新卒採用の振り返りポイントのコツ!分析方法を徹底解剖!

~採用活動ひと段落!でも油断してないですか?~ 新卒採用の振り返りポイントは分析方法にあります!

今回のテーマは『新卒採用の振り返りポイント』についてです。

採用の繁忙期を終え、次年度の採用に向けて束の間の休息を満喫されている採用担当者の方もいらっしゃるかと存じます。その休息、来期はぜひもっと長~く取りませんか?

今余裕があるうちにぜひやって頂きたいことが「採用の振り返り」です。皆さんは、採用活動の振り返り業務をどのように行っていますか?

振り返りをすることで、採用の課題や改善点が見えてくるはずですが・・・。実は、多くの採用担当者は振り返り業務に自信を持てていません。

なぜ振り返りが難しいのか、どうして採用の振り返りを行わなくてはいけないのかなど、さまざまな視点から「採用の振り返り」を紐解いていきます。

なぜ、採用の振り返りをするのか?目的と重要性

採用の振り返り業務は「適正なコスト」で「最適な人材」を確保するために重要といえます。

採用活動の改善点を発見できる

たとえば、有名な採用媒体を使い続けていたものの、自社の採用ターゲットに出会えていないとします。

採用の振り返りを実施しなければ、採用ターゲットに出会えていない要因が採用媒体にあると気付くことができないため、きっと翌年もそのまま同じ媒体を使ってしまいますよね。

採用振り返りの重要性

定期的に自社の採用活動を振り返ることで「だめだった部分」を可視化することができ、翌年の改善点を見つけ出すことができます。

求人媒体一つとっても、掲載中の閲覧数や応募数、スカウト数やいいね数、面接実施数などの各種数値をチェックして、細かく考察を行うこが重要になってきます。

採用活動のPDCAサイクル

仕事において、PDCAサイクルを回すことは重要だといわれていますが、採用活動中は業務が多く、流れるように時間が過ぎていく為立ち止まって振り返ることは難しいかもしれません。

来期のPlan(プラン)を設定する為に、ぜひ今期取ったAction(行動)の「良かったこと」「改善すること」をまとめておくことをおすすめします。

振り返りは来期の採用の準備です。無駄な予算・工数をかけない為にぜひやっていきましょう!

採用振り返りの現状

とはいえ忙しい業務の中で、いつどのタイミングで、何をどう振り返ればいいのか?実際どのくらいの企業が採用の振り返りを実施しているのか確認してみましょう。

採用の振り返りを実施している企業割合

採用管理システム「SONAR ATS」など、HRTechサービスを提供するイグナイトアイの「新卒採用の振り返りに関するアンケート調査」によると、新卒採用の振り返りを実施している企業は全体の企業の約9割となりました。

採用活動の振り返りを実施している割合

画像引用:@人事 イグナイトアイ調べ

一方、 全体の約6割が「採用活動の振り返り」の内容や、振り返り方法、手順に不安を感じているという結果も見られ、採用活動の振り返り時間数については、約6割が「10時間以上かけている」と答えていました。

時間をしっかりかけているものの、満足度の高い振り返り活動が実現できないまま、翌年度の新卒採用に着手している現状が伺えます。

採用の振り返り内容

同調査によると、採用活動の振り返り内容は「各選考フローの遷移率の確認」が最も多く全体の57.7%となりました。次いで内定者の質、採用エントリーの母集団の質、内定辞退率、媒体の費用対効果の確認と続きます。

採用の振り返り内容

画像引用:@人事 イグナイトアイ調べ

一方、採用担当の振り返り活動の中であまり重視されなかった項目は、面接官の評価内容や、リクルーターの効果、採用媒体屋採用ホームページなどのクリエイティブにかけた費用対効果などがあげられました。

振り返りを実施する際は、「応募数」「面接数」などの表面的な数値を見て、感覚的に分析を行っているのではないでしょうか。

面接官の動きが適正だったかどうか、クリエイティブは狙った通りの効果が出ていたかなど、抽象的な部分はあまり振り返りされていないことがわかりました。

振り返り業務の不安の要因は

同調査で回答してくれた採用担当者に、「採用の振り返り業務の課題は何か」尋ねた項目がありました。

すると、以下の2パターンに分かれていました。

1、振り返りの観点や手順そのものに課題があるため、効果的に振り返り活動を実施できていないというパターン
2、振り返り業務のためのデータ集計や分析・資料作成などの実務面に課題があるというパターン

特に新卒採用は、例年スケジュールが変動しやすくなっており、 計画的に振り返り活動をしたいと考えていても、急な予定変更が続いてうまく時間が確保できない場合も多いようです。

忙しい中でも、適切な振り返り用のデータを収集し、継続的に分析していくことは非常に困難であると伺えます。

採用振り返りの重要ポイント

採用計画やターゲット、施策内容や実施時期、実施方法は適切だったのか、目標は達成できたのか確認することが重要にはなってきますが、その中でも振り返りの際に特に大事なポイントを2つご紹介します。

1、複数の要因を仮説立てする

たとえば、「母集団が集まらなかった」という結果を振り返るとき、考えられる要因は次のとおりです。

  • 売り手市場が続いていた
  • 学生が少ないエリアに企業がある
  • 例年よりも競合他社が採用枠を広げている
  • 利用した求人媒体の掲載数が多かった
  • いつもと同じ求人媒体を利用したもののスカウトを打つ時間を取れなかった
  • マンパワーが足りず母集団形成の対応に時間が取れなかった など

このように、さまざまな角度から要因を探ることで、本質的な課題が見えてきます

「母集団が集まらなかった」理由はきっと「使った求人媒体が悪いのだろう」と、表面的に決めつけないよう注意が必要です。

2、数値を計測し続ける

採用に関するさまざまな数値、データは必ず計測を継続するよう心掛けましょう。

応募数、面接数、辞退数、音信不通になった数、内定数、入社数などの数値を、季節ごとに見比べることで初めて分析が可能になりますそもそもこれらのデータを計測していなければ、客観的かつ定量的な分析ができません

採用振り返りの分析ポイント具体例3つ

では実際に、どんな項目で振り返りをしていったらいいのか、具体例交えながらご紹介していきます。
採用活動の分析ポイントは、大きく3つです。

分析A:採用経路を分析する

広報手段と採用ツールの経路を明らかにしましょう。
就職サイト(プレサイトor本サイト、自然エントリーorスカウトメール)、合同説明会、自社のホームページ、大学の就職課、ダイレクトリクルーティング、逆スカウトサイトなど。
エントリー経路別でのエントリー数を分析することで、採用手法のどこを強化すべきか図ることができます。

分析B:各プロセスの歩留まりを分析する

各選考間の推移を把握することによって、選考間の歩留まりを算出することができます。

そうすることによって、採用の課題が自ずと見えてくるはずです。具体的に説明すると、下記のようなイメージです。

【エントリー数に対して説明会の予約数が少ない】
課題:説明会開催数が不足している可能性がある、説明会の打ち出し方に何か問題がある など

【説明会参加者の1次選考への参加率が低い】
課題:説明会内容の見直し、1次選考設定までの導線をスムーズに整える、日程調整のスピード感を上げる など

【内定からの承諾率が低い】
課題:最終選考時に意向上げをする、内定通知の方法を変える、内定者フォローに力を入れる など

各プロセスの歩留まり

上記に加え「どの時期に集めた学生なのか」分かるようにしておくと採用活動を始める時期や、いつプロモーションを強化すべきか分析することができます。

また、このデータを毎年記録として残しておけば、前年対比が算出できるようになります。

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分析C:アンケートをとってリアルな声を分析する

AとBの数字的分析に加えて「実際の声」を取り入れることによって、「良かった点・改善点」がより明確になり、応募者の動向を知ることができます。

説明会のタイミングで全員にアンケートをとれば、聞き辛い選考辞退の理由も知ることができ、また、内定者のアンケートであれば、何に魅力を感じたのか知ることができます。

すなわち、それらが来期の採用で「継続すべきことか、課題としてとらえなくてはいけないことか」を、把握できるのです。

陥りがちな「やってはいけない振り返り」の例

採用面接の振り返りの業務の中でやってしまいがちな失敗例をご紹介します。

分析が目的になってしまう

採用の振り返りを行うことはとても重要ですが、振り返りの時間を取りすぎてしまったり、分析データを何十ページにもまとめてしまったりして、考察の時間が短くなるケースがあります。

振り返り業務はあくまでも翌年度の採用のために行うことであり、分析が目的になってはいけません。時間をかけすぎず、また当初の目的からそれないようにして振り返り活動を行うことが重要です。

考察が甘い

振り返り業務の中で、例えば「会社説明会の参加率が80%」「最終面接の通過率が10%」だったとします。この数値を見た時に「来年は最終面接での対応をもっと改善しよう」と判断するのは考察が甘すぎるのではないでしょうか。

そもそも80%や10%という数値が、 競合他社と比べてどうだったのか。当初自社で掲げた数値目標から考えると、80%や10%が高いのか低いのかなど多角的な視点から分析が必要です。

ただデータをまとめるだけで、曖昧な考察のまま振り返りを終わらせないよう気を付けたいものです。

採用の振り返りを分析する方法

続いて、適切な採用振り返りを行う方法をご紹介していきます。

自社で振り返りを行う場合

自社で振り返り業務を行う場合は、始めに採用目標やKPIを確認します。期初に掲げた目標に対して、結果はどうだったのか数値で確認し、目標に満たない項目に対して一つずつ要因を考察していきます。

結果が出ていない要因は複数の事象が絡み合っているケースがほとんどのため、 面接官やリクルーター、採用に関わった社員全員に聞き取り調査をするなどして、 複数の仮説を立てながら検証を進めていきましょう。

先ほど紹介した分析ポイントもぜひ参考にしてみてください。

分析ツール・振り返りサービスツールを使う

採用の振り返りには専用の分析ツールやサービスを利用することもおすすめです。多くの企業で使用している採用管理システムには便利な分析ツールが搭載されています。

候補者の情報を Excelやスプレッドシートなどでマニュアル管理してしまうと、数値の抜け漏れがあったり、データ分析がに時間がかかったりするためおすすめできません。

少ない人数で効率的に採用活動を進めるのであれば、採用管理システムの導入を検討してみましょう。

採用コンサル・採用代行会社に依頼する

採用振り返りの方法として最もおすすめしたいのが、採用コンサルタントや採用代行に分析を依頼することです。

採用担当者が属人的に振り返り業務を行うよりも、第三者の採用コンサルタントなどに一任した方が客観的な視点で振り返りを実施できます。

また採用コンサルタントや採用代行会社は、複数の業界にまたがって大小様々な企業の採用支援を行っていることが多いので、複数の企業・競合との比較データから多角的に情報を分析してもらえるのもメリットです。

おすすめの採用代行会社をいくつか紹介していますので、こちらの記事もぜひご参考ください!

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まとめ

本日は、採用の振り返りをテーマにお送り致しました。

採用の振り返り業務は採用担当者にとって重要な仕事です。

多くの企業では例年、振り返りを行っている一方で、自社の振り返り業務の効率に不安を感じている人がほとんどです。

しっかり前年度の振り返りを行い、課題を洗い出した上で、翌年度の採用活動に取り組んでいくためにも、効率的かつ適正な採用振り返りを行っていきましょう。

しかしながら、新卒採用は数字だけが全てではなく、人事担当の方に憧れた、社員の方に優しい声をかけてもらった・・・などなど、ほんの些細なきっかけで採用活動の状況が変わってくることも多々あります。
定量と定性データ、それぞれを分析することによってその企業らしさが出る採用活動になると思います。ぜひ実践してみてください!

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