営業採用を成功させるには?ポイントやおすすめの手法を紹介

営業採用

昨今の人口・労働人口の減少が原因で、営業職の求人倍率は上昇傾向にあり、採用が困難な状況となっています。

こういった状況の中で、「採用してから育成すれば良い」と人材の適性を見ずに採用してしまうのはコストや時間の無駄につながるでしょう。そうならないためにも、自社に合った優秀な人材を見極めるコツを知っておくことが大切です。

この記事では、営業採用のポイントや面談時におすすめの質問などについて紹介していきます。ぜひこの記事を営業採用にお役立てください。

営業採用はなぜ難しい?

  • 「求人を出しているが、自社に合った人材を採用できない」
  • 「そもそも応募がこない」

など営業採用に関する悩みを抱えている企業は多いでしょう。営業職は企業の経営を左右する大事な職種の1つでありながら、なぜ採用が難しいのでしょうか。

営業採用が難しいのは2つの主な理由があるからです。そこで以下では、営業採用が難しい理由について紹介していきましょう。

営業職における有効求人倍率の上昇

営業採用が難しい理由の一つに、「有効求人倍率の上昇」が挙げられます。

有効求人倍率とは、求職者1人に対して何件の求人があるかを示す指標で、1倍を超えると人材確保が難しい「売り手市場」となります。

厚生労働省のデータをもとにエン・ジャパンがまとめた「2025年版 採用難易度レポート」によると、2024年12月時点の営業職の全国平均の有効求人倍率は2.52倍に達しています。これは同時期の全職種平均の1.27倍と比較しても明らかに高く、営業職が特に採用困難な職種であることがわかります。

さらに営業職の倍率を地域別に見ると、次のように報告されています。

  • 東京都:2.94倍

  • 大阪府:2.02倍

  • 愛知県:4.54倍

いずれも営業職に限定した倍率であり、特に愛知県では4倍を超えており、深刻な人材不足が生じていることがうかがえます。

このように営業職は地域を問わず人手不足が顕著であるため、企業は求人の魅力を高めるだけでなく、スピード感のある選考プロセスや候補者体験の向上といった採用手法の工夫がより一層求められています。

営業職の採用条件が明確にされていない

どの企業も「企業の売り上げに貢献できる優秀な営業担当を採用したい」と思うのは当然です。

しかし、このようにざっくりとしたイメージしかない場合、営業職の採用に苦しむ可能性があります。企業が求めている人物像が明らかでない場合、自社のアピールポイントや採用条件も明確にならないからです。

営業職の採用を成功させるポイント

では、どうしたら難しいとされている営業職の採用を成功に導くことができるのでしょうか。以下では、営業職の採用を成功させるポイントについて解説してきます。

未経験の応募者を候補にする

即戦力を期待し、営業経験者を優先して採用することを考えている企業も多いでしょう。

しかし、未経験者の採用を検討するのも営業の採用を成功に導くポイントの1つといえます。

なぜなら、冒頭で説明したように人手不足が深刻な問題となっているからです。未経験者の場合、企業が育成しなければいけませんが、経験がない分、営業手法の癖がなく、吸収もスムーズに行えるでしょう。

自社の優秀な営業担当者を分析する

優秀な営業担当者の採用を成功させるには、実際に自社で活躍している営業担当者を分析するのが効果的です。

一般的に優秀な営業担当者は下記のような特徴を持っています。

  • 「コミュニケーション力や課題解決力が高い」
  • 「ポジティブである」
  • 「相手のことを考えた振る舞いができる」

これらの特徴をもとに、自社の優秀な営業担当者を分析し得られた情報を参考にして採用活動を実施するのが、営業職の採用を成功させるポイントといえるでしょう。

採用基準の認識をそろえる

例えば、リーダー候補を採用したい経営者・採用市況が厳しいため未経験者を採用したい人事・即戦力になる経験者が欲しい現場、のように基準がバラバラでは、採用はうまくいきません。

経験した業界・業種・知識・資格・スキルなどの採用基準をそろえることが、営業職の採用を成功に導くポイントです。

自社に合った優秀な営業担当者を見極めるコツ

営業採用見極め応募はきていても、優秀な人材を見極めるコツを知らなければ、採用を成功に導くのは難しいでしょう。

そこで以下では、自社に合った優秀な人材を見極めるコツを見ていきます。

課題発見力・解決力があるかどうか

営業は、お客様の課題を見つけ解決に導くお手伝いをする仕事です。そのため、お客様の悩みから課題を見つけ、どう解決すべきかを考えられる力がなくてはなりません。

このような力があるかどうかは、面接時に「これまで立ちはだかった困難をどのように乗り越えてきたか」などの質問で見抜くことができるでしょう。

コミュニケーション力があるかどうか

営業職にとって、一般的な常識とともにコミュニケーション力はなくてはならないスキルです。自分の考えをわかりやすく伝える力、相手の考えを聴く力がとても重要な指標になります。

面接時は、これまでの経験に関して具体例を混ぜて話してもらうと、スキルの見極めに役立つでしょう。

信頼関係が構築できるかどうか

自社に合った優秀な人材を見極めるには、信頼関係が構築できるかどうかも大事なポイントです。

お客様との信頼関係を構築できなければ、成果や売り上げはもちろん生まれません。信頼関係を構築できるかどうかは、選考中の話し方ややり取りなどからチェックしてみてください。

論理的思考力があるかどうか

論理的思考とは、課題から解決までを道筋を立てて考えることです。

このような論理的思考力は、お客様に提案する場面や社内でフィードバックを行う場面、営業戦略を立案する場面など、さまざまなシーンで役立ちます。選考中は、過去の課題解決事例をもとに、解決策となる根拠をどのように提案していたかどうかが能力を見極める鍵となるでしょう。

臨機応変な対応力があるかどうか

営業職は、お客様の課題を解決して売り上げを生み出す仕事です。担当するお客様によっては、マニュアル通りにいかない場合も多いでしょう。

そのような場合、臨機応変な対応力で課題を解決へ導ける営業担当者が、優秀な人材といえます。選考中は、「このような場合はどうしたか」など実際の経験に基づいた質問をしてみるのがおすすめです。

これだけは聞く!営業職採用での質問5つ

営業質問

以下では、優秀な営業担当者を採用するために、おすすめの質問を5つ紹介していきます。ぜひ面接時にお役立てください。

信頼に関する質問

前述したように、営業担当者にとって信頼関係を構築する力はとても重要です。

例えば「失敗をしてしまった時の話」や「大事な約束に遅刻してしまった時の話」から、言い訳をしたのか謝ったのかなど、どのように対応したかを聞くと良いでしょう。

意欲に関する質問

営業職を担当する中で、シビアな状況やスランプはつきものです。そのような状況を打破できる意欲やモチベーションを持っているかどうかを面接時にチェックしましょう。

例えば「やる気を無くしてしまった時の話」や「最近、やる気がわいた時の話」などを聞いてみるのがおすすめです。

誠実さに関する質問

営業担当者は、売り上げを生み出して企業に貢献することはもちろんですが、お客様の役に立つことが真の目的です。

目先の利益だけに囚われていると、誠実さを失い押し売りのようになってしまうこともあるでしょう。そういった事態にならないように誠実さに関する質問も重要です。

例えば「知人がいけないことをしていた時の話」や「自分が正しいと思った事柄について妥協したことがあるかどうか」などの質問をしてみましょう。

強みに関する質問

人材の強みは営業職と関係のないように思われがちですが、強みをどのように活かせるのかについて聞くのがポイントです。

例えば「ギターが上手なのが強み」という人材がいたします。その場合は、「その強みをどのように活かすか」という質問をしてみましょう。

「ギターを弾くためには繰り返しの練習が必要なため、仕事に対しても前向きに頑張れる」という回答だった場合、ポジティブさを持っているのだとわかります。さらに、具体例などを交えながら話す様子が見られた場合、コミュニケーション力が高いのだと判断できるでしょう。

売り上げ目標に関する質問

営業職は、企業の経営を左右する重要な職種の1つです。そのため、売り上げや目標に関して執着心があるかどうかを見極める必要があります。

例えば「厳しい状況の中で目標を達成できた時の話」などを聞いてみましょう。

営業の採用におすすめな採用手法

ここからは、営業採用におすすめの採用手法をいくつか紹介していきましょう。

求人媒体

求人媒体とは、採用情報を掲載することで求職者が求人を見つけやすくするサービスのことです。

企業側のアプローチなしでも応募者が集まりやすいというメリットがあります。営業職は結果を数字で判断する場合が多いため、給与やインセンティブについて具体的な数字を掲載するのがおすすめです。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、企業が自ら求職者に交渉する方法です。

昨今では、ダイレクトリクルーティングができるサイトのサービスもいくつか登場しています。企業が求める人材に近い求職者へ声かけができる点がメリットといえるでしょう。

転職エージェント(人材紹介)

転職エージェントとは、企業が求める人材に近い求職者を紹介してくれるサービスです。

求職者の情報を詳細に把握した上で採用ができるため、ミスマッチをなくすのに役立つでしょう。

リファラル採用

リファラル採用とは、自社の社員に人材を紹介してもらい選考を進める方法です。

採用前に人材の情報を社員から得られるとともに、また人材も社員を通して自社の雰囲気や風土を把握できることがメリットといえるでしょう。

若手(20~30代)を採用したい時の最適な媒体

20〜30代の営業職を採用したい場合は、「マイナビ転職」をはじめ、「doda」「エン転職」などの若手層に強い採用媒体の活用がおすすめです。

中でもマイナビ転職は、20〜30代の登録者が多数を占めており、若手営業人材をターゲットとした採用に最適です。
また、dodaでは30歳未満の登録者が約52%(24歳以下:24.1%、25〜29歳:27.7%)を占めており、若手層へのアプローチに効果的です。
エン転職も34歳以下が約70%と、初めての転職や第二新卒層にアプローチしたい企業に適しています。

若手層へのリーチを強化したい企業は、これらの媒体の特性を理解し、採用ターゲットや戦略に合わせて活用することが成功の鍵となります。

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40代を採用したい時の最適な媒体

40代の営業を採用したい場合は「BIZREACH」や「enミドルの転職」などの採用を支援する媒体がおすすめです。

ハイクラス転職サイトであるBIZREACHには、30〜40代の求職者が多く登録しています。enミドルの転職には30〜40代の登録者が多いため、40代を採用したい企業はぜひ利用してみてください。

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優秀な営業経験者に自社を選んでもらうためには

営業職は人手不足のため、どの企業も工夫を凝らして採用活動をしていることでしょう。

そのため、優秀な営業経験者に選んでもらうためには、自社でも対策や工夫が必要です。以下では、優秀な営業経験者に自社を選んでもらうためには、どのようなことが大切なのかについて紹介していきましょう。

ホームページの内容を充実させる

まずは、ホームページの内容を充実させ、魅力のあるものにしなくてはなりません。自社に興味を持った求職者の多くは、まずホームページを確認し、その後の応募や入社について考える傾向にあるからです。

迅速なコミュニケーションを心がける

新卒採用とは違い、中途採用は多くの方が仕事をしながら転職活動をしているでしょう。そういった忙しい状況の中でレスポンスが遅れると、求職者の自社への興味が薄れる、他の企業に先を越されるなどの可能性もあります。そのため、迅速なコミュニケーションを心がけることは、優秀な人材を確保することにつながるでしょう。

自社で働くイメージを持ってもらい、得られるメリットを伝える

求職者は自社と他社を比較している場合も多いでしょう。

そのような場合、自社で勤務しているイメージを持ってもらい、得られるメリットを伝えることが重要です。例えば、実際に活躍している自社の営業担当の事例や、自社で働いた場合にどのようなキャリアパスが描けるのかなどについて面接時に話すのが良いでしょう。

また、営業未経験者の採用活動では、研修内容について話すことで、漠然とした不安が解消される場合もあります。

営業職の採用成功事例

なぜ、若手の営業職採用は難しいのか。
「応募は来るけれど、採用したい人材に巡り合えない」
そんなお悩みの企業様に向けた、営業職採用の求人広告の活用における成功事例をご紹介します。

・惹きつける求人広告の活用方法3選
・採用成功事例(doda、エン転職、マイナビ転職)
・ユーザー意識の「個別化」スカウト配信方法

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まとめ

厳しい採用市況の中で、営業採用を成功させるのは簡単なことではありません。

しかし、採用基準の認識の一致や、優秀な人材を見極めるコツを掴むなどの事前準備で、採用結果は変わってくるでしょう。無駄なコストや時間、人員を生まないように、組織としての魅力を理解してもらって、優秀な人材確保を実現しましょう。

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