採用活動中に面接の当日になってドタキャンされて頭を悩ませている採用担当者も多いのではないでしょうか。せっかく準備やスケジュール調整をして面接日を迎えたのに、突然のドタキャンは、やるせない気持ちになりますよね。
この記事では、応募者が突然面接をドタキャンする理由や、ドタキャンされないための対策方法などについて紹介していきます。面接のドタキャンが多くて困っている、どうしたら改善できるのか知りたい採用担当者は、ぜひ参考にしてください。
なぜ面接をドタキャンするのか?その理由とは
面接の直前になって、応募者から突然辞退をされる、ドタキャンはなぜ起きるのでしょうか。応募者から面接当日まで何の連絡もなく、そのまま来社もせずすっぽかされるケースもあります。
人材総合サービスのエン・ジャパン株式会社が約200社の企業に行ったアンケートによると、「面接前の辞退(ドタキャン)経験の有無」について、なんと92%の企業で面接前の辞退経験があると回答しているのです。
企業の規模、業種別に見ても、結果にはほとんど差異がなく、多くの企業が直面する問題になっていることがわかります。
画像引用:エンジャパン 月刊「人事のミカタ」
応募者はどのような事情で、面接をドタキャンするのか、その理由を見ていきましょう。
他社から内定をもらった
ドタキャンの理由として多く挙げられるのが、ほかの企業から内定をもらったということです。
応募者の多くは、複数の企業に応募しています。そのため、志望度に関わらず早く内定が出た企業で問題がなければ、選考結果を待たずにその企業を選ぶことがあるでしょう。
他社から内定をもらうと、気持ちが離れてしまい、面接辞退の連絡がおろそかになってしまう場合があります。優秀な人材ほど複数の企業から内定をもらう傾向があるため、書類選考や面接の連絡など、採用担当者はスピード感のある対応が必要でしょう。
希望の条件と合わなかった
ほとんどの応募者は、自分が興味のある複数の企業に応募しています。選考が終わるまでの間は、応募した企業の条件や仕事内容を吟味しているのです。
調べている間に、応募先の悪い口コミや評価を見てしまった、よりいい条件の求人を見つけたことでモチベーションが下がったというケースもあります。
エン・ジャパン株式会社が実施した辞退理由に関するアンケートでも、「再考した結果、希望と異なると判断した」という理由が一番多かったのです。
画像引用:エンジャパン 月刊「人事のミカタ」
企業の対応が雑で印象が悪かった
応募したときのメールや電話の対応が雑で、応募者が企業に対してのイメージを落としてしまうと、ドタキャンしようと考える可能性も高くなります。
企業側はメールや電話など、相手の顔を見ずにコミュニケーションがとれてしまうツールでは、丁寧な対応が重要です。企業が応募者を選考するのと同様に、企業も応募者から選ばれる立場であるということを意識しましょう。
また、応募者からの質問への対応に、1日以上かかる、回答が不親切、先延ばしするといったことも自社に対する信頼度に変わってきます。
応募者の気持ちが変わった
「面接には行こうと思っていたけれど、気持ちが変わった」といった応募者側の事情でドタキャンするケースもあります。
例えば、面接当日に天候が悪くて面接を受ける気分ではなかったり、面接会場が遠くて足を運ぶ気にならなかったりするなど、気持ちの部分で左右される応募者がいるのも事実です。ほかにも、面接回数が多いのが負担となって辞退につながるケースもあります。
新卒であれば面接回数が多くても、学生なので対応できることがありますが、中途採用の場合は、平日の仕事の合間をぬって面接に来ることが多いのです。そのため企業側は、応募者の負担にならないように面接回数を減らすなどの対応も検討しましょう。
面接をドタキャンされた場合の損失
企業にとって面接直前のドタキャンは、頭を抱える問題です。ドタキャンされた場合、どのような影響があるのか、企業の損失について紹介します。
採用候補者の数が減る
10名、20名とたくさんの応募があったとしても、面接をドタキャンする人が増えると、採用候補者の数が減り、優秀な人材確保が難しくなる可能性があります。
ましてや応募者が数名の場合、たとえ1、2名の辞退だとしても、残りの数少ない応募者から決めなければいけなくなってしまうケースもあるでしょう。
採用候補者の数が減ることは、採用成功率の低下にもつながります。
採用コストが上がる
採用活動では、採用担当者や面接官、事務員の人件費、広告費が発生します。採用人数が1名なのか2名なのかによっても採用コストは変わるため、採用人数が減ってしまうと、1名あたりの採用コストが高くなるのです。
万が一、応募者のドタキャンが続いて、1名も採用できなかった場合は、採用にかけてきたコストも時間も全て無駄になってしまいます。
予定がずれて、担当者やほかの応募者への影響もある
面接は、採用担当者や面接官の忙しいスケジュールの合間を縫って行われます。採用担当者や面接官は自分の業務をとめて面接に臨んでいるため、連続でドタキャンが発生してしまうと、予定がずれて、自社の業務に悪影響を与える可能性もあるのです。
また、応募者がドタキャンすることで、ほかの応募者の面接時間が前後する場合もあるでしょう。
面接ドタキャンが多いのは、新卒・中途・アルバイト?
面接のドタキャンは、ほとんどの企業で悩まされていますが、特にアルバイト採用になるとドタキャンは起こりやすくなるといわれています。
アルバイトは学生や主婦などが、隙間時間を使って収入を得るケースが多いです。新卒や中途のような正社員と違って、生活の軸ではないうえ、代替の求人が多く、1つの企業への志望度も低い傾向にあるため、ドタキャンが生じやすいと考えられます。
今すぐできる!面接キャンセル・ドタキャン対策6つ
どのような理由であっても、面接のキャンセルやドタキャンは避けたいですよね。
ここでは、採用担当者が今すぐできる、面接のキャンセル・ドタキャン対策を6つ紹介します。採用担当者の方は、ぜひ実践してみてくださいね。
応募者への対応はスピーディーに行う
面接の日程調整や、応募者からの質問、選考結果の連絡など、応募者への対応はスピーディーに行うようにしましょう。連絡が遅い企業は、応募者からの印象が悪くなります。
時間が空くと、応募者自身の気持ちも少しずつ変わっていき、応募者の企業に対するモチベーションも下がることにつながりかねません。
また、優秀な応募者ほど複数の企業の選考を進めて、内定をもらっている可能性が高くなります。選考結果の連絡が遅れたことが原因で、他社への入社を決めてしまったという事態を避けるためにも、迅速な対応を意識しましょう。
マンパワー不足でなかなかスピーディーな対応ができない企業の方は、採用のプロに任せるというのも一つの手です。気になった方は是非下記の記事をご参照ください!
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誠実な対応を心がける
応募者にとって、採用担当者は企業の顔です。電話やメールなどのやりとりの中で、マナーがなっていなければ、応募者にマイナスイメージを与え、面接に進む意欲が低下するでしょう。
電話の場合は、上から目線のような話し方になっていないか意識することが大切です。 メールの場合は、誤字脱字が多い文面や、テンプレートのような事務的な内容だと、応募者に誠実さが伝わりません。
どのような応募者に対しても、「自社に入社してほしい」という気持ちが伝わるように、常に誠実な対応を心がけて、自社を代表する人間であることを忘れないようにしましょう。
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連絡する時間帯に気をつける
どんなに忙しくて、応募者に連絡する時間が取れなくても、休日や深夜に連絡することはやめましょう。
「休日でも出勤しているのか」「この会社はこんな時間まで仕事をしているのか」といった印象を与えて、ワークライフバランスを重視している応募者が離れる原因にもつながります。
スピーディーな連絡が大切ですが、連絡する時間帯に気をつけて、就業時間内に連絡するようにしましょう。
面接の日程は複数提示
企業側からの一方的な面接日時の提示は、高圧的で印象が悪いと感じる応募者も少なくありません。特に在職中の応募者は、平日の昼間は仕事のため急な対応ができないことも多いです。
応募者側は、さまざまなスケジュールを調整して面接に足を運んでくれるので、指定された日程で都合が合わなければ、面接をキャンセルする場合もあるでしょう。
面接日時は複数提示し、可能であれば土日も候補日として含めると親切です。応募者の希望日時をヒアリングして、設定してもいいでしょう。
面接前日に連絡する
面接の前日に確認の意味も込めて連絡しましょう。応募者は複数の企業を受けているため、何かの手違いで面接を忘れているケースも考えられます。
連絡がつかない場合は、面接に来ないかもしれないと心構えができます。すでに他社から内定をもらっている場合は、直接企業側から連絡をもらうことで辞退を伝えやすくなるでしょう。当日のドタキャンによる時間ロスの回避につながります。
面接時間・面接会場に配慮する
午前中の早い時間帯から面接を設定しても、会場が遠い場合、参加することをためらってしまう応募者もいます。面接会場から遠い応募者に対しては、時間を午後に設定するなどの配慮が大切です。
あまりにも面接会場が遠い場合は、Web面接を取り入れるといった工夫をしましょう。
未然に辞退を防ぐためにはどうしたらいいか
応募者からの辞退を未然に防ぐためには、採用担当者は応募者とのコミュニケーションを強化することが重要です。応募者側も採用担当者との接点があると、ドタキャンはできないなと感じるでしょう。
コミュニケーションをとるためには、応募者からの質問などへのスピーディーな対応、面接前日の連絡などが、応募者との関係構築につながります。
連絡をとる回数が増えると、お互いの関係性も深まるでしょう。応募者との良好な関係を築くことで、ドタキャンされる可能性は低くなります。
まとめ
面接のドタキャンを防ぐためには、応募者側の目線に立ち、応募者が面接を受けるにあたって悩んでいることを解決するだけでなく、応募者に対して誠実な対応を心がける姿勢が大切です。
採用担当者にとっては負担になる部分があるかもしれませんが、対策することで面接のドタキャンを防げるかもしれません。ドタキャンが減れば、優秀な人材確保や、採用活動の効率もアップするでしょう。応募者一人ひとりに対して丁寧な対応をすることを忘れないでくださいね。
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