候補者の内定が決まった際は、メールで結果を伝えるのが一般的です。内定を承諾してもらうには、書き方や送る際の注意点を押さえ、速やかにメールを送る必要があります。
しかし、採用担当者の中には、「どんな内容を書けば良いのかわからない」「自社の印象を良くし、内定承諾を得られるメールの書き方を知りたい」という方もいるでしょう。
この記事では、採用通知メールの具体的な書き方や例文、スムーズに送るための工夫などを紹介していきます。
採用通知メールの作成にぜひお役立てください。
採用通知メールとは？
採用通知メールとは、内定者に対して採用の結果を伝えるメールのことです。
交付の義務はありませんが、入社の意思を確かめる方法として多くの企業が通知しています。「採用」を伝える「事務連絡」になるため、伝えるべき内容を簡潔にわかりやすく伝えることが大切です。
加えて採用の場合は、入社への期待や歓迎の言葉を記載すると「自分が必要とされている」と内定者へ伝えることができ、内定辞退を防ぐことにもつながるでしょう。
採用通知メールの基本的な書き方
ここでは、採用通知メールの基本的な書き方を紹介していきます。
応募者への感謝を最初に伝える
まずは、応募や選考に時間を割いてくれたことに対して感謝の気持ちを伝えましょう。自社ならではの言葉を添えて、親近感を持たせることが大切です。
具体的な労働条件や次の手続きについて明確に記載する
採用通知メールには、勤務地、契約期間、給与、休暇などの具体的な労働条件を記載します。
「採用結果」と混同してしまうようであれば、労働条件をPDFでまとめて添付するのもおすすめです。
また、入社までのスケジュールや行うべき手続きもわかりやすく記載しておきましょう。
締めくくりに連絡先や問い合わせ先を記載する
文面の最後に連絡先や問い合わせ先を記載します。
不明点や質問が生じた場合に内定者が自社へ連絡できるよう、電話番号やメールアドレス、部署や担当者の名前などを記載しましょう。
【例文付き】採用通知メールの文例集
ここでは、新卒採用、中途採用、アルバイト採用別に、採用通知メールの例文を紹介していきます。
新卒採用の場合のメール例文
件名：採用内定のご連絡【株式会社□□】
〇〇様
株式会社□□の採用担当△△です。
先日はお忙しい中、弊社の新卒採用面接にお越しいただきありがとうございました。厳正な審査の結果、〇〇様のこれまでのご経験や取り組み、姿勢を高く評価させていただき、弊社社員として内定することを決定いたしました。
つきましては、別途郵送する内定承諾書をご確認のうえ、ご署名をいただき、●月●日までに同封の返信用封筒にてご返送くださいますようお願いいたします。
なお、期限内にご連絡がない場合、辞退のご意思と判断させていただきますことをご了承ください。
ご不明な点等がございましたら、（採用担当者名△△・電話番号xxxx-xxxx）まで、お気軽にお問い合わせください。
なお、今後の予定として●月●日に研修を予定しております。詳細は別途メールにてご連絡いたしますので少々お待ちください。
〇〇様のご入社を、社員一同心待ちにしております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
中途採用の場合のメール例文
〇〇様
株式会社□□の採用担当△△です。先日はお忙しい中を弊社の採用面接にお越しいただきありがとうございました。
選考の結果、〇〇様の〇〇に関するご経験とスキル、取り組み姿勢などを評価させていただき、弊社社員として採用することを決定いたしました。つきましては、入社承諾書を別途郵送いたしますので必要事項をご記入の上、●月●日までにご返送くださいますようお願いいたします。
なお、期限内にご返送がない場合は、辞退のご意思として判断させていただきますことをご了承ください。
ご不明な点等ございましたら、採用担当者名△△までお問い合わせください。〇〇様のご入社を社員一同心よりお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。
アルバイト採用の場合のメール例文
〇〇様
お世話になっております。株式会社□□の採用担当△△です。先日はお忙しいなか当社の面接を受けていただきありがとうございました。
履歴書をもとに選考させていただいた結果、〇〇様をアルバイトとして採用させていただくことを決定しました。初回の出勤日は●月●日を予定しております。●月●日までに一度ご連絡いただければ幸いです。
なお、ご不明点などございましたら採用担当△△まで、いつでもお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
メール文例を使うときの注意点
ここでは、メール例文を使うときの注意点を紹介していきます。
テンプレートをそのまま使用せず自社に合わせてカスタマイズする
例文を使用してメールを作成する場合は、テンプレートがそのままにならないよう注意しましょう。
テンプレートをそのまま使用すると、形式的・事務的で堅い印象を与えやすく、自社の熱意や想いが伝わりにくくなります。
テンプレートをベースに使いつつも、自社に合わせてカスタマイズするのがおすすめです。
応募者の名前や条件に間違いがないか確認する
採用通知メールに記載する名前は、間違いがないよう細心の注意を払う必要があります。
名前はフルネームで記載し、漢字も含めて間違いがないようにチェックしましょう。また、労働条件の内容も、送る前に正しいかどうか確認が必要です。
万が一、実際の条件とは違う内容を記載してしまった場合は、罰則を受けるケースもあります。
過剰にフォーマルになりすぎないように気をつける
丁寧すぎる表現や形式ばった文章は、相手に堅苦しさを与え、自社と内定者との距離を感じさせてしまう傾向にあります。
丁寧な表現は必要ですが、過剰にフォーマルになりすぎず、フレンドリーな空気感を保った文面を作成するのがおすすめです。
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採用通知メールの適切な時期
採用通知メールを送る適切な時期を紹介していきます。
最終選考後、なるべく早めに送る
最終選考が終了したらなるべく早く結果を候補者へ伝えましょう。最終選考から2〜3日以内、遅くても1週間以内には通知できるのが理想です。
内定通知が遅くなると、先に内定をもらえた他社に流れたり、不信感を持たれたりする可能性があります。
応募者の都合を考慮する
採用通知メールには、手続き日や研修日を記載する場合もあるでしょう。そのような場合は、相手の都合を考慮するのが基本的です。
日付の下に「ご都合が悪い場合は調整いたしますので、ご連絡ください。」等の一文を入れておくことで相手に丁寧な印象を与えられます。
メール送付は平日の業務時間中に行う
採用通知メールの送付は平日の業務時間内に行うのが基本的です。
深夜や早朝、休日に送付すると、残業や休日出勤が当たり前の企業だと思われてしまいます。
採用通知メールを送る際に確認すること
ここでは、採用通知メールを送る際に確認することを紹介していきます。
誤字脱字がないか
事務連絡である採用通知メールには誤字脱字があってはいけません。内容が伝わりにくくなってしまうだけでなく、「この会社は大丈夫なのか」と不信感を持たれしまう可能性もあるでしょう。
音読する、紙に印刷してみる、文面を作成した人と違う人が文章を再チェックする、などの方法で誤字脱字の有無を確認するのが有効です。
宛先や名前が正しいか
誤字脱字のチェックと一緒に、宛先や内定者の名前が正しいかどうかを確認しましょう。
宛先や内定者の名前に不備があると「個人情報をうまく扱えない会社」として不信感を与えかねません。
誤字脱字のチェックと同様に、文面の音読や第三者による確認でミスをなくしましょう。
労働条件や次の手続きが正確に記載されているか
労働条件や次の手続きが正確に記載されていないと、今後のスケジュールに支障が出る可能性があります。
また、大きなトラブルが発生する場合もあるため、労働条件や次の手続きについては正確に記載しましょう。
メールのトーンや表現が適切か
内定者に好印象を与え入社意欲を高めるには、適切なトーンや表現を守ることが大切です。
トーンに関しては「丁寧かつ温かみがある」文面が効果的といえます。
カジュアルすぎると信頼感を損ねる可能性がありますが、堅すぎると冷たさや距離を感じさせてしまうでしょう。
表現に関しては、「定型的ではなく一人ひとりにパーソナライズされた」文面が効果的です。
例えば、面接時に言及した内容を取り入れて文面を作成すると、親密な印象を与えることができるでしょう。
問い合わせ先や連絡手段が明記されているか
内定者に不明点や質問が生じた場合、問い合わせ先や連絡手段が不明だと困惑してしまいます。
問い合わせ先は会社でも良いですが、担当者の名前や部署を記載しておくと、連絡があった場合にスムーズに対応可能です。
採用通知メールをスムーズに送るための工夫
ここでは、採用通知メールをスムーズに送るための工夫について紹介していきます。
テンプレートを準備しておく
採用通知メールをスムーズに送るためには、テンプレートの準備がおすすめです。初めての方や人事の経験が浅い方でも簡単にメール送付ができるでしょう。
ただし、テンプレートをそのまま使うのではなく、使いやすくカスタマイズして準備しておくことが大切です。
応募への感謝や自社らしい言葉を添えて作成すると、テンプレートの無機質な印象を与えづらくなります。
採用管理ツールを活用する
採用管理ツールの活用も、採用通知メールをスムーズに送付するために有効です。
応募者とのやり取りや関係者同士の情報共有、タスク管理などを一元管理してくれるため、ミスがなくなるだけでなく、採用業務にかかる負担を軽減できます。
採用管理システムは、自社が求める機能を有しているもの、選考時に使用している他のシステムと連携が取れるものを選ぶのが適切です。
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送信前チェックのリストを活用する
メールの文面に誤字や脱字があったり必要な情報が漏れていたりすると、手続きがスムーズに進まないだけでなく、会社の信用を失う場合もあると説明しました。
そのため、送信前に文面をチェックできるよう、確認用のリストを作っておくのがおすすめです。
オリジナル要素を加えた採用通知メールの作り方
テンプレートを使うと効率的に採用通知メールを送付できる一方で、そのままの使用は候補者に無機質な印象や冷たい印象を与えてしまいがちです。
その場合はオリジナル要素を加えて文面を作成するのがおすすめです。以下で、オリジナル要素を加えた採用通知メールの作り方を紹介していきます。
応募者への個別のメッセージを添える
オリジナル要素を加えた採用通知メールを作成するには、応募者への個別のメッセージを加えるのが効果的です。
過度に砕けた馴れ馴れしい表現は適切ではありませんが、応募者個人に向けたメッセージは、相手に対する配慮の気持ちを表すことができ、入社意欲も高まるでしょう。
企業のビジョンや魅力を織り込む
採用通知メールに企業のビジョンや魅力を織り込むことでも、文面にオリジナリティが加わります。
企業のビジョンや魅力を候補者へ伝えると「自分が自社で働き貢献している姿や未来」をイメージさせやすくします。
採用通知メールは「結果報告」のためのツールであることは前提ですが、自社の魅力を再度認識してもらう機会にもなりうるのです。
社内イベントや入社後のサポート情報を簡単に記載する
文面にオリジナリティをもたらすだけでなく、情報発信できるツールとして、社内イベントや入社後のサポート情報を簡単に記載しましょう。
候補者は、入社に対して不安や緊張を感じている場合が多い傾向にあります。
少しでも不安を払拭して、候補者の期待を高められる採用通知メールの作成が大切です。
採用通知メールの失敗事例と改善方法
ここでは、採用通知メールの失敗事例と改善方法を紹介していきます。
応募者の名前や宛先を間違える
応募者の名前や宛先の間違いは相手に対して失礼なだけでなく、大きなトラブルを発生させ会社の信用を損なうケースもあります。
メールの作成者とは違うスタッフがダブル・トリプルチェックをしたり、採用担当者の負担が集中しないような環境づくりをしたりすると、このようなミスは発生しにくくなるでしょう。
労働条件や入社日の記載漏れがある
労働条件や入社日の記載漏れのミスをなくすには、確認リストの活用や複数人でのチェックが効果的です。
労働条件や入社日の記載漏れは、今後のスケジュールに大きな影響を与える可能性があるため、きちんとチェックしてから送信するようにしましょう。
テンプレートそのままで機械的な印象を与える
採用通知メールを効率的に送るにはテンプレートの使用がおすすめですが、そのまま使用すると機械的な印象を与えてしまいがちです。
候補者に対する個別メッセージを文面に加えて「あなたは自社が必要としている特別な存在」であることを伝えましょう。
まとめ
採用通知メールは自社の印象を左右し、内定承諾にかかわる重大な役割を持ちます。伝えるべき内容をわかりやすく簡潔に記載するとともに、相手に対する感謝や期待を込めましょう。
加えて、誤字脱字や適さない表現・トーンの文章に注意しながら、候補者が気持ちよく入社できるよう丁寧に作成すべきです。
テンプレートをベースに作成したり、ダブルチェックをしたりして、確かなクオリティのメールを送りましょう。
採用通知メールを作成する際はぜひこの記事を参考にしてください。
今回のテーマは「理想の採用担当者・ざんねんな人事にならないための行動ポイント」です。 会社説明会や面接などで顔を合わせ、電話やメールで連絡を取る。採用の現場で応募者と接するのは、常に採用担当者です。つまり、採用担当者は「会社の顔」とし[…]
