今回は採用活動にするにあたり基礎であたる「新卒採用のスケジュール」と「採用計画」についてご説明しようと思います。
初めて新卒採用を担当する方はもちろん、これから新卒採用を検討している企業・採用担当の方は是非ご覧ください!
採用計画を立てるメリット
ターゲット像が明確になる
採用活動をスタートさせる前に、きちんとした「採りたい人物像」を明確化して、採用にかかわる全ての人と共有させることで、ミスマッチのない採用ができるようになります。
採用活動の進捗確認ができる
採用活動には予期せぬアクシデントがつきものです。採用スケジュールをきちんと戦略立てて計画しておけば、今回の新型コロナ感染のような事態が起きても、どこからどう巻き返しをすれば良いか早期に発見できるのも採用計画を立てる上でのメリットとなります。
新卒採用スケジュールの変化
経団連は2021年卒以降、「就活ルール」を廃止(2022年卒からが対象)することを発表しました。しかし、学生の混乱を避けるため政府が新たな「就活ルール」を設定することを発表しました。
今まで、新卒採用スケジュールは経団連の「就活ルール」にて大枠定められており、過去10年の間に3回も採用広報開始日、採用選考開始日が変更されています。
特に2016年卒、2017年卒は採用選考開始日の変更が2年連続で実施され、新卒採用を実施する企業はもちろん、就活生にも大きな影響を与えました。
2022卒に関しては、政府がかつての経団連の「就活ルール」を引き継ぎ、変更をしないことが決定しました。そのため例年通り下記のように採用活動が行われます。
【22卒 採用スケジュール】
3月1日 :広報開始
6月1日 :選考開始
10月1日: 内定
採用スケジュール
戦略的な採用を行う上で、最も大切なことが「採用スケジュールを立てる」ことです。
採用スケジュールとは?
下記のように計画段階から入社後の研修までのスケジュールを具体的に可視化することです。
1 採用計画
2 広報活動
3 採用活動
4 内定者フォロー
5 入社後の研修
ここまでスケジュール化しておくことで、対応の遅れを未然に防ぎ、スムーズに採用を進めることができます。
こちらは新卒採用を実施するためのおおまかなスケジュールです。各企業の戦略や戦術により異なりますので、一般的な企業の採用スケジュールとして捉えてください。
しかし、21卒に関しては新型コロナウイルスにより下記のような影響が出ています。
2021年卒マイナビ企業新卒採用予定調査によると、【2月中に回答のあった企業】では「面接」「ES結果通知」「内々定出し」等が早まる傾向が見られる。しかし、【3月に回答のあった企業】では、学生と接触する機会がコロナウイルスによって極端に減少し選考のフェーズが後倒しになる様子が見られます。
採用計画における4つの重要項目
新卒採用を行う上で、採用計画・設計は、成果を大きく左右する重要な鍵となります。
- ターゲットの選定・評価項目
- 採用予算
- 採用に関わる人員手配
- 説明会・選考の日程
特にこの4つの項目は重要ですので、1つ1つ解説していきます。
ターゲットの選定・評価項目
ターゲットの明確化
自社の採用ターゲット(求める人物像)がはっきりしていない場合、選考官の好みで判断してしまい、感覚的な採用をしてしまう失敗例が数多く存在します。
このような感覚的な採用を避けるためにも採用ターゲットの明確化は必要不可欠です。
では、採用ターゲットを明確化するためにはどのようにすればいいのでしょか。
答えは非常にシンプルで「言語化」「数値化」を行い、「見える化」することで採用ターゲットを明確にできます。
評価項目の設計
次に、ターゲットが明確になったら評価項目を設計します。
ここで重要なのがスキル面の評価だけでなく人物面の評価も細かく設計することです。この評価項目はできるだけ細かく、具体的なものとし、チェック項目や数値で評価できるようにすると判断しやすくなります。
また、その評価項目は、必ず必要とされる【必須項目】と、あれば尚良しという【希望項目】に分けておくことで、合否判断がしやすくなるのでオススメです。
そして最も重要なのが、この採用ターゲットと、評価項目・基準を採用に関わる全ての方で共有し、共通認識のもと選考を行うことです。
1人でも認識にズレがあってしまうと、ターゲットから外れている学生を通過させてしまい工数を増やしてしまったり、ターゲットとなる学生を不採用にしてしまい、貴重な人材を逃してしまうことにも繋がりかねません。
採用予算
新卒採用は、各段階で様々な経費が発生します。採用人数やエントリー数、採用活動期間など活動内容に応じて目安となる暫定値を取り計画することが必要です。
また、採用活動における予算は大きくわけて「全体予算」と「個別予算」があります。
ナビ媒体への掲載料や採用システム利用料、会社説明会・選考会場の使用料といった採用全体に関わる費用が「全体予算」。学生に支給する交通費や宿泊費、採用担当者の活動費など個別に発生する費用が「個別予算」です。
前年度も新卒採用を行っていた企業は、前年度の1人あたりの採用単価(全体でかかった予算÷採用人数)に今年度の採用予定人数を掛け合わせるのが一般的です。
一方で前年実績の無い企業に関しては採用費の平均を参考にすると良いでしょう。
2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査によると、採用費総額の平均は、全体で約493.4万円、上場企業で約1,531.8万円、非上場企業で約371.5万円だそうです。
1人あたりの採用単価はあまりばらつきが無く、53.2万円~54.3万円ですのでここを目安に全体予算を設計することをオススメします。
採用に関わる人員手配
説明会やセミナーの実施、書類選考でのスクリーニングや面接担当者など、必要な人員数を把握し、実際に現在の人員数で対応できるかどうかを検討します。
万一、不足する場合は社内異動や採用を行い、対応できる人員数をしっかり手配しましょう。大幅に人員が不足してしまうと選考に歩留まりができてしまい、機会損失に繋がることもあります。
また、新卒の採用活動は繁忙期と閑散期の差が大きいため、繁忙期のみ人事以外の部署に協力して頂くのも良いでしょう。その場合は各人に早めに依頼し、事前に調整をしておくようにしてください。
どうしても社内で工数をまかないきれない場合は、採用アウトソーシングを検討しましょう。
ナビ媒体の操作や、学生への合否連絡、日程調整など、裏側の地味な作業は、非常に多くの時間と工数を要します。そこに工数を取られてしまい本来やるべきことに時間を割けなかったり、対応に遅れが出てしまっては本末転倒です。
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説明会・選考の日程
説明会の開催日や選考日程は自社の都合だけで決めてはいけません。学校のスケジュールや学生のスケジュールを加味し、なるべく多くの学生が参加しやすい日程で実施することが大切です。
そして意外と盲点なのが、他社の選考日程を加味したスケジューリングです。特に、競合他社や大手企業の選考日程は必ず把握するようにしましょう。
競合他社や大手企業と日程がバッティングしてしまうことで、学生と出会う機会を逃してしまう可能性もあります。
最後に
いかがでしたでしょうか。
新卒採用は一朝一夕で成功できるわけではなく、しっかりと戦略を立て、細かな計画が必要であることがお分かり頂けたと思います。
新卒採用を経営のセンターピンとして考える企業も増え、採用担当者の腕が企業の成長を左右すると言っても過言ではありません。
だからこそ、新卒採用市場について知見を増やし、自社に合った採用戦略を考えていくことが非常に重要です。
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