デザイナー採用は難しい?成功させる3つのポイントと採用手法も紹介

デザイナー採用

近年インターネットにおけるビジネスが主流となり、WebやUI/UXデザイナーの需要が高まっています。それに伴いデザイナーの採用に苦戦する企業が多くなっているのが現状です。

「デザイナーを採用したいけれど、求人サイトなどでは採用が厳しい」と悩まれている人事担当者も多いでしょう。

デザイナー採用が難しいとされている理由にはいくつかあり、この記事では理由や原因とともにデザイナー採用を成功させるポイント、おすすめの採用手段なども紹介していきます。

デザイナー採用が難しい理由と原因

デザイナー採用 難しい理由

なぜ「デザイナー採用が難しい」とされているのでしょうか。ここでは、デザイナー採用が難しい理由と原因について紹介していきます。

デザイナー人口が少ないことによる競争率の高さ

経済産業省の「デザイン政策ハンドブック2020」によると、2005年から日本のデザイナー人口は右肩上がりに増加しています。2005年の16万人から2015年には19万人に達しています。

デザイナー人口は増加傾向にありますが、2016年の時点で約4万人であり、全産業の約5,600万人に占める割合は約0.07%と非常に少ないのが現状です。

ただでさえ数の少ないデザイナーの中から、企業側は自社の人材要件に見合った求職者を探し出す必要があるため、採用の難易度は高くなるのです。

働き方の多様化

デザイナーの働き方が、多様化しているのもデザイナー採用が難しい理由の1つでしょう。副業やフリーランスといった、1つの企業に属さない働き方を選択するデザイナーが増えています。

また、株式会社デイトラが「現在の職種を教えてください」という全国のフリーランスを対象に行なった調査によると、ライターに次いでデザイナーが占める割合が多いことがわかりました。

このことからもデザイナーは、他の職種よりフリーランスになる傾向が比較的高いことが分かります。さらに、働き方改革によるリモートワーク推奨などの影響で、働き方の多様化が進むとスキルを持つデザイナーがフリーランスとして働く流れは増える一方でしょう。

専門性の高いデザイナーの見極めが難しい

デザイナーといってもグラフィック・Web・UI/UXデザイナーなどさまざまあり、デザインの対象によって必要なスキルも異なります。企業側は新しくデザイナーとして人材を起用する際に、自社の求めるスキルを持っているデザイナーを探す必要があるでしょう。

しかし、総合的なデザイナーの実力は成果物だけでは判断しにくいため、経験やスキルを持つデザイナーを見極めるのが難しくなります。特にデザイナー採用の経験が少ない企業の場合は、専門性の高い職種であるデザイナーを候補者の中から見極めるのは厳しいでしょう。

デザイナー採用に必要な基礎知識

デザインに馴染みのない人事担当者にとってデザイナーは、採用が最も難しい職種の1つといえるでしょう。ここでは、デザイナー採用に必要な基礎知識について紹介していきます。

採用計画

まずは、デザイナーを採用するにあたり自社の採用計画を立てる必要があります。採用人数や予算、採用するまでの期間など事業計画に沿って大枠を考えましょう。経験もスキルもあるデザイナーは、報酬が高くなる場合があります。

少人数で優れた人材を求めるのか、自社育成を視野に入れて人数確保を優先するのか、といった採用計画が重要になるでしょう。

デザイナーの採用要件の明確化

企業にとってどのようなデザイナーを採用したいのか、という採用要件を明確化しましょう。主なデザイナー要件の設定には、年齢・仕事内容・求める経験やスキル・人物像などが挙げられます。こういった要件の設定を明確にすることで、入社後のミスマッチ防止にも繋がるでしょう。

また、設定した要件を全て満たすデザイナーは希少なため、要件の中で優先順位をつけて、どこまでのラインを満たしていれば採用できるのかを決めておく必要があります。

採用の手法を検討

デザイナー採用の手法はさまざまあるため、求めるターゲットによって変えるのがおすすめです。デザイナー採用をすでに行なっている企業であれば、求人広告など自社で完結できる方法で問題ありません。

しかし、デザイナーが自社にいない場合、デザイナー採用の知識が浅いため人材紹介などのエージェントを頼るのが望ましいといえます。

採用したいデザイナーに向けた広報活動

採用手法を決めたら採用したい人材に向けた広報活動を行ないます。採用手法と同じように、自社が求める採用したいターゲットに合わせて決めるのが良いでしょう。デザイナーが魅力を感じるような内容にすることで、自社に対して興味関心を持ってもらえます。

自社の制作物、自社デザインチームのメンバーや人柄、給料や待遇などデザイナーとして働くうえで知りたい情報を積極的に発信していくことが大切です。

デザイナー採用を成功させるポイント

デザイナー採用を成功させるポイントとしては、デザイナーが何に魅力を感じているのか理解する必要があるでしょう。デザイナーが魅力に感じることを理解し、アピールできれば企業が求める人材の確保に大きく影響します。

デザイナーの働き方

デザイナーの仕事は、必ずしも会社に出社する必要がなくパソコンさえあればどこでも業務に取り掛かれます。そのため、状況に応じてリモートワークができる環境はデザイナーにとって重要です。

また、デザインのアイデアが浮かび一気に作業を進めたい時など、自分で労働時間を決められるフレックスタイム制度を導入している企業は、クリエイティブさが必要なデザイナーにとって魅力的といえます。デザイナーの働き方を考慮することで、優秀なデザイナーの確保に繋がるでしょう。

デザイナーの働く環境

デザイナーは、長時間座ったままパソコンと向き合う仕事です。体に負担がかからない椅子の購入や、効率よく作業を進めるためのソフトを購入できるなど、企業側からの費用補助があるのもデザイナーにとって魅力を感じるポイントになります。

デザイナーが働く環境をより良いものにするための体制を充実させることが大切です。

デザイナーが身につけられるスキル

デザイナーは、自分が企業から何を求められているのか、その企業に勤めることでどのようなスキルを身につけられるのか知りたいと思うでしょう。デザイナーの仕事は、専門的なスキルを要するため、常に技術の向上を目指していく必要があります。

任せる業務内容を明確にすることで、デザイナー自身がキャリアを積むためにどのようなメリットがあるのか、というのを想像できるため、企業への応募に繋がる可能性が高くなるでしょう。

デザイナーのスキルを見極めるコツ

専門性の高いデザイナーのスキルを見極めるのは、簡単なことではありません。ここでは、デザイナーのスキルを見極めるコツについて紹介します。

ポートフォリオの提出

ポートフォリオとは、デザイナーにとって履歴書のようなものであり、これまでに携わった仕事や作品、経歴、スキルなどをまとめた資料です。デザイナーのスキルを確認する資料のため、必ず提出してもらうようにしましょう。

社内にいるデザイナーの協力

社内にデザイナーがいる場合は、採用活動に協力してもらうのもおすすめです。すでに業務に携わっているデザイナーには、企業の業務に関する知識や経験があるため、応募者が自社にマッチしたデザイナーなのか正しく見極めることができるでしょう。

業務の一部を実際に依頼してみる

デザインの業務には、実制作以外にも自社のチームやクライアントへの提案、課題のヒアリングなども含まれます。こういった対人能力は、ポートフォリオだけでは確認できません。

そのため、フリーランス・副業人材の場合は一度、業務委託契約を結び実務のスキルや人柄を確認してから採用するか検討するのも良いでしょう。

デザイナーの採用におすすめな採用手法

デザイナーは、これまでの採用手法では難しいとお伝えしました。ここでは、具体的にどのような採用手法があるのか紹介していきます。

求人媒体

求人媒体に費用を支払って、求人情報を掲載してもらう採用手法です。媒体側が求人を作成してくれるので、手間はかかりません。コストパフォーマンスを高めるため、活用する場合はデザイナーに特化した採用媒体を選ぶようにしましょう。

ダイレクトリクルーティング

自社にマッチしたデザイナーの候補者を企業側が探して、直接自社の魅力をアプローチする手法です。求人を出してただ待っているだけでは、希少なデザイナーを採用競合が多い状況の中、獲得するのは非常に難しいでしょう。

手間のかかるデザイナー採用の手法ですが、採用コストを抑えるためには有効な手段といえます。

こちらの記事では、中途採用で利用できるダイレクトリクルーティングサービスについての比較を解説しているので、デザイナー採用の媒体選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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転職エージェント(人材紹介)

転職エージェントの利用や人材紹介会社に紹介してもらう手法もデザイン採用において有効といえるでしょう。どちらも他の手法に比べコストが高くなるのが難点ではあります。しかし、質の高い人材や企業の要望に沿う人材の紹介をしてもらえます。

リファラル採用

すでに企業で働いている社員に知人や友人を紹介してもらう手法で、事前に候補者の人柄やスキルを確認できます。リファラル採用は、採用コストの削減や転職サイトに登録をしていない潜在層にもアプローチ可能な点がメリットです。

ただ、リファラル採用について、まだよくわかっていない方もいるでしょう。こちらの記事で、リファラル採用の特徴やメリット、デメリットを解説しているので、あわせて読んでみてください。

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採用代行・採用アウトソーシング

フリーランスへの業務委託・社外の企業に業務を外注する手法になります。迅速に人材リソースを確保して業務の効率化を図ることが可能です。フリーランスへの業務委託の場合は、関係性が構築できれば、そのまま社員として採用する事例もあります。

弊社キャリアマートでは、採用代行(RPO)サービスを行っております。採用にかかるルーチンワークなどをアウトソースすることで、面接などのコア業務に集中して採用を進めることができます。

詳しいサービス内容や料金プランなどは、下記ページをご参考ください。

採用アウトソーシング・採用代行(RPO)サービスの内容はこちら

デザイナー採用の成功事例

ここでは、難しいといわれているデザイナー採用に、成功した企業の事例を紹介していきましょう。

株式会社Another works

株式会社Another works

株式会社Another worksは、創業当時に資金の余裕がなく、報酬などデザイナーに有利な条件を提示することができませんでした。そこで、正社員の採用ではなく業務委託や副業の人材採用に切り替え、雇用形態に関係なく求人を出せる採用手法を利用しました。

採用プランニングチームを立ち上げ、記事を毎週投稿しリファラルやスカウトを活用して、能動的に採用広報を続けた結果、創業から1年で4名のデザイナー採用に成功しています。

株式会社セブンデックス

株式会社セブンデックス

株式会社セブンデックスは創業した当初、リファラルを中心にWebとアプリ系デザイナーの採用を行なっていましたが、事業の成長とともに採用のペースが追いつかなくなりました。応募の人数を増やすため、クリエイティブ職種に特化した採用手法を取り入れることにしたのです。

事業で培ったノウハウを活かしながら求職者の情報や課題を集め、仮説検証をもとにスカウト文面などを作成しました。結果、PM/UXデザイナー2名とUIデザイナー3名の採用に成功しています。

優秀なデザイナーに自社を選んでもらうためには

デザイナー 選ばれるには?

需要が高まっているデザイナーを採用する場合、企業側が候補者に選ばれているといっても不思議ではありません。そのような中で、自社をどれだけ魅力的にアピールできるかが大きな鍵となります。

自社の魅力を言語化し、企業のビジョンさらにはカルチャーなどに共感してくれる求職者にアピールする必要があるでしょう。

まとめ

難しいといわれているデザイナー採用の基礎知識や成功させるポイント、採用手法などについて紹介しました。デザイナーの需要は今後も高まっていくでしょう。

そのような中で、他企業との差別化を図るためにも人材ニーズを掴み、デザイナーが求めていることや望んでいる働き方について常にアンテナを張り情報を収集することが、採用活動において重要といえます。

今回紹介した内容を参考に、自社の魅力を積極的に発信し優秀なデザイナーの獲得に繋げましょう。

WebデザイナーなどのITスキルを持った人材をお探しなら、こちらの記事で採用手法ごとにおすすめの媒体を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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