大量採用を成功させるには?メリット・デメリットと他社の成功事例

大量採用

「今後の事業拡大のため、大量採用がどういったものか知っておきたい」「大量採用は自社にとって適した採用手法なのか」とお考えの採用担当者の方もいるのではないでしょうか。

大量採用を行うことで人材を多く集めることができるため、事業拡大予定のある企業や人材不足で悩まされている企業にとっては有効な手法です。ただしメリットばかりでなくデメリットがあるのも事実です。

この記事では、大量採用のメリットやデメリット、成功させるための効果的な方法や、他社の成功事例を紹介していきます。大量採用を取り入れようと検討されている場合は、ぜひ最後まで読んでください。

そもそもなぜ新卒は大量採用を行うのか?

大量採用 なぜ

企業規模の大きい会社ほど、新卒の大量採用を行う傾向にあります。なぜなら企業規模が大きいと、定年による退職者や転職による離職者が多くなり人材不足に陥ってしまうからです。そのため、企業は人材不足に備えて新卒の大量採用を行なっています。

また、今後の事業拡大を見据えて人材補充が必要な場合や、次世代を担う社員を育てたいという企業の成長戦略の一環から新卒の大量採用を行う場合もあります。

大量採用のメリット

まずは、大量採用のメリットを企業側と求職者側の視点から見ていきましょう。

企業側のメリット

大量採用の企業側のメリットとして挙げられるのは、人材不足に陥るリスクを回避できることです。少子高齢化により、今後若年層の人材不足が予想され、採用市場はどんどん激化していくでしょう。早めに大量の新卒採用を行えば、人材不足になるリスクを回避できます。

また、大量採用をすることで多様な人材を確保でき、個々のスキルや能力に応じて人材配置がしやすくなります。

求職者側のメリット

求職者側のメリットとしては、大量採用のため新卒時に大企業に入りやすいということです。

中途採用であれば、これまで勤めていた企業での経験やスキルが求められますが、学生のうちは仕事に直結する実績がなくても、入社したいという熱意や人当たりの良さ、素直さなどで内定をもらうこともできます。

大量採用のデメリット

次に、大量採用のデメリットを企業側と求職者側の視点から紹介していきます。

企業側のデメリット

大量採用は、採用人数が多い分、応募から内定までの採用活動に費やす時間やコストが大きくかかります。内定までに学生に対して対応することが多く、その分採用担当者を数名確保する必要があります。

また、学生1人に対して割ける時間が限られるため、丁寧なフォローができずに採用をしても内定辞退につながる場合もあるでしょう。

企業側は内定者との関係が希薄にならないよう、内定を出してからも懇親会などを開催して内定者との関係性を築くことが大切です。

内定者懇親会といってもどんな内容でタイムスケジュールを組んで行えばいいのかわからない方もいるでしょう。こちらの記事で、内定者懇親会の内容や流れ、他社事例を紹介しているので、気になる方は参考にしてみてください。

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求職者側のデメリット

大量採用の求職者側のデメリットは、新卒で大企業に入れるチャンスだからこそ失敗できないというプレッシャーがあります。新卒はスキルや経験はあまり重視されてない分、「人間性」で判断される場合もあるため、不合格が続くと自己の価値が見いだせなくなるかもしれません。

また、同時期にほかの企業も採用募集を行うため、就職活動が過密スケジュールになり、体力的にも精神的にも疲労してしまうことも考えられます。

入社してからも同じようなスキルを持つ内定者が多数いるため、「良い評価をもらうには社内競争に勝たないといけない」と、プレッシャーを感じることもあるでしょう。

大量採用を行う企業規模

大量採用 企業

ここでは、大量採用を行う企業規模を見ていきましょう。

大量採用の人数目安・企業規模ごとの人数平均

「○人以上からが大量採用である」という決まりはありませんが、一般的に10人以上の募集から「大量採用」という言葉が使われる傾向にあります。また、会社の従業員の比率に対して募集をかける人数が多い場合にも使われています。

新卒の大量採用を行う業界として、金融・メーカー・ITが挙げられますが、企業規模ごとの新卒採用を行う平均人数は、企業規模100人に対して3~5人です。

大量採用ランキング

ここでは、東洋経済新聞社が2020年11月に発表した「コロナ禍でも新卒を多く採用する会社ランキング」より、上位25社を紹介します。

コロナ禍でも新卒を多く採用する会社

引用:東洋経済オンライン

また、こちらは2022年7月に東洋経済新聞社発表の、20年卒と22年卒の採用数を比較した「コロナ禍でも採用を増やした会社ランキング」になります。

食品関係の企業が多くランクインしていることがわかります。

コロナ禍でも採用を増やした会社

引用:東洋経済オンライン

大量採用における効果的な採用手法

ここでは、大量採用における効果的な採用手法について紹介していきます。

就職サイトや合同企業説明会での告知

大量採用をするためには、学生に自社の存在を知ってもらう必要があります。まずは学生がよく使っているマイナビやリクナビなど大手就職サイトで求人情報を出しましょう。

ただし、就職サイトでは、学生が企業を検索する際に勤務地や業種で絞り込むと自社がヒットせず学生の目に留まらないこともあります。そのため、合同企業説明会に参加し、学生を呼び込んで自社をアピールするのも有効です。

会社説明会を行う

自社に興味のある学生に向けて会社説明会を行いましょう。1度の説明会だけでは自社の魅力を伝えきれないようであれば、選考を進めていく過程でさらに掘り下げた説明会を行うのも有効です。

説明会では一方的に話をするのではなく質問形式にしたり、学生の興味を引きそうな給料形態や離職率などの話をしたりすると、より印象に残る説明会になるでしょう。

効率の良い選考

大量採用ともなると、一人ひとりに割ける選考時間も限られています。選考の労力を減らすためにも、適性検査を導入すると効率良く、面接したい人材かどうか判断できます。

また、採用アウトソーシングを利用すれば、採用計画から内定までワンストップで行ってもらうことも可能です。内定後の内定者研修の企画や実施にも対応しているので、採用担当者の業務負担を大幅に軽減できます。

採用活動を外注すれば、採用活動にかける手間を内定者とのコミュニケーションの時間に費やすことができるため、内定辞退を防ぐことにもつながります。

弊社キャリアマートでは、採用代行(RPO)サービスを行っております。採用にかかるルーチンワークなどをアウトソースすることで、面接などのコア業務に集中して採用を進めることができます。

詳しいサービス内容や料金プランなどは、下記ページをご参考ください。

採用アウトソーシング・採用代行(RPO)サービスの内容はこちら

内定のフィードバック

内定を出すときは、内定に至った経緯や評価のポイントを内定者にしっかりと伝えましょう。大量採用だと、「使い捨て」や「駒扱い」などネガティブなイメージを持つ内定者がいる場合もあります。

「ある程度のレベルがあれば合格を出しているのだろう」と考えている人も中にはいるため、「どうしてあなたを採用したのか」「どういうところが良かったのか」などを丁寧にフィードバックして内定者の不安を払拭するようにしましょう。

内定後のフォロー

学生は複数の企業から内定をもらっていたり、内定を出した後も採用活動を続けていたりすることも考えられます。内定辞退を防ぐためにも、内定後も内定者とコミュニケーションを取ることが大切です。

社員や課長クラスと話す機会を設けた座談会を開催すれば、職場の雰囲気が内定者にも伝わり安心感につながり、職場に入ってからのイメージも描きやすくなるでしょう。

また、大量採用は同期が多すぎて一体感や仲間意識が希薄になる傾向にあります。

内定者同士の親睦を深めてもらうためにも、内定者全員に集まってもらうのではなく、職種別や地域別に分けて内定者懇談会を開催しましょう。それにより内定者同士で仲間意識が強まり、内定辞退を防げる可能性があります。

最近では、SNSを活用して内定者フォローを行う企業も増えてきています。こちらの記事で、内定者フォローに利用できるツールや他社の成功事例を紹介しているので、あわせてご覧ください。

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大量採用の他社事例2つ

ここからは、大量採用に成功した他社の事例を2つ紹介します。

大和ハウス工業株式会社

大和ハウス工業株式会社は、東洋経済新聞社が発表した2021年の新卒の大量採用ランキングで4位に入るほど多くの人数を採用しています。2018年の新卒採用で、新たに3つの採用制度を実施しました。

1つ目は、学生の保護者を対象にした会社説明会です。学生は自身の就職活動について、親に相談をし、アドバイスをもらいながら就職先を決める場合があります。

大量採用は、学生1人に割ける時間が限られており、一人ひとりを大切にする会社であるのか、学生だけでなく保護者が心配することもあるでしょう。

保護者に対し会社概要や業務内容について説明をすることで、会社の正しい理解や不安の払しょくにつながり、保護者が学生の背中を押してくれることも考えられます。

2つ目に、面接で思ったように自分を売り込むことができず、選考に進めなかった学生のために、もう1度面接する機会が与えられる「再チャレンジ選考」という制度を実施しました。

企業側にとっても志望度が高い学生や積極的な学生を受け入れることができるので、企業と学生の双方にメリットがあるといえるでしょう。

3つ目が、地元で働きたいと考える学生に対し、先着順に勤務エリアを確約する「配属エリア先約型採用」を行いました。社会人生活に慣れないうちは、実家から通勤したいと考える学生にとっては、嬉しい制度です。

このように、大和ハウス工業株式会社では、採用制度を工夫して大量採用に成功しています。

日本マクドナルド株式会社

誰もが知っているマクドナルド株式会社も、大量採用を取り入れ成功しています。マクドナルドの場合は、正社員採用ではなくアルバイト採用で大量採用を実施。

学生のアルバイト多くは卒業と同時に辞めてしまう一方、主婦の離職率が低いことから、専業主婦をターゲットに採用の強化を行いました。

主婦たちの採用後のミスマッチを防ぐためにも店員体験をしてもらう工夫をし、安定した数の人材を確保することに成功しました。

中途採用で大量採用を行うには

大量採用 中途採用

中途採用で大量採用を行うには、リストラされた社員や主婦をターゲットにすると良いでしょう。

リストラされた社員は、次の就職先をすぐにでも見つけたいと考える人が多いと考えられます。時間的余裕もないことから、自分が希望する条件をすべて満たしていなくても入社を希望してくれる可能性があります。

社員はこれまでの経験やノウハウを保有しているため、業務内容にマッチしていれば即戦力として活躍してくれるでしょう。ただし、リストラされた理由については事前に確認する必要があります。

主婦も高いスキルを持っている人が多くいます。これまで社会経験を積んできて、結婚や出産を機に仕事を辞めざるを得なかった人もいるでしょう。子どもがいる場合は、生活費や教育費とお金が必要になってくるため、熱心に仕事に取り組んでくれることが期待できます。

まとめ

大量採用を成功させれば、企業は人材不足に陥るリスクを回避することができます。ただし、大量採用は採用に費やす時間や労力、お金が多くかかります。

内定を出してからも、内定者のフォローを疎かにしていると内定辞退につながる恐れがあるため、座談会や懇談会などの方法でコミュニケーションを取る機会を設けるようにしましょう。

しかし、内定者フォローの手段として座談会と懇親会どちらにするべきか迷う方もいるでしょう。こちらの記事で、座談会を行うメリットや形式、他社の事例をまとめているので、あわせてご覧ください。

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