採用活動におけるデータ分析方法を解説!重要性&活用ステップも紹介

  • 田上 ゆうき
    • 2026-01-22
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    新卒採用や中途採用の振り返りのため、データ分析を始めたいと考えている人事担当者も多いのではないでしょうか。

    今回は、データを活用した分析の重要性や分析方法に加え、採用管理システムや気をつけたい注意点もご紹介します。

    「自社に合った採用管理・分析方法を知りたい」「採用管理・分析にExcelを使用しているが、さらなる効率化を図りたい」という方にもおすすめです。

    この記事を読んで、データ分析を効率的に行い、より良い採用活動につなげましょう。

    採用分析とは?基本をわかりやすく解説

    採用分析

    採用分析とは、データを活用して自社の採用活動の評価を行い、次回の改善を図る取り組みです。

    母集団の形成から採用後の入社までの各プロセスでは、応募者数・内定者数・採用コストなどのさまざまなデータが収集できます。

    データから分析することで、採用プロセスの効率化や、より効果的な採用活動につなげられるでしょう。採用の質向上という点でも、面接での直感的な判断以外に、データに基づいた意思決定が可能です。

    なぜ採用分析が必要なのか?その重要性

    データ分析によって採用における課題点が明確になり、改善策が立てやすくなります。

    「書類選考に時間がかかる」「求人媒体の費用対効果が思わしくない」などの課題を知れば、プロセス・コストの効率化の一助となるでしょう。

    他にも、成果を挙げている社員の採用時のデータから、自社に合った優秀な人材確保のための傾向をつかめます。

    積極的な採用分析こそが、採用活動の質の向上や、人事担当者の負担軽減につながるのです。

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    採用分析に用いるデータの種類

    ここでは、採用プロセスで得られるデータ項目の例を、代表的な3つの種類に分けて紹介します。

    母集団に関するデータ

    母集団に関するデータには、以下のような例があります。

    • 応募者総数
    • 求人サイトや広告、自社ウェブサイトなど媒体別の応募者数
    • 求人サイトにおけるスカウト送信数
    • 採用イベント参加者数
    • 説明会参加者数 など

    コストや時間に関するデータ

    コストや時間に関するデータは、以下のような例が挙げられるでしょう。

    • 求人サイトや広告の媒体別の利用費用
    • 採用イベントや説明会の開催費用
    • 一人あたりの採用コスト
    • 人事担当者の人件費
    • 採用プロセス間の日数
    • 採用業務にかけた時間 など

    選考に関するデータ

    以下、選考に関するデータの項目例です。

    • 採用要件のクリア数
    • 各選考過程の通過者数
    • 各選考過程での辞退者数
    • 面接官ごとの面接回数
    • 面接官ごとの選考結果
    • 内定者数
    • 内定辞退者数 など

    採用活動におけるデータの分析手法

    今回は、5つの観点での分析方法を解説します。これらのデータを毎年記録として残しておけば、前年対比も算出できるため便利です。

    採用分析

    応募経路ごとの人数や採用率

    広報手段や採用ツールにおける採用率を明らかにすると、採用過程のどこを強化すべきかわかります。

    まず必要なのは、求人媒体、合同説明会、大学の就職課など、利用している経路すべてでの応募者数と採用者数のピックアップです。

    次に、経路別の採用率を下記の計算式を使って求めます。

    採用者数÷応募者数×100

    最後に、経路別の採用率を比較して課題を探りましょう。採用率が低いツールに対し、プロモーションの仕方を見直すきっかけになります。

    また、採用率が高いツールはその理由を探り、強みを伸ばしていくことで今後の利用に活かせます。

    求人媒体の費用対効果

    求人サイトや求人広告のコストに対し、見合う結果が出ているか分析しましょう。

    あらかじめ1求人媒体あたりにかかった費用と、その媒体経由で採用した人数を確認しておきます。

    1求人媒体の費用対効果(1人あたりの採用単価)を算出できるのが、下記の計算式です。

    1求人媒体にかけた費用÷1求人媒体経由の採用者数

    1採用者あたりのコストや各求人媒体の費用対効果を知ることで、今後の媒体利用の方針について検討できます。

    費用対効果が思わしくない求人媒体では、プランの見直しを行うなど改善を行いましょう。

    選考ステップごとの歩留まり

    歩留まり率とは、各選考の通過者数の割合のことです。人数の推移を把握すると、各ステップでの課題が自ずと見えてくるはずです。

    歩留まり率の算出には、以下の計算式を利用します。

    選考A過程の通過者数÷選考A過程の対象者数×100

    歩留まり率を求めることで可視化される課題は、プロセスごとで異なります。

    例えば、説明会参加者の1次選考への参加率が低いとわかった場合はどうでしょうか。

    説明会の内容を見直す、1次選考エントリーまでの導線を整える、日程調整のスピード感を上げるなどの改善点が挙げられます。

    採用にかかった時間とコスト

    人事担当者の業務で時間を要している部分を発見するなど、人事データ分析も採用活動の効率化に有効です。

    面接の日程調整に時間がかかっているとわかれば、採用システムなどのツール導入を検討することもできます。

    また、下記の計算式で、1採用者あたりにかけたコストを算出できます。

    採用プロセス全体にかけたコスト÷採用者数

    求人サイト・広告費用やパンフレット制作費といった外部コストのみではなく、人事担当者の人件費や、懇親会の費用などの内部コストも含むようにしましょう。

    自社の規模に合った時間・コストで採用が叶っているかが判断でき、課題点を見つけるきっかけにもなります。

    早期離職や内定辞退の割合

    早期離職者や内定辞退者が多くなった際、要因を探るためにデータ分析が有効です。面接の内容や採用基準の見直しなど、課題点を見極めましょう。

    内定辞退者数の割合の算出には、以下の計算式を使います。

    内定辞退者数÷内定者数×100

    内定承諾率が低いケースでは、最終選考時に意向上げをする、内定通知の方法を変える、内定者フォローに力を入れるなどの改善点が挙げられます。

    また、入社3年以内で辞める早期離職者数の割合は、期間を定めたうえで以下のように算出しましょう。

    ある年度入社の社員のうち3年以内に退職した人数÷ある年度に入社した社員の総数×100

    早期離職者や社内全体に対するアンケート調査でも、退職の理由やきっかけの傾向が探れます。

    労働時間や休日、給与面などに対する想いを、多角的にヒアリングすると良いでしょう。「実際の声」を取り入れることで、改善点がより明確になります。

    採用分析のやり方をステップで解説

    採用分析

    効果的な採用分析においては意識したいステップがあります。以下の3つが、データの活用の基本です。

    目的をはっきりさせる

    自社の採用活動において解決したい課題や、達成したい目的の明確さが重要です。データ収集・分析には時間がかかり、すべて網羅することは現実的ではありません。

    まず「採用コスト」、次に「時間効率化」など、自社の課題に優先順位をつけ、最小限のリソースで分析できるようにしましょう。

    必要なデータを集めて可視化する

    データの参照元を定義する、取得タイミングをそろえるなど、データの収集方法を一貫しましょう。年度や担当者により方法が異なると、整合性が保たれず、効果的な分析ができません。

    また、数字で把握できる定量データ以外に、アンケートで得られるコメントなどの定性データの活用も大切です。

    気になる数字を深掘りして改善案を考える

    自社の課題・目的に合った数字や、例年と比べて異なる点を深掘りしましょう。

    例えば「母集団が集まらなかった」結果を振り返るとします。

    すると、例年よりも競合他社が採用枠を広げた、求人媒体の掲載数が多かったなど、何らかの要因が挙げられるはずです。

    多角的に要因を探ることで本質的な課題が見え、改善案も立てやすいでしょう。

    採用活動後は、応募数、離脱率、採用単価などを分析し、「採用活動の振り返り」として次回の計画に役立てましょう。課題を次年度の改善につなげることで、採用力が強化されます。

    よくある課題別に見る!分析で解決できること

    ここからは、データ活用と分析で改善が期待できる、採用活動の3つの課題について解説します。

    実際の採用活動改善の事例も交えながら、どのようにデータが活用されたかを見ていきましょう。

    歩留まりが悪い原因をつきとめる

    歩留まり率を算出し、採用プロセスのどの部分に問題があるか把握できれば、改善案が立てやすくなります。

    たとえば、応募から説明会への歩留まり率が悪い場合は、開催スケジュールを見直すなどの策で対応できるでしょう。

    採用プロセスの他、面接官によって歩留まり率が異なるケースも考えられます。

    その際は、面接官によって判断にばらつきが出ないよう、改めて社内全体で採用要件をすり合わせることも必要です。

    実際に、ある企業では説明会から選考への歩留まりが課題となっていました。分析の結果、応募者との接点が限られていたことが原因と判明。

    そこで、プロモーション施策を改善し、外部の採用アウトソーシングサービスを併用することでアプローチ数を拡大しました。

    結果、歩留まり率は前年比146.7%まで向上。採用プロセス全体を見直すことで、歩留まりの大幅な改善につながった事例です。事例の詳細を見る

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    内定辞退や早期離職を防ぐための対策

    内定辞退率や早期離職率のデータをもとに、採用候補者と自社の認識とのミスマッチ防止を図り、より自社に適性のある人材確保を行うことが大切です。

    採用プロセスに問題がある可能性を考え、歩留まり率のデータを活用することも一つの手でしょう。また、内定辞退や早期離職について客観的な判断をするには、他社のデータと比較するのも有効です。

    費用対効果の高い媒体を見つける

    費用対効果の算出から、活用しやすい求人媒体を知ることができます。自社の採用における強みの一つとして位置づけ、これまで以上のプロモーション施策を打つことも可能です。

    データ分析により、根拠のある採用ツールを知ることで、採用活動全体におけるコスト削減と効率アップが見込めます。

    採用分析をラクにするおすすめツール紹介

    採用分析

    業務効率化しながら自社に合う人材確保を目指す「採用DX」に役立つのが、ツールやシステムです。

    採用分析ツール・採用管理ツールには無料で使えるものもありますが、自社に合うかどうか比較して導入することが大切です。

    採用分析に使えるExcelフォーマット・テンプレート例

    数値や情報を一元管理できるExcelテンプレートは、Microsoft Officeが導入されている企業であれば追加コストなしで使えて便利です。

    採用分析に活用できるフォーマットとして、応募者数の推移、選考通過率、コスト計算用などのシートが活用されています。

    また、採用管理から分析まで、採用管理のためにさまざまなExcelテンプレートを提供しているウェブサイトもあります。

    自社の採用活動に合わせてカスタマイズできたり、グラフ化して見やすくできたりする点がメリットです。

    Googleアナリティクスで採用サイトを分析

    自社サイトのページビュー数やユーザーの動線を知りたいときは、データ分析ツールのGoogleアナリティクスを使うと良いでしょう。

    どのような経路で自社サイトに訪れているか、どのページを見たあとに応募ボタンを押しているかという行動を知ることもできます。

    離脱率が多い、ターゲット層に合うコンテンツが作れていないなど、自社サイトにおける課題の発見にも役立つでしょう。

    ATS(採用管理システム)で採用分析が効率化できる理由

    便利な分析ツールが搭載された採用管理システムの導入により、採用分析の効率化が期待できます。採用管理システムは、応募者や内定者の情報管理が可能です。

    他にも、求人募集や選考の進捗管理、応募者へのメールなど各採用プロセスの業務に役立つ機能があります。

    下記のページでは、採用ツールのトレンドである採用管理システムの料金や特徴の比較をしています。人気度やランキングのみで採用管理システムを選ばず、自社の課題・目的に沿ったものであるか見極めましょう。

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    採用分析の注意点とよくある落とし穴

    採用活動を改善するためのデータ分析ですが、注意点もあります。

    分析が目的になってしまう

    データの収集や分析に時間をかけすぎて、課題を見つけ、改善策を考える時間が短くなってしまうケースがあります。

    分析のみに時間をかけすぎず、当初の目的から逸れないよう分析をしましょう。

    曖昧な考察のまま終わらせてしまう

    ただデータをまとめるだけで、曖昧な考察のまま分析を終わらせないよう注意しましょう。

    導き出された数値が、競合他社や自社で掲げた目標と比べてどうかといった多角的な視点が必要です。

    まとめ

    採用データ分析の重要性と手法について詳しく解説しました。自社の採用プロセスの課題や目的に沿ってデータ収集・分析を行い、採用活動を改善しましょう。

    また、自社に合った採用分析・採用管理ツールの導入で、分析効率が上がる可能性もあります。

    注意点に留意しながら分析・改善を繰り返し、より良い採用活動につなげましょう。

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