採用ペルソナの必要性とは?ペルソナ設計方法や事例を紹介

  • 高橋昂宏
    • 2026-01-22
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    「採用活動を行なっても、なかなか求める人材からの応募がない」「採用しても、すぐに会社を辞めてしまう」と頭を抱えている人事担当の方もいるのではないでしょうか。これは、自社の採用ペルソナが定まっていないことが原因かもしれません。

    採用ペルソナを設計することで、会社が求める人材が集まるだけでなく、入社してからのミスマッチを防ぐことができ、離職率を下げられる可能性もあるのです。この記事では、採用ペルソナを設計する必要性や考慮する項目、設計方法などについて紹介していきます。

    ペルソナ設計とは

    ペルソナ設計

    入社後のミスマッチを防ぐためには、ペルソナ設定をすることが重要です。そもそもペルソナとは主にマーケティングで使用される、商品やサービスを利用する顧客モデルを指します。

    一方で採用ペルソナとは、自社が求める人物像を指すのです。年齢や居住地、家族構成や前職での経験など、さまざまな情報を詳細に設定してペルソナを作り上げます。

    採用ペルソナと採用ターゲットの違い

    採用ペルソナは、採用の「ターゲット」と何が違うのでしょうか。確かに、ターゲットもペルソナも、どちらも企業が求める人材を指します。

    しかし設定方法と人格を持っているかどうかに違いがあるのです。ターゲットは性別や年齢、学歴など大まかな人材を設定するのに対して、ペルソナは架空の人物を設定して、詳細に絞り込んでいきます。

    採用活動におけるペルソナ設計の重要性

    コロナによる影響はあったものの、有効求人倍率は回復傾向にあり、企業が学生を選ぶ時代は終わっています。新卒採用サイトに広告を出せば応募が一定数集まる、という時代ではなく、企業が学生を狙って採りに行かなければ採用成功は厳しいのが現状です。

    そのため、なんとなく応募を募るのではなく、自社に必要な学生はどのような人物であるべきか?を詳細まで落とし込み、企業から仕掛けに行く採用として、ペルソナ設計の必要性が見直されています。

    採用ペルソナを設計するメリット

    では、ペルソナ設計をするとどんなメリットがあるのでしょうか。ここでは、採用ペルソナを設計するメリットを3つ紹介します。

    自社が求める人材を採用しやすくなる

    採用ペルソナを設計すると、自社が求める人材を採用しやすくなります。ペルソナをしっかりと設計しておけば、求人を出す際に「ワークライフバランスの取れた職場」「自分のペースで働くことが可能」などペルソナに合わせて自社の魅力を伝えることが可能です。

    具体的にイメージのしやすい求人は、求職者も自分が該当するか考えてから応募するため、自社に合う人材が集まりやすくなります。

    人事担当者の採用に関する認識のズレを防ぐ

    採用をするにあたり、複数の人事担当者が関わってきます。そのため、ペルソナ設計をして社内で自社に必要な人材イメージを共有しておかないと、採用に関して認識のズレが生じてしまいます。

    人事担当者が個人の判断で合否を出してしまわないよう、明確な採用基準を設定することが大切です。採用活動に入る前に、人事担当者の中で採用ペルソナを設計し、採用したい人物像を共有しておくと、スムーズに採用活動ができるようになります。

    ペルソナ設計に必要な項目

    ペルソナ設計に必要な項目

    求める人材を採用するためには、細かいペルソナ設計をすることが大切です。ここでは、ペルソナ設計の際に必要な項目を紹介していきます。

    •  基本情報(年齢・性別・居住地・家族構成など)
    • 年収や貯蓄額
    • 経験や資格
    • 職業(学生、会社員であれば役職や役割、勤務地)
    • パーソナル情報(性格・志向性・価値観・長所/短所・趣味)

    採用ペルソナの構成要素と作り方5つのステップ

    ここでは採用ペルソナの作り方を、構成要素とともに5つのステップで紹介していきます。

    1.採用する目的を明確にする

    まずは、なぜ採用を行うのか?という理由を明確にしていきましょう。採用の目的次第で、求職者に求める要素は変わってきます。

    事業計画に基づいて採用計画を立てるのか、採用時期に応じた人材を採用するのか、採用する目的を再確認する必要があるのです。

    2.求める人物像の確認

    採用目的を明確にしたあとは、求職者に求める人物像を確認しましょう。

    人事担当者間だけで設定が難しい場合は、経営層や募集をかける部署の社員にヒアリングを行い、必要な人材を明確にしていきます。

    3.構成要素を整理し、採用ペルソナ設定

    ここまでの内容を参考に、求める人材の基本情報やパーソナル情報などの採用要件を具体化し、採用ペルソナを作ります。

    例えば、チームで取り組む仕事であるため、求職者には「協調性」を求める場合、学生時代に部活動やサークルなどチーム経験のある人をペルソナ設定にするとよいでしょう。

    ペルソナ設定をする時は、思いついたことを漠然と羅列するのではなく、理由とともに考えるとより精度の高いペルソナ設定が可能になります。

    4.他部署との共有

    採用ペルソナを設定したら、他部署と情報共有をしましょう。現場の求める人物像とかけ離れていた場合、入社後にミスマッチが生じてしまいます。

    他部署とすり合わせを行うことで、求める人材のズレに気づくことができ、ペルソナの見直しが可能になるのです。

    5.新卒・転職市場に合わせた要件にする

    設定したペルソナを確実なものにするために、現在の新卒・転職市場に合わせて要件を絞る必要があります。

    ペルソナが現状の新卒・転職市場に合っていないと応募は見込めません。転職市場にて「〇〇経験者」というペルソナを設定して求職者が少ないのなら、条件を外すことも考えましょう。自社の要望だけでなく、新卒者や転職者の状況を見ながらペルソナ設定を行うことをおすすめします。

    採用ペルソナを作成する際に意識すべき2点

    採用ペルソナを作成する際に意識したい2つのポイントについて紹介します。

    自社の魅力を理解してから行う

    自社の魅力を理解していないままペルソナ設計をしても、自社にマッチする人物像が曖昧になってしまいます。

    他社にはない、自社の魅力を、業務内容や文化、制度などから考えて見つけるようにしましょう。

    労働価値観の変化を考慮したペルソナ設計

    求職者の働き方に対する価値観や、企業選びで重視するポイントは年々変わってきています。

    毎年変わらないペルソナを使い回していると、ペルソナに該当する人物が存在せず、採用がうまくいかなくなります。時代に合わせ、労働価値観を考慮したペルソナを設計しましょう。

    新卒採用ペルソナシート・設計の例3つ

    ペルソナ設計に必要な項目

    ここでは、新卒採用のペルソナシートをどのように設計していくのか、3つの例を挙げながら紹介していきます。

    人材会社

    コミュニケーション能力が高く、ニーズを引き出す力のある学生を採用したい人事会社のペルソナ設計例を紹介します。

    <基本情報>

    学歴 ○○大学△△学部(文系)
    部活 体育会系バスケットボール部、副主将
    アルバイト 居酒屋

    <パーソナル情報>

    性格 友人が多く人の笑顔にするのが好き
    趣味 登山
    長所/短所 人を巻き込む力がある/おせっかい

    <学生時代の経験>

    バスケットボール部で、大会に向けチームの底上げを図り、リーグ2位の結果を残す。

    <就活について>

    志望業界・職種:業界は絞っていないが営業職を希望

    <企業選びの重視するポイント>

    成長できる環境であること

    IT会社

    ITの事業内容や職種に興味があり、基礎から最新技術まで学ぼうとする意欲がある学生を採用したい場合のペルソナ設計例を紹介します。

    <基本情報>

    学歴 ○○大学△△学部(理系)
    部活 所属なし
    アルバイト IT企業での長期インターンを経験

    <パーソナル情報>

    性格 明るく穏やかで、勉強熱心
    趣味 オンラインゲーム
    長所/短所 何事にも丁寧/心配性

    <学生時代の経験>

    スタートアップのIT企業でエンジニアとして勤務。開発プロジェクトにも参加していた経験あり

    <就活について>

    志望業界・職種:IT業界/SE職志望

    <企業選びの重視するポイント>

    技術を身につけられ、働きやすい環境であること

    小売業

    コミュニケーションがしっかりと取れる学生を採用したい場合の、ペルソナ設定を紹介します。

    <基本情報>

    学歴 ○○大学△△学部(文系)
    部活 軽音サークル
    アルバイト コンビニでバイトリーダーの経験あり

    <パーソナル情報>

    性格 フットワークが軽い。年齢問わず誰とでも仲良くできる
    趣味 旅行
    長所/短所 初対面の人ともすぐに打ち解けられる/そそっかしい

    <学生時代の経験>

    コンビニのアルバイトでバイトリーダーとして、後輩指導に力を入れた。指導マニュアルを提案して、実際に活用している。

    <就活について>

    志望業界・職種:絞っていない

    <企業選びの重視するポイント>

    お客様と関わる仕事

    中途採用ペルソナシート・設計の例3つ

    次に、中途採用のペルソナシートの設計について、3つの例を見ていきましょう。

    Webメディア

    人事担当者に向けたWebメディアが求めるペルソナ設計について紹介します。

    年齢 30歳
    部活 フットサルなどのスピーツ系サークルに複数所属
    アルバイト 接客業のアルバイト
    業界 ネット広告
    企業規模 従業員数500名・売上100億円
    よく使うツール Facebook/2ちゃんねる/Smart NEWS/はてなブックマーク
    性格 アクティブだが出不精な一面もある
    趣味 スポーツ・ショッピング・ネットサーフィン
    仕事内容 Web広告枠の販売、プランニング、出稿管理など
    将来の仕事のゴール Web広告の知識やノウハウを身につけ、Webサイトのディレクションを行えるようになる

    老舗メーカー

    目の前のことにコツコツと取り組め、お客さまのことを第一に考えられる人材を希望している老舗メーカーのペルソナ設定を紹介します。

    年齢 20〜30代
    資格 普通自動車免許
    経験の有無 営業職の経験がある人事
    業界 初対面の人でも臆せずスムーズに会話ができる
    性格 従業員数500名・売上100億円
    転職に求めること 会社の安定性、長く働き続けられる会社

    エンジニア

    システムエンジニアの経験がある、前向きな人材を採用したい場合のペルソナ設定について紹介します。

    年齢 25~34歳
    学歴 大学卒
    経験の有無 システムエンジニア3年以上
    仕事内容 開発プロジェクト
    年収 500万円
    不満 現在の職場ではスキルアップができない、社員や上司のつながりが希薄
    希望 エンドユーザーが見える開発に携わりたい。社員や上司と意見交換をしながらスキルアップをしたい
    行動特徴 即断即決、積極的に提案・提言ができる

    ペルソナを設計する際に注意すべき2点

    ペルソナを設計する際に注意すべき点を2つ紹介します。

    運用後にペルソナを見直す

    採用選考の中にペルソナを落とし込んだら、運用した結果について評価をしましょう。

    もしも、求職者や求める人材が集まらなかった場合、ペルソナを見直す必要があります。社内では完璧なペルソナが出来上がっていたとしても、人材が集まらないのでは考え直す必要があるので、採用状況に合わせて再度人材要件の設定が必要です。

    ペルソナを複数用意する

    ペルソナ設定は複数のパターンを用意しておきましょう。ペルソナを1つのパターンのみに絞ってしまうと、採用候補者を集められません。

    また、募集をかける部署によっても求める人材は異なる場合が多いため、複数のペルソナを用意して、各部署に適した人材が採用できるようにしておきましょう。

    しかしながら、初めのうちはうまくペルソナ設定ができず、採用活動に落とし込めないかもしれません。そんな時は、採用戦略を見直すことできる資料を下記よりダウンロードできるので、ぜひ参考にしてみてください。

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    採用ペルソナを設計した後は何をする?次のステップ

    ペルソナ設計 次のステップ

    新卒採用のターゲティング手法を理解したところで、次なるステップは、ターゲットの学生にどうアプローチしていくか、その手法とポイントをご紹介します。

    募集要項や選考基準に反映する

    採用ペルソナを設計したら、採用ペルソナを募集要項や選考基準に反映していきましょう。

    ペルソナに合った人材が応募してくれるよう、ペルソナに沿って要件と求職者へのメッセージを求人に載せていきます。また、ペルソナを設定すると人事担当者の選考基準が定まるので、評価が大幅にズレることがなくなります。

    新卒紹介を利用する

    従来の学生へのアプローチ手法は、新卒サイトの利用や大学の就職課へのアプローチが一般的でした。しかし、昨今の採用市場では、より細かなターゲティング設定をして、学生1人1人の趣味嗜好に合わせて能動的にアプローチしていくことが重要です。

    そのため、求人媒体に広告掲載するだけでは、個々の学生にアプローチしづらいため、新卒市場にも人材紹介が使われるようになってきました。中途採用の用に、1人入社決定したら紹介費用が発生する仕組みで、エージェントが1人1人の学生をスクリーニングしスカウトしていきます。

    1人1人を見極めて紹介していくので、一見スピード感が出ないように感じますが、実際はペルソナ像で細かな採用基準を設けているため、無駄な応募を防ぎ、マッチングの精度高く母集団形成をすることができます。

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    まとめ

    採用活動におけるペルソナ設計することで、自社の求める人物を採用しやすく、今後活躍する人材となってくれるでしょう。

    しかしながらペルソナを設定したからといって、採用活動ですぐに効果が出るとは限りません。そんな時は、採用戦略を見直す利用をダウンロードしてさらに理解を深めてみるのもおすすめです。

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