さて、今回のテーマは【26卒学生の学生動向】です。コロナ禍も明け、売り手市場・早期化によって昨年よりも内定辞退に悩まされている企業も少なくないのではないでしょうか。
現時点でそうお悩みの方は特に、26卒学生の動きや傾向が今どうなっているか、改めて分析する必要があります。
- 内定率は、どのような変化があったのでしょうか?
- 昨年と比較すると、どのような動きが見えてくるのでしょうか?
今回は、「学生の内定率」や「就職活動実施率」をチェックしつつ、「一体、26卒学生はいつまで動いているのか」をお伝えしてまいります!
26卒の内定辞退率、内定企業数
マイナビの調査によると、2026年卒学生の2025年6月1日時点における内定率は82.4%となり、前年(2025年卒:81.6%)を0.8ポイント上回る結果となりました。
また、インディードリクルートパートナーズの同時期の調査でも同様に81.6%という高水準が報告されており、学生の内定獲得環境は堅調であり、企業側の採用意欲も引き続き高いことがうかがえます。
一方で、内定辞退率に関しては、3月以降は前年(2025年卒)よりも高い水準で推移していたものの、5月以降は落ち着きが見られます。
- 3月18日時点では、2026年卒は31.3%で、前年(2025年卒:27.0%)を4.3ポイント上回る
- 4月1日時点でも、39.7%(前年:34.4%)と5.3ポイント上昇
- しかし、5月15日時点では44.4%と、前年(48.3%)を3.9ポイント下回る
- 6月1日時点でも53.9%と、前年(56.4%)より2.5ポイント低くなっています
これらの動きから、3月~4月は辞退率が高く推移していたものの、5月以降はやや落ち着きを見せていることがわかります。とはいえ、6月時点で内定辞退率が半数を超えている状態であり、今後も最終的に前年の66.9%(2025年卒:10月1日時点)に迫る可能性は十分に考えられます。
このような状況下においては、内定出し後の丁寧なフォローや学生との継続的なコミュニケーションの強化が、辞退防止・歩留まり改善のカギとなることは間違いありません。
データ引用:就職プロセス調査 (2026年卒)「2025年6月1日時点 内定状況」
26卒、結局いつまで動いている?
採用市場が回復し、超売り手市場となっている26卒学生ですが、一体、いつまで就職活動をしているのでしょうか?
26卒6月時点 内定率81.6%
2026年卒学生の就職内定率は、2025年6月1日時点で81.6%となり、前年(2025年卒)の82.4%を0.8ポイント下回る結果となりました。
この数年の6月1日時点での内定率の推移を見ると、2024年卒 79.6% → 2025年卒 82.4% → 2026年卒 81.6%と、高水準を維持しつつも、前年の伸びにやや陰りが見える状況です。
とはいえ、すでに8割以上の学生が内定を取得しており、依然として高い水準にあります。採用活動が早期化・短期化する中で、企業側には早期の接触と選考スピードの確保がより求められています。
データ引用:就職プロセス調査 (2026年卒)「2025年6月1日時点 内定状況」
過去最低の就職活動実施率
以下は、17卒採用時からの就職活動実施率の推移データです。数字を見てもらえればわかる通り、年々早期化していることがわかります。
このグラフで視覚的に26卒の就職活動実施率の推移を見てみます。
動き出しは、25卒時と同じくらいでしたが、その後は、過去の4年間で最も低い活動実施率をたどっており、6月1日時点では、就活をしている学生の割合が3割程度という結果となっています。
参考:就職プロセス調査 (2026年卒)「2025年6月1日時点 内定状況」
長期戦で臨む覚悟は必要
そもそも学生はいつ頃までに就職先を決定して就職活動を終了したいと考えているのでしょうか。
こちらはディスコが実施した調査によるものです。2025年7月時点の調査では、「新たな企業を探しながら持ち駒企業の幅を広げる」学生が33.1%と最も多く、6月(29.0%)から増加傾向にあります。また、「現在選考が進んでいる企業に絞って活動する」学生も22.3%に増え、こちらも引き続き一定数を占めています。
一方で、「志望度の高い企業に絞って活動する」学生の割合は24.1%で、5月(28.5%)からやや減少し、全体として、学生の活動方針は「特定企業への絞り込み」よりも選択肢を広げる柔軟な姿勢へとシフトしていることが読み取れます。
キャリタス就活 2026 学生モニター調査結果(2025 年 7 月発行)
一方で、「1社も内定を保持していない未内定者が内定を得る見通し」についての調査結果では、2026年卒の学生のうち12.2%が「近々内定をもらえる見通しが立っている」と回答しています。
また、最も多かったのは「選考中の企業はあるが、内定が出るかわからない」で57.8%にのぼり、全体の約7割が内定の明確な見通しを持てていない状況となっています。
これは、2025年卒と比較してもやや悲観的な傾向が見られ、「見通しが立っている」と答えた割合は前年の17.5%から5.3ポイント減少しています。さらに、「就職以外の道(進学・留年など)を考えている」学生も16.2%と前年より増加しており、就職活動に対する迷いも広がっている様子がうかがえます。
こうした状況から、2026年卒では、すでに内定を得て就職活動を終えた層と、活動を継続する未内定層との“二極化”がさらに顕著になってきているといえるでしょう。
キャリタス就活 学生モニター2026 調査結果(2025 年 5 月発行)
したがって、まだ採用目標数に到達していない企業にとっては、25卒採用同様に学生・企業双方において長期戦になるのではないでしょうか。
これからの26卒採用の対策
では、そんな長期戦になってしまうかもしれない26卒採用をどうやって乗り切ればよいのでしょうか。
秋採用を行う
留学や研究室等の関係で春には就活ができなかった学生も一定数存在しています。また就職内定率が上昇している今、秋まで就活をする学生の中には、粘り強く根気強い学生もいます。そういった学生に焦点を当てて、秋採用で勝負をかけるというのも一つの手ではないでしょうか。
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長期戦を「短期決戦」に持ち込む新卒紹介
新卒紹介を利用すれば、早期に学生とのマッチングが可能です!
やみくもに母集団を作るだけではなく、母集団内のターゲット学生割合を向上させる施策も必要かと思います。相互にマッチング度合の高い状態で選考を進めることで、内定承諾率の改善を図れるかと思われます。採用にかかるコストも成功報酬型になるので、今から考える募集人数が少人数であるならば、効率的に採用できる最もおすすめの手法となっています。
新卒紹介について詳しく検討したい方は、下記におすすめサービス会社をまとめましたので、合わせてご覧ください!
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成功報酬型のダイレクトリクルーティングサイトを使う
欲しい学生に対して企業側からスカウトやオファーなどでアプローチするダイレクトリクルーティングサイトですが、媒体によっては「成功報酬型プラン」があります。
中でも、OfferBox・キミスカの成功報酬型プランがおすすめです。
一般的に新卒紹介を利用した場合、1名あたりだいたい70~90万くらいが費用相場とされているのに対し、ダイレクトリクルーティングサイトの成功報酬型プランでは、初期費用が別途かかる場合もありますが、1名あたり30万~とコストを抑えて採用活動を行うことが可能となります。
ダイレクトリクルーティングサイト「成功報酬型プラン」について問い合わせる
これからどうなる?27卒
26卒学生の動向を見てきましたが、27卒採用はどうなるのでしょうか?
就活スケジュールはこれまでと変わらない
一般的に、大学3年生の6月にインターンシップ情報サイトがオープンし、それをきっかけに多くの学生が就職活動を本格化させます。
就職活動は大学4年の6月頃に内々定が出揃い、10月の内定式で一区切りを迎えるケースが多い一方で、現在では3年春から動き出す学生や、早期に選考・内定が進む傾向も強まっており、スケジュールは年々前倒し・多様化しています。
インターンシップは必須
インターンシップの開催は、学生のキャリア形成において欠かせない重要な要素です。
キャリタス就活のアンケート調査結果によれば、26卒に続き、27卒の学生も96%以上がインターンシップに参加したいと考えており、その関心は非常に高いことが示されています。
データ参照:キャリタス 27卒学生のキャリア意識やインターンシップ等に関する調査レポート
インターンシップを通じて学生は実務経験を積み、企業文化や職場環境を理解することで、より現実的なキャリア選択が可能となります。また、企業側にとっても将来の人材確保や学生との早期接点を持つ絶好の機会となります。したがって、インターンシップの開催は企業にとって必須事項です。
ここ数年の新卒採用市場は「超」早期化傾向ですので、間違いなく、27卒の採用成功のカギは、このインターンシップです。 本日は、ここ数年のインターンシップ動向を振り返り、そして「勝ち組になる2027卒インターンシップ」の学生からの満足度・[…]
まとめ
26卒採用は長期戦を覚悟しないといけないことが本記事にてご理解いただけたことと思います。
学生傾向的にも市況的にも、企業側から学生に対して、積極的に情報開示を行うことは非常に大切な施策となってきますので、インターンシップの広報、採用活動に関する情報、福利厚生等の就業条件の開示等、「学生に選定される」企業になることを意識して、活動すべきです。
しかしながら、27卒のインターンシップは予定通りにすでに走り出しており、25卒と26卒の採用活動を同時進行にて行わざるを得ない企業も多く存在してくるのではないでしょうか。
先ほどもご紹介したように、27卒が本格化するまえに26卒採用に決着をつけたい!と思っている場合には、新卒紹介がおすすめです。
下記の記事では、新卒媒体と新卒紹介の違いについて紹介していますので、興味がありましたらぜひ一緒に読んでみてください。
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