昨今では、企業が用意した採用枠数よりも求職者の数が少ない売り手市場が続いており、2023年3月卒もこの状況は変わらない見込みです。そのような状況の中で母集団形成がうまくいかず新卒採用に頭を悩まされている方も多いでしょう。
そこでおすすめなのが新卒採用に強いとされている学生送客サービスです。学生送客サービスとは、自社のイベントなどに学生を送り込むサービスのことを指しています。この記事では学生送客サービスの特徴やメリット、他の採用手段との違いを紹介していきましょう。
学生送客サービスとは
学生送客サービスとは、企業が求める理想の人材に当てはまる学生をインターシップや会社説明会などのイベントへ送り込んでくれるサービスです。
学生送客サービスの提供企業は独自の学生データベースを活かし、それぞれの企業が希望する学生の集客に努めています。自社だけで学生の母集団を形成するのが難しい場合におすすめです。
学生送客サービスの特徴
学生送客サービスには主に3つの特徴があります。以下でそれぞれの特徴について紹介していきます。
費用は成功報酬型
新卒採用に強い学生送客サービスは、送客された人数に応じて費用が発生する初期費用0円で始められる成功報酬型のケースがほとんどです。そのため、無駄なコストをかけず、効率的に学生を集客することができます。
採用ニーズに合致した学生を集客できる
学生送客サービスでは、学生を登録する際、カウンセラーとの面談で希望の職種や業界を事前にヒアリングしています。
さらに、あらかじめ大学や学部などで応募者をふるいにかけるスクリーニングが可能なため、工数をかけずに自社の採用ニーズとマッチングした学生に出会える可能性が高くなります。
希望のフェーズや目的に合わせたプランを選べる
採用活動には会社説明会やエントリー、イベントの開催などさまざまな選考フェーズがありますが、学生を送客できるフェーズには縛りがないケースが多いです。
そのため、希望のフェーズや目的に合わせたプランを選べるという特徴があります。サービスによって費用発生の定義が異なるので、気になった送客サービスがあれば問い合わせてみるのが良いでしょう。
学生送客サービスを活用するメリット
学生送客サービスには活用するメリットがあります。以下で紹介していきましょう。
求める人材と出会える
前述したように、学生送客サービスは事前にスクリーニングや学生との面談があるため、自社が必要としている人材に出会える可能性が高いというメリットがあります。「母集団のニーズ比率が低い」「求める人材に出会えない」などの悩みを持っている企業におすすめです。
低リスクで採用活動ができる
こちらも前述したように、学生送客サービスは初期費用をかけずに求める学生と出会えるため、低リスクであることもメリットの1つです。
さらに希望の選考フェーズに合わせてプランを利用できるサービスが多いので、実績に応じた費用のみの発生で安心して採用活動ができるでしょう。
学生送客サービスと他の採用手法との違い
新卒採用に強いとされている学生送客サービスは、他の採用手法と何が違うのでしょうか。以下では、他の採用手法の特徴を説明しつつ学生送客サービスとの違いについても紹介していきましょう。
ナビサイト
ナビサイトとは「マイナビ」や「リクナビ」などのように、企業の求人情報が掲載されているオンラインで閲覧可能なサイトです。学生がスマートフォンやパソコンから個人情報などを入力してエントリーすることができます。
学生送客サービスとナビサイトの違いは費用発生のしかたです。前述したように学生送客サービスは成果報酬型ですが、多くのナビサイトは基本料金が決まっています。
そのため、多くの学生を採用できれば良いものの、期待していたほど採用ができなかった場合に損をしてしまう可能性があります。
合同説明会
合同説明会は企業と直接接触ができるとして学生にとってもメリットが大きい採用手法です。しかし、合同説明会で実際に学生と接触できたとしても、その後のフォローや連絡に時間と手間がかかってしまいます。
その点、学生送客サービスはある程度の業務をサービス会社に任せることができるため、他の採用業務に時間を割くことができるでしょう。
人材紹介サービス
人材紹介サービスとは、希望の学生像をエージェントと打ち合わせして求人依頼をし、登録している学生を企業へ紹介する仕組みの採用手法です。人材紹介サービスは多くの場合、学生の採用が決まると数十万〜100万円前後の費用が発生します。
一方で学生送客サービスでは、1人あたり3万円程度の費用ですむため、比較的低コストで採用活動が行えます。
こちらの記事で、新卒紹介サービスについて17社の特徴をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
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ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、直接企業が学生へアプローチする採用手法です。
ダイレクトリクルーティングは採用したい学生と直接接触できる点がメリットですが、自社の理想となる学生を探して接触するなどの工数がかかるため、人事担当者の負担の大きさがデメリットといえます。
一方で学生送客サービスは面談やスクリーニングなどを送客サービスの会社が行ってくれるため、工数を減らしたい、人事担当者の負担を減らしたい場合は学生送客サービスがおすすめです。
ダイレクトリクルーティングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事で、特徴やメリット、向いている職種について紹介しているので参考にしてください。
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DM
DMは学生が登録している就職サイトなどで、直接送ることができるスカウトメールのようなものです。
DMを利用すれば学生へ直接応募の促しなどができますが、お金をかけてDMを利用するよりも、直接接触ができる会社説明会などへ学生を送客してくれる学生送客サービスを利用する方が効果的かつ効率的といえるでしょう。
学生送客サービスを利用する流れ
学生送客サービスはどのようにして利用するのでしょうか。以下では、サービス利用時の流れを解説していきます。
採用ターゲットのヒアリング
学生送客サービスの利用の前に、まずは自社が希望する学生の特徴などを明確にして、採用ターゲットの絞り込みをします。その他にも、学生に伝えられる自社の魅力やどの段階で学生を送客するかなどの相談も行ってくれます。
申込・送客利用の開始
申込を終えて利用開始されると、インターシップや説明会などのイベントへの学生送客が始まります。イベント開催前には、予約された学生の情報を企業へ共有してくれるため、どのような学生が集まるのかを事前に把握することが可能です。
結果の報告
インターンシップや説明会などのイベントの終了後、学生送客サービス提供企業へ当日の状況を共有します。その後、料金が決まります。
おすすめの学生送客サービス5選
ここからはおすすめの学生送客サービスを5つ紹介していきます。
Unistyle(ユニスタイル)/株式会社ネオキャリア
株式会社ネオキャリアのUnistyleは、学生の就職活動を支援する情報提供メディアです。学生送客サービスの他に、インターンシップ・本選考などの情報掲載や応募者管理、DMの配信など幅広いサービスを展開しています。
学生送客サービスでは、7ヶ月間の間に1企業へ学生を1000人以上送客した実績があります。また、Unistyleに登録している学生の約70%が高学歴層の学生のため、より優秀な人材を集客することができるでしょう。
就職エージェントneo送客サービス/株式会社ネオキャリア
年間の登録学生数が18万人を超える就職エージェントneoの送客サービスは、機電情報系学生を中心に集客とフォローに力を入れているサービスです。
登録している学生はあらかじめ専任のアドバイザーと面談を行っているため、志望する業界や職種などを把握した上で、自社のイベントに送客することができます。
また、大学のキャリアセンターとの連携や地方拠点を活用し、首都圏に限らずさまざまな場所で、1年を通しカウンセリングを実施していることも強みの1つです。
CheerTarget/株式会社Cheer
株式会社CheerのCheerTargetは、初期費用0円で始められる完全成果報酬型の学生送客サービスです。CheerTargetでは、サービス提供会社が保有するSNSアカウントを活用して、企業の採用ターゲットに合わせた学生送客をしています。
ターゲット比率が高い母集団を形成したい、初期費用をかけず効率的に新卒採用を行いたいという方におすすめです。
データベース送客サービス/キャリアパーク
キャリアパークのデータベース送客サービスは、年間で約40万人以上が利用し学生の認知度が高いキャリアパークのデータベースを活かし、新卒または第二新卒の集客をフォローしています。データベース送客サービスの特徴は、圧倒的な送客量です。
就活している学生の70%にアプローチできるため、会社をより多くの学生へ知ってもらえるきっかけとなるでしょう。また、問題が発生した場合などでも、定期的なミーティングですぐに解決できる点が嬉しいポイントです。
キャリアパークの特徴や評判、導入成功事例について知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
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Recruit Hub/しゃんと株式会社
しゃんと株式会社のRecruit Hubは、自社の理想とする学生像をヒアリングした後、スクリーニングをした学生を会社説明会や選考に送客するサービスです。費用は結果次第で発生する成果報酬型のため、低リスクで始めやすいのが特徴といえるでしょう。
また、Recruit Hubは独自に用意したプログラムで学生を教育し、その上で自社へと送客する仕組みがあるため、より優秀な人材の確保が実現できるでしょう。
学生送客サービス活用事例
ここでは、学生送客サービスを実際に活用した企業の事例をいくつか紹介していきましょう。
株式会社グローアップ
採用活動を進めていく中で優秀な学生の集客ができずに悩んでいた矢先、ある学生送客サービスに出会い導入を決意。その学生送客サービスは、登録数の確保だけでなく登録している学生の質も担保してくれていたため、魅力を感じ導入を決めたそうです。
また、目先の目標だけでなく本質的な課題解決をサポートしてくれる担当者がいたことに心強さを感じていたとのことでした。
株式会社ヒロホールディングス
学生送客サービスを利用する前は自社の知名度が低く母集団の形成に苦労していたという株式会社ヒロホールディングス。イベントに参加した際も学生を集めることができず、内定しても辞退のような現状が課題だったといいます。
そこで学生送客サービスを利用し始めたところ、説明会に集客された学生は面談済みだったため生産性が向上し、内定承諾後の辞退も少なくなったそうです。
株式会社Full Bet Group
新たに人材領域に参入することになりノウハウがなく学生の集客が難しく悩んでいた矢先、学生送客サービスに出会い導入。株式会社Full Bet Groupが導入した学生送客サービスは、自社に興味がある学生を中心に集客してくれた点が魅力と話しています。
また、定期的なミーティングが設けられていたため、問題が発生してもすぐに解決でき安心して採用活動ができたそうです。
株式会社CJVインターナショナル
新卒採用を行っていたがニッチな業界で学生の集客に苦労していた企業で、キャリアマートのグループ会社である「就活キャリア」の新卒紹介サービスを導入した結果、初年度から3名の採用に成功しています。
一次選考の段階ですでにスクリーニングされた学生さんが参加されるので、選考途中での辞退や、最終選考のドタキャンなども無くなり、人事担当のスケジュールが立てやすくなった点も非常に満足されていました。
新卒紹介以外にも学生動員サービスや説明会代行サービスを行っていますので、詳しく知りたい方は下記ページをご覧ください。
まとめ
多くの学生送客サービスは初期費用不要で、人材を採用できた時にだけ費用が発生する成果報酬型のため、低リスクで安心な採用活動ができるでしょう。
また、学生との面談やスクリーニングによって、自社の希望に合致した学生を集客できる点も魅力の一つです。ぜひこの記事を新卒採用にお役立てください。
また、学生送客サービス以外にもさまざまな集客方法があります。
こちらの記事で、母集団形成の具体的な手法12選にまとめて紹介しているので、参考にしてください。
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