薄にならざるを得なかった世代でもあります。

就活においてはオンラインを併用しての採用が当たり前となっていった世代で、やはりコミュニケーション不足を感じている学生も少なくないそうです。

24卒学生の育成ヒント

◆入社後については、就職活動中から自分なりのキャリアビジョンを定めていたり、「どのような社会貢献ができる会社なのか」を吟味してから入社するなど、すでに自分なりのビジョンがある程度確立している新入社員が多い。そうした状況もあり、「イメージしていた仕事や社風、社会人像とは違った!」というギャップを受ける傾向が、さらに強まりつつある。
受け入れ側の先輩社員たちは、一方的に指示を出すのではなく、彼らなりの価値観があることをまず理解し、受容する必要がある。その上で、彼らの理想と現実のギャップをどのように埋めていくべきかを考え、いかに具体的な目標や日々の学びに落とし込んで本人に伝えるかという、対話と指示のプロセスがますます重要になるだろう。

◆いわゆるタイパを重視する傾向、正解や最適解を求める傾向は、物事に対して自分なりの理解と納得ができれば、熱意やエネルギーを集中して注ぐことができる裏返しともいえる。業務の必要性をしっかりと伝え、どういう選択をしたいかを本人に問いかけることと、ある程度の枠を設定しながらも(積み立て・成長)、そのなかで裁量や自由さを与え、自律性を育む目線が求められるだろう。その際には、新入社員側と先輩社員や会社側のスタンスや思いをきちんと共有し、目標をすり合わせていくことが大切だ。

引用:産労総合研究所

今年の新入社員は、ひどい?やばい?

いつの時代にも、モンスター新入社員と呼ばれてしまうような新入社員は存在しますが、時代の変化と共にその「やばさ」も変化しています。思わず、「え?うそ?そんな新入社員いるの?」と耳を疑ってしまうようなエピソードをこちらの記事にまとめましたので、ぜひご覧いただければと思います。

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モンスター新入社員実録まとめ

これまでの新社会人のタイプ

新入社員が「セレクト上手な新NISAタイプ」だとすると、今までの社員は何タイプなのでしょうか。これまでの新入社員のタイプを年度別にみていきましょう。

2023年度「可能性は∞(無限大) AIチャットボットタイプ」

産労総合研究所では、今年の新入社員を「可能性は∞(無限大) AIチャットボットタイプ」とした理由を以下のように述べています。

新型コロナウイルス感染症の猛威のなか、大学生活のほとんどをオンラインのカリキュラムで過ごした今年の新入社員。インターンシップや就職活動もオンラインでの選考がごく自然に盛り込まれ、むしろ対面での機会を増やそうという流れの中で入社を迎えた彼らは、対面でのコミュニケーション不足から、こちらに特別意図のない発言やしぐさでも、ストレスに感じてしまうことがある。一方で、知らないことがあればその場でごく自然に検索を始めるデジタルネイティブ世代である彼らは、さまざまなツールを扱い答えを導き出すことにかけては、すでに高いスキルをもっている。
先輩社員は、彼らの未熟な面や不安をこれまで以上に汲み取りながらコミュニケーションを取ってほしい。AIチャットボットが適切なデータを取得することで進化していくように、彼らは適切なアドバイスを受けることで、想定を超える成果を発揮する可能性に満ちている。 引用:産労総合研究所

2022年度 「新感覚の二刀流タイプ」

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、大学・後半期にさまざまな活動制限を受けた今年の新入社員。インターンシップや就職活動を、対面とオンラインの2つのスタイルで二刀流のようにこなして、入社式を迎えた。しかし、就活中に職場の雰囲気や仕事に関する情報が得にくかったこともあり、入社後は、思い描いていたイメージと実際とのギャップにとまどいそうだ。先輩社員は、これまでの新入社員とは異なる新感覚(オンライン慣れ、対面コミュニケーションの不慣れ、配属・勤務地へのこだわり、SDGsへの興味、タイムパフォーマンス志向等)や未熟にみえる言動を受け止めたうえで温かく交流し、1人ひとりをみつめた育成支援をしてほしい。そうすれば、才能が開花し、環境変化にも適応できる「リアル二刀流」になっていくだろう。 引用:産労総合研究所

2021年度 「仲間が恋しいソロキャンプタイプ」

新型コロナウイルスの影響で、2021年卒業の就活生は従来と異なる方法で内定獲得に向け活動することとなりました。合同説明会はオンラインに切り替わり、ネット上でつながってはいるものの、先が見えない不安や孤独を抱えながら、彼ら・彼女らは手探り状態で就活を行ってきたのです。

つまり、2021年の就職活動は、「頼れる人がそばにいなくて戸惑いながらも、徐々にコツをつかみ、工夫していく中で強くなっていき、最終的には自由さと気楽さに気づくような初めてのソロキャンプ」状態だったのです。ソロキャンプを通じてたくましくなったけれど、好きでソロだったわけではありません。

「仲間が恋しい」には、ソロで孤独と戦ってきた新入社員を積極的にフォローしてあげてほしいという意味が込められています。

2020年度 「結果が出せる?!厚底シューズタイプ」

衝撃を吸収し体に優しい厚底シューズは、最新テクノロジーが組み込まれ、駅伝やマラソンなどの記録を更新し続けており、世界的に注目を集めています。ITの進展とともに育ち、ノウハウをうまく活かして就活を乗り切った2019年度の新入社員と厚底シューズには共通点があるのです。

2019年度 「呼びかけ次第のAIスピーカータイプ」

AIスピーカーは多機能ではあるものの、十分に活用していくためには細かい設定(丁寧に育成をすること)や環境の整備が必要です。最初の呼びかけは「ヘイ、〇〇」や「オッケー〇〇」など、少し恥ずかしいけれど、呼びかけないことには始まらないAIスピーカーと受け身で意思を表面に出さない新入会員を重ね、2019年度は「AIスピーカータイプ」と表現されました。

他社人事はどんなタイプの新入社員を求めているか?

新入社員に期待する条件として、グロービス経営大学院が行った「内定者・新入社員に関する意識調査」の結果をみてみましょう。

  • 自律型人材(自分で考えて自分で行動する人材)の必要性が増える
  • テレワークが主体となり「コミュニケーション能力」が上位に
  • 「コミュニケーション能力」を重視する企業は「論理的思考」を重視する傾向

このような結果がでています。

少子化により年々、人手不足がひっ迫している状況下では、指示待ちの社員ではなく「自分で考え行動する人材」が事業をスムーズに進めるために必要となります。そのため、自律型人材の育成に注目が集まっているのです。

また、テレワークが主体となってきたため、雑談をする機会や食事をともにすることも減り、先輩社員や同期とのコミュニケーションが取りづらくなっています。今まで以上に、コミュニケーション能力が新入社員には求められるでしょう。

どう付き合えば今年の新入社員を早期離職させないで済むか

新入社員を無事に迎え入れたら、やはり早期離職を防ぐことが大きな課題といえるでしょう。

例年は就活中に社会人としてのルールを身に付け、学生たちは社会にでます。しかし、今年の新入社員はオンラインでの活動だったため、社会のルールを身に付けられていない可能性が指摘されています。

そのため入社後は、先輩や上司、新人の就活背景が大きく違うというギャップを理解した上で、信頼関係を築くためにより丁寧にコミュニケーションをとり、仕事の教え方にも工夫が必要となるでしょう。テレワークでコミュニケーションが取りづらくなっていることも考慮し、指導・フォローしていかなくてはなりません。

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まとめ

すべての新入社員をタイプ化して当てはめることはできません。一人ひとりの個性を大切にしながら育成していくことが、会社には求められるのです。

その上で、「今年の新入社員のタイプ」を活用し、コミュニケーションが取りやすい環境づくりをしていけば、お互いが働きやすくなるでしょう。

自分たちが新入社員だったころはこうだった、という葛藤がある人もいるかもしれませんが、時代の変化に合わせて新入社員の価値観も変わっていきます。この変化を踏まえた上で、柔軟に接していくことが良好な関係を築く足がかりになるのです。

人生の先輩として、上手に後輩を導いていくために、今年の新入社員のタイプを参考にしてみてください。

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