採用がうまくいかない原因を工程別に解説|すぐ実践できる改善事例

採用がうまくいかない

「求人を出しても応募がない」「内定辞退が相次ぐ」といった、採用が取れない悩みを抱えていませんか。

今回は、新卒採用や中途採用がうまくいかない企業に共通する課題や原因を洗い出し、採用成功へ導く具体的な改善ポイントをフェーズごとに詳しく解説します。

また、実際に成果を上げた企業の事例も見てみましょう。

採用活動がうまくいかない原因を追究し、どこをどう見直すべきかのヒントにして、より良い人材を確保するきっかけにしてください。

– 採用がうまくいかない原因を工程ごとに分解して把握できます
– 採用課題ごとの具体的な改善策や対処方法が理解できます
– 実際に改善に成功した企業の事例から現実的な解決ヒントが得られます
– 応募が集まらない・辞退が多いなど採用の悩みを抱えている人事担当者
– 採用活動を改善したいが、どこから手をつければいいか迷っている中小企業の人事
– 実例やチェックリストをもとに、再現性のある採用改善策を知りたい方
目次

採用がうまくいかない企業に共通する背景とは?

採用がうまくいかないというのは、言い換えると企業の存続が危ぶまれるということです。はじめに、採用がうまくいかないと悩む企業に共通するポイントを見ていきましょう。

なぜ「採用できない」状況が続くのか?中小企業の実情

日本には300万社を超える中小企業があり、国内の約99.7%以上を占めています。

しかしながら、少子高齢化が進む近年は採用状況が難しくなっており、中小企業の多くが人材確保に苦戦しています。

中小企業が安定して人材を確保し企業を存続させるためには、採用活動に力を入れなければいけません。

採用市場の変化と人材獲得競争の激化

近年、採用市場は大きく変化しています。デジタル化の影響を受けてITスキルのある人材に需要が集中し、エンジニアなどの専門職では、企業同士の人材獲得競争が激化しています。

また、都心部に人口が集中していることから、地方の中小企業においては人材確保がますます困難な状況です。

応募数の不足は採用全体の構造課題かもしれない

応募数が少ない原因は、単に求人票の内容だけでなく、採用計画や広報戦略、選考プロセスなど、採用全体の構造に課題がある可能性があります。

各工程を見直し、中小企業ならではの魅力を伝えると、応募数の向上につながる一歩となるでしょう。

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採用がうまくいかない原因はどこに?見直すべき活動ステップ

採用がうまくいかない

次に、採用がうまくいかない原因について見てみましょう。ステップごとに見直すべきポイントは以下の通りです。

採用計画フェーズ|求める人物像や要件定義が曖昧

採用の第一歩として、採用計画を立てます。新卒・中途に関わらず、やみくもに募集をかけるだけではいい人材を採用できないのも当然です。

事業内容や募集しているポジションに合わせて「どんな人材を求めているのか」「いつまでに採用しなくてはいけないのか」「どんなスキルが必要なのか」を明確にします。

募集・広報フェーズ|母集団形成ができていない

募集をかける・広報活動をするという段階では、「母集団形成」が重要です。採用活動での母集団とは、自社の採用に応募する人のことを指しています。

自社に興味を持っており、求めている人材にマッチする求職者を増やす母集団形成は、人材獲得競争が激しい現代において重要なプロセスです。

選考フェーズ|面接官や基準のばらつきがある

採用がうまくいかない原因として、面接ミスがあります。

面接官のスキルが足りず、応募者の強みやスキルを引き出す質問ができないと、せっかく条件を満たす人材の面接をしても採用できない可能性があるでしょう。

また、オンライン面接では対面よりもさらに難易度が高くなります。

内定フェーズ|条件提示・フォロー不足で辞退される

条件に合う応募者に出会えて内定を出しても、辞退されることがあります。同時に複数の企業へ応募している人は、内定を獲得したなかからより条件のいい会社を選ぶからです。

また、内定通知後のコミュニケーション不足により、不安感が強まり内定を辞退することもあるでしょう。

入社後フェーズ|フォロー不足で早期離職につながる

採用活動で自社の魅力を伝えるのは重要ですが、現実を伝えていないとミスマッチを生む可能性があります。

また、入社後に周囲の人から適切なフォローアップがないと、おおむね3年以内といわれる早期退職につながりかねません。

採用がうまくいかない原因【1】採用計画の不備

採用計画の段階での不備は、後の工程に大きな影響を及ぼします。以下のポイントを見直しましょう。

求める人物像が言語化できていない

募集要件が明確ではないまま採用活動を進めると、どんな人を採用していいか見極められないことがあるでしょう。

また、求める人物像についての情報があいまいだと、求職者は入社後のイメージを膨らませられず、応募に至らない可能性もあります。

まずはどんな人物を求めているかを明確にして、正確かつ具体的に言語化しましょう。

採用要件と現場ニーズにズレがある

採用担当者と現場とのあいだで、どんな人材を求めているかが異なると採用がうまくいきません。

また、採用に至ったとしても、実際に現場で求められる役割が異なる場合には早期退職につながる可能性があります。

そのため、人事担当者は現場の声をよく聞き、ニーズに合う求人を作成しなければいけません。

過去の採用データを活かせていない

そのまま同じ手法で採用活動をしていると、気付かないうちにコストばかりがかさんでいたという状況になりかねません。

過去の採用データから必要な工数や予算を算出し、課題を解決する採用戦略をたてましょう。

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採用がうまくいかない原因【2】応募が来ない

応募が集まらない場合、以下の原因が考えられます。原因を特定して対策を講じましょう。

求人内容が魅力的でない

そもそも、求人自体が魅力的でないと、応募は集まりません。また、社内の雰囲気や働いている人の姿がわからないと、どれだけ条件が良くても応募数が増えにくくなってしまいます。

社員インタビューを掲載したり、仕事中の写真や動画を掲載したりと、雰囲気が伝わるような工夫が必要です。

チャネルの選定ミスがある

求人媒体ごとに求職者の年齢層が異なるため、チャネル選定を間違えると応募者は増えません。

若い人材を確保したい場合はSNSや転職サイトに、ミドルからシニア世代に働いてほしい場合は求人誌など、ターゲットにあった媒体に求人を掲載しましょう。

競合と比較されて負けている

競合他社の求人をチェックし、条件が適切かどうか見直しましょう。求職者は同じ業界でいくつもの求人をチェックし、より条件がいい企業に応募します。

そのため、自社の給料、賞与、福利厚生、休日の日数などが他社よりも好条件でなければ、応募は見込めないでしょう。

また、昇給制度の有無や昇給の頻度、勤務時間といった入社後の勤務状況がイメージできる情報を記載しましょう。

採用がうまくいかない原因【3】選考で離脱される

面接では企業が応募者を見極めるのと同時に、応募者もまた企業を選びます。選考が原因で採用がうまくいかないパターンにおける原因と、対策をチェックしましょう。

面接官の質にバラつきがある

面接官のスキル不足により、企業は必要な人材を確保できないことがあります。

また、一次面接・二次面接・最終面接を担当する面接官が異なるため、採用基準にバラつきが生じる可能性もあるでしょう。

採用マニュアルや面接評価シートを作成して全員で共有したり、面接官のトレーニングを定期的に行ったりするのがおすすめです。

選考に時間がかかりすぎている

選考に時間がかかりすぎると、応募者は不合格なのではないかと不安に思ってしまいます。

判断に時間がかかる選考プロセスでは、スムーズな採用活動とはいえません。応募から採用に至るまでのステップや評価基準を見直し、速やかに判断できるようにしましょう。

採用がうまくいかない原因【4】内定が承諾されない

内定を出しても、応募者に承諾されなければ採用に至りません。採用がうまくいかない背景には、内定が承諾されないという原因もあります。

内定理由が伝えられていない

内定を出す際は、応募者に対して内定に至る理由を丁寧に伝えることが重要です。内定を通知する際は具体的に採用理由を伝えることで、応募者は安心します。

面接でとくに評価したポイントや、入社後に期待している役割を伝えると良いでしょう。

フォロー不足で志望度が下がる

内定後のフォローが不足していると、企業に対する不信感が募る要因になりかねません。

入社意欲を維持して内定を承諾につなげるには、応募者の不安や疑問がないかをチェックしつつコミュニケーションをとるようにしましょう。現場の先輩社員や同期と交流する場を設けるのも効果的です。

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採用がうまくいかない原因【5】入社後の早期離職

採用の成功は「定着」して初めて達成されるものです。入社した人材がすぐに辞めてしまう場合、その背景には入社前後のギャップやサポート不足があるといえるでしょう。

入社前と実態にギャップがある

入社前に抱いていた印象と入社後の仕事内容にギャップがある場合は、早期退職につながることがあります。そのため、業務内容や企業の雰囲気が選考の途中で伝わるように、工夫が欠かせません。

職場でのフォローが足りない

入社後は現場でフォローして離職を防ぎましょう。研修やメンター制度など教育体制を整えて、定期的な面談をすることで、社員の現状や不安感を把握します。

また、採用活動においても、入社後に教育体制が整っているというポイントは有利に働くでしょう。

【導入事例】採用課題を解決した企業の改善ポイント

採用がうまくいかない

最後に、キャリアマートのアウトソーシングを活用して採用活動に成果を出した事例をご紹介します。実際に採用課題を抱えていた企業がどのように改善したかを知ることで、自社に活かすヒントになるでしょう。

求人広告の訴求内容を変更したことで応募者が343%に!

セキュリティ・警備業界の「新北斗警備保障株式会社」は、2023年7月に掲載した求人広告で大きな成果を上げました。

従来の募集では「未経験OK」や「面接確約」といった点を強調していましたが、訴求内容を「入社ボーナス」や「安定して働ける環境」など、応募者にとってのメリットや働きやすさといった内容に変更しました。

その結果、社内制度に変更は加えなかったものの応募数が343%にまで増加するという成果を上げています。

導入事例を詳しく見る▶求人広告の打ち出しを変更し、応募者が343%増加!

プロモーションを改善し前年比172.2%の内定承諾率を獲得

福祉サービス業の「ヒューマンライフケア株式会社」では、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、採用活動を見直すことになりました。

さらに、各種プロモーション活動とインターンシップの運営方法を再考し、同時にホームページの内容をブラッシュアップしました。

すると、エントリー率は前年の230%、内定承諾率は172.2%になり、順調に採用活動が改善されています。

導入事例を詳しく見る▶プロモーション改善とアウトソーシング併用で歩留まり前年比146.7%!

スカウト配信代行を導入してエントリー数234%アップ!

母集団形成に悩みを抱えていた情報通信業の「コネクシオ株式会社」は、キャリアマートのスカウト配信代行を利用して応募数を伸ばした実績があります。

導入初年度の3月にスカウト配信をしたところ、1ヶ月で約100名ものエントリーが集まりました。その後も順調に伸び続け、総エントリー率は前年の234%までアップしています。

導入事例を詳しく見る▶スカウト配信でエントリー数234%アップ!

まとめ

採用がうまくいかない背景には、採用計画の不備や応募数の不足、面接・内定・入社後の各段階での課題があります。

中小企業においては、母集団形成や選考スピード、内定者フォローなど、細かな見直しが不可欠です。

成功事例では、訴求内容や採用チャネルの見直し、スカウト配信利用などの工夫により、応募数や内定承諾率が大幅に向上しました。

採用活動の各プロセスを丁寧に見直し、成果につなげてください。

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