【新卒採用ガイド】採用スケジュールと採用計画

 

近年、「新しい風を入れたい」「企業の若返りをはかりたい」など理由は様々ですが、初めて新卒採用を実施する企業や、久しぶりに新卒採用を再開する企業が増えてきました。

このような企業の採用担当者はもちろん、初めて採用担当を任された方の中には「よくわからないけど何とかなるだろう」と若干パワープレーに走る方もいらっしゃると思います。

 

しかし、現在の新卒採用市場は普通に採用しようとしても一朝一夕にはいかないのが実情です。

学生数よりも求人数が多い「学生の売り手市場」だからこそ、戦略を練り、細かな戦術を考え、それを実行するための”事前準備”をしっかりとしなければ成功させることは出来ません。

 

突然、「戦略」「戦術」と言われて戸惑う方もいらっしゃると思いますが、基礎である新卒採用のスケジュールを把握し、計画すべき内容を理解すれば、新卒採用全体をとらえることができ、戦略・戦術のイメージも湧きやすくなります。

 

そこで、今回は基礎である「新卒採用のスケジュール」「採用計画」についてご説明しようと思います。

 

初めて新卒採用を担当する方はもちろん、これから新卒採用を検討している企業・採用担当の方は是非ご覧ください!

 

 

1、新卒採用スケジュールの変化

 

新卒採用は中途採用やアルバイト・パートの採用とは本質的に違い、その年の情勢や経済など外部要因の影響を受けやすい採用マーケットです。

2020年卒までは日本経済団体連合会(以下、「経団連」)による企業の「採用選考に関する指針」にて企業は学生の学習を妨げない程度に採用のスケジュールを組むよう謳われており、大学のスケジュールにまでも影響を受けてしまいます。

 

直近の新卒採用スケジュールの変化

 

新卒採用スケジュールは経団連の「就活ルール」にて大枠定められており、過去10年の間に3回も採用広報開始日、採用選考開始日が変更されています。

特に2016年卒、2017年卒は採用選考開始日の変更が2年連続で実施され、新卒採用を実施する企業はもちろん、就活生にも大きな影響を与えました。

 

現在は4年連続で同じスケジュールで進められておりますが、2018年10月に、経団連会長・副会長会議で2021年卒以降の新卒採用において就職・採用活動のルールを策定しないことを正式に決定しました。

 

今後の就職活動のルールに関しては、政府・産業界・大学の3者による協議でルールを定め、政府が企業側に要請する方針に変わります。

しかし、2021年卒からいきなり移行するとなると学生の混乱が予想されるため、2021年卒は調査期間としてほぼ現行ルールを維持するであろうと言われています。

 

 

2、企業側の採用スケジュール

 

戦略的な採用を行う上で、最も大切なことが「採用スケジュールを立てる」ことです。

 

採用スケジュールと聞くと「いつ説明会をやるのか」「どのような選考フローにするのか」「いつまでに内々定を通知するのか」など広報活動や採用活動についてイメージする方も多いと思います。

 

しかし、この採用スケジュールとは「採用計画→広報活動→採用活動→内定者フォロー→入社後の研修」までを指します。

つまり、計画段階から入社後の研修までのスケジュールを具体的に可視化することです。

 

ここまでスケジュール化しておくことで、対応の遅れを未然に防ぎ、スムーズに採用を進めることができます。

 

 

こちらは新卒採用を実施するためのおおまかなスケジュールです。

各企業の戦略や戦術により異なりますので、一般的な企業の採用スケジュールとして捉えてください。

 

しかし、学生の売り手市場が続く近年は、より早く優秀な学生にアプローチをしたいというのが企業の本音であり、上記スケジュールよりも前倒しで計画する企業が増えています。

 

 

適性検査・筆記試験の開始時期

(引用:2020年卒マイナビ企業新卒採用予定調査

 

2020年卒マイナビ企業新卒採用予定調査によると、適性検査・筆記試験の開始時期について2019年卒は3月下旬にピークがありましたが、2020年卒は3月上旬に前倒しになっています。

また、面接の開始時期についてもピークが4月から3月に早まっており、内々定出しに関しては73.1%の企業が5月までに開始すると回答しているようです。

 

更に、2021年卒の採用活動は東京オリンピック開催による採用活動への影響も予想されるため、より一層前倒しになるという予測も見受けられるようになりました。

 

どれほど早期化するかはまだ不明ですが、当初の計画よりもより一層前倒しで計画することが必要かもしれませんね。

 

3、採用計画の豆知識

 

新卒採用を行う上で、採用計画・設計は、成果を大きく左右する重要な鍵となります。

 

  • ターゲットの選定・評価項目

  • 採用予算

  • 採用に関わる人員手配

  • 説明会・選考の日程

 

特にこの4つの項目は重要ですので、1つ1つ解説していきます。

 

 

3-1、ターゲットの選定・評価項目

 

ターゲットの明確化

自社の採用ターゲット(求める人物像)がはっきりしていない場合、選考官の好みで判断してしまい、感覚的な採用をしてしまう失敗例が数多く存在します。

このような感覚的な採用を避けるためにも採用ターゲットの明確化は必要不可欠です。

 

では、採用ターゲットを明確化するためにはどのようにすればいいのでしょか。

答えは非常にシンプルで「言語化」「数値化」を行い、「見える化」することで採用ターゲットを明確にできます。

 

評価項目の設計

次に、ターゲットが明確になったら評価項目を設計します。

ここで重要なのがスキル面の評価だけでなく人物面の評価も細かく設計することです。

この評価項目はできるだけ細かく、具体的なものとし、チェック項目や数値で評価できるようにすると判断しやすくなります。

また、その評価項目は、必ず必要とされる【必須項目】と、あれば尚良しという【希望項目】に分けておくことで、合否判断がしやすくなるのでオススメです。

 

そして最も重要なのが、この採用ターゲットと、評価項目・基準を採用に関わる全ての方で共有し、共通認識のもと選考を行うことです。

 

1人でも認識にズレがあってしまうと、ターゲットから外れている学生を通過させてしまい工数を増やしてしまったり、ターゲットとなる学生を不採用にしてしまい、貴重な人材を逃してしまうことにも繋がりかねません。

 

 

3-2、採用予算

 

新卒採用は、各段階で様々な経費が発生します。

採用人数やエントリー数、採用活動期間など活動内容に応じて目安となる暫定値を取り計画することが必要です。

 

また、採用活動における予算は大きくわけて「全体予算」と「個別予算」があります。

ナビ媒体への掲載料や採用システム利用料、会社説明会・選考会場の使用料といった採用全体に関わる費用が「全体予算」。学生に支給する交通費や宿泊費、採用担当者の活動費など個別に発生する費用が「個別予算」です。

 

前年度も新卒採用を行っていた企業は、前年度の1人あたりの採用単価(全体でかかった予算÷採用人数)に今年度の採用予定人数を掛け合わせるのが一般的です。

 

採用費用平均、業界対応表

(引用:2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査

 

一方で前年実績の無い企業に関しては採用費の平均を参考にすると良いでしょう。

2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査によると、採用費総額の平均は、全体で約493.4万円、上場企業で約1,531.8万円、非上場企業で約371.5万円だそうです。

1人あたりの採用単価はあまりばらつきが無く、53.2万円~54.3万円ですのでここを目安に全体予算を設計することをオススメします。

 

 

3-3、採用に関わる人員手配

 

説明会やセミナーの実施、書類選考でのスクリーニングや面接担当者など、必要な人員数を把握し、実際に現在の人員数で対応できるかどうかを検討します。

 

万一、不足する場合は社内異動や採用を行い、対応できる人員数をしっかり手配しましょう。

大幅に人員が不足してしまうと選考に歩留まりができてしまい、機会損失に繋がることもあります。

 

また、新卒の採用活動は繁忙期と閑散期の差が大きいため、繁忙期のみ人事以外の部署に協力して頂くのも良いでしょう。その場合は各人に早めに依頼し、事前に調整をしておくようにしてください。

 

どうしても社内で工数をまかないきれない場合は、採用アウトソーシングを検討しましょう。

ナビ媒体の操作や、学生への合否連絡、日程調整など、裏側の地味な作業は、非常に多くの時間と工数を要します。そこに工数を取られてしまい本来やるべきことに時間を割けなかったり、対応に遅れが出てしまっては本末転倒です。

 

 

3-4、説明会・選考の日程

 

説明会の開催日や選考日程は自社の都合だけで決めてはいけません。

学校のスケジュールや学生のスケジュールを加味し、なるべく多くの学生が参加しやすい日程で実施することが大切です。

 

そして意外と盲点なのが、他社の選考日程を加味したスケジューリングです。

特に、競合他社や大手企業の選考日程は必ず把握するようにしましょう。

競合他社や大手企業と日程がバッティングしてしまうことで、学生と出会う機会を逃してしまう可能性もあります。

 

 

4、最後に

 

いかがでしたでしょうか。

新卒採用は一朝一夕で成功できるわけではなく、しっかりと戦略を立て、細かな計画が必要であることがお分かり頂けたと思います。

 

新卒採用を経営のセンターピンとして考える企業も増え、採用担当者の腕が企業の成長を左右すると言っても過言ではありません。

だからこそ、新卒採用市場について知見を増やし、自社に合った採用戦略を考えていくことが非常に重要です。

 

以上、キャリブロレンジャーの文(ムン)がお届け致しました!

 

また次回をお楽しみに^^