どんな時でも人とコミュニケーションを取る時は、相手の気持ちや考えを理解する必要があります。特に新卒採用においては学生の考え方が非常に重要で、数ある中から自社を選んでもらう決めてとなる理由が何なのかを把握しておくことが不可欠です。
そこで今回は、新卒採用において学生が何を決め手として入社を決意するのか、どのように自社の長所を伝えるかなど徹底解説をしていきます。
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学生の「入社の決め手」
早速ですが、学生が会社選びの際に入社の決め手となる理由は以下の3つになります。
- 社員の人柄・雰囲気
- 事業内容
- 個人の成長
参照:Reccoo【21卒】内定承諾前後で変わる「入社の決め手」とは?
学生の場合中途採用とは違い給料や待遇などではなく、社内の雰囲気に重きを置いて企業選びをしています。そのため、どのような社員が在籍しているか、チームワークは良いのかなど、実際のオフィス内の雰囲気の良さをアピールすることが効果的です。
また同時に、自身の夢ややりがいを持っている学生たちは、企業の事業内容にも大きな興味を示しています。現在自社でどのような事業を行っており、将来どのようなビジョンを持っているのかをはっきりと示し差別化することで、学生が競合他社に流れることなく自社を選ぶ確率が大きく上がります。
そして3番目に多かったのが、学生自身の成長環境です。さとり世代などといった、向上心や野心を持たない学生が増えている中、依然として自身の成長を求めている学生は一定数います。
そのため、新卒社員に対しての研修やOJTなどの制度を整え、しっかりと個人としての成長を後押しする制度などは整えておくと良いでしょう。
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社員の人柄・雰囲気を伝える手法 3つ
では実際に、どのように社風や人柄の良さを伝えていけば良いのでしょうか。具体的な方法を以下にまとめましたので、参考にしてください。
採用ブログの運営
現在多くの企業で採用ブログの運営を行っていますが、これは社内の雰囲気や人柄を伝えることに関して非常に効果的な方法といえます。
新卒採用の求人広告や合同説明会では、文字数や時間などが決まっておりそのレギュレーションに従わなければなりません。そのため、社内の雰囲気などを伝えようとしてもほんの一部しか伝えられません。
しかし、自社で運営する採用ブログとなると自由に発信することができ、社員間で回してブログを書くこともできます。そのため、他の媒体に比べより社内の内側や社員の人柄のリアルを学生に伝えることができます。
座談会の実施
内定後のフォローとして、座談会や質問会の実施は非常に効果的です。面接ではお互いに腹を割って話すことが難しく、どこか緊張感が漂う雰囲気での会話が主になるでしょう。
しかし、内定を出した後であれば学生もある程度緊張が解け、面接では聞けないことも聞けるようになります。そのため、何度か座談会を開き学生からの質問に答えたり、社員とのコミュニケーションの場を設けることで、現役社員の人柄を今まで以上に知ることができます。
若手社員による説明会
合同企業説明会を行う際、多くの企業で人事や役員などが行っていますが、あえて若手社員を参加させることも効果的です。
確かに、人事や役員クラスの社員の方が今後のビジョンや会社の方向性を濃く語ることができます。しかし一方で、学生からすると入社後最も身近に感じる先輩社員の雰囲気も非常に気になる点の一つです。
そのため、説明会の全てを若手社員に任せられないとしても、若手社員も説明会に同席させて、どのような先輩と働くのかイメージを持たせることが、学生に対して社風や人柄を伝える手段と言えます。
事業内容をより理解してもらうための手法3つ
社風と同じくらい学生が入社の際に気にしているのが、企業の事業内容です。そこで、事業内容に関しては以下の方法で学生に伝えるのが有効な手段と言えます。
インターンシップの開催
学生に事業内容を知ってもらうには、実際に体験してもらうのが一番効果的です。そのため、インターンシップの回数を増やすことや、内容をより実践に近いものにすることが非常におすすめです。
学生は学校の講義や企業説明会で多くの情報を仕入れますが、あくまでシミュレーションにすぎません。そのため、実際に業務に携わることで見えてくる、その企業の事業内容の詳細などは、自身が働いてみないと多くは理解できないでしょう。
そこで学生がより実践に携われる機会を増やし、可能であれば有償にして現場に送り込むなど、プログラムを工夫することも効果的な手法と言えます。
採用ページのリニューアル
意外と見落としがちのが、採用ページの作り込みです。
採用ページで事業内容や自社サービスを記載するパートは、しっかりと情報を載せて作りこむ必要があります。
これは学生が自身で企業研究を行う際に、他の企業と比べてどのような事業をやっているのか、将来性はあるのかなど、採用ページの情報を頼りにすることが非常に多いからです。
そのため、説明会や面接での質疑応答で伝えることはもちろんですが、学生と接していないときにどれだけ自社の事業内容を伝えるかも大きなカギとなります。
実績の整理
採用ページをリニューアルする際に注意する点として、できるだけ多くの実績をアピールすることがあげられます。有名企業との取引実績や、公的機関からの受賞歴などを掲載することは、学生に自社の取り組みを伝えるための有効な手段です。
具体的に何をやっているか、どこを目指しているかなどを採用ページに記載することで、学生たちに自社の情報をより多く届けられるでしょう。そのため、テンプレ通りの事業説明だけではなく、実際に取り組んでいる内容をリアルに掲載することでより学生からの理解が深まります。
企業の安定性を見る学生も増加
リクルートの調査によると、2021年卒の学生の約35%は、入社の際の決め手として企業の安定性をあげている結果となりました。
画像引用:株式会社リクルートキャリア「2021年3月度(卒業時点) 内定状況」
個人の成長や市場価値の向上を求める一方で、やはり企業の安定性や将来性は依然として重要視される項目の一つです。
そのため、独自性や将来的に市場に改革を起こす可能性などの希望を伝えることも大切ですが、まずは足元を固め経営が安定していることも伝えるべきと言えるでしょう。
男女別の入社の決め手ランキング
男女別に入社の決め手を見てみると、以下のような結果となりおおむね同じ傾向であることが分かりました。
男性
- 自己成長できる環境がある
- 一緒に仕事をしたい人がいる
- 社風と自分が合っていた
- 自分のやりたい仕事ができると思った
女性
- 社風と自分が合っていた
- 一緒に働きたい人がいる
- 自分のやりたい仕事ができると思った
- 直感・フィーリングでいいと思った
画像引用:株式会社DYM<2019年度 新入社員アンケート>
先述で触れたように、一緒に働く社員は男女ともに共通で入社の決め手としてあがっているため、社風や人柄を詳しく伝えていくことは必須と言えるでしょう。また同じく、自分のやりたい仕事ができると思ったという理由も男女ともに共通でした。
そのため、事業内容をより分かりやすく学生に伝え、学生がやりたいと思うことと一致しているかどうかは最終的な採用に直結してきます。
つまり、学生目線で入社の決め手を解説すると、人柄や社風、事業内容は非常に大きなウェイトを占めるため、以下にわかりやすく学生に伝えるかは極めて重要な項目と言えます。
会社の雰囲気が伝わる内定フォロー術
内定を出した後も、学生のフォローなどいろいろ気が抜けませんが、社風を伝えるのであれば以下のような方法がおすすめです。
オンラインの場合
オンラインで行うのであれば、少人数の部屋をいくつか作って、より学生とコミュニケーションを取れるようにしましょう。
あまり大人数でのオンラインミーティングの場合、タイムラグなどで学生が自由に質問ができないため、小人数で発言回数を増やせるような工夫が必要です。
対面の場合
対面であれば、年の近い若手社員を出席させるのも一つの手段と言えます。
内定式や入社式で役員クラス以上の人とは必然的に接点がありますが、近しいロールモデルとなる若手社員と接する機会はそう多くありません。そのため、対面での座談会などでは入社5年目以内の社員を起用することもおすすめです。
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ちなみに、転職者の「入社の決め手」は?
一方で転職の場合、応募者は企業選びの際、どこに重きを置いているのでしょうか?以下が転職の場合の企業選びの軸となっており、新卒とは大きく違いがあります。
やはり、新卒中途問わず、仕事内容は就活の軸としては外れない一方で、中途の場合は給与などの待遇や休日などもランクインしています。そのため、新卒と中途の両方を採用している人事の方は、この違いには注意しておく方が良いでしょう。
まとめ
このように、学生の場合は中途採用と大きく違って社風や成長、人柄など外面的な要因よりも、内面的な要素を気にする傾向が非常に強いです。そのため、新卒採用を行う際は、まず学生の目線に立ちどのような軸で企業選びを行っているか、一度じっくり考える必要があります。
そして、入社の決め手となる要素を把握し、面接や説明会の際に学生が知りたい情報を正確に伝えることが、採用成功のカギとなります。人事の方は、採用KPIや戦略設計から一度離れて、根本的な学生の気持ちに一度も戻ってみてはどうでしょうか。
今回のテーマは『駆け込み辞退の阻止施策』です! 新入社員が会社に入社してくるまで残り約3ヶ月、この短期間での内定者辞退《駆け込み辞退》も例外ではありません。そうならないために、今回は駆け込み内定辞退を防ぐ施策をお伝えしていければと思い[…]